本部

特殊AGW運用試験 ~正月ver.~

一 一

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
11人 / 4~12人
英雄
8人 / 0~12人
報酬
少なめ
相談期間
5日
完成日
2017/01/19 20:16

掲示板

オープニング

●進捗状況
「では、報告を聞こう」
 書類や書籍がいくつもの山を成している部屋で、サングラスの厳つい男性ーー『特殊状況下を想定した特化型AGW開発部(略称・特開部)』の主任がデスクにひじをついて口元を隠しつつ、口を開いた。彼の視線の先には、くたびれた白衣を着た男女が1組、資料らしき紙束を手に持ち直立している。
「はい、主任。新たに着手した『特殊状況下を想定した特化型AGW』の開発ですが、先日やっと性能テストをクリアし、プロトタイプが完成しました。こちらがその資料です」
 男女が差し出す資料を受け取り、主任は細かい文字群へ視線を落とす。その際、机の脇にあった書類の山脈が、いくつか盛大な音を立てて崩れ落ちたが、誰も気にした様子はない。
「……今回は武器型AGWだったが、出力の方は問題なさそうだな」
「はい。職員の実験でも想定以上の結果を引き出すことが出来ました。ただ、やはり武器型AGWということもあり、実戦経験の乏しい職員では運用試験までが関の山。戦闘状況における有用性など、戦場投入に必要な実戦データがまだ取れていません」
「また、出力の面では問題がないのですが、少々制御の面で不安が残っています。これが職員のAGW操作技術の拙さが原因か、それともプロトタイプそのものに問題があるのか、いまだ判断しかねています。開発部としては、エージェントの技量で制御可能な範囲だと想定していますが、こちらもデータ不足ですね」
 室内にいる3人の声音は、やっぱりあまり明るくない。
 昨年の夏、水着型と浴衣型のAGW開発と運用試験を行った『特開部』。その後、上層部から「真面目に仕事しろ!!」としこたま怒られ、次に着手したのが武器型AGWの開発らしい。
 報告する部下の職員たちは、声音から運用試験を行った職員の技量に問題があるように思っているようだ。それはそうだろう。ふざけているように見えて、彼らはいつでも真剣にAGW開発に臨んでいる。
 遊びじゃないのだ。
 困ったことに。
「上層部に新武装としてデータを提出するには、少々不安が残るな。いくら出力が理論値を叩き出しても、実戦で使えなければ意味がない。威力と操作性を両立させなければ、武器としては欠陥品だからな」
 資料を読み終えると、主任は至極真面目に持論を述べると、指で机をトントン叩く。
 言ってることは正論っぽいけど、前回の例があるためなんか信用ならない。
 今度はどんな問題作を作ったのだろうか?
「しかし、ここまで開発を進めてきたAGWです。何とか量産に持ち込みたいという思いは、『特開部』の総意です」
「もしかしたら、今からでも有用なデータを収集し、上層部へ示すことが出来ればゴーサインをいただけるかもしれません」
 すると男女2人は、交互にそう口にした。
 いやな予感が膨らんでいく。
「……ならば、外からの協力を依頼しよう」
 部下の思いを受け取り、主任は資料を近くにあった紙の山に乗せ、立ち上がった。
「準備に移るぞ」
『はいっ!』
 威勢のいい返事を残し、主任たちは雑多な書類だらけの部屋を後にした。
 同時に、さっきまで読まれていた資料が、扉が閉まると同時に山ごと崩れ落ちた。
 ……あれ、デジャヴ?

