本部

心許し

鳴海

形態
ショートEX
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/10/04 14:41

掲示板

オープニング

●フラジャイル
 H.O.P.E.の敵は愚神だけではなく、その霊力という存在を悪用する存在も処罰の対象である。
 それが霊力という手段を行使する限り一般の対犯罪者組織、民間企業では対打ちできず必ずH.O.P.E.の力を頼ることになる。
 H.O.P.E.は最近になってその力を増してきた。その場で起きた即興的事件に対して即応が可能。
 それだけではなく、長期を見据えた調査それに伴う戦闘も可能となってきた。
 結果、水面下で熾烈なやり取りの行われていた事件が一つ。
 終わりを迎えることとなる。
 とある孤島の、古城にて、愚神に取りつかれた男が無残な末路をたどった。
 死者二名、負傷者八名。リンカーたちの拳闘もむなしく犠牲者が出てしまう事件となった。
 かの愚神が行っていたのは少年少女の監禁と虐待。
 その血肉を食らうというおぞましい行為だった。
 その行為からか愚神は自身を『ドラクル』と名乗り、長きにわたってH.O.P.E.に辛酸をなめさせ続けてきた。
 そんな彼の根城を探索していると、調査員が地下に牢獄を発見する。四つの小部屋が左右に並んだ、合計八部屋存在する大きな牢獄。
 その牢獄すべてに詰め込まれていたのは、体の一部が欠損。あるいは。
 腐敗しているわけでもないのに骨が覗いた老若男女、人間たちの死体。
 
 ここに君たちがいてもいいだろう。

 あるものは嗚咽をもらし、あるものは胃の中味をぶちまけるだろう。 
 それほどまでに凄惨な光景だったのだ。
 ただそんな死体の山から希望を発見する。
 生きている少女がいたのだ。
 やせぎすの体、目は虚ろ。
 しかし五体満足でそこにある。
 腐臭満たす絶望の空間で生き抜いた少女。
 しかし、その心はどうしようもなく壊れかけだった。
「いやだ! いやだ!」
 H.O.P.E.職員が歩み寄ると必死に抵抗を続ける少女。仕方なくH.O.P.E.は彼女に睡眠薬を投与し施設へと連れ帰った。



● ドラクルを受け継ぐ少女。
 アレア・リリムアータ と少女は言う。
 十四歳の北欧人の血が混じっているようで、金髪碧眼の美しい少女だった。
 ただその出自は判然としない。なぜなら彼女は十歳程度の時に売られているからだ。
 世界の裏側で人身売買はまだ存在する、臓器や人間の一部が主流となっていたけれど、まだ奴隷という物を欲しがる人間はうんといるのだ。
 そこから、逃げだし。逃亡生活。
 それでも捕まり監禁生活。
 そしてドラクルに売り渡されたのが一年半前。
 そこからは、彼女は語ろうとしない。だから彼女の心の内は想像を巡らせることでしか理解できないのだ。
「彼女、発見された直後は口の周りを血で汚していたのよね」
 さらに少女は造血能力と栄養吸収能力が著しく悪いことが分かった。
「つまり彼女は人を食っていた。たぶんそれは体に足りない栄養素を補うために一番効率が良いこと、だったと思うけど。そのせいで彼女の体は狂ってしまっているわ」
 生物の血を吸わないと健康を維持できない体になってしまっているという。
「加えて、心がね……ひどい有様よ」
 生まれてからも、愛されたことなど無かったのだろう。彼女はとにかく人を怖がった。
「H.O.P.E.職員が近付こうものなら攻撃されるわ。フォークでさされた職員もいるって話よ」
 彼女が保護されてから一か月。感染症や外傷と言った病は言えたのだが、その後天的とも呼べる吸血鬼病と壊れた心はずっと治らないまま、時が過ぎている、何とかしてあげなければならない。
 だって彼女は人間で社会で生きていかなければならないのだから。
「彼女の心の助けとなってあげられそうなエージェントを集めて。そしてしばらく一緒にいさせようと思うの。だからあなたも協力して」
 そう遙華は頭を下げると君に調書を手渡した。
 ここから少女を闇から解き放つべく、リンカーたちの奮闘が始まるのだ。


● 心ゆるしたまへ

SL……セキュリティレベル

 今回はこのSLという概念を導入します。
 少女が心を開くたびにSLXの情報が公開され、その内容に沿ったイベントが発生します、このXには数字が入り、最初は1しか公開されません。
 少女の心が開かれるたびに上位数字の情報が手に入ることになるのです。
 またSLZは皆さんは知っているがアレアの口から語られたわけではない情報をさします。
 この知っているというのは、察したという意味でもありますし、記録を探した。という意味でもありますし。 
 皆さんが独自に発見したものだと思ってください。うまく使えば効果は高いのですが、うまく使えないと信頼を失うかのせいがあるという事です。

