本部

善意に色は付けられぬ

山川山名

形態
ショートEX
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 6~8人
英雄
6人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2018/04/03 11:34

掲示板

オープニング


 あの雪の世界で、放っておけば死んでいたはずの子供たちを俺は拾い上げた。
 目的なんて一つだけ。いつかあいつらが満たされたときにゆっくりと喰らうためだった。
 そのためにできることをしてきた。そして、今が待ちにまったその瞬間だ。


 それほど大きくない、四方を白い仕切りで囲まれた孤児院の中は楽しそうな笑い声で満たされていた。
 滑り台やブランコ、砂場やうんてい、ジャングルジム。年齢も人種も様々な子供たちが種々の遊具で遊んだり元気に駆け回っている。当然二階建ての建物の中にも子供たちは大勢いて、ときおり泣き声が上がりはすれど平和な時間が流れていた。
「ねえ先生、院長先生はまだ来ないの?」
 一人の女の子が若い男に相当と、周りにいたほかの子供たちもざわつき始めた。男は穏健そうな微笑を浮かべて、
「もうすぐ来ると思うよ。そろそろお昼の時間だから……おっ」
 話している間に扉が開く音がした。そこから姿を現したのは、天上に頭がこすれるほどの大柄な大男だった。並大抵の鍛え方をしていないと一目でわかる膨らんだ筋肉、ぼうぼうに伸びた無精ひげに岩から切り出したかのような顔。外を歩いているだけで実際に職務質問に会うほどのいかめしい姿だったが、子供たちは目を輝かせて彼に飛びついた。
「院長先生だー!」
「先生あそんで―!」
 わーわーといよいよ身動きが取れなくなると、男は困ったように眉を下げて口を開いた。
「ちょ、ちょっと少し離れてくれ、俺が歩けねえ。とりあえず遊んでやるが、今は昼飯の時間だ。先生、外の子たちを呼んで手を洗わせておいてくれ……って、だから動けねえよ!?」
 アリに群がられる角砂糖のようになった大男は、まごつきながらも野太い声で他の大人に指示を飛ばした。そのせいでより元気な子供たちに強襲されてうめき声をあげることとなるのだった。

「ようし、飯もすんだことだし、何して遊ぼうか」
 胡坐をかいた大男の周りに集まる子供たちが元気よく手をあげる。
「ぶら下がりー!」
「ブランコー!」
「丸太ごっこー!」
「もう少し静かにできる遊びがいいんだけどな……まあいい。ぶら下がりな。でも危ないからみんな離れろ、順番だ」
 男が立ちあがって子供たちの何人かを抱えると、子供たちは男の腕に両手を使ってぶら下がる。
「よーし、行くぞ?」
 男がそのままゆっくりとその場で回転すると、振り落とされそうになる子供たちは喜色満面に大木じみた男の腕にしがみついて笑い声をあげた。優しいが線の細い他の大人にはできない芸当である。
 ひとしきり遊びが終わると、男はゆっくりと体をかがめて子供たちを丁寧に床に立たせた。男が周りを見渡すと、すでに目を輝かせた子供たちが捕食者さながら彼を狙っていた。それに若干身の危険を感じながらも、男が平静を装って声を上げる。
「次、やりたいやつは!?」
 直後、十人以上の遊び盛りの子供たちが一斉に彼の体に飛び掛かった。それにもみくちゃにされながらも男は何とか暴徒を落ち着かせようと対話を試みるのだった。
「だー分かった! 全員遊んでやるからまずはいったん落ち着け! そんで並べ! あっ誰だ今俺の髪むしってんの! いってえ!」
 結局その騒ぎは、全員が寝静まる夕方あたりまで続いた。




 夜。二階の仮眠室で子供たちがひとしきり寝静まったのを確認してから、老齢の女性が一階の職員室へ降りていった。
「子供たちが全員寝付きました」
「……よし」
 園長のようやく吐き出したかのような吐息で、その場にいた四人の職員の目が彼に向けられた。そこには昼までにあった穏やかな光はなく、厳しく凶暴な色がこびりついている。
「いつまでこんなこと続けるつもりですか」
 若い男――調理担当で、子供たちにも好評――が低い声で院長に問う。
「何がだ」
「この孤児院ごっこですよ。これ以上続けていたらコストがかかってしょうがない。二十人以上いるガキどもの食糧を毎日捻出するのだって難しくなってきている」
「二十三人だ。あいまいにするな」
「数なんてどうだっていいでしょう」
 ため息をつく若い女性――ピアノ担当で好意を抱く少年も少なくない――が棘のある声音で言った。
「問題は、そのしわ寄せで私たちにも問題が発生しているということです。最近の『捕食』で付近の緊張は高まるばかり。いずれ我々の食い扶持だって少なくなる」
「すでにH.O.P.E.へ通報があったという噂もあります。うかうかしていたら僕たちの素性を調べ上げられて、最悪の場合攻撃されるかもしれない。その前に彼らを喰っておかないと危険です」
 若い男性――運動が得意で男子からの人気が高い――が冷静そのものといった調子で園長へ進言する。しかしながら、そこに込められた危機感は十分すぎるほどににじみ出ていた。
「……そろそろ、お決めになってください。『院長先生』」
 年老いた女性――普段はあまり外に出ず、もっぱら子供たちの寝かしつけ役――が最後の一押しを告げる。
 四人の視線が『院長』へと突き刺さる。彼は目を閉じて腕を組んでいたが、やがて言葉を選ぶように口を開いた。
「分かった。だが、まずは今日、俺たちが喰うための食糧を探す。明後日に具体的な算段を決めよう」
 そう言って立ち上がり、一足先に『院長』は部屋を出て行った。残された四人は失望の色を隠しきれずに口々につぶやいた。
「……まさかここまで強情とは思わなかったぜ」
「そんなに喰うのが嫌なのかしら。私なんてよだれをたらさないのに必死だっていうのに」
「情が移ったとか……いえ、ありえませんね」
「みなさん、今日はこの婆が留守を守っております。どうか存分に狩ってきてくださいな」
 若い三人がうなずき、『院長』を追って夜の闇に姿を消した。