●モニター募集、再び!
 東京海上支部の廊下で、男女2人の職員がなにやら作業をしていた。
「……で、グロリア社の『特開部』が、また、新型AGWのデータ集めに必要なモニターを募集した、ってわけか」
「『また』ってことを強調しないでよ。私だって喜んでやってるわけじゃないんだからね? しかも、今回は武器型AGWっていう話だから、不安しかないし」
「武器!? ずっと言いたかったけど、グロリア社はアイツらに好き勝手やらせすぎだろ! 今回は何を持ってきたんだ!?」
「『凧』と『独楽』と『羽子板』だって」
「やりやがった! アイツらまたやりやがった!!」
「彼ら曰く、『1年の始まりという誰もが油断する環境において、正月気分を味わいつつ護衛に携わる特殊状況下で行われる任務を想定した、AGWの効果的運用』を目指しているそうよ」
「そんなピンポイントな状況あるわけねぇだろ! っつか任務中に正月気分味わってんじゃねぇよ! 護衛任務ならなおさら仕事に集中しろ! 後、本来アイツらが考えるべき『ゾーンルール下の特殊状況』はどこいった!?」
「私に聞かないでよ。何でも、護衛任務だからこそ日常風景にとけ込みつつ、敵を油断させて先手を打つ、奇襲に特化したAGWだ! って言ってたわね。ついでに、常時緊張感が続く護衛任務の息抜きにも最適だとか?」
「今時凧揚げや独楽回しや羽子板で遊んでる奴なんて明らかに少数派だろ! 逆に浮きまくるわ! そもそも息抜きなんかしてたらマジで気が緩むだろ!? 敵を油断させたいのか、使用者を油断させたいのか、どっちなんだよ!?」
「……う~ん、一応彼らの主張は全部聞いてみたけど、全部冗談じゃなくて本気で考えているようだったわよ? ベースについても、凧や独楽や羽子板に異論は出なかったらしいし」
「アイツらの正月イメージどうなってんだ!? 何十年前の話だちょっとは現代に目を向けろよ引きこもりども!!」
「彼らが優秀なのは間違いないけど、世間ズレが年々激しくなっているみたいね。今回のAGW開発も、グロリア社の中でも最低レベルの予算しかもらってないのに、3つも新型を作っちゃうくらいだし。他の部署がやったら、1つ目の初期で開発中止になるレベルの開発費しかないそうよ」
「頭の使い方間違ってんだろ!? そもそもまともなAGW作ってりゃ、開発費を削られることも節約する必要もねぇだろうが!! どんなやりくりしたらそんな資金力で3つも新型AGWが作れるんだ!? バカじゃねぇの!?」
「天才とバカは紙一重、ってやつじゃない? ほら、まだいっぱいあるんだから、さっさと次に行きましょう」
 前回同様、突っ込みで疲労気味な男性職員と、冷静な女性職員が去った後。
 壁には依頼者である『特開部』が自作した、『モニター募集』の張り紙が残されていた。
 ……あ、主任が餅つきしてるイラストつきだ。

解説

●登場
 グロリア社の『特殊状況下を想定した特化型AGW開発部(略称『特開部』)』の主任及び職員。全員開発プロジェクトに携わっている技術者で優秀だが、基本的に研究・開発に没頭しており時勢に疎く、頭のネジが外れている。

●状況
 場所はH.O.P.E.東京海上支部の屋外演習場。集合時間はAM9:00。雑草はある程度除去され、足場の不便はない。当日は強い寒波が日本上空に居座っており、天気はいいが寒さが厳しく風が強い。なぜかもち米と臼と杵と各種調味料がある。

 各装備の開発リーダーが司会進行。主任が参加者たちへの解説。その他職員の数名が書記、残りがデータ解析を担当。

 事前に資料等は配付されない。使用者以外の能力者・英雄は場外からAGWを品評。

●新型AGW(PL情報)
・凧型
 四角、三角、丸凧など、形やデザインのバリエーションは豊富。性能はどれも同じで、意外と誰が使ってもよく飛ぶ。なお、イラストは全部主任が描かれ、ムカつくくらい上手い。

 搭載機能…硬化・重量増加・姿勢制御スラスター

 職員の所感…風に弱いモーニングスター

・独楽型
 独楽の胴体に紐を巻き付けて回す、いわゆる『投げゴマ』。見た目は普通だが、開発者が普通じゃないので油断できない。地面に接する軸先が鋭くとがっていて曲芸には不向き。

