本部

【甘想】連動シナリオ

【甘想】芸術は爆発だ!

橘樹玲

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
4人 / 0~6人
報酬
無し
相談期間
5日
完成日
2018/02/25 21:12

掲示板

オープニング

 二月も始まり、町には甘い香りが充満してくる。雑誌にはお菓子特集が表紙を飾り、女子高生の話題もチョコ一色。そう「バレンタイン」が近づいてきているからだ。
 そんな頃、一人の女性英雄がレシピ本を片手に自宅のキッチンで眉を顰めているのであった。

『な、なんでこうなるの……』
 チョコを溶かす工程で、早く溶かすためと言って鍋にチョコをそのまま入れ直火にかけたところで、そのチョコは鍋を包むように固まっていた。そして焦げ臭い。
『鍋のチョコ包み完成……?』
 明らかに失敗なのはわかっているが、どうしてこうなったのか。料理初挑戦の彼女はよく分からずに首を傾げる。
 何回やっても結果は同じ。チョコが無くなりそうになったところで徐に携帯を取り出し、知人の男性能力者に連絡するのであった。

「な、なんじゃなんじゃ!?」
 急に連絡が来たかと思えば、チョコ作りを手伝ってほしいと言われ驚くも、料理が得意な自分に頼むしかないと思ったと言われたら断るわけにもいかない。
「なるほどな……よし、わかった。一緒に作るとするかの」
 友人の頼みを快く引き受け、空いてる日に彼女のチョコ作りを手伝うことにした。
「……わし、作る方より貰う方が良いのじゃが……」
 彼の瞳からきらりと光る何かが落ちた。

解説

●目的
バレンタイン用お菓子作り!

●あらすじ
お菓子作りが苦手と発覚したNPC常世 命が、NPC剣太にお菓子作りを手伝ってほしいと頼む。
さすがに彼氏持ちの女子を二人きりと言うのもいらぬ誤解を受けかねないと、折角だからと他にも料理が苦手、手作りお菓子を用意する予定だった友人、知人を巻き込んで一緒に料理をしよう!ということで、急遽料理教室を開くことにした。
調理器具はすでに用意済みだが、材料はどれぐらい用意すればわからないということで、当日買い出しに行くことになる。

●詳細
料理の失敗成功は1D100で判断します。
初めて挑戦、苦手な人は1D100>=60or80で失敗

得意と言っている人は自動成功
のように、ダイスの女神さまが料理の結果を決めてくださいます。
とはいえ最終的には「食べれるもの」ができますので、ご安心ください。

リプレイ

■下準備
 予定時間の十分前、買い出し班と道具の準備班に別れ、行動を開始する。
 チョコ作りをするために借りたレンタルスペースのすぐ近くに業務スーパーがあり、別れた七人は徒歩で向かった。

 一般のスーパーに売られているようなものから袋に大量の板チョコが入れられているものまで、ありとあらゆる種類のチョコが並ぶ棚の前で、二人の女性がかごに大量のチョコを投入していく。
『どれくらいあれば足りるでしょうか?』
 失敗の分を考えると……チョコだけでもかなりの量が必要だろう。それだけではなく、ミルク、ホワイト、ブラックと種類もある。
 構築の魔女(aa0281hero001)は手に取り、色々な種類のチョコを見比べた。
『とりあえず、いっぱいあれば間違いないよね!』
 鼻歌交じりにチョコをドサッと買い物かごに入れるのは、フローラ メルクリィ(aa0118hero001)である。
 かご一杯に積まれるチョコを見て、思わず構築の魔女は苦笑を浮かべた。

 チョココーナーとは別のナッツ類など細かなお菓子の材料が並べられてるコーナーでは、兄妹にも見える男女がどれを買おうかと二人で相談しながら決めていた。
『クルミにラムレーズンに、アーモンド……あとは、ヘーゼルナッツ。このぐらいでいいでしょうか?』
 ナッツ類だけでも様々な種類があり、その中の4種類だけを選んで綺麗にかごに並べていく、サーフィ アズリエル(aa2518hero002)。
「うん。これぐらいあれば、もし失敗しても足りるんじゃないかな」
 海神 藍(aa2518)は、かごに並べられた材料の量を確認し頷く。
「洋酒も小さいの一つだけ買っておこうか」
 二人は料理用の洋酒が置いてあるコーナーへと向かう。