「標的はとある孤児院の職員五人だ。もともとこの孤児院はロシアでの作戦で身寄りを亡くした子供を保護していた場所で、他の施設とは一線を画した動きをしてきた。省庁からの士気をたびたび無視してきたために前々から目をつけられてきたんだが、最近になって別の一件での関与が疑われている。
 周辺での失踪事件だ。住民からの通報で調査をしたところ、孤児院の職員が犯行にかかわっていることが判明した。しかも、彼らはただの人間ではなく、愚神であることが確実視されている。
 愚神は五体。まず『院長』と呼ばれている大男だ。他の四名も愚神だが、奴らは『院長』に従属している。『院長』を倒してしまえば連携は瓦解するだろう。『院長』を先に狙うことを勧めておく。
 決行は子供たちが寝静まり、愚神たちが外に出てくる夜だ。付近への被害を出さないために孤児院内で戦ってほしい。おそらく奴らは子供たちを狙っている。子供たちを助けられるのは君たちだけだ。諸君の健闘を祈る」

解説

●目的
 愚神『ケルベロス』および『職員』の撃破

●登場人物
 『ケルベロス』
 ・デクリオ級愚神。二メートル以上の筋肉質な大男。ロシアでの大規模作戦時に孤児たちを引き連れ混乱期の日本に上陸した。
 ・ロシアでは残忍にして凶悪、目的のためには手段を選ばない性格だった。現在はどうなっているか不明。
 ・孤児院の子供たちを捕食対象とみなしている可能性大。
 ・以下、戦闘データ。

  圧潰
 ・対象一体を両腕で地面に叩きつける。中ダメージと確率で衝撃を付与。
  搾撃
 ・対象一体の利き腕を握りつぶす。中ダメージと物理攻撃の低下状態(三ラウンド)を付与。
  リリーエフナイ
 ・体力低下時に使用。『圧潰』、『搾撃』を対象一体に加えたのちその対象で別の対象一体~二体を打ち付ける。最初の対象一体に特大ダメージと物理攻撃の低下状態(三ラウンド)、それ以外の対象に中ダメージと中確率で衝撃、極低確率で気絶(1)付与。


『職員』
・成人の姿のデクリオ級愚神。噛みつきや徒手空拳で戦う。物理攻撃力が低く物理・魔法防御力が高いが、能力値は同級の従魔並み。『ケルベロス』に付き従うのは三人で、残りの一人は孤児院の屋内にいる。『ケルベロス』に忠誠を誓っており、彼が生存している間は連携し物理攻撃力が上昇する。

 子供たち
・戦闘開始時は就寝している。戦闘中に起き出す可能性あり。『ケルベロス』や『職員』によくなついている。
(PL情報:戦闘中にPCへ戦闘をやめるよう懇願します。どう説得するかはPC次第です)


戦場
・孤児院。ほぼ正方形で、北側に孤児院の建物があり、その向かいに出入りできる門がある。西にうんていとジャングルジムと砂場、東に滑り台とブランコが配置されている。
・周辺は住宅街となっており、住民の避難は『ケルベロス』に変化を悟らせないために行われていない。

・時刻は夜〇時過ぎ。満月が寝静まった草木を照らすばかりである。

リプレイ


 墨で塗りつぶされたような空と見惚れるほどに輝く満月の下、孤児院から音もなく四つの影が滑り出た。
 そのうちの三つは、全員が若い大人の姿をしていた。明かりがないせいではっきりと見えないものの、その表情は一様に険しいものだった。そのうちの一人、女性の姿をした『職員』が前を歩く影に棘のある声を投げた。
「本当に、明日あの子供を喰らってもよいのですよね?」
 影が振り返る。『職員』をはるか上から見下げる大男は、ぶっきらぼうに応じた。
「ああ。そろそろ頃合いだろう。この狩りも、今日で終わりだ」
 わずかなどよめき。しかしかすかな安堵と喜びを含んだそれは、次の瞬間跡形もなく吹き飛ばされた。
「……来たな」
 大男――『ケルベロス』が凶悪に笑う。
 正門からは、六人の全く異なる影が孤児院に足を踏み入れていた。