 搭載機能…硬化・重量増加・速度増幅ブースター

 職員の所感…無差別竜巻発生装置

・羽子板型
 通常の競技用で用いられる羽子板や羽根の玉より若干重い。打面には歌舞伎メイクの主任と花魁メイクの主任が1対で描き込まれている。なお、絵はムカつくくらい上手い。

 搭載機能…硬化・重量増加・磁場発生(強)

 職員の所感…制御不能リニアガン

●その他
 装備の選択希望可。試験に全種参加することも可能だが、生じるリスクはすべて自己責任。重体判定は出ないが、高確率でダメージを負う。

リプレイ

●今回の被害者たち
 支部の至る所で見られる張り紙は、自然とエージェントたちの目を引いた。
「わああ、なんだか楽しそうなのです! ……武器?」
「ほう、なんだか懐かしいであるな」
 主任のイラストから、最初何かのイベントだと思った紫 征四郎(aa0076)だが、よくよく説明を見て首を傾げる。次いでユエリャン・李(aa0076hero002)も概略を確認し、静かに笑みを浮かべた。
「新しい武器……興味はあるね」
 過去に三合会との対立など、少々殺伐とした経歴を持つ邵 瑞麗(aa4763)は『武器』という言葉に着目。性能や自身の戦闘スタイルとの相性次第では、新たな自衛手段になり得るかも、と参加に意識が傾く。
「うーん、何かのヒントにはなるでしょうか?」
 また、山登りで鍛えた体力と突進くらいしか自信がないペーマ(aa4874)は、変則的な切り札を欲していたところにこの張り紙を見る。少し悩んだ後、解決の糸口になればと参加を決めた。

 こうして『モニター募集』が周知され、当日には続々とエージェントたちが姿を見せた。
「再びの開発依頼じゃ! 今度はどんな技術を見せてくれるか、楽しみじゃのぅ」
「えー? 前回はひどいデータしか盗めなかったんじゃないの?」
 意気揚々と現れたカグヤ・アトラクア(aa0535)に、前回の微妙な性能のAGWを思い出したクー・ナンナ(aa0535hero001)は、変に高い期待値への疑問を投げかける。
「失敗とは成功の母じゃ。馬鹿みたいな思考の積み重ねが、いずれは大きな技術となるのじゃよ」
「結局は同類ってだけだよねー」
 カグヤが力説するもクーには全く響かず、反応は素っ気なかった。
「色々言いたいこともあるが、楽しそうではあるな」
「……ん。終わったら、お餅、お餅♪」
 麻生 遊夜(aa0452)は現場に大きな臼と杵を見つけ、言葉を濁す。一方、ユフォアリーヤ(aa0452hero001)はイラスト通り餅が食べれると知り、声音が弾む。
「未だに夏休みの宿題が残ったままってどういう事よ、今冬休みでしょ。というかもう冬休みも終わったわよ。さっさと宿題やって学校行けよ」
「そんな事よりもお前の名前いい加減どうにかしろよ! わざわざ正月のもんあるんだってのに、何でまだ去年の人間と一緒に居ないといけない訳よ!!」
 また、十二月三十一日 午前九時(aa4705hero002)と書いて『ヒヅメ タツミ』と読む彼女に引きずられ、五十嵐 五十鈴(aa4705)と書いて『引きニート』と読む女子高生は必死に抵抗。
「って言うかお前がこの依頼勝手に受けたんだろ! 私こんなの聞いてないわよ!! 勝手に拉致られたと思ったら、……って言うか寒っ!! 家の外寒過ぎ!!」
「安心してください。そんな五十鈴の為に、また新しい[夏休みの友]買っておきましたよ」
「何処に安心できる要素があるのよ!! まさかこんなところでやれって言うの!? 嫌よ絶対にいy」
 要するに、ニートと宿題を解消するための荒療治である。猛抗議する五十鈴だが、タツミは宿題片手に笑むだけで聞く耳持たず。
「開発者が真面目にやってんなら、俺らも真面目に取り組むべきだろうな」
「そうね。ところで餅はどこかしら?」
 タツミと同じく殺る気満々な様子でカイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)は腕を回し、御童 紗希(aa0339)はタダで食える餅を探してキョロキョロと首を回す。
「え? これってお餅を食べるだけじゃないの?」
 ただ、ナーサリーライム(aa4502)は餅つきのイラストだけで参加したらしく、趣旨がよくわかっていない。
「性能さえ良ければ、形状に拘る必要は無いと思うがな」
「さっさと試験を終わらせて、御餅を食べようよ」
 御神 恭也(aa0127)がナーサリーライムへ改めて説明を加え、隣の伊邪那美(aa0127hero001)は完全に餅目当てでAGWへの興味は薄そう。
「本日は我々に協力していただき、感謝する。前回も協力してもらったカグヤ殿とクー殿には、今回も忌憚なき意見を期待する」
 集合したエージェントたちの前に出た主任がまず挨拶。
「君たちにはこれらの試作型AGWの運用テストをしてもらう」
 主任が提示したのは、凧と独楽と羽子板。そして、張り紙には詳細がなかったAGWのコンセプトを、想定した『特殊状況』もまじえて説明していく。
「……正月気分を味わえる武具、とな」
「いや、成程みてぇな顔してんじゃねぇよ!」
 すると、明らかに地雷な部分に感心して手を打ったカルラ(aa4795hero001)に、猛烈に嫌な予感を覚える瑠璃宮 明華(aa4795)。たまたま廊下の張り紙をカルラが見つけ、無理矢理引きずられての参加だが、早まったかも。
「今どきの子供なら、お正月は皆寝正月でテレビゲーム三昧だよねぇ」
「それはそれで、歪んでる正月観じゃないか……?」
 主任の説明をすべて聞き終えると、木霊・C・リュカ(aa0068)から朗らかな笑顔で身も蓋もない発言が飛び出した。隣のオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)が反論めいた言葉で返すも、全く違うとは言い切れず少々歯切れが悪い。
 何はともあれ、試作AGWの実戦型運用試験と餅つき大会が開始された。
 ……え? どっちもメインですよ?

