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飲んで騒いで鍋パーティー
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お鍋しようぜ!【相談卓】
最終発言2017/11/08 00:30:11 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/11/07 10:11:02
オープニング
■
ひゅうっと風が吹き、その冷たさに体をぶるっと震わせる。
「寒いのう……もう飽きも終わりじゃなぁ」
そんな風が吹く寒い中、二人の男女が商店街で買い物をしていた。
『そんなに……モフモフしてるのに……?』
「……耳しかモフモフしてないからの?」
後は夕飯の買い出しぐらいかのうと彼らはスーパーに入っていく。
中をぐるぐると見て回っていると、食材コーナーの一角に目が留まる。
「ほう、鍋の素なんてあるんか。本当にもう冬に近づいてるんじゃのう」
目に留まったそれは、野菜など鍋の素材と一緒に入れるだけで美味しい鍋料理を楽しめるというものだった。
『鍋……いいわね』
「そうじゃのう……熱燗と一緒に……っくう、美味そうじゃ」
二人で鍋は寂しいから今日は無理じゃがなと、彼らはその場を後にする。
「のう……」
『……何?』
「日曜は休みだし……その……」
『……鍋食べたいんでしょ。誘ってもいいわよ。その前に部屋片づけて』
よっしゃと彼は、にかっと笑う。
楽しみじゃなぁ……鍋パーティーなんて話をしながら、必要なものだけを買うと二人は家へと帰っていった。
■
任務中のものはしばらくして、特に何もしていなかったものはメールの着信音に気づくのではないだろうか。
携帯端末を取り出し、件名を確認すると「招待状」と書かれている。
本文を確認すると、このようなことが書かれていた!
「諸君! 最近寒くなってきたかとは思わんか!! そこでじゃ。鍋パーティーを開催しようと思う! 日付は今週の日曜の夜じゃが、買い出しをするのも考えて四時ぐらいに集合して、わしの家で鍋をしようじゃないか! 飲んで騒いで鍋パじゃ! 参加待っておるぞ」
解説
●目的
剣太(az0094)宅で鍋パーティー
●分かっていること
・日曜の午後四時駅前集合、後買い出し
・剣太宅で鍋パーティー
・何が食べたいかは当日に買い出しをしつつ決める
リプレイ
■待ち合わせ
商店街の前にあるちょっとした広場。花壇や時計塔がある場所で、一人の男性エージェントとそのパートナーの女性が待ち合わせの為、ベンチに座り人が人が来るのを待っていた。
時刻は、午後3時45分。待ち合わせの15分前だ。
「もうそろそろ来るかのう」
獣のしっぽをふさふさと右へ左と動かしながら、剣太(az0094)遠くを眺めている。
『もう時間だからな。すぐ来るだろう』
黒髪ポニーテールの女性、玲(az0094hero001)がそれに答える。
「どーもー」
そんな会話をしていると少し離れたところから、緑髪の男性とピンクの女性がこちらに向かって歩いてくる。
『こんにちはっ!』
ヘッドホンのうさ耳がお辞儀によって小さく揺れる。
待ち合わせ一番乗りは、虎噛 千颯(aa0123)と烏兎姫(aa0123hero002)であった。
「どうもーじゃ! よく来てくれたな!」
剣太は笑顔で二人を歓迎する。その陰から玲が『どうも』と小さく挨拶をした。
「嫁さんがおるもんで、誘っても大丈夫か不安じゃったが、来てくれたようで何よりじゃ」
「いやー、飲みすぎなければ大丈夫だと思うぜ! 見てないからばれないか……」
『飲みすぎたらママに言っちゃうんだよ?』
「いやいやいや……そこは秘密に」
そうこう話しているうちに次々と他の鍋パ仲間たちが集まってくる。
「お、虎噛みさんたち早いね」
『一番乗り……じゃなかったね……』
眼鏡の似合う麻生 遊夜(aa0452)とその後ろから尻尾を振り振りとしながら、ユフォアリーヤ(aa0452hero001)ついてくる。
「こんにちはーじゃ! いやいや、お二人さんも十分早いぞ」
「時間前行動は基本だからな」
『時間は……しっかり守るの……』
ふんすっとリーヤが胸を張る。
「そうじゃな」
どや顔のリーヤにくすりと笑う。
しばらくして、黒髪に金色の瞳の少年、十影夕(aa0890)と銀髪の少女シキ(aa0890hero001)がやってくる。
こんにちはと二人が挨拶してくれる。
「今日はよろしく」
『やあ、わたしだ。おまねきありがとう。たのしいパーティーにしようじゃないか』
「どうもお二人さん。さて、あとは……」
時計をちらりと確認する。時刻は待ち合わせ10分前だ。
「ひゃー……皆さんお集まりで!」
『こんにちは』