 ずっしりとした買い物かごを重そうに運ぶ少女が二人。中には、砂糖や薄力粉などが入っており、それを人数分となるとかなりの重量になるのだろう。
「お……重いね」
 能力者とはいえど重いものは重いのだ。表情は変わらずともアリス(aa1651)の腕はプルプルと震えている。
『うん……重いね、アリス』
 同じくAlice(aa1651hero001)の表情は変わらないが、彼女の腕も震えていた。
「――っと、すまんの。粉類も量を考えたら重かったの」
 彼女たちが持っていたかごがひょいっと持ち上げられる。今回の料理教室発案者である剣太が持ち上げたのだ。代わりに彼が持っていたバターと卵は入ったかごを渡される。
 急なことに少し驚きつつも、素直にかごを受け取る二人。タイミングよく他の四人も集まり、七人は会計を済ませるのであった。

 ***

 一方その頃、先に料理教室の会場では三人の男女がせっせと準備をしているのである。
 初めましての挨拶などはすでに済ませ、買い出し班がスーパーに行ってから二十分は経っているだろう。ここからの距離を考えてそろそろ戻ってくる頃ではないだろうか。
「こっちでいいかな?」
 使うために洗い終わった道具を、それぞれの台に置きながら葛城 巴(aa4976)が次の指示を聞いてくれる。
『あ、はい! 剣太さんが用意してほしいものはそれぐらいだったと……』
 メモを見ながら常世命が確認をする。そして、全部そろってるのがわかるとにっこりと頷き、『後は皆さんの帰りを待つだけですね!』と言うのであった。
「……まさか、巴さんまで参加していたとは思いもしませんでしたよ」
 持ち込んだ材料を鞄から取り出しつつ、九字原 昂(aa0919)がぽそりと言う。
「わ、私も昇くんが来るなんて思わなかったよ……」
 二人ともにこにことした表情ではあるがどこかぎこちない。しばしの沈黙が流れる。
 人見知りの命はこの沈黙を破れずに、ただ皆の帰りを待つしかなかった。ちらりと二人の顔を交互に見るが、仲が悪いわけではないようだが――。
 しばらくして、二人が同時に口を開いたタイミングで、出入り口の扉が騒がしくなるのであった。

■Let's cook.
 レストランにありそうな大きい作業台。料理教室でもよく見かけるのではないだろうか。
 それが二つ並ぶ部屋で、それぞれが身支度を始める。そして、全員が準備を終えたところで、料理教室が始まるのであった。
 個々にエプロンや三角巾を頭につけ、自分の使う材料をレシピを見て確認する。
「さてさて、料理教室……とはいったが、強力な助っ人の海神殿や構築の魔女殿もいるから大丈夫そうじゃの。レシピは配るから、とりあえず個人で作ってみるのはどうじゃろか」
 この犬のおっさんは仕事を放棄して自分も一緒にお菓子を作るのだと言う。確かに、簡単なお菓子ならレシピ本を見るだけでそこまで難しくはないだろうが……。
 この日の為にと用意した、簡単なチョコのお菓子のレシピをそれぞれに配り始める。可愛いイラストと共に1から順にレシピが描かれていて、確かにこれなら――わかるかもしれない。

 複数のレシピの中から自分が作ろうと思っていたお菓子のページを開く。
 「其一、チョコを溶かす」という文字の隣にボウルに入ったチョコの絵が描いてある。
『よーし! まずはチョコを溶かすところからよね』
 パッケージを開け板チョコをそのままボウルに入れ始めるフローラに、構築の魔女が慌てて止めに入る。
『ちょ、ちょっと待ってくださいね。その前にまずは溶かしやすいようにチョコを包丁で刻みましょう。それと、混ぜるときは空気を混ぜ込んでしまわないようにゆっくり丁寧に――』
 色々とアドバイスを貰い、ゆっくり丁寧にやっていく。
「慣れないうちは、レシピに書かれていない事はしない方が良いよ」
 アリスにアドバイスを貰いながら、命もチョコを溶かしていく。
『アリスがチョコを用意してる間、他の材料の分量を量っておくよ』
 普段から料理をしているのだろうか、Aliceはアリスと分担し手際よく作業を進めていく。
「幽世さんに贈るんだよね? 甘さ控えめに仕上げた方が良いかな?」
 手際よくチョコを溶かしつつ、送る相手に合わせた分量を教えてくれる海神。流石普段から作ってると言うだけあって、レシピを見ずにさらっと次の工程へと移っていく。
『クルミなどが入っているものも美味しいですよね』
 サーフィの言葉にうんうん頷く命。
「お酒が大丈夫なら洋酒を少し混ぜたり、ラムレーズンを入れるのも美味しいよ」
『お酒……剣太さんとよく飲みに行くようなのですが、洋酒は飲むのかわからないんですよね……』
 色々と悩んだ末、今日はラムレーズンを入れた甘さ控えめなものと、クルミを入れた甘いものを作ることに決めた様だ。