 その少し前。
「時間ね。さっさと始めてぱぱぱっと倒しちゃおう」
 時計を眺めていた雪室 チルル(aa5177)の声に、待機していた五人が顔を上げた。日が沈み切るのを待っていた彼らは、彼女の先導に合わせて歩き出す。
 『ケルベロス』と配下の愚神の討伐の任を負った彼ら。無駄口もたたかず進軍していたが、スネグラチカ(aa5177hero001)の疑問でその緊張はよじれた。
『しかし、子供たちを確保しているのにどうして人を襲う必要があるんだろうね?』
「あれじゃない? 情が移ったとか?」
 チルルの適当な応対。ノア ノット ハウンド(aa5198hero001)がその疑問を引き継ぐように口を開く。
『孤児院の子供たちには手を出さずに周辺の人間を喰らうなんておかしい話です。肥えたところを食べるつもりなのですかね』
「他人が絶望した顔が好きだって存在もいるからね。それが目的なのかもしれないし……或いは、ね」
 紀伊 龍華(aa5198)が含みを持たせて言う。本来であれば格好の栄養源であるはずの子供たちをあえて保護し、その毒牙を外部に向けている。『ケルベロス』の行動原理の不可解さはつのるばかりだった。
「とにかく、考えるのは後。今は作戦通りやる、でしょ?」
 雨宮 葵(aa4783)が両手を広げて言った。全員が大同小異にうなずいたところで、目的地の正門がぼんやりと見えてきた。
 葵の内側で、燐(aa4783hero001)がぼそりとつぶやいた。
『……こっそり、殺しちゃえばいいのに』
「また燐は物騒なこと言って―。それじゃあ子供たちが納得できないでしょ」
 戦場に、足を踏み入れる。瞬間、一歩後ろのそれとは全く異質な空気が彼らの間を吹き抜けた。
 その風は、前方の大男を起点にして吹き荒れていた。男がにやりと口の端を吊り上げる。
「来たな、リンカー。そろそろじゃねえかと思ってたぜ」
「あんたが『ケルベロス』か?」
 ファルク(aa4720hero001)が得物を肩に担いで問う。『ケルベロス』は一瞬面くらったような顔をしたが、すぐに口元の笑みを深めた。
「おう。おそらく俺が『ケルベロス』だ。……いいセンスしてるじゃねえか。ロシア生まれの俺にギリシアの犬っころの名前つけるたァな。それで? お前ら、俺たちを殺しに来たんだろ」
 空気が色を失う。ひりついた戦場の芳香が孤児院の敷地を満たしていく。
 後方の若い男の姿をした『職員』が慌てていった。
「どうするんですか。あいつらを喰う前にリンカーが来てしまいましたよ」
「関係ねえ。こいつらをぶちのめせばいいだけだ」
「へっ、違えねえ」
 『ケルベロス』の有無を言わさぬ声に血の気が多そうな男の『職員』が応じた。
 ほんの数秒、九人が睨み合う。事態が動いたのは、まさしく唐突だった。
「いくよ、セレナさん!」
「……、」
 葵とセレナ・ヴァルア(aa5224)が反時計回りに全力で疾走する。明らかに『ケルベロス』一派を迂回する動きをとった二人に対し、大男が咆哮する。
「奴らの狙いはガキだ! 近づけるな!」
 『職員』が動く。その刹那、彼らの視線が見えない手で無理やり動かされたかのように九十度別の方角を向いた。
「おまえたちの相手は、俺だ」
 大剣を構える龍華のライヴスが強制的に意識をそらさせる。だが、
「――奮ッ!!」
 『ケルベロス』が右足で地面を思いきり踏みつける。その破壊力は彼の真下に放射状の亀裂を生み出しただけでなく、空気の圧をもってすべての隠蔽を吹き飛ばした。
「そこに隠れてんのはわかってるぜ、リンカー。せっかくの喧嘩だ、もっと派手にやろうや」
 身にまとっていたライヴスを引きはがされたファルクが忌々しげに舌打ちする。もう一度闇夜に身を潜めようとした矢先、『ケルベロス』が動いた。ただし狙いはファルクではなく、愚神たちをひきつけている龍華だ。
「とりあえず、まずはお前だ」
「……!」
 龍華が大剣を構える。だが、『ケルベロス』はそんな対策なんて歯牙にもかけず思いきり両腕を真横に振りぬいた。盾を貫通して大砲の直撃を受けたかのように龍華の体が吹き飛び、二度、三度と砂ぼこりが舞う。
「龍華! ちっくしょー!」
 チルルが同じようにライヴスを放出し愚神の注意を引く。しかしそれを織り込んでいたのか、『ケルベロス』がチルルを太い指で指した。
「あいつを抑え込め! ダメージがなくても構わねえ、あいつに行動させるな!」
『応!』
 『職員』がチルルに向けて疾駆する。犬歯や握りこぶしをむき出しにした彼らの攻撃を盾と剣でさばくも、スネグラチカがたまらずうめいた。
『うーっ、やりづらい!』
「なにこの動き、たいして痛くないけど攻撃が返せない!」
 熟練した職人のように精緻な動きで『職員』はチルルたちを攻めたてていく。確かに個々の能力は見劣りするが、そもそも彼らはチルルをはじめとしたリンカーを倒しきることは考えていない。その役目は『ケルベロス』が担っているからだ。
 彼らの目的は、攪乱と阻害。『ケルベロス』がすべてを文字通り潰すまで補助に徹することが、ロシアにいたころからの鉄則だった。
『ふむ。覚者、どう思う?』
 その光景を俯瞰できる立ち位置にいたナラカ(aa0098hero001)は、共鳴している八朔 カゲリ(aa0098)に呼び掛ける。いささかの好奇を含んだ声に、カゲリはあくまで冷静に返した。
「予測通りだ。あくまであれらの軸は『ケルベロス』にある。あれさえ倒しきれば連携も瓦解するだろう」
『だろうなあ。しかしだとするなら急いだほうがいい。あまり長引かせていては、あまり歓待されないものらが現れるぞ』
 カゲリは答えず、ただ己の剣を構えた。錆びついた刀身からひとかけらの錆が焔とともに零れ落ち、鈍く輝く鋼があらわになった。
「――行くぞ」
 荒い土を蹴り上げ、『ケルベロス』との距離を一気に詰める。切っ先を下げ、地面をなめるように突き進むカゲリに大男が気付いた時には、まともな回避運動は一切取れない位置まで来ていた。
 両腕でかばった頭をあえて避け、がら空きの胴体を逆袈裟懸けに振りぬいた。苦しげにうめく『ケルベロス』の腹から鮮血が吹き出し地面を濡らす。
「……やるじゃねえか」
 カゲリは応じない。だがそれを補うかのように血の気が多い『職員』が悲鳴を上げた。
「ぐああっ!? 畜生、どこから攻撃してきやがった!?」
 慌てて見渡しても犯人の姿はどこにも見当たらない。ただ、リンカーたちと『ケルベロス』だけは、それがもう一度闇にまぎれたファルクと茨稀(aa4720)の仕業だろうと理解していた。
 そしてその瞬間、チルルを追い詰めていた包囲網に風穴があいた。それを逃さず、
「よいしょぉ!!」
 横なぎに『職員』と『ケルベロス』をまとめて吹き飛ばした。敵は全員が散らばって連携がとりづらくなり、しかもダメージがたまっていたせいで血の気が多い男の『職員』は溶けるように消えてしまっていた。
「……一人殺したか。いいね、そう来なくっちゃあな」
 口の端の血をぬぐいつつ『ケルベロス』が立ち上がる。着実に消耗しているはずだが、そんなそぶりは一切見えない。
 『ケルベロス』の命令で残った二人の『職員』が迅速に行動を開始する。今度はチルルだけを重点的に攻撃するのではなく、龍華へも矛先を向けて二正面作戦を展開する格好になった。
 若い女性の愚神の攻撃を受け流し、ヒールアンプルの先を自分の腕につきたてつつ龍華が問うた。
「一つ聞かせろ。なぜロシアで暴れたという愚神が、子供たちを孤児院で育て上げたんだ」
「んなこと聞いてどうする?」
「愚神は人を喰らうものだ。その道理から外れている理由を知るのは当たり前だろう」
「ふん。そんなにほいほい口を割るとでも――――」
 言い終わる前に、大男の背後でガラスが木っ端みじんにされる音がけたたましく響いた。