人が集まってるのを見て焦ったのか、ぱたぱたとアル(aa1730)が走ってくる。その後ろからゆっくりと白江(aa1730hero002)が歩いてきた。
「そんなに急がんでも良いぞー」
転ばんようにと言いかけたところで、タイルの小さなずれにアルが足を引っかけてしまう。
「わわっ」
このままでは転んでしまうと彼女はぎゅっと目をつぶり来るべき衝撃に備える―……だが、それはいつまでたっても訪れなかった。
『大丈夫かー?』
彼女を大柄の男性が受け止めてくれていた。よいしょっと優しく立たせてくれる。
「あ、ありがとうございます!」
一瞬何が起こったのか頭でわかっていなかったのだろう。はっと慌ててお礼をする。
『足元には気を付けねーとな!』
がははと笑い、彼女の頭にポンっと手を載せるのはラドヴァン・ルェヴィト(aa3239hero001)であった。
「あんた、あんまり触ってるとセクハラで訴えられるぞ」
少女の頭に手を載せる彼に対し、後ろにいた雨堤 悠(aa3239)が冷静に突っ込みを入れる。
『えぇ!? 助けただけじゃねーか』
「助けたのはいいとして、撫でるのは余計だ」
二人のやり取りを見て、アルはくすっと笑う。
『大丈夫でしたか?』
白江が転びそうになった彼女を心配してくれる。
「うん。受け止めてもらえたから大丈夫だったよ!」
白江の方に向いていた視線を助けてくれたラドヴァンの方へ向け再びぺこりとお礼をした。
そうこうしているうちに、最後のメンバーが到着する。
「おー? どうしたっすか?」
ゆっくりと君島 耿太郎(aa4682)がアルたちと別方向から歩いてくる。4人のやり取りを遠目で見ていた彼が、それを見ていたであろうメンバーに問う。
「彼女が転びそうになったのを彼が助けてくれたんじゃよ。さてさて、これで全員かの」
『おや、一番最後だったか。これは失礼した』
どうもと彼の隣でアークトゥルス(aa4682hero001)が皆に挨拶をする。
彼の言葉に時計目をやってから「いやいや、待ち合わせの時間ピッタリじゃ。大丈夫じゃよ」と笑って答えた。
皆がそろったところで、グループは二手に分かれることになった。料理の下準備をする班と足りないものの買い出しをする班の二つだ。買い出し班は剣太が加わり、料理班は剣太の家がわからないということもあり、玲が案内することになる。それぞれ、少し話をしてからこの場を後にするのであった。
■買い出し班
「さーて、何を買うんだっけかな」
皆で話して、必要なものを書き留めたメモを見ながらさらっとかごとカートを虎噛が用意をする。ふと、後ろから視線を感じる気がした。振り向くと白江がこちらをジィっと見ている。視線の先はカートに対して注がれている。
「ん、なんだー? カート押したいのか?」
彼の言葉に白江はこくんと頷いた。
「お、じゃあ、頼むな」
にっこりと渡してくれる。心なしか白江は嬉しそうだ。
まずは野菜コーナーか、とりあえず鍋の材料だけは皆で見て回ることにする。
『そのガラガラ、きみがおすのかい?』
シキがカートを押す白江に声をかける。それに対し白江はこくんと頷く。
なるほど、では……といそいそとシキは下の段に乗り込む。
『さ、おしてくれたまえ。あとで、こうたいしてあげよう』
このまま進んでいいものかと一瞬頭の中で考える。白江の考えを代弁するように突っ込みが入った。
「それ乗るやつじゃないから」
十影に軽く注意され、しぶしぶといった感じでカートから下りる。
『先に押しますか?』
『いや、けっこう。もうしばらくしてからこうたいしてもらおうか』
何とも二人のやり取りは可愛らしい。
「えっと、何がいる感じっすか?」
「そうだなー……メインの野菜はだいたい用意してあった感じだったよな」
「そうじゃ。じゃから、足りない分と食べたい材料があればって感じじゃな」
「結局何鍋にするんだっけ」
「えーっと……たしか……」
男五人でメモと睨めっこする。
予定としてはチーズ、豆乳、キムチ、海鮮の四種類に決定した。チーズに関しては剣太がどうしても食べたいということだった。
野菜コーナーにて、足りない分の野菜を選ぶ。
「チーズと豆乳に合う野菜を足して買った方がいいかもな」
「すまんのう……皆の話を聞いていたら洋風の鍋が食べたくなってのう」
チーズが食べてみたくなったんじゃと、少し申し訳なさそうに剣太がいう。
「いやいや、俺ちゃんは嫌いなものないから美味しければ何でもいいんだぜ~!」
「俺も俺も! 人数多いから種類あっても食べきれそうっすからね!」
「だな。好き嫌いがあった時のために四種類にしたんだからな」
それに対し皆がフォローを入れてくれる。
皆のやさしさに涙を潤ませている剣太の後ろで、三人が淡々と食材を選んでいた。
「チーズに合いそうなのはなんだろう」
