本部

海域の主

遊人

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
0人 / 0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2015/09/30 13:43

掲示板

オープニング

●海域の主
 それは、深い海の底で静かに肥大していた。
 最初は何の変哲もない小さな存在だった。しかしそこにこの世ならざる者が宿ったことにより、それは徐々に変質を始める。
 宿った者にとって幸いなことに、その場所は生命で満ち溢れていた。他者を喰らい、血肉と骨、それからライヴスを得て、自身をより強大な存在へと進化させようと目論む者にとって、それは絶好の環境だった。
 最初はプランクトンや小魚、続いて同族や自身と同じくらいの大きさのもの。そのうち自分よりも大きな体を持つ者さえ喰らうようになり、更に力を高めていった。
 そうやって少しずつ、少しずつ力を蓄えたそれは、最後にはその場所にいたどの生物をも上回る巨体と、その体躯に見合うだけの潤沢なライヴスを手に入れた。
 胎動するドロップゾーン。そこは、魔の海域と化していた。

●母なる海
「今回の敵は少し厄介かもしれないなぁ」
 人差し指で額をポリポリと掻きながら、HOPE職員は再三資料に目を遣る。
「目標はケントゥリオ級従魔一体とその取り巻きのミーレス級が数体。場所は千葉県南東沖……太平洋の真上、だ」
「海の上での戦い、ということですか」
 ブリーフィングルーム内の誰かが息を呑む。
 人間のテリトリーというものは、島であれ大陸であれ、通常は陸地の上に形成されている。中には海上や海中での活動に長けた者もいるが、それでも海の上というのはそのテリトリーの外であり、今回で言えば敵の領域の中なのだ。まして相手はケントゥリオ級、そのような戦場での戦いを前にリンカーたちも緊張の面持ちだ。
「従魔はケントゥリオ、ミーレスのいずれも魚型。ケントゥリオ級の方はライヴスの収集に伴って体が肥大化していて、シャチとかサメとか小型のクジラくらいのサイズまでデカくなってる。ボートや漁船じゃ体当たりで転覆する恐れもあるから、該当海域までの船は小型か中型くらいの客船を現在手配中。で、問題は……」
「海中を泳ぐ敵とどう戦うか、ですね」
 英雄とリンクした能力者ならば,たとえ海の底でも無呼吸で活動することが出来る。しかし相手が魚型である以上、水中での戦闘は言うまでも無く相手に地の利がある。よほど高い潜水スキルがあれば話は別だが、水中戦では間違いなくこちらが不利だろう。接近できないとなればあとは船上からの遠距離攻撃に頼るしかないが、それも射程外の水深まで逃げられてしまっては手の出しようが無い。
「……確かに、厄介な敵だ」
 リンカーが顔を顰めながらぼそりと呟く。
「このまま戦地へ行っても敵を倒すのは難しい。そこで、こんなものを用意してみたんだ」
 任務の説明に当たっていた職員は、そう言いながら上着のポケットからあるものを取り出した。プラスチックか何かで作られた球状のそれは、コンビニや飲食店に設置されている防犯用のカラーボールに似ている。
「こいつはライヴスの手榴弾みたいなものだ。英雄とリンクした状態でこれを投げると、内部に保持したライヴスを着弾点を中心に炸裂、拡散させることが出来る。炸裂させずに設置することも可能で、その場合は周囲に少しずつ散布する。この任務のために技術班が作った特注品さ」
 説明しながら、職員が実際にライヴスを注入して見せると、ボールは彼の掌の上でライヴスを少しずつ放出し始めた。
「で、こいつをどうするんだ?」
「従魔は自身の存在の維持と強化のためにライヴスを収集する。そんな奴らにとってこのライヴス手榴弾は、大層美味な御馳走に見えるだろう」
「つまり、それは従魔を誘い出すための『餌』、ってことね」
「その通り。こいつを水中に投下して爆発させれば撒き餌に、爆発させずに、例えば頑丈なロープやワイヤーの先に釣針と一緒に取り付けて水面へ垂らせば釣の仕掛けになるって寸法さ」
 なる程これならば、海の中を泳ぐ敵に対する攻撃手段の無い者でも戦うことが出来る。海面近くに撒き餌を散布すれば水中の敵を射程範囲内におびき寄せることが出来る。上手く魚型従魔を釣り上げることが出来れば、無防備な状態の相手をあちらのテリトリーからこちらのテリトリー、船上へ引きずり出すことが可能なのだ。
「戦闘中の細かな作戦やライヴス手榴弾の使い方は君たちに任せるよ。今のところはまだ人的被害は出てないけど、近くの漁師さんたちは漁に出れないばかりか漁場を従魔に食い荒らされて大打撃だ。君らの活躍には期待してるよ」