 それより少し前、葵とセレナは裏口から孤児院に潜入していた。
『……暗いな』
 葵杉 昴汰(aa5224hero001)がぽつりとつぶやいた。完全に電気が消された夜の孤児院は月の明かりも満足に差し込まず、どこに何があるのかも最初は判然としないほどだった。
「とりあえず、職員室を探さないと。みんなが注意を引きつけてくれてるうちに」
 葵の言葉は、しかしセレナがある一点を指さすことで解決した。
「……あそこね」
 セレナの指の延長線上にあった曲がり角の先からは人工的な明かりがはっきり漏れていた。おそらくはその向こうに職員室と、待機している『職員』がいるだろう、と二人は結論付けた。
「……この中でケリをつける。それで――」
「よっし! じゃあ一発ガツンと行こうか!」
 ところが、セレナが二の句を継ぐ前に葵はすさまじい速さで廊下を疾走していた。そのまま彼女が止めるよりも速く、猪突猛進型ワイルドブラッドは職員室の扉をブチ破った。
「なっ、あなたたちは……どうして!?」
「せえいやあああああああっ!!」
 老婆の姿をした『職員』が反応するよりもはるかに速く、葵はライヴスを噴出して速度をつけた一撃を叩きこんだ。真横に思いきり振り払われた『職員』は、なすすべなくガラスを破壊してグラウンドに転がった。
『ないす、葵』
「よし。あとはあいつが戻ってこないようにここで見張ってよう!」
 あとからやってきたセレナは、自分がいない間に何が起こったかを満足げな表情の葵問われた窓ガラスから理解すると、刺々しい声音で葵に詰め寄った。
「……何を、やっているの?」
「え? とりあえず吹き飛ばして『職員』を子供たちから引きはがした方がいいと思ったんだけど……まずかったかな?」
「……とてつもない音がしたわ。どんなに深い眠りでも目が覚めるぐらいの」
 それを見ていた『ケルベロス』は、くつくつと笑いながら言った。
「くははっ! こんなとこで漫才するなんて面白いなお前ら。おら起きろ婆さん。あんたの敵だ、指示はしてやるからまだ消えんじゃねえぞ」
「……ええ。わかっています」
 挟み撃ちになっているにもかかわらず余裕を崩さない『ケルベロス』。しかしその笑みが次の瞬間には苦しげにゆがんだ。
『……上で何かが動いた』
 昂汰の指摘は、すなわち二階で眠っていたはずの子供たちが眠りから覚めたことを意味していた。今ここで子供たちが押し寄せてきたら、線上に力のない人々を溢れさせてしまうことになる。
「外に出られるドアを全部締め切って! どんな手を使ってでも子供たちをこの中に押しとどめないと!」
「……わかってるわ」
 セレナが共鳴を解除し職員室を離れる。葵がグラウンドに目を向けると、険しい顔をした『ケルベロス』が彼女をねめつけていた。
「やってくれたな」
「なにが?」
「もう取り返しがつかなくなる。あいつらに俺たちの正体がばれたりすれば今までの努力がすべて水の泡だ」
 葵は不敵な笑みを浮かべつつ、後ろ手に通信機を起動させる。燐が彼女の言葉を引き継いでいった。
『……心配する必要はないわ。あなたはここで死ぬんだから』
 挑発するようなウインクに、『ケルベロス』が眉根にしわを寄せる。ただ彼の後ろにいた満身創痍の龍華だけが、全く異なる動きをしていた――通信機を発信モードにしたのである。
 津波は、もうすぐそこまで迫ってきていた。