『ナスはダメかね?』
パスタにも合うからいいんじゃないかなと十影がナスを手に取り、二つを見比べる。
『こちらの方が、栄養たくさんなんです』
白江が片方のナスを指さす。
『トゲが痛い方が鮮度もいいです。へたの筋がくっきりしてるのも良く熟してるんですよ』
『ほう。きみはものしりだな』
二人は白江の説明に感心しているようだ。
野菜、肉、魚、鍋の素など、鍋の食材はすべて選び終え、残るは飲み物や各自買いたいものを選ぶことになった。
「今回は無礼講じゃからな! 酒は買っておかねばのう」
酒好きの剣太はウキウキとお酒コーナーに向かう。
「俺ちゃんも一緒に行くかな~」
「二人がお酒のコーナーなら俺が他の人用の飲み物でもえらんでこようかな」
『それなら、わたしがかーとをおしていくとしよう』
十影とシキがお酒を飲まない人用に飲み物を選びに行く。
「食後のデザートでも買っておくか……」
「じゃあ、俺はお菓子っすかね」
雨堤はアイスコーナー、君島はお菓子コーナーへと向かう。
皆がそれぞれ買うものを選びに行っている中、レジに並ぶ白江の姿。かごの中にはリンゴが三つ入っていた。
■下準備
『さ、ここが私と剣太の家です。どうぞ』
一足先に、剣太の家へと向かう六人。住宅街に建つ二人で住むには広いんじゃないかと思われる一軒家に案内される。2階建て、3LDKの家だ。
「へぇ、なかなか立派じゃないか」
『二人で……住んでいるんだよね……』
麻生とリーヤの二人は意外そうな顔をする。
『剣太は人を家に招いたりするのが好きなんです……』
本当は結婚をしようと思っていた相手の為だったみたいですがとボソッと呟く。
『さーてと、お邪魔するぞ』
皆いそいそと中に入っていく。そのままリビングへと向かう。
『わ! 炬燵だ!』
こんな大きいのは初めて見たかもと烏兎姫がはしゃぐ。
広々としたキッチンに、少しきつめではあるだろうが全員が座れるだろう長方形炬燵が置かれている。
『人を招くのが好きだっていうだけはあるね』
俺もこの大きさは初めてだよとアークトゥルスもうんうんと頷いた。
『鍋には炬燵だーって言って、剣太が張り切って田舎の実家から持ってきたんですよね』
彼女は飽きれ顔でそう答え、小さく溜息をつくのであった。
「剣太さんらしいね」
玲の言葉にアルはふふふと笑った。
『さーて! やるか!』
手を洗ったりなど準備を終えた六人がキッチンで材料を並べる。
『……ん、ボクはお皿を運ぶ……』
『そしたら、私が棚から出すからそれを運んでいただきましょうかね』
玲とリーヤが、取り皿などを用意するらしい。
残りの者がテキパキと野菜を用意する中、一人固まる者がいた。
『ん? もしかして、料理したことないんですか?』
まな板の上の野菜と睨めっこするラドヴァンに烏兎姫が声をかける。
『料理……無論、したことはない!』
彼はなぜか自信満々に答える。理由は慎重派だからだそうだ。
『なるほどー。それじゃ、ボクと一緒に野菜を切りますか!』
「んーと、それじゃボクは二人が切ってる間に野菜を洗っておこうかな」
アルが洗った野菜を烏兎姫とラドヴァンが切る―料理に慣れていない三人は野菜を準備することになった。
皮むきはピーラーでやってしまえば楽ですよーなどの説明を受け、『なるほどな!』とゆっくりと見様見真似でラドヴァンも野菜を切っていく。その後ろで、料理に慣れている組がテキパキと他の事をやっていく。
「煮込んでおける食材は先に火にかけておこうか」
『野菜と昆布を入れて沸騰してから残りの食材を入れるんだったな』
「あーでも、鍋の素を買ってくること考えると煮込むのはあとの方がいいのか?」
後から材料が届くことを考え、できることからやっていく。
『あぁ!』
高いところからお皿を取り出そうとした玲が手を滑らせ、皿を落としてしまう―……が、間一髪のところでリーヤがお皿をキャッチした。
ほっとした顔で親指を立ててリーヤにお礼を言う。
『ありがとう。ナイスキャッチです』
『……落ちなくてよかった……』
リーヤのしっぽが右左と揺れる。うまくキャッチできたことが嬉しそうだ。
「なんだ、高いものをとるときは言えばいいのに。これか?」
二人のやり取りを見ていた麻生が手伝ってくれる。
『……ユーヤありがとう……』
ニコニコと彼からリーヤがお皿を受け取った。
『おお! うまく切れてきたんじゃないか?』
アークトゥルスがラドヴァンの野菜を切る姿を見て感心する。
最初は歪んでいた切り口も徐々に綺麗になっていた。
『うんうん!』
「上手くなってきましたよね!」
アルと烏兎姫もニコニコとアークトゥルスの言葉に同意する。
『教え方がうまいからな。貴殿らのような者がいてこそ、俺様も初めての物事に躊躇わず踏み出せる』
やってみれば何とかなる物だと彼は豪快に笑った。
■待ちきれない!