解説

●目標
 海中に出現したケントゥリオ級従魔の討伐。

●登場

ケントゥリオ級魚型従魔
 深い海底でひっそりと力を蓄えていた従魔。サメやシャチ、小型のクジラほどの巨体を誇る。平常時は海の底に潜んでおり、攻撃の際は浮上し、船体や人間を襲う。
・体当たり
対象一体に小ダメージ。船体に体当たりをした場合船が大きく揺れる。
・噛みつき
 水面から飛び上がり、鋭い牙で獲物を狙う。対象一体に中ダメージ。攻撃後は着水時に隙が出来る。
・増援
 ミーレス級従魔を複数体呼び出す。

ミーレス級魚型従魔
 ケントゥリオ級従魔の支配下にある下級従魔。戦闘開始時にケントゥリオ級と共に現れる他、戦闘中に『増援』によって呼び出される。体は小さく、体力も少ないため一撃で倒せる。
・体当たり
 水面から飛び上がり高速で飛来する。対象一体に小ダメージ。

ライヴス手榴弾
 今回の任務のために特別に作られた道具。個数はクエスト中に限り無限。使用法によって効果が異なる。
・拡散
 投擲、炸裂させることで着弾点を中心にライヴスを拡散させる。撒き散らされたライヴスは従魔をおびき寄せ、小型の敵を一か所に集めることも出来る。
・設置
 ライヴス手榴弾と船に備え付けられたワイヤーを利用して釣りの仕掛けを設置できる。キャラクターの腕力と運次第で従魔を釣り上げることが出来る。