「んう……」
 子供たちの安らかな眠りは、爆発にも似た音で打ち切られた。
 爆発……忘れるはずもない、戦場にこだましたあの音は、満足に状況を理解していない子供たちが恐怖におびえるには十分すぎた。
 次々に子供たちが目を覚まし、まだ幼い子供たちは年上の子にしがみついて震えていた。年長の子供たちでさえ、いや、年を重ね状況対処をできる年齢である彼らは余計に恐怖していた。
「どうする?」
「下の先生を呼んできた方がいいのかな」
「とにかく降りてみよう。でも数人だけだ。他はここに残って、ドアに鍵をかけて絶対に外に出ないように。いいね?」
 かくして、リーダー格の男子を含めた四人が大部屋から出て階段を下りて行った。木の床が一歩踏みしめるたびに不気味な音を立てる。外で断続的に響く低く重い音が耳に入るたびに子供たちの足が止まりそうになった。
「また、戦争が起こったのかな……」
「馬鹿、そんなわけないだろ? 日本は安全だって院長先生が言ってたじゃないか」
「でも、もしそうだったら!」
「その時は院長先生が何とかしてくれる。先生にかなう奴なんていないさ」
 リーダーの少年が必死に仲間を鼓舞する。しかし、彼とて体の震えを抑え込むのにいっぱいいっぱいだったのも事実だった。
 一階に降りると、轟音はその圧をいよいよ強めていった。四人で固まり、少しづつ職員室へ歩を進める。
 ようやく廊下を曲がった時、彼らは職員室の扉がなくなっていることに気が付いた。間違いない。何かが、この向こうで起こっている。少年は仲間に合図して、物音を立てないよう慎重に進んだ。
 職員室の中を覗き込む。机や書類はめちゃくちゃに吹き飛んでいて、竜巻が通り過ぎて行ったかのよう。右手の外につながる窓ガラスは見るも無残な姿をさらしていた。
 そして、その奥。
「あ……」
 少年が呆然とした声を出した。
 見知らぬ少女が一人にらみを利かせる先では、院長と職員が誰かと殴り合いを展開していたのだ。それも剣や盾といった物騒なものを担いでいる連中と。
 ロシアでの記憶がよみがえる。得体のしれない化け物に襲撃され、なすすべなく死んでいった自分たちの親が院長に重なってしまう。またあの悲劇が繰り返されるのか、という焦燥が頭の中を山火事のように広がっていく。
 嫌だ。
 嫌だ。
 もう、あんなことは嫌だ。
「ッ、君たちは!?」
 職員室の中にいた少女がこちらに振り向いた。だが、もう子供たちが止まることはない。今まさに自分たちを守ってくれていた人が攻撃されているのだ。敵の言うことなど知ったことではない。
「先生、先生っ!!」
「いやだ、いやだあ!!」
「うわあああああああああッ!!」
 子供たちが葵に向かって突き進む。血の気が引いたワイルドブラッドが、思いきり体を広げて子供たちが出ていかないように押しとどめる。
「セレナちゃん! 援護お願い!」
「……、」
 ちょうど戻ってきたセレナがうなずき、子供たちを引きはがそうと試みる。常人のそれをはるかに上回る身体能力を誇るリンカーに幼子が敵う道理はない。が、だからと言って暴れなくなるわけでもない。
「離して、この!」
『……それはできない相談だ』
 子供たちを取り押さえて、昂汰とセレナが静かに言った。
「……これが私たちの仕事。邪魔は、させない」
 慟哭がこだまする孤児院の中とは打って変わり、グラウンドは時折響く破壊音を除けば静かなものだった。けれども、その静寂をあえて壊すように龍華が言の葉を紡ぐ。
「答えろ、『ケルベロス』。おまえは、本当に、ただの捕食対象とみなしてただけなのか?」
「ハ。ただの捕食対象、とは違うな。俺はそこらの人間とあいつらを一緒くたにしてたわけじゃない。そこから先は言えねえな。少なくとも、あいつらの前では」
「そうか」
 龍華は賢者の欠片をかみ砕くと、再び大剣を構え直す。攻撃が来るか。『ケルベロス』と『職員』が身構えた刹那、真後ろからのささやきが彼らを貫いた。
『なら、無理にでも口を割らせるしかないな』
 巨大な網が、暗闇に大口を開けた。
 とっさに回避運動をとった『ケルベロス』に取り残された若い女の『職員』が網に――ファルクの放った女郎蜘蛛にからめとられる。糸そのものに内包されたライヴスが彼女を容赦なく抑え込み、力を削り取る。
「この野郎……!」
 『ケルベロス』が両腕をもってチルルを吹き飛ばしにかかる。だが、チルルはその一撃を盾で受け止めつつあえて吹き飛ばされた。空中で体勢を入れ替えると、ジャングルジムに足をつけて横っ飛びにジャンプして『ケルベロス』の右腕を切りつけた。
 大男の腕が紅く染まる。それに呼応して子供たちが悲鳴を上げた。
「その子たちを、放しなさいな!」
 老婆が葵に向かって突進する。その意識を無理やりセレナが揺り動かすと、籠手でもってその牙を受け止めた。