SL1- アレアは自分が虐げられて生きてきたことを伝える。攻撃されることが当然であり、そうしない皆がむしろ怖いという。この後何か大きなしっぺ返しがあるのではないか、そう怯えている。
SL2- 人から血を吸わなければ生きられない、だからあなたの血を飲ませてほしいとアレアは告げる、しばらく血液を我慢していたので喉が渇いて死にそうだと告げる。
SL3-血を啜り、他人を害することでしか生きられない自分は悪だと笑い。説得を続けようと必死になるあなた方の目の前で死のうとします。方法は舌を噛み切るか喉にフォークを突き立ててです。どちらも実際に死ねるかどうかは……

SL4-夜が怖いことを告白します。死体の山に隠れて眠っていた頃が一番落ち着くと。ただ、人の体温は慣れないと言います。彼女は心のうちではどうしてほしいか決まっているくせに、それを口に出すのは怖いのです。

SL5- ここまでたどり着けば彼女の心を開くまでもう少しです。アレアは涙を流しながら皆さんから距離を取ります。優しくしないでと、この優しさが嘘だったならどうしていいか分からないと涙ながらに訴えます
「私は、こんな優しい世界があるなら、何をやっていたのか……」
「信じられるものが何もないから、大切にできるものがなにもないから、心を殺して生きてきたのに」
「やめてよ、やめてよ、優しくしないでよ。そんな感情知らない。私は悪魔で人間じゃないんだから」


SLZ-アレアの写真。よく似た女性が映っていることから家族写真だとわかる。母娘二人の写真、アレアは四歳くらいだろうか。笑っている。
 母の存在を明らかにすると、母を病から救えなかったとアレアが独白します。
 それ以降、母を思って夜な夜ななくようになります。

SLZ-吸血鬼病など存在しない。アレアの場合は栄養吸収効率が悪いことからくる慢性的な飢餓感と、健康な人間の血液に含まれた多分な栄養素が消化吸収高めなのも影響して、血を吸っていないと生きられないと思っているだけです。
 これを明かすと状況によってですが、様々な方向へシナリオが動くことでしょう。
 予想ができないので何とも言い難いですが。ただ一つ、この情報を明かした人間は嫌われることは確実でしょう。

解説

目標 アレアの心を開く。
 
 アレアには沢山の問題があります。

・対人恐怖症
 これは生まれてから人に愛されなかった記憶によるものです。
 アレアは優しい心を知りません。そのせいで皆さんの言葉にはそっけなく、辛辣でむしろ憎まれようと強い言葉を吐くでしょう。
 そんな彼女の心を見通して、彼女がどうすれば心安らかにいられるのか考え行動する必要があります。

・吸血鬼病
 彼女の心の問題である、自分は人間でなく悪魔である。その根拠となっているのがこの吸血鬼病です。SLZでも説明しましたが、それは錯覚です。
 ただ、自分で自分を嫌悪するきっかけとなっていますし、同時に自分を罰するための杭でもあります。
 自分で自分を罰するための口実としても機能しているので否定されたがりません。

・これまでの人生経験
 彼女は生きるために沢山の人をだましたり、嘘をついたり、傷つけたりするのが日常でした。
 それが普通で、普通でなければ困るのです。
 普通でないなら、優しい世界が普通ならなぜアレアは人を傷つけて生きてきたのでしょうか。
 世界が優しいと困るのです、世界が優しければ優しいほど、自分は残酷な存在だという事になるのですから。