●戦場
 客船クラスの船のデッキ。大きな船のため足場は基本安定しているが、従魔の攻撃が激しくなると揺れで不安定になる。

リプレイ

●海の平和を守るため
 千葉県南東沖、海洋のど真ん中を進む一隻の船。
 それは客船としてはやや小型に分類される大きさだが、それでも乗用車を数十台載せて航行することが可能なサイズだ。
 しかし今、その船内に一般の乗客は乗船しておらず、ここには客船のクルーを除けば八人のライヴスリンカーしか乗っていない。「客船を貸切」と言えば豪勢な響きだが、これからパーティーと洒落込むというわけではない。
 彼らの目的は、この近辺を根城にしている魚型従魔の討伐。
 船は沖を目指して進む。その先に待ち構えているのは、従魔たちが巣食う魔の海域。今はまだドロップゾーン化による影響が顕在していないが、それでも従魔が潜む危険な場所に変わりはない。
 一見穏やかなこの海のどこかに、ケントゥリオ級従魔が泳いでいる。いつ強敵と遭遇しても対応できるよう、リンカーたちは船のデッキでそれぞれ準備に取り掛かっていた。
「『カエデ! 初めての仕事だな!! 思いっきりやってやろうぜ! オレ"たち"に掛かればちょちょいのちょいだぜ!!』」
「『カエデならきっと大丈夫だよ、ボク"たち"がついてるし!』」
 そんな風に言葉を交わす二人、もとい二匹は「うさぎのタナカさん」と「くまのサトウさん」こと紅葉 楓(aa0027)のパペットたちだ。楓”たち”は身体に転落防止用のロープを器用に巻きつけ、しっかりと固定する。
「海って苦手なんだよなぁ。あの足に絡みつく砂がどうにも……いや、まぁ浜辺での話だが」
 ぼやきながら、天野 正人(aa0012)も体にロープを巻きつける。楓と正人だけではなく、能力者たちは全員命綱で自身と船体を結び付けている。従魔との戦闘を考慮した、機動力に支障が出ない程度のものに抑えているが、これで船から海へ転落する可能性はぐっと減るだろう。大きな船のため転覆はしないが、戦闘の衝撃で船体が大きく揺れる恐れがある。戦いの最中で海に落ちてしまう危険性を考えれば備えておくに越したことはない。
「海は……沈んじゃうから、あまりいい思い出はないんだよね……」
 二メートルの巨躯を持つ黄泉坂クルオ(aa0834)は言いながらライフジャケットに腕を通す。ジャケットは能力者用の装備とは違う通常の救命胴衣なので従魔の攻撃の前では普段着も同然だが、こちらも用心のため全員が装着している。
「随分弱気だなあ。今回きみはメインアタッカーなんだ、頼りにしてるよ」
「面倒そうなやつだけどとっとと倒して、とっとと帰ろう」
 クルオの肩をぽん、と叩きながら激励の言葉を掛けるArcard Flawless(aa1024)の隣では夜取 幎(aa0079)がため息交じりに呟く。
それぞれ何かしら手作業をしながら、時には言葉を交わしながら、能力者たちは周囲への警戒を怠ってはいない。船はもうすぐ従魔がいるという海域へ到達する。リンカーたちは敵影を見逃さないよう海面を注視しつつ、今回のミッションのために用意された『特殊装備』を手にしている。
 通称ライヴス手榴弾。海中を泳ぎ回る従魔、という厄介な敵に対応するため今回特別に開発されたアイテムだ。その機能は内蔵したライヴスの拡散。ライヴスの収集を最大の目的とする従魔たちにとって、ライヴス手榴弾によって撒かれたライヴスは格好の餌となるだろう。それを逆手に取って従魔を誘き出そうというのが今回の作戦だ。
「さて、初の依頼だがどうなるかな……?」
「まぁあまり力まずに、自分の実力を出せればいいかな?」
 金鞍 馬頭鬼(aa0309)はへらへらと不敵に笑う。隣に立つフィーネ(aa0610)も、内面をうかがわせない不思議な笑みを浮かべる。
「敵は魚型の従魔でボートや漁船じゃ体当たりでヤバい、と。……元漁師として見過ごせんな」
 浅黒い肌に筋肉質の男がぼそりと言う。「愚神関係の事故がきっかけでH.O.P.E.に入った」という経歴を持つ野路 銀司(aa0138)にとって、海の安全を脅かす今回の敵は確かに看過できない存在だろう。
 既に近辺では、魚型従魔の脅威による漁業、運搬業などの停滞によって経済的な被害が発生している。このまま従魔たちを野放しにしておけば、いずれドロップゾーン化が沿岸部にまで発展して人的被害が出るかもしれないし、もしかしたらそれよりも先に漁師たちの生計が維持できなくなって沿岸地域から人がいなくなってしまうかもしれない。今回の従魔討伐には沿岸の人々の生活が懸かっていると言っても過言ではないのだ。
 そんなライヴスリンカーたちの接近を知ってか知らずか、海の底に居座るこの海域の「主」の方もまた、静かに蠢き始めていた。