『ふむ』
 ナラカが思案するような声を上げたのは、戦況がいよいよ『ケルベロス』たちに不利になってきたころだった。
『あの愚神、随分と子供らになつかれているようだな。如何する、覚者。あれを生かすか、殺すか』
「もしも戦闘の意思がなかったのなら矛を収めるつもりだった。子供たちが懇願するのなら、その選択を尊重するべきだろう」
『ただし、その意味を理解していれば。か』
 カゲリが顎を引く。その一方で、龍華は青い顔をしつつも口の端をぬぐった。
「俺はまだわからない。おまえが歪んだ精神の持ち主なのか、本当にあの子たちのことを思っているのか。善性愚神が現れている今は、後者の可能性を捨てきれない。……どっちなんだ? おまえは、どちらの側にいるんだ」
 明らかに消耗している『ケルベロス』は、くずおれそうな体を持ち上げて語る。その声色はしっかりとした、芯の入ったものだった。
「善性愚神、ね。残念ながら俺はそんなんじゃない。……ああ、そうさ。俺は正しく、あいつらを喰うつもりだよ」
 刀身からまたしても錆がこぼれたカゲリをにらみつけると、大男は不敵に笑った。
「俺はな、羊飼いなのさ。羊飼いの仕事は、羊を肥え太らせ、傷のない綺麗な状態でどこぞへ売り払うことだ。ストレスなんてあっちゃならねえ。だっていうのに……ああクソ。お前らが来たせいで俺の計画は全部おじゃんだ。どうしてくれるんだオイ」
 『ケルベロス』の全身からどろりとした何かが噴き出す感覚がリンカーを襲った。彼の中で、何かが確実に変質していた。
「さあ続きだ。俺はまだこの夢を捨てきれない。きっちりお前らを片付けさせてもらうぞ」
『なるほど。であれば話は早いの』
 ナラカが短く息を吐くと同時、カゲリが猛然と『ケルベロス』に迫った。ますます切れ味を上げた一閃を受け止め、大男が反撃に移ろうとした瞬間暗闇からファルクが足元を刺し貫いた。
「ぐ、ああ……ッ!」
 片膝をつきそうになるも、『ケルベロス』はぎりぎりのところで踏みとどまりチルルの右腕を握りつぶそうと突進した。だがそれをマタドールさながらの動きで受け流すと、遠心力を最大限に利用して剣を思いきり横に振りぬいた。
 悲鳴とともに若い男の職員が消えていく。『ケルベロス』が戦力の喪失を踏み潰すように吠えた。
「中のリンカーを引きはがせ! あいつらだけでも確保しろ!」
 だが二人の『職員』の特攻は、葵の強烈な一撃で無に帰した。二人がまとめて消え失せたあと、身の毛がよだつような沈黙が広がった。
「あの人は、ロシアであなたたちの家族を奪ったのと同じ、愚神なんだよ」
 葵が背中越しに振り替える。もう彼らは声も出なくなってしまったのか、大粒の涙を流して彼女たちを憎悪の色とともににらみつけるだけになっていた。
 燐が続ける。
『ん。食べるために育ててただけ。お菓子の家の、魔女みたいに』
「自分を食べる者だと知って、今まで通りに暮らせる?」
 子供たちは答えない。燐が小さく息を吐いて、
『無理、でしょう? ……私たちも貴方たちが食べられるのは、黙認できない』
 『ケルベロス』の言葉はすべて、龍華と葵の通信機を通して子供たちに聞こえていた。彼が何を考えていたのかは、今やはっきりと子供たちの知るところとなっている。
 だが。
「…………そんなの、嘘に決まってる」
 リーダー格の少年が、ぽつりとこぼした。
「だって院長先生は、俺たちをここまで導いてくれたんだ。行き場もなくて、ただ凍え死ぬはずだった俺たちに食べ物をくれて、ここまで連れてきてくれたんだ。院長先生が愚神と同じなんて、そんなの嘘だ」
「そうだ。お前たちが無理やり言わせたんだろ!」
「院長先生から離れろ!」
「お前たちの方が本当は愚神なんだろ!」
「ここから出てけ!」
 口々に浴びせかけられる罵倒と非難に、いよいよ葵がたじろいだ。彼らにとっては、間違いなく語られたはずの真実は一つの意味すら持たなかったのだ。
「どうせ何を言ったってあいつらの耳には入らないだろうな。もうあいつらの中では図式が固定化してる。俺が被害者で、お前らこそが加害者ってな」
「おまえは、一体、何を考えてるんだ?」
 龍華の疑問に、『ケルベロス』は当たり前のことのように言った。
「あいつらをより美味く食うためさ」