リプレイ

プロローグ
かつてこの世界で起きた事件、山奥に住まう狼たちの群に一人の少女が混じっているのを見つけたことがあったそうな。
 その少女は狼と同じように四足で歩行し、探索者たちに対して唸り声をあげたという。
 その少女は探索者によって保護されたのだが、この世に生を受けてからずっと狼として生きてきた、けだものの少女は、人の言葉を理解することはなく、なれない環境で神経をすり減らしやがて衰弱して。
 死んでしまったらしい。
 不思議と『鐘田 将太郎(aa5148)』はその事件の事を思い出していた。
 固く閉ざされた暗闇の中で生きてきた悪の少女。
 そんな少女と相対するその時を将太郎は恐れてはいなかった
「臨床心理士の俺としては、やりがいがある依頼だ」
 そう『嬢(aa5148hero001)』の前で告げる将太郎の目の前でバンが止まる。
 眠らされた少女がぐったりと横たわる後部座席の扉、それが自動で開くと
『エステル バルヴィノヴァ(aa1165)』そして『泥眼(aa1165hero001)』が歩み寄る。
『アレア・リリムアータ』自らを吸血鬼と称する少女。悪の権化。
 それが今数名のリンカーたちの手に渡った。
 そんな彼女に歩み寄ろうとした『無月(aa1531)』を将太郎が静止した。
「全員で話しかけると警戒するだろう。愛されなかったのなら尚更だ」
「暴れる可能性もあるから、制御役も必要だね」
 嬢が告げると無月はいったん接触を控えることとする。
「不安なのかい?」
 施設内に運び込まれる少女を黙って見送る無月。そんな無月に『ジェネッサ・ルディス(aa1531hero001)』が声をかけると無月は首を振る。
「いや、彼女の事を考えていた。」 
 彼女はどれだけ闇の中で苦しんで来たのだろう。そう考えると胸が締め付けられるように痛んだ。
「私は果たして彼女の闇を照らす月となれるのだろうか。いや、ならねばならないのだ。それが私の使命なのだから」
 そう決意を新たにアレアの後を追う無月。
 そんな施設内では『九重 陸(aa0422)』と『(HN)井合 アイ(aa0422hero002)』が待機している。
「アイさん、変装解いたんすね」
 いつもとは違い、怪しくない格好のアイ。あまりに違いすぎるため一瞬誰か分からなかったほどだ。
「ったり前だろ。対人恐怖症の人の前にあんな馬鹿みたいな格好で出られるかよ」
(自覚はあるんだ……)
 何とも言えない言葉をかみ殺し初診に向かうアイ。彼女の意識が戻ったらしい
「しかし、初めて出会った時のお前とそっくりだなナハト」
『ヴィント・ロストハート(aa0473)』がそう言葉をかけると『ナハト・ロストハート(aa0473hero001)』は気まずそうな顔をしてそっぽを向いた。
「……そこについてはノーコメントで。それと、昔の事を引っ張り出さないで。恥ずかしいから」
「まぁ良いさ。さて、迷える子猫の心を堕とs……いや、救いにいくとしようか」
「今、堕とすと言おうとしたよね……」
 そうヴィントはアレアが収容された一室、その扉の向こうで待機する、もし何かあった場合抑え込むためである。
 そして室内に向かったのは『天城 稜(aa0314)』
 室内には生活に必要な物が一式そろえられているが。さっそくイスとテーブルをひっくり返されたらしい。派手な音がした。
「稜……」
 床に倒れ伏した稜へ『リリア フォーゲル(aa0314hero001)』が歩み寄る、弱っている割に激しい動きで椅子を投げつけてきたアレア。その角の部分で額を切ったのだろう。ついでにゴムも切れたのか、束ねた髪が広がって普段よりまして女性に見える。
 稜は上半身だけ起こすと目に入らないように血をぬぐった。
「大丈夫……」
 その稜の言葉はリリアに向けられたものではない、別途の隅で小さくなるアレアに向けての物だった。
「大丈夫」
 アレアは目を白黒させている。だが、稜の血を見るとそれに視線が吸いつけられて喉を鳴らす。
「これから、検査をするよ。君の体に菌がないかとか、食事はちゃんととれるのかとか。調べる検査だから、大丈夫、安心して」
「いや!!」
 がたがた震える少女を見て。彼女が落ち着くまで稜はその場で微笑み続けた。



第一章 その歴史
 やっとこさ初診を行えたのはなんと次の日の事である。
 根競べで負けた彼女はしぶしぶ稜に連れられて各種検査を受ける。
 注射などはなれているのだろうか、怯えずに受けたし。
 彼女にそのことを問いかけてみても。
「なれてるから」
 そうとしか言わなかった。
 そして一行は診察室の隣に構えたモニタールームで将太郎の接触を見守ることにした。
 稜が遅れて現れ髪をバレッタで纏める。
 将太郎が入出すると、丸椅子の上で器用に体育座りする少女はびくりと体を震わせた。
「はじめまして。俺は鐘田だ、よろしく」
 席に着くなり将太郎はそう短く名乗る。すると間髪入れずアレアは問いかけた。
「ここはどこなの?」
「ここはH.O.P.E.だよ」
「私のご主人様は」
「H.O.P.E.によって捕縛された。もう君に危害を加えるつもりはない」
「うそ、目が泳いだもの。私わかる、嘘をついてる人はわかるのよ!」
 アレアが診察台の上に目を走らせた。そこに転がっているのはカルテやボールペン。聴診器や鍵。
「そうか、すまない、失礼なことをしてしまったね。だったら正直に話そう。彼は死んだ」
「嘘よ!」
 今度は激情に身を任せアレアが立ち上がる。
 その急な動作にも将太郎は動じなかった。
「嘘じゃない。本当だ。だから君を傷つけるものはもう何もない」
「うそ! うそ!!」
 首を振るって目元を抑える少女、体が震えている、骨の髄までしみこんだ恐怖が再生されているのだろう。
「あああ、あいつは、私の悲鳴を聞きたがった。そうやって嘘をついて、何度も私を……騙されない、そんなそんなことば!」
 そんなアレアの様子に将太郎だけでは力不足と判断した嬢。
 彼女はアレアに歩み寄り、笑顔を作って告げた。
「あたしは嬢。兄貴は変なカッコだけどイイ奴だから」
 変な格好は余計。そう口にしようと思うも少女の前で言い争いをするのもあれなのでやめておいた。
「君のことを話してくれないか? 少しずつでもいいから」
「私のこと?」
「君は何が好きで、なにが嫌いかだとか」
「あたしたちにどうしてほしいか、とか」
 将太郎、そして嬢が柔らかに声をかける。そんな二人を不審そうにアレアは見つめた。
「私は、あなた達が理解できない」
 将太郎は頷く。
「なんで、私にご飯をくれるの? 着るものと、寝る場所まで」
「それは、それが普通だからだ」
「私の知ってる普通と違う」
 アレアは噛みしめるように告げた。
「私は」
「でもそれはあなたがあの城に囚われてからの話でしょう? 囚われる前はどうだったの?」
「お母さん」
 アレアは自分の膝に瞼を押し付けた。
「お母さんがいたのかい?」
 少女は頷く。そして唐突に話題を変えた。
「私の好きなものは、血」
 調書をちらりを横目で確認する将太郎。確かにそこには血をこのんで接種すると書かれている。
「喉が渇いたわ」
 そうぎらつく視線を将太郎に向けた。
「水ならあるが」
「あなたは、私を助けたこと公開するわよ、あの時あの場で殺して置けばよかったって。だって私。悪魔だから」
「良く話してくれたね」
  告げると将太郎は書類の類をまとめ始める。
「今日はゆっくり休んでくれ」
 そして最後に嬢が告げた。
「優しくされるのが怖いのかい? あたし達はあんたに酷いことはしないんだけど」
「そんなの、分からない。私には全然」
 すると嬢は両手を広げて見せる、その行動にアレアはあからさまな嫌悪感をみせた。
「なに?」
「いつでも、こっちに来ていいのよ?」
 そう告げる状の言葉にアレアはなおさら身を固くした。
「私は、あなた達が怖い」
 そう告げて。