できる準備も終わったところで、買い出し班も剣太の家に到着し、残りの準備を待つのみとなった。
炬燵の上には三つのIHコンロの上に置かれている。キッチンの方からぐつぐつという音と共に鍋からいい香りが部屋に充満する。
「あああ! 待ちきれないのじゃ!」
尻尾をぱたぱたと振る剣太は今にもヨダレを垂らしそうだ。そんな彼に「落ち着きなよ」と玲から突っ込みが入る。
「だな! いい匂いがしてきたぜ!」
うんうんと虎噛も頷く。
「このままダラダラするのももったいないっすし、トランプでもするっすか?」
ほとんど準備も終わり、あとは料理班に任せることにして一つ提案をする。
「へぇ……いいね。何する?」
皆、異論はないらしく君島の提案により四人はトランプをすることになった。空いてるスペースで、せっせと折り紙を折るシキがいる。
『難しそうですね』
それを白江がじいっと眺める。
『これは、かんたんなおりかただ。やってみるかい?』
こくんと頷いて白江もそれに加わる。二人のやり取りを隣でニコニコとリーヤが見守る。
『リーヤもみてないで、やってみるかい?』
『……うん……やる』
二人でせっせと箸置きを折り紙で作っていった。
「ラドヴァンさん、料理とかするんだ……?」
野菜をスムーズに切っているのを見て予想外だったとでも言いたげだ。
『最初はちょっとぎこちないとこもあったけど、もう慣れてきたよね!』
会話をしつつ着々と準備を進めていく。
「同じ料理でもさ、自分で作るよりも人に作ってもらったものの方が何倍も美味しく思えることって多いよね。何でだろうねぇ」
ふと疑問を口にする。
『そりゃあ、あれだ。愛情がこもってるからに決まってるだろう』
それに対し、ラドヴァンが豪快に笑って答えた。
切った材料を麻生とアークトゥルスが鍋に入れて煮込んでいく。
鍋の素の説明書きを確認しそれに従い、ところどころで味見をしながら作っていく。
『少し味をみてもらえるか。濃ければ少し水を足そう』
小皿にスープを入れ、麻生が味見をする。
「ん、いいんじゃないか? これはもう向こうに運ぼうか」
鍋掴みで零れないように炬燵の方に持っていき、IHコンロの上に乗せる―そして、電源を入れた。
■いただきます!