「ロシアでの戦闘はすさまじいものだった。俺なんかより数倍も強い愚神とリンカーがぶつかり合った、そう何度も起こりえない戦争だった。その時に、俺はライヴスの味が希望を感じた時に美味くなり、絶望を感じた時に不味くなることを発見した」
 『ケルベロス』は遠い目でとうとうと語った。その瞳の奥には、かつての極北の地が移っているのだろう。
「その矢先だ、あのガキどもと出会ったのは。どいつもこいつも絶望しきっていて、とても食えた代物じゃなかった。だから俺はあえてすぐに食うことをやめて、あいつらを熟成しようと決めたのさ」
『うわ。そんな理由でわざわざ孤児院を作ったの?』
「環境を整えない料理人がいるもんかよ」
 スネグラチカの軽蔑したような声に大男は誇らしげに答える。
「希望を感じれば感じるほど、あいつらのライヴスは脂がのっていった。俺はやれるところまでやってやろう、そのために必要なものは何でもそろえてやろうと思ったのさ。手下を抑えるのに苦労したがな」
 ただ美味く喰らう。そのためだけに本性を欺いて子供たちの人生すら歪ませた愚神に、ナラカが静かに問うた。
『彼らとともに歩むつもりはない、と?』
「当然。俺たちは愚神、この世界に仇なすモノだ。俺は俺の最善を為す。それがお前らの正義とカチ合うなら、お前らを殺すだけだ」
 それで十分だった。
 ファルクの一撃が『ケルベロス』の右足の傷を正確にえぐる。苦悶の声を上げつつも、大男のはチルルの前まで突き進み、構えた盾ごと無理やり利き手を握りつぶした。
「うああっ!!」
「リリーエフナイ。――死ぬことこそが救いと知れッ!!」
 『ケルベロス』が全身を駆使してチルルの小柄な体を投げ飛ばす。その先にいたのは、もはや立っていることすらやっとの龍華だった。
 龍華がもろにチルルを受け止める。土煙を噴き上げてようやく止まったころ、チルルが何とか体を起こした。
「うう……龍華? 大丈夫?」
返事はない。苦しげに閉じられた目は、しばらくのあいだ開かれることはないだろう。『ケルベロス』の一投は弱った彼の意識を吹き飛ばすには十分すぎた。
「う……ああああああああっ!!」
 遮二無二、チルルが駆け進み『ケルベロス』に一撃を浴びせる。胴体を真一文字に切り裂いたそれは、とうとう彼に膝をつかせることに成功した。
 冥府の番犬が、呻く。血を吐き、腹を抑え、自分を殺しにかかるリンカーをにらみつけて――獰猛に笑った。
「ふ、はは。はははははははは!! これで終わりだ、終わったぞ。もはや俺は一歩たりとも動けない。もはや一矢を報いることすら叶わない! あとに残されたのは精神を病んだ子供らだけだ。戦争の負の遺産だ! おとなしく俺に喰わせておけばよかったものを。食料にもできない荷物を抱えて、なおもお前たちは善を為すか! ああ、ああ、こんなことなら――早くに、平らげてしまえばよかった!!」
 その咆哮は、正しく愚神としてのものだった。
 人を喰らい、人を脅かす悪夢のそれだった。
 リンカーに囲まれ、子供たちの泣きじゃくる姿を前にしてもなお、己の価値観を一厘たりとも曲げることがない怪物そのものだった。
 だけど。
「いつか食べるつもりであったとしても! 貴方たちのおかげでこの子たちは今ここに生きてる。貴方たちに救われた命だ! だから……」
 葵が子供たちを背に、深く一礼する。
「ありがとうございました!」
 たとえ、始まりがどうしようもなく間違っていたとしても。この終わりが避けられない運命であったとしても。
 子供たちが得た輝かしい思い出は、決して捨てられるべきではない。
「――――は。そうか」
 すでに目の前には、カゲリとファルクがすべてを断ち切ろうとこちらを見据えていた。『ケルベロス』はただ不格好に笑って、
「なら、せいぜいお前らが美味くしてみろよ」
 二振りの刃が、音もなく彼を切り裂いた。