   *   *

 施設で暮らし始めてから三日。アレアは大人しかった。
 部屋の隅で丸くなり、昼夜問わず眠らない、緊張感を針のようにとがらせて食事や身の回りの世話のために定期的に顔を出すリンカーたちには敵意をあらわにした。
 そして一番の問題は一つ。
 彼女が食事に手をつけていないこと。 
「大丈夫だ、毒は入っていないよ」
 そう無月がアレアの目の前で食事に口をつけてもアレアはそれに手をつけようとしなかった。
 そんな中事件が発生する。見回りに来た陸。その目の前で横たわる少女。アレアがか弱い呼吸で床に倒れているのが見つかったのだ。
「誰かきてくれ!」
 陸が彼女を抱え起こそうと手をかけるとアレアはか弱い腕力でそれに抵抗しようとする。
「こんな時に意地をはってるなよ!」
 その隣にアイが腰を下ろし瞳孔。そして脈拍を確認する。
「極度の衰弱状態だ……専門じゃないから詳しくは分からないけどすぐに治療を」
「……が、のみたい」
 その時少女がか細くつぶやいた。
「なんだって? 何がいいたい?」
「血が……」
 その言葉が陸の頭の中で繋がった。
 血が飲みたいのだ。
 アレアは血を欲している。
「そんなもん飲んだら病気になるって」
 告げて陸はあたりを見渡す、何か手助けになるものはないかの確認。
 だが真っ先に目に入ったのは扉に手をかけている稜。
 目を見開いて目の前の光景に驚いているようだ。
「血が……」
 そのアレアの言葉に引き寄せられるように稜はアレアの目の前に腰を下ろす。
 遅れてリリアが到着した。
 そんな彼女は鋭く叫ぶ。
「やめなさい! 稜!!」
 見れば稜は鋭利な刃物を取り出し、それをアレアに向けていた。
 アレアはその光景に安堵にも似た表情を浮かべる。何かすべてを諦めたような、解放されるような表情を作り、次の瞬間起きた出来事に驚いた。
 稜が首筋にそのナイフを突き立てたのだ。
 あたりに血が飛び散る。
「首は、心臓が一番近く、血管も集約している部位だ」
 アイが茫然とつぶやいた。
「だから少しでも傷つけば血がだくだくと出るし、止まらない。早く治療を」
 その時、アレアが信じられない力強さで二人の男を押しのけて稜に飛びかかった。
 アレアは夢にうなされたように恍惚とした表情で言う。
「血が……欲しい。お兄さんの血が。おいしそう」
 そんな少女の頭を撫でて、稜はその顔を首筋に押し付けた。
「いいよ」
 アレアは貪るように稜の首筋に歯を突き立てた、噛む力は弱く、まともに突き刺さらないが、稜の首には最初から切り傷がついているので血を飲むにあたって問題は生じなかった。
「あまり、無茶をしないでください」
 そんな稜の枕元にリリアが正座する。
「心配かけてごめん」
 そう稜は一言告げると、アレアの頭をそっと撫でた。
「良いよ。辛いんだね……大丈夫……気にしないで、ゆっくりと落ち着いて飲んで……」
 そう少女を包むように抱き留める稜。
 喉を鳴らして血を飲む少女は痛々しく見えた。