「うわぁ?!」
 突如として、一つの量りの上でドサッと音と共に雪崩が発生する。やってしまったという表情で葛城はすぐに片づけ始める。
(だ……大丈夫かな……)
 そんな彼女を心配そうに九字原は見守るのであった。
 意見交換しつつ、当初の予定通りガトーショコラを作る九字原。ラム酒を入れたものと何も入っていない者の二種類を用意する。
 時折、「ふぁっくしょん!」というクシャミや「あらぁ?!」という呟きが聞こえ、自分の作業が若干集中できていなかった。
「えーと……僕も手伝いますよ」
 慣れた手つきで焼く工程までいったところで、すぐそばで手間取っていた彼女に助太刀に入ることにした。
「いいよ、独りで出来るから……」
 もごもごと断るそぶりは見せるものの、他の者がいる手前変に断るのもそれはそれでおかしいのではと、結局手を借りることにした葛城。
 何とも言えない空気が流れる中、彼女のチョコ作りも徐々に完成へと近づいていく。

 そんな二人を羨ましそうに見ていた犬のおっさんがいたのは誰も気づかなかっただろう。

 ***

 ワイワイ会話も弾ませながらも着々と作業は進んで行く。チョコを溶かす際に手間取って途中で固まってしまったり、分離してしまったり、ダマになったりと小さな失敗はあったものの、なんとか後は焼くだけになる。
『ねね、命! メッセージカードとかって用意したの?』
 焼き上がりを待っている間は「いざ、女子トーク!」とでもいう様に、会話は今回の発端となったバレンタインについての話をする。
『え!? えっと……改めて書くのって恥ずかしくて』
 一応用意はしたと、ごそごそと鞄から無記入のカードを取り出す。
『常世さんは本当に恥ずかしがり屋ですね』
 以前遊んでいた時もそのようなことを言っていたとサーフィが言う。
『バレンタインなんだから、羽目を外しても雰囲気にのまれると思うよ。ね、アリス』
 カードぐらい恥ずかしいものではないとAliceが言う。
「そうね。町中が甘い雰囲気にのまれているんだもの。気にすることはないと思うよ」
 人の目の前でイチャイチャするわけではないのだからとアリスが言う。
『ふふふ……何が書いてあっても嬉しいと思いますよ』
 失敗したチョコを再湯煎にかけながら、構築の魔女も会話に加わるのであった。
「ああ、そうだ常世さん。チョコを混ぜた生地は焼き上がりの判断を色で行わないこと。焦げても見た目では判らないからね。竹串を刺しても生地がついてこなければ完成で良い」
 会話に集中しすぎて、焦がさないようにねと海神が注意を促す。
『はい! ありがとうございます!』
 とはいえ、久しぶりに会った友人との会話が楽しいのか、ついつい夢中になってしまう。
 焦げたような匂いがオーブンから香ってくるのであった。
『ああ! 焦げてます焦げてます!』
 慌てて構築の魔女がオーブンを止めるも、すでに時は遅し、炭のような塊がオーブンから出てくるのであった。
「こ……これは……よそ見以前に火が強すぎたのかな」
 苦笑を浮かべる海神に対し、フローラと命はしゅんとなっている。
『『強い方が早く焼けると思って……』』
 そして二人して同じことを言う。
「……レシピ通りが基本だよ」
『……基本ができなきゃ、応用もできないよ』
 何も言えませんと二人は怒られた犬のようにしゅんとしたままだ。
『材料はまだあります。落ち込んでいる暇があるなら、作ってしまいましょう』
 手伝うから一緒に頑張ろうと言ってくれるサーフィにお礼を言う。
『うん!』
『頑張ります!』
 気を取り直して、チョコ作りを再開するのである。