 孤児院に収容されていた人数は、延べ二十三人。その全員が戦災孤児だった。
 下に降りてきた四人によって連れてこられた残りの子供たちは、ことが伝えられると同時に激しく取り乱した。抱き合って泣くものも、過呼吸になって倒れてしまうものも、呆然と立ち尽くしたものもいた。その反応は十人十色で、けれどリンカーを憎悪したことは全員に共通していた。龍華が黙祷をするように促しても、その手は激しく払われるだけだった。
「敵だから倒した。それだけ」
 子供たちに泣きつかれ、あらん限りの罵詈雑言を浴びせかけられたセレナと昂汰は、凪のような声音で告げた。
『結局、アンタたちも全ても、喰うか喰われるかだ』
「恨むなら恨めばいい」
 子供たちの目から、涙があふれる。あふれて、止まらない。
 悔しくて、憎くて、悲しくて……何より、彼らは、寂しかった。
 それ以上言葉を発さなくなったことを見届けてから、彼らは静かに孤児院を離れた。
『……そういえばお前も孤児院出身だったな』
「そう。だからといって何もないけど」
 敵は敵。倒すだけ。本当に何でもないことのように語るセレナの隣で、昂汰は背後に向けるかのような声でつぶやいた。
『残された子供には悪いかも知らんがな』

「反吐が出そう、です」
『やっぱり難い、か?』
「……当然でしょう?」
 木陰から子供たちを見つめていた茨城は、胸の真ん中を抑えて苦しげに言った。
 子供たちが一人になった原因は愚神だった。そして今も、別の愚神が別の人々に対し作り続けていた。そのせいで、さらに子供たちを悲しませたのかもしれない。ほかならぬ、自分たちが。
 だが。
「俺にとっては、愚神はいかなる存在になっても排除すべき対象……たとえ、それがまた悲しみを呼んだとしても」
『……』
「どうかしましたか、ファルク?」
『いや。まるで……自分に言い聞かせてるみてーだな、と思ってな』
 ファルクの物憂げな声には答えなかった。茨稀は自分の左手を見つめて、白みがかった空を見上げる。
 夜は、もうすぐ明けようとしていた。

結果

シナリオ成功度 普通

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • ひとひらの想い
    茨稀aa4720
    機械|17才|男性|回避
  • 一つの漂着点を見た者
    ファルクaa4720hero001
    英雄|27才|男性|シャド
  • 心に翼宿し
    雨宮 葵aa4783
    獣人|16才|女性|攻撃
  • 広い空へと羽ばたいて
    aa4783hero001
    英雄|16才|女性|ドレ
  • さいきょーガール
    雪室 チルルaa5177
    人間|12才|女性|攻撃
  • 冬になれ!
    スネグラチカaa5177hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 閉じたゆりかごの破壊者
    紀伊 龍華aa5198
    人間|20才|男性|防御
  • 一つの漂着点を見た者
    ノア ノット ハウンドaa5198hero001
    英雄|15才|女性|ブレ
  • エージェント
    セレナ・ヴァルアaa5224
    人間|18才|女性|攻撃
  • エージェント
    葵杉 昴汰aa5224hero001
    英雄|24才|男性|シャド
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