●海上の戦い
「索敵は楓に任せときなー。敵さん見つけてやんよー」
 リンク状態になった楓が海面を見渡す。既にいくつかのライヴス手榴弾は散布した。報告にあったような巨大な魚が海面付近まで誘き出されればそれなりに目立つ。索敵担当である楓は目視で敵の姿を探していた。
 その時だった。船の右前方の海面に、不自然な影が浮かび上がる。影は船に向かってゆっくりと動き始め、そのまま徐々に速度を増し――船の右舷めがけて突進してきた。
 船体に巨大な何かが衝突する。衝撃で船が僅かに揺れたが、足元が少しふらついた程度で大したことはない。すぐさま体勢を整えたリンカーたちは、水面から飛び上がる異形の姿を目の当たりにする。
 そのシルエットは確かに魚のそれだが、そのサイズは桁違いだった。なるほど報告の通り、人間の大人をゆうに上回る巨体は魚と言うよりシャチやクジラのようだ。体表にはぶ厚くいびつな形の鱗がびっしりと並んでおり、口からはナイフのように鋭く禍々しい牙が覗いている。異界の力で海域を支配する主、魚型ケントゥリオ級従魔が姿を現した瞬間だった。
 波しぶきを立てながら水面に落ちたケントゥリオ級従魔は、旋回して再度船への攻撃を試みる。その推進速度は先程よりも大分速い。最初の一撃はあいさつ代わりのジャブだったとでもいうのだろうか。
 なんにせよ、このまま敵の攻撃を無視するわけにはいかない。体当たり一つで沈むような船ではないが、先程のような衝撃を何度も食らっていては船体が破壊されて船が沈没しかねない。
 迫りくる巨体を迎撃したのはクルオと銀司だった。クルオは魔法書のページを捲ると、書の力によって構築した剣をケントゥリオ級めがけて射出する。同時に、グレートボウの弦を強く引き絞った銀司が矢を放つ。二人の放った攻撃は魚型従魔にクリーンヒットし、突進攻撃の勢いを大きく削いだ。
 クルオと銀司が敵の足止めをしている傍らでは、馬頭鬼が『仕掛け』の準備を進める。ライヴス手榴弾のもう一つの使い方。海上という、従魔側に有利なテリトリーの中で一発逆転を可能にする策。彼の役目はそれを実行することだ。
 しかし、敵もタダで退治されるはずもない。突進攻撃を阻害された魚型従魔は、海域に潜むしもべたちを呼び寄せた。水面にさざ波が起こる。それらはやがて水飛沫を上げながら水面から飛び出した。
 身構えるリンカーたちに向かって飛び出したのは魚の群れだった。と言ってもただの魚ではない。サイズこそ小さいが、飛来した魚たちはすべてミーレス級の従魔だ。しかも、小さいと言ってもケントゥリオ級と比べて、という話であり、体長はおよそ数十センチはあるように見える。従魔の速度と硬度を考えれば、大きさ数十センチの金属片が無数に降り注いで来るに等しい。
「ふっ、なかなか楽しませてくれそうだ……!」
「いいねぇいいねぇ、ノッてきたぁ!」」
 船上のリンカーたちに迫る小型従魔の群れを、Arcardは拳で撃ち落としていく。続いて、正人が手にした剣を振るって弾き飛ばす。仲間たちの護衛を買って出た二人は、遠距離攻撃担当のクルオと銀司、そして『仕掛け』担当の馬頭鬼に向かっていく小型従魔を次々に蹴散らしていった。
Arcardと正人の攻撃を受けたミーレス級従魔は、一撃でその力を失った。どうやらこの従魔たちは攻撃にのみ特化しているようで、防御力は皆無に等しいらしい。
 再び水面がざわつく。ミーレス級による攻撃の前兆だ。しかし、小型従魔が水面から飛び出すよりも先に、海中に落下するものがあった。
 炸裂。フィーネが絶妙なタイミングで水面へ投擲したライヴス手榴弾は小型従魔たちの潜んでいた付近にライヴスをまき散らし、餌の気配に気を取られた小型従魔の動きを止める。フィーネは続けざまに手榴弾を投下し、小型従魔をその場に釘付けにした。
「餌に群がってろ、雑魚共……!」
 フィーネがぼそりと呟く横で、動きの止まった小型従魔めがけて幎がスナイパーライフルを撃ち込む。フィーネの誘導と幎の狙撃によって、水中の小型従魔たちはあらかた無力化されていた。