●まずは練習
 エージェントの中には初見の者もいたため、まず職員から図解と各AGWの性能、職員が試用した所感付きの説明書が配布された。
「これがタコ? 面白い形ね!」
 普段は糸繰人形を使役するナーサリーライムは、糸という共通点から凧を選択。使い方を聞き、実際に飛ばして遊んでいる。おー、よく飛ぶなー。
「見てみよ明華、あの動き! 儂らの知っておる玩具とはえらい違いだのう! うんうん、好きかな好きかな」
「何が好きかなだ、ブレッブレじゃねぇか!」
 ナーサリーライムの凧揚げを見てカルラがからころと笑うが、明華は全く笑えない。武器の視点で見れば、上空の強風で激しく動く様は不安しかない。
「ひとりでたのしい、と。これはなんと読むのかね、色男」
「『コマ』だよ。遊び方はねー」
「紐を巻きつけ……? なんでこんなややこしい仕様なのだ」
「独楽回しだからしょうがないのですよ」
 図解から『独楽』の漢字に着目したユエリャンは、リュカに読み方と使い方を教えてもらう。初めての道具でも直感的に仕組みがわかるユエリャンだが、玩具と兵器は勝手が違うらしい。征四郎が実際に回して見せ、ユエリャンも練習に加わる。
「投擲武器かの?」
「遊び方、って時点で武器じゃないけどねー」
 カグヤも独楽の回し方を確認し、クーは図解をぽいっと投げてライヴスなしで回るAGWをぼんやり眺める。
「え? コマがあるのですか? ……え!? これがコマですか!?」
 他方、ペーマは聞いたことのある『コマ』を選択したが、現物を見て目を丸くする。出身のブータンでは綺麗なブローチを『コマ』と呼び、どうやって戦うのかなーと考えていたため、見事に面食らう。
「ハゴイタ……って、この気持ち悪い絵は必要?」
「かような武具を思いつくとは一本取られたわ。いやしかし、描かれている絵のこれまた上手い事よ。一体誰が描いたのやら」
「ほぅ、絵心が無駄に光ってんな」
「……ん、なんで皆同じ人?」
 そして、性能のみを重視して羽子板を手に取った瑞麗は、描かれた花魁メイクの主任に微妙な表情を浮かべるが、カルラは歌舞伎メイク主任に感心しきり。遊夜も絵をまじまじと見つめ、ユフォアリーヤが素朴な疑問で首を傾げた。
「凧や羽子板の絵は、絵心のある職員が遊び心で描いたものだ。これぞ日本文化だろう」
 すかさず主任が解説するも、歌舞伎はまだしも羽子板に女装した男を描くのは文化ではない。絵心はともかく、遊び心が過ぎる。
「よーするに、このラケットみたいな板で玉を打ち返しゃいいんだろ? けど打撃武器でこの空気抵抗感はチョイ致命的なんじゃないのか? え? 打撃武器じゃない?」
 その横で羽子板を豪快に素振りするカイだったが、職員から羽根がメインだと知らされてキョトン。
「もりあえずやっれみれモゴモゴ……」
「何餅ばっか食ってんだよ」
 スマホで羽子板の動画検索をしていた紗希は、口をモゴモゴさせながらカイへ画面を提示した。なお、先ほどから職員が作ったそばから餅が消える怪事件が発生しているが、恐らく気のせいだろう。
「寒いしさっさと体動かすとするか」
「ん、頑張る!」
 紗希とカイの漫才を横目に、遊夜は尻尾をブンブン振って気合い十分なユフォアリーヤを相手に、羽子板を打ち合って感触を確かめる。2人にならい、カイと紗希も羽子板を練習。最初は和気藹々と打ち合っていたが、徐々にスピードが増す。
「ちょっと! なんで顔狙ってるのよ!」
「お前だってモロ俺の顔面狙ってんじゃねーか!」
 最終的に紗希とカイのラリーはお互いの顔面を狙った打ち合いに発展。
「オラァ!」
「せぇい!」
「食らえ!」
「ドラァ!!」
「ぶふっ!?」
 カイ→紗希→カイ→紗希と続いたガン打ちの攻防は、カイの顔面に猛スピードの羽根が突き刺さって止まる。
「見たか! これが命中適性の骨頂!」
 カイを沈めて拳を振り上げると、餅食いJKは定位置に戻って口をモグモグ。あぁ、また餅が消えていく。