第二章
 結果としては、三日目の流血事件がアレアと初めて身体的接触の果たせた日になったが、そこから数日、自体は徐々に進展した。 
 先ず、リンカーたちの言葉に頷くようになり、次に食事を食べ始めた。
 胃が弱っているため流動食中心だったが、それでも少しずつ食べるようになった。
 体力が戻ってきたなら小さな部屋での生活はつらくなる。
 アレアは外に出るようになった。主に夜だったがリンカーたちを連れ立って、あてどなく、そのあたりを見て回る。
「夜は眠れないの」
 だから起きてる、吸血鬼らしいでしょ?
 そう少女は悲しそうに告げた。
 そして、定期的に血を欲しがった。
 無月は彼女に指先から滴る血を与える。今はこうするしかないというのが全員の判断であり、それに従う。
 夜に輝く月が二人を見ている。アレアは食事をとり終わると、そっぽを向いて告げた。
「なんで私をまだ、飼ってるの?」
「飼っているつもりはない。君が社会に戻れるようになるまで手助けしようと思う」
「社会? 私吸血鬼なのに?」
 その言葉に無月は意を決したように言葉を返した。
「君は望むなら、こちら側に来れる」
 次いでアレアは怒りに煮えたぎる瞳を無月に向けて、指先を切ったナイフを手に取り、無月に向けた。
「嘘言わないで! 私は、私はこんなにも」
 化物じゃない。
 そう自嘲気味にアレアは告げた。
 そして二日に一度の定期診断のタイミング。
 陸はメンタル担当となったアイの隣でアレアが椅子に座るのを眺めていた。
「経過は良好みたいだね」
 体力が戻りつつあるし、血色も良い。施設に入った直後はまともに考えることもできなかったが今ではそれができているようだ。
「よかった、元気になって」
 その言葉をアレアは鼻で笑った。
 そんな彼女をと視線を合わせないようにしてアイは言葉を続ける。
「食事をもう少しとるように、出されたものは全て食べるのが適切な量だよ」
「血が欲しい」
 その言葉にカルテに記入する手を止めるアイ。
「私は、血じゃないと栄養にならない」
「その事なんだけどね。君の身体は、べつに血液からじゃないと栄養を摂取できないってわけではないんだ」
「嘘よ、だって私、お肉とか食べると、吐くもの……」
「ああそれはね。胃も腸もだいぶ弱ってるから、いきなり普通と同じ食事ってわけには行かないんだよ、少しずつ段階を踏んでいけば治る可能性はある」
「血が飲みたいって、腹がへるから血を飲みたくなるのか?」
 陸がそう尋ねるとアレアは首を縦に振る。
「血なんて美味しくもないだろ。食った気にもならないし。もっと別のもの食った方が良いって」
「私は吸血鬼だからそれしか食べられないの!」
 少女は癇癪を起したように告げる。
「いや、陸の言葉は合ってるんだ。吸血鬼になる病なんて存在しない。アレアの場合は栄養吸収効率が悪いことからくる慢性的な飢餓感と、健康な人間の血液に含まれた多分な栄養素が消化吸収高めなせいでお腹が満たされる感覚が強いだけなんだ」
「嘘よ!!」
 アレアは立ち上がる、戸惑いの表情を浮かべて。
「私は人間じゃない、人間じゃないの。だから私は」
 少女は言葉を飲み込んだ、沢山の人を殺した理由。
 自分は人を殺す運命にあると思っていた。
 だって吸血鬼、吸血鬼にとって人間は餌。
 だから、だから……。
「君の言う吸血鬼病は、実際に体の異常として存在するわけじゃなくて、自分を罰したい君の心が作り出したものなんだ」
 そう、トドメの言葉をアイは吐いた。
 その瞬間。少女は口を大きく開き、ギラリと輝く犬歯を覗かせ、その歯を自分の舌めがけて振り下ろそうとした。
 その時無月がうごく。
 気配を遮断していた無月は部屋の隅からスッと現れると少女の口に腕を突っ込んだ。
 視線だけ上を向けると無月の顔が見えた。
「大丈夫だ、そんなことしなくても大丈夫。怖がらなくていい。私達が君を守るから」
 落ち着いた、場をそう見たヴィントは重たい腰を上げる。
「茶番はやめろ。見ていて気分が悪い」
「茶番!?」
 アレアが無月の拘束を解いてヴィントに食って掛かる。
「いま、死のうとしたよね、なんで?」
 アイがそう尋ねる。
「アンタたちが私を殺そうとしないなら、私が自分で死んで上げようと思っただけだ!!」
 その言葉をヴィントは鼻で笑った。
「少し前に言ったよな、喉が渇いて死にそうだ……と」
 頷くアレア。
「死にたがりの人間がそんな言葉を、死を拒む言葉を吐かないし、そもそも初めから生に執着しない。
 だがお前は違う、本当は生きたいと願い、そして他者からの愛情を、温もりを欲してる」
「違う!!」
「だが同時に、こんな自分を拒絶される事を恐れてる。お前のそれは拒絶される恐怖からきているものだと思うが、どうだ?」
「違う! 私は……そもそも、こんな化け物生きていけるわけがない、生きていいはずがない……」
 悲しそうにアレアが腕の中で縮こまるのを無月は感じていた。
「そんなことないっすよ。君は生きてていい」
 陸が告げる、アイが言葉を継ぐ。
「……心だって、飢えもすれば風邪だって引く。君の心も同じだ」
「え?」
「お腹が空いたり熱が出るのは、悪い事じゃないだろう? 
 だから君は、自分が悪いなんて思う必要ないんだ。
 ましてや殆どろくな食べ物のないところに居たのなら、自分が血液しか食べられないと考えるのも当然だと思う」
 アレアが初めて人の顔を見た。だからアイも視線を合わせる、伝わってほしい思いがそこにあったから。
「それに、いま君は自分の事を悪魔のようなものだと思っているのかもしれないけど、今からだって変われるんだ」