「なんでじゃあぁぁぁ!」
ババを最後まで手元に残してしまった剣太が叫ぶ。
『剣太は表情がわかりやすい』
「だな」
「そうっすな」
彼女の言葉に二人は頷く。
「ほらほら! 鍋が全部で来たよ~」
最後の鍋が運ばれてきて、テーブルの上には三つが綺麗に並べられた。ぱかっと二を外せば湯気と共にいい匂いが部屋中を包んだ。虎噛に借りた仕切り鍋にはチーズと豆乳、普通サイズの二つの鍋にはそれぞれキムチと海鮮がぐつぐつと煮込まれている。
美味しそうなどと口々に言う。そして、いただきまーすの声と共にそれぞれ鍋を楽しむのであった。
「いえーい! 鍋パだぜー! 酒が飲めるぜー!! 飲んでるー? 楽しんでるー?」
上機嫌な虎噛はニコニコしながらお酒を片手に3つの鍋を楽しんでいた。
「いえーい! 楽しいのじゃ! そして、チーズが美味じゃ!!」
剣太も負けじと虎噛のテンションに乗っていく。そんな彼をやれやれといった感じで眺め、玲は黙々と料理を食べていく。
『キムチ鍋って辛くない? なんか赤いけど……ボク辛いの余り得意じゃないんだー』
『にがてなものはむりにたべることはない。あ、おとうふがたべたい。とってくれたまえ』
皆、会話も楽しみつつ食べたい鍋をつつく。
「アルたちは?どれ食べたい?」
自分より小さい三人に代わって、十影がお皿によそってくれる。
「ボクはどれから食べようかな……」
アルは並べられたお鍋になかなか決められないようだ。
『しきのおすすめはどれですか?』
白江の質問に対し、野菜が好きなシキは野菜を勧めた。
「あー、美味ぇ……やっぱ鍋はこれだな」
『……ん、お肉ウマウマ……あったか、ぽかぽか』
麻生とリーヤはキムチ鍋を美味しそうに食べている。
「ん……美味いな」
雨堤も味に満足の様子だ。
『おう! 皆の愛情がこもっているからな!』
雨堤の言葉にラドヴァンが笑って答える。彼もまた酒を片手に鍋を楽しむ。
「皆で食べる鍋はやっぱり美味いっすな!」
『そうだな。こうして皆で食卓を囲むのはやはり良いものだ。心まで温かくなる』
ニコニコと君島とアークトゥルスも会話と鍋を楽しんだ。
■シメにはやっぱり……
具材も少なくなり、シメに差し掛かかる。チーズ鍋はご飯を入れてリゾット風に。キムチ鍋もご飯と卵をいれて雑炊に。豆乳と海鮮はラーメンを入れ最後まで楽しんだ。
『パパ! またそんなに飲んだらママに怒られるんだよ?』
「う……烏兎ちゃんが言わなかったらバレないんだぜ……」
烏兎姫の言葉に「今日は無礼講だからな!」と言い訳をする。
「キムチ鍋とチーズ合わせるの美味いな……」
『ん……どっちも美味しいの……』
「なんだ! それは名案じゃ!!」
麻生とリーヤの言葉に剣太が食いつく。
「へぇ……ありかもな」
「なるほど、そういう食べ方も美味そうっすな!」
剣太に続き君島と雨堤もキムチチーズリゾットを作る。
「おこたの暖かさには病みつきなっちゃいそうだよ」
『そうだな。こたつのぬくもりはわすれられなそうだ』
『それにはきよえも同意です』
「元々土鍋も買おうとは思ったけど……コタツもいいね。ちょっと欲しくなったよ」
お腹いっぱいになった十影、シキ、アル、白江の四人はコタツの良さに夢中のようだ。
『思った通り、この暖かい料理に冷えたビールは最高だな』
『童子が多いから酒は怒られるかと思ったが、飲めてよかった』
そうそう今夜は無礼講だと酒を片手にラドヴァンとアークトゥルスも会話を楽しんだ。
しばらくして、剣太がデザートにと雨堤が用意してくれたアイスと白江に頼まれたうさちゃんリンゴを運んできた。リンゴを一つ分けてもらい、それを焼きバニラアイスを添えて軽くシナモンを振りかけた、なかなかにシャレオツなデザートも振舞う。お腹に余裕がある者は皆それを食べつつ、食休みとして最後はトランプを楽しむのであった。
■後片付け
「ふぅ……お腹いっぱいだ」
『美味しかったねぇ』
そんな会話をしつつ、皆で後片付けをする。お皿を運び、洗ったり、テーブルを拭いたりと分担したら片付けもあっという間に終わることができた。遅くなるのも悪いからと片付けが終わってこの日は解散となる。
駅の方まで送る間も剣太はずっとニコニコしていた。よっぽどみんなとの鍋が楽しかったのだろう。
「皆、本当にありがとう! 美味しかったし、楽しかったのじゃ!」
そういって、またにかっと笑う。次はクリスマスパーティーでも計画しておこうかのうと彼は上機嫌だ。皆機会があったら、暇な時にでもとまた誘ってもいいかという彼の問いに答えてくれる。その答えに対し彼はより上機嫌になる。
こうして鍋パーティーは終わりを迎えた。
(みんなも楽しんでくれたかの……楽しんでくれていたなら良いの)
皆を送った後彼はひっそりそんなことを思っていたのだった。
結果
シナリオ成功度 | 大成功 |
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