「あれー? 美味しくない……」
 何とか完成したブラウニーを味見して首をかしげる葛城。ぼそぼそとして、ところどころ粉っぽい。
「味見してないから何とも言えませんが……もしかしたら混ぜる工程で混ざりきってなかったのかもしれませんね」
 苦笑を浮かべつつ、話を続ける九字原。
「皆さんまだ作るようですし、中途半端に残っている材料を使い切ってしまいませんか? 二回目は美味しく作れますよ」
 確かに中途半端に残った材料をどうするのかと言われれば、みんなで分けて持って帰るのも正直微妙な所だろう。
「……作るかぁ」
 先ほどの工程をもう一度となるのは正直言って面倒でもある――が、ここは素直に言われるままに作ることにしたのだった。

 ***

 お菓子作りを再スタートして一時間ほど。最初に開始した時から2時間弱かかっているだろうか。
『で……』
『できたー!!』
 一時はどうなるかと思ったお菓子作りであったが、なんとか形にすることができた。見た目は――うん、美味しそうだ。
『良かったですね。あとは味見を……きっとおいしいと思いますがね』

「私達のは冷えてる頃かな」
 海神とサーフィのチョコは一足お先に出来上がっていた為、冷蔵庫で冷やしていた。
 皆の前でチョコを綺麗に四角く切り出す。
『美味しくできていると良いのですが……』
 サーフィが切れ端を味見する。その様子を皆で見守った。
『……美味しいです』
 その言葉を聞き、海神も周りの皆もにっこり笑顔になる。
『あ、私達も冷めないうちに、海神さんに教わったように、チョコを撒きませんか?』
『うんうん! やってみようか!』
 海神に教わったやり方――砕いたチョコをブラウニーの余熱で溶かし、表面をコーティングする。それを綺麗に四角く切り出せば見た目も良く、切れ端は味見にできて一石二鳥というものだ。
 冷めないうちに、フローラと命も真似をしてブラウニーの表面にチョコをコーティングする。
「わたしたちはラッピングしちゃおうか、Alice」
『そうだね。あ、いくつか袋に入れようか、アリス』
 アリス達もできたようで、完成したものを箱に詰めていく。
「やった~!! できたー……」
 葛城もなんとかできたようで、ご満悦な様子。味見をして美味しかったのか、にこにこと笑顔を見せるのであった。
「うん。僕のも美味しくできました」
 九字原も美味しくできて満足のようだ。

■present for you.
 それぞれ、完成したところで個々にラッピングをしたり、味見をしあったりと料理教室の終わりは近づいて行くのであった。
「ねえねえ、みんな食べてみて!」
 予想よりも美味しくできたのが嬉しかったのだろう、にこにこと美味しくできたブラウニーを参加者全員に配る葛城。何かを思うように、ちらりと九字原を見る。
 視線に気づいた彼はにっこり笑って、皆が気付かないように小さく手招きをして彼女を呼んだ。
「これ……一番よくできたんです。良かったら」
 皆が個々のチョコに夢中になっている横で、こっそりとチョコを渡す。
「……今ここで渡すとか……」
 チョコを受け取った葛城は、周りをキョロキョロ見たかと思うと、その場で一気にチョコを頬張った。
「これで証拠隠滅……」
 恥ずかしいのか、少し視線を逸らす彼女の耳はほんのり赤く染まっているのである。
「……ありがたく受け取ってよね……失敗作だけど」
 ほほを染めて少々不機嫌そうに押し付けるようにして彼に袋に入ったチョコを渡す。耳は受け取った時よりも赤く染まっていた。
 一瞬、豆鉄砲を食らったような顔をするが、すぐににっこりと笑顔になる九字原。
「それじゃあ、おいしく頂きますね。」
 袋に入った一つを口に入れる。貰ったブラウニーは失敗作と言うだけあって、ちょっとパサつく気もするが、それよりも貰えたことが何よりも嬉しい。
 美味しそうに食べる彼に、彼女もどこか嬉しそうな表情を見せるのであった。