「君はこれから、人として当たり前の生活をするようになる。血液だけが食べ物の暮らしともサヨナラできる。今の自分が好きじゃないなら、これから変わっていこう」

 その言葉に茫然と頷くアレア。感情の整理がつかないのだろう。
 ただ、思いつめた表情はない、それに安堵し無月は彼女を部屋に送り届ける。
「君の心が揺れているのは、君自身が本当の自分に戻ろうとあがいているからだ。だが、今の君は心が乱れているが故にそれが理解出来ない」
 最後に無月はアレアの背中に告げる。
「今は無理に考えなくてもいい。それよりも今の君に必要なのは安らかに眠る事だ、考えるのはそれからでも遅くはない」
 そして扉を閉めようとする無月。その背中にアレアが声をかけた。
「あの」
「どうしたのかな?」
 振り向く無月、そんな無月へ俯きながらも伝える言葉を探すアレア。
「あの、ごめんなさい!」
 首をかしげる無月。
「何がかな?」
「腕の傷」
 無月は小さく微笑んだ。
「気にしなくていい、君の命、護ることができてよかった」
 告げると今度こそ扉が閉まる。
 まだ時刻は15時ほど。日は高い位置にある。
 だからこそ、アレアは眠ることができるのだ。
 ベットに潜り込み、体を小さくして、そして夜が来るまで眠る、夜の間起きていられるように。

第三章 夜に泣く吸血鬼

「夜が怖い、か」
 調書を見ながら将太郎は今後の治療の方針を考えていた。
 ここ最近のアレアは将太郎から見て良い方向に向かっているように見えた。
 コミュニケーションはもともと不得手ではなかったのだろう。リンカーたちと言葉を交わす場面も増えている。
 だが、彼女の心は回復しきらない。
 血を飲む回数も減っており、固形物も食べられるようになってきた。
 であれば、なぜか。
「やはり、睡眠障害……」
「原因はなんだ?」
 嬢が尋ねる。
「死体の山に隠れて眠っていた頃が一番落ち着くことで、人の温もりが怖くなったんだろうな」
 生きている人間は自分に何をしてくるか分からない、そんな思いがまだ心の底に残っているんだろうな。
 将太郎はカルテについた写真を眺めながら。
 だからこそ、超えるべき試練として一つ、将太郎は考えた。
 夜、彼女の寝室を尋ねる。
 案の定彼女は震えて縮こまっていた。
 早く夜が過ぎ去るように祈る少女は痛々しく映る。
 そんな彼女に将太郎は問いかけた。
「君はどうしてほしいんだ?」
「助けてほしいなら、素直に助けてって言えばいいのに?」
 嬢の言葉にアレアは首を振る。
「なら、少し荒療治が必要だな」
 告げた将太郎はジュネッサのための道をあける。
「これは、ローズマリー。リラックス効果があるアロマだよ」
 そう告げてジュネッサは無月とバトンタッチする。
 血ではない香りにアレアは興味を持ったのだろうか。少し表情が和らいだ。
「今日は私がそばにいる。だからゆっくり眠るといい」
 そう告げてベットの傍らに腰を下ろす無月。そんな彼女にアレアは警戒心を示さない。
「いい夢を見るんだよ。君の隣りにいる月が、君の闇を照らしてくれるからね」
 そう告げてジュネッサは退場する。
「こうやってゆっくり話す機会もなかったかな」
 そう無月が告げると、口を閉ざしたままのアレアに自分の話を始めた。自分が何者で、何を生業としていて。
 助けたい人がいて、助けられない人がいて。
「最後に、少年は私たちの事をヒーローと呼んでくれたが、こんなヒーロでは情けないと思う、だから私は、彼に恥じない戦いをと思っている」
「なんで人の死がそんなに、あなたの中に残り続けるの? だって他人でしょ?」
「それは関係ない、一度絆を持ってしまったなら。笑顔でいてほしいものだよ。それはアレアも同じだ」
 告げると無月は衣装を解くように脱いでいく。
「どうしたの!」
 驚くアレア。
「人は他人に危害を加えるばかりではない」
 そう告げて下着姿となった無月はアレアのベットに潜り込む。
 壁の端まで押し込まれ嫌な顔をしていたアレアだったが、最初の時のように暴力で距離をとろうとはしなかった。
「朝になって、あなたの血が吸い尽くされているとは思わないの?」
「思わない」
 そう無月はアレアを抱きしめ眠る。
 そんなアレアの寝息が聞こえてきたところで将太郎は扉の前からどけて踵を返した。
 サポートが必要な場面もあるかと思ったが杞憂だったようだ。
 その日アレアはこんこんと眠りつづけた。今までの寝不足を全て解消するようにずっと。
 回復の兆しが見えていた。
 だが、一番厄介な問題が彼女の胸にまだ残っている。