●一本釣り
 リンカーたちがミーレス級の相手をしている隙に、ケントゥリオ級はダメージの回復を目論んでいた。クルオと銀司が放った攻撃による傷を癒すため、大型従魔はライヴスを求めて周囲を泳ぎ回る。果たしてそこには、傷ついたケントゥリオ級従魔にとって涎が出るほど美味そうな「餌」があった。
 一方船上では、大型従魔が姿を現すのを今か今かと待ち構えていた。仕込みは十分、あとは相手が食らいつくのを待つばかり。『仕掛け』を担当する馬頭鬼とフィーネの手にも、自然と力が入る。いつ敵が掛かってもいいよう、銀司はケア・レイで小型従魔に当たった正人とArcardの治療を済ませておく。
 リンカーたちは息を呑み、緊張の面持ちで獲物を待つ。そしてついに、その時がやってきた。
 馬頭鬼とフィーネは、手の平から伝わってきた感触を合図にワイヤーを一気に引っ張り上げる。一本釣りよろしく船上に引き上げられたのは、ワイヤーの先端のライヴス手榴弾に食らい付いたケントゥリオ級魚型従魔だ。餌につられて仕掛けに掛かった従魔は、その体をデッキの上へ無防備に晒すこととなる。
 楓とArcardはすかさず従魔の拘束に取り掛かる。楓は大剣で、Arcardは拳撃で、それぞれ従魔の自由を奪っていく。身動きの取れなくなった従魔に、リンカーたちが猛攻を畳み掛ける。
 馬頭鬼が大鎌グリムリーパーを振るい、従魔の生命を削り取りにかかる。正義の執行者が悪の存在たる従魔にもたらすのは、無慈悲な裁きの刃。それに連なる正人と幎の剣。英雄とのリンクによって高められたライヴスが剣の切れ味を研ぎ澄まし、ケントゥリオ級従魔の固い鱗に三筋を刻む。
 フィーネが大剣フルンティングを構える。二本角に長い爪、尻尾というリンク時の獰猛な姿そのまま、獣のように剣を振り下ろす。同時に銀司が接近、腕に装着したパイルバンカーを繰り出し、大剣と杭の重い一撃が頑強な従魔の身体を押し潰す。
 満身創痍の従魔に、クルオが最後の攻撃を放つ。クルオは魔法書を杖に持ち替えると、自身の周囲に無数の光弾を顕現させる。魔力で形成されたエネルギー弾を放つスキル「銀の魔弾」は従魔の身体に次々と突き刺さった。
 リンカーたちの渾身の攻撃によって、ついに従魔は力尽きる。海域を支配していた脅威は、勇敢な能力者たちによって退治された。

●帰還航路
 ケントゥリオ級を倒したリンカーたちが周辺に残っていたミーレス級小型従魔を片づけて帰路に就く頃には、時刻は既に夕方になっていた。遠方では夕日を反射した海面と濃紺に染まる空が複雑なグラデーションを織り成していた。
 そんな情景を背に一服するArcardの姿は、なかなか様になっていた。デッキの手すりに寄りかかりながら遠くを見つめる銀司は、従魔がいなくなったことで漁師たちの日常に平穏が戻るといい、という風な事を考えているのだろうか。
「……(疲れた……)」
「『カエデ、そんなに共鳴イヤか?』」
「『そりゃイヤでしょ、イルカみたいにバカっぽくなるんだし……後でお菓子食べようね』」
 共鳴状態を解いた楓は、いつものようにタナカさんとサトウさんとお喋りをしていた。今日は共鳴したり闘ったりと大変な一日だったが、最後に楓が考えていたのはそれとは別の事柄だった。
「……、……(うみ、今度はみんなで来たいなぁ……)」
 船はもうすぐ港に着く。近づいてくる陸地を眺めながら、クルオはひとり呟く。
「この海域にあんなに大きいのが……これが、世界の危険なんだな……」
 彼らのライヴスリンカーとしての戦いは、まだまだ始まったばかりである。能力者たちはそれぞれの思いを胸に、地平線へ沈む夕日を見送った。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 映画出演者
    天野 正人aa0012
  • エージェント
    黄泉坂クルオaa0834
  • 神鳥射落す《狂気》
    Arcard Flawlessaa1024

重体一覧

参加者

  • 映画出演者
    天野 正人aa0012
    人間|17才|男性|防御
  • エージェント
    紅葉 楓aa0027
    人間|18才|男性|命中
  • エージェント
    夜取 幎aa0079
    人間|15才|男性|攻撃
  • エージェント
    野路 銀司aa0138
    人間|27才|男性|防御
  • エージェント
    金鞍 馬頭鬼aa0309
    人間|23才|男性|生命
  • エージェント
    フィーネaa0610
    機械|21才|?|攻撃
  • エージェント
    黄泉坂クルオaa0834
    人間|26才|男性|攻撃
  • 神鳥射落す《狂気》
    Arcard Flawlessaa1024
    機械|22才|女性|防御
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