「お疲れさーん! 皆よくできたかの? これ、プレゼントフォーユーじゃ!」
 ちょくちょくアドバイスやら、手伝いをしに来てはいたが、ほとんど何やら作っていて、お主いたんか状態だった剣太が、ラッピングされたものを皆に配り始める。
 中には骨の形をしたクッキーと犬の形をしたチョコクッキーが入っていた。
 何をやっていたかと思えば、クッキー作りをしていたんだな。
『あ、そうそう。私も失敗したチョコを使って色々作ったんですよ』
 生チョコとカップケーキを皆に配る構築の魔女。
『わーいありがとう!』
『失敗したチョコを……凄いです』
 喜んで受け取ってもらったのをみて笑顔になる。
『わ……私も、皆さんに……今日はありがとうございました!』
 改めてお礼を言う命。彼女もラッピングしたブラウニーを参加者全員に配るのであった。

「よし! それじゃ、今日はお開きじゃな!」
 一通り会話やチョコ交換が済んだところで、この日の料理教室は終わりを迎えた。
 それぞれ、帰る支度をして部屋を出ていく。
『剣太様、素敵なお菓子作りの場をありがとうございます。よろしければ受け取っていただけませんか?』
 帰り際、サーフィが完成したブラウニーを彼にもプレゼントしてくれた。
 貰えると思っていなかったのか、受け取ったとたんに目をウルウルさせる。
「あ、ありがとう……ありがとうなんじゃー!!」
 相当嬉しかったのか、彼の尻尾は勢いよく右左に揺れるのであった。
『今日はありがと、剣太さん! これ最初の成功品。今日と日頃のお礼も兼ねて、あげるね♪』
 フローラからもチョコを貰って、とうとう涙がホロリと流れる彼。
「ううう……フローラ殿! ありがとう……心していただくぞ!」
 今日一番の笑顔でにっこりと笑う。尻尾の勢いは一層早くなるのであった。
「はい、あげる」
『この前お世話になったから、そのお礼だよ』
 アリスにも袋に入ったガトーショコラを貰い、嬉しさのあまり感極まって勢いよく二人を抱きしめてしまう。
「ありがとう……ありがとうなんじゃ――っは!」
 やってしまったと言わんばかりにすぐに抱擁を解く。
「すまなかった……」
 若い少女二人をおっさんが抱きしめるなど、ことによっては事案になるだろう。
「……喜んでくれたなら何より」
『それじゃ、またね』
 何事もなかったかのように挨拶して帰ってゆく二人に、内心ほっとする。
 腕の中にあるチョコを見て、鼻歌を歌いつつ彼も帰宅の準備をするのであった。

 ***

『ひりょ~、ただいま。ここに作ったチョコ置いておくよ~?』
「お帰り~。…、……え”?! 作った?! ちょっ」
『あ、命と剣太さんにも貰ったから、ちゃんと食べてね!』
 帰宅し、怪我のため家で安静にしていた黄昏ひりょ(aa0118)に、部屋の前からさり気なく声を掛けるフローラ。
 慌てる彼を置き去りに鼻歌交じりに自室へ向かうのであった。

『これ、剣太さんと常世さんに頂いたんです。こちらは私が作ったんですよ。折角ですから一緒にいただきましょうか』
「□□――……」
『ええ……今度会ったときにお礼を言いましょうね』
 辺是 落児(aa0281)にと、二人が渡したチョコを構築の魔女が作った分を含め彼に手渡す。
 お茶を入れ、二人で貰ったお菓子をゆったり堪能するのであった。

 今日作られたお菓子によって、食べた人が笑顔になりますように――

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • ほつれた愛と絆の結び手
    黄昏ひりょaa0118
    人間|18才|男性|回避
  • 闇に光の道標を
    フローラ メルクリィaa0118hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避



  • 紅の炎
    アリスaa1651
    人間|14才|女性|攻撃
  • 双極『黒紅』
    Aliceaa1651hero001
    英雄|14才|女性|ソフィ
  • マーメイドナイト
    海神 藍aa2518
    人間|22才|男性|防御
  • 難局を覆す者
    サーフィ アズリエルaa2518hero002
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 新米勇者
    葛城 巴aa4976
    人間|25才|女性|生命



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