    *    *

 その日は突然訪れた。
 その日は稜が吸血当番で、将太郎、そしてヴィントと共にアレアの寝室を訪れていた。
 稜は先日の傷がまだ癒えてないらしく首筋に大きなガーゼを張っている。
 そんな稜はその指先に刃物を当てて軽く引く、薄くにじむ血。
 その手をアレアは両手でつかんで口に運ぼうとした瞬間。
 稜の表情が一瞬歪んだ。
 傷口が開いたのかガーゼから血が滲んでいる。
 その時、アレアが。我に返った。
「ご、ごめんなさい!」
 そう叫んでアレアはリンカーたちから距離をとる。
 距離をとった上で叫んだ。来ないでと。
「私、私ひどいことを。ごめんなさい。ごめんなさい」
「ああ、これ?」
 稜が首筋に手を当てて告げた。
「大丈夫だよ、すぐに治るから」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「いいんだ、だってその分アレアは頑張ってくれてるでしょ」
 稜は穏やかに告げる。
「血を飲む量だってほんの少しだ。だから大丈夫」
「なにも。大丈夫じゃない! 私は私は」
 その時、アレアの頬を涙が伝った。立ったまま服の袖を掴んでぼろぼろと涙をこぼす。
「私は、ばけものなんだ」
「違う、同じ人間だ」
 将太郎が言葉が告げた。
「そうじゃないと困るんだ!!」
 アレアは叫んだ。
「じゃなかったら、私、なんてひどいことを。だから私は吸血鬼、で化物で悪魔じゃない。死にたい、死んでしまいたい! 私は、私は」
「君は悪魔じゃない」
「優しさに怯えるな!」
 嬢が荒げた声に将太郎は驚いた。
「この世は優しさと残酷さが表裏一体だ。だから、安心もできるし、怖いのも当然だ。だからこそ受け入れろ、お前はもう許されていいんだ」
「それじゃ、こまるよぉ」
 アレアは拳を握りしめて声をあげて、床を踏みつける。
「こんなに、優しい世界があるなら、私は何でそこに生まれてこれなかったんだろう」
 人と当たり前に触れ合える世界。裏切ったり、裏切られたり。そんなこと考えなくていい。穏やかな世界。
「私はもう、そんな世界に戻れないよぅ」
 こぼれる涙はとめどなく、目元をこすっても抑えても止まらない。
「信じられるものが何もないから、大切にできるものがなにもないから、心を殺して生きてきたのに」
 そんな少女にヴィントが歩み寄る。
「来ないで!」
 そう逃げようとする少女の手をヴィントは右腕でとった。
「よく見ろ」
 そう引き寄せてアレアの両目を見ると射抜かれたようにアレアはヴィントの姿を見る。とけるようにナハトがヴィントに混じっていく。
 禍々しい異形の姿へ。変わっていく。
「痛そう」
 そう囁くアレアの頬をヴィントは左手で拭った。
「痛くはない、心配してくれるのか?」
 そう告げたヴィントの声は穏やかだった。
「お前は人間だ。嗚呼そうだ、紛れもなく人間だよ。
 ただ、他者の血を喰らい生きてきた……それだけだ。
 それと、他者からの優しさを拒絶するのは、それを喪う事への恐怖。
 喪失の恐怖を知るという事は、それを理解してるという事だ。
 愛情を知らない者は、そもそもそんな感情を抱かないし理解出来ない」
――苦しかったんだね。でももう、苦しむ必要なんてないよ。
 ナハトが告げる。
「いや……いやぁ」
「怖がる必要は無い、ただ受け入れればいい。お前を傷つける者はここには居ない……」
「だめだよ、私が、私を許せないよ」
 その場に座り込むアレア。
「私はみんなに沢山ひどいことをしたよ。謝っても許されないようなこと。だから」
 アレアは目を見開いて、どこにも視線を向けずに、絶望を噛みしめるように笑った。
「だから、私は。みんなに優しい皆に拒絶される前に、死にたい。死にたいよ」
 あるいはそれは諦めの笑み。
「アレア」
 将太郎が堂々と告げる。
「感情をもっと吐き出すんだ。君の思いも」
「やめてよ、やめてよ、優しくしないでよ。もう誰かに捨てられるのはいやだよぉ」
 泣きじゃくるアレア、そんな彼女の手をヴィントが放す。
 そして稜が傍らに膝をついた。その頭を撫でて引き寄せる。
「アレア、君は確かに他人に酷い事をしたかもしれない……でも、それは君が生きる為にした事でしょう?」
「うん」
 アレアは涙をこすりつけるように稜の胸を借りる。
「良いかい? アレア。世界は、光と闇が両方混在していて……優しい世界も有れば、優しくない世界もある。だから、優しい世界が普通だとは僕は言わない。けど……だからと言って、優しくない世界から抜けてはいけないって事はないんだ」
「………………」
「アレアが、人を傷つけて来たのは、アレアが生きる為に僕達に会う為にして来た事なんだ」
「会うために?」
「ねえ? アレアは、家族が欲しい?」
 アレアの瞳が揺れた。
「……。お母さん、ごめんなさい。おかあさん」
「辛かったね」
 泣きじゃくるアレアを抱き留める。
 震えるか細い少女は、こんなに頼りない体できっと、想像もできない悪意とずっと戦ってきたんだ。そう稜は感じた。
「僕だってすぐにアレアのお姉さんになれるわけじゃない。けれど言葉だけでもお姉さんって呼んでくれれば、それだけで僕はアレアのお姉さんになるために頑張るよ?」
 そうアレアの体を話して稜は告げる。
 その瞳をまっすぐ見つめて。告げる。
「僕は今、アレアの家族になろうと思ってる。
 でもその場所じゃあ、お姉さんの手は届かないんだ。
 だから怖いかもしれないけど頑張って一歩、踏み出して。お姉さんが思いっきり引っ張ってあげるから」
「お姉ちゃん?」
 首をかしげるアレア。
「うん、僕がアレアのお姉さんになるよ。これからどんどん、アレアの事を好きになって、大好きになっていく。だからこれは、その一歩目だよ? だから、こっちにおいで?」  
「私は……」
 アレアは思う。この施設に来てからのひび。不安な日々がずっと続いた。
 だけどそれは、死ぬ危険にさらされていた今までのひびとは違っていて。違う種類の不安で。
「私は……」
 アレアはずっと、目の前のひだまりに手を伸ばしたかった。入れてほしかった。
 遊んでほしかった。
 それがきっと、幸せというものだと。アレアにはわかっていたから。
「私は、幸せになってもいいの?」
 その言葉に嬢が頷き将太郎が告げる。
「優しさを知らないのなら、俺が教えてやる。約束する!」
 その力強い強い言葉に、アレアは振り絞るように涙を流した。声がかれるほどに泣いて。無防備に稜にしがみつく。
 幼い少女の悪夢がやっとこの時。
 終わりを告げたのだ。

エピローグ

 次の日の献身。アイが診察する前にアイの事を謝っておこうと陸は彼女を訪ねた。
「ごめん、アレア。あの人、無神経なこと言って」
「ん?」
 アレアは振り返り陸を見あげた。その視線はまだおどおどしていたが陸をしっかり見据えようと頑張っている。
「アレアは残酷な奴なんかじゃないよ。酷い所で、今日まで頑張って生き延びたんだよな。俺、それって物凄い事だと思うな」
「ありがとう、陸」
 そうアレアは微笑みを向ける。
 そんな少女の笑みを見て。陸はこれからもたくさん笑っていけるはずだと。そう安堵した。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 惑いの蒼
    天城 稜aa0314
  • 臨床心理士
    鐘田 将太郎aa5148

重体一覧

参加者

  • 惑いの蒼
    天城 稜aa0314
    人間|20才|男性|防御
  • 癒やしの翠
    リリア フォーゲルaa0314hero001
    英雄|20才|女性|バト
  • 無名の脚本家
    九重 陸aa0422
    機械|15才|男性|回避
  • 叛旗の先駆
    (HN)井合 アイaa0422hero002
    英雄|27才|男性|ブレ
  • 恐怖を刻む者
    ヴィント・ロストハートaa0473
    人間|18才|男性|命中
  • 願い叶えし者
    ナハト・ロストハートaa0473hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 悠久を探究する会相談役
    エステル バルヴィノヴァaa1165
    機械|17才|女性|防御
  • 鉄壁のブロッカー
    泥眼aa1165hero001
    英雄|20才|女性|バト
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • 臨床心理士
    鐘田 将太郎aa5148
    人間|28才|男性|生命
  • 苦難に寄り添い差し出す手
    aa5148hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
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