●1戦目・混沌
 その後、運用試験はエージェントの意見もあって混合戦を採用。また、実力の差を考慮して2組に分けて行われることに。最初の組は、ナーサリーライム、瑞麗、明華、ペーマだ。
「では、始め!」
「行きます!」
 主任の号令を受け、最初に動いたのはペーマ。対戦相手に深々と礼をした後、ペーマは4つの独楽を四方へ投擲。とにかく最大威力を見ようとライヴスを注いだ。
「わーーい!」
 次にナーサリーライムが無邪気に凧で遊び始めた。まずは『特殊状況』にいるだろう「正月にノンキに遊ぶ子供」になりきり、他のエージェントが正確にAGWを扱えるかの確認を職員に見せるつもりのようだ。
「待ちなさい五十鈴っ! 絶対に逃がすもんですか!!」
「タツミィ!! お前それ殺しに来てるだろ!!」
 そんな中、タツミと五十鈴の宿題を巡る鬼ごっこに変化が。タツミが忌書「8月31日」を掲げ、独楽の軸につま先で乗って五十鈴を追跡している。ペーマが放った独楽の1つに乗ったらしく、やたら早い。
「はっ!」
 瑞麗は死後硬直したような動きでピョンピョン跳ねまわりつつ羽子板で羽根を打つが、磁場発動のタイミングがズレて狙いが外れ、玉が地面深くへ埋まった。
「ふむ、制御に難あり、か」
「……ん、威力は、中々」
 それを、遊夜とユフォアリーヤが自分たちが扱うことを念頭に観察する。
「ハイ笑ってー! あ、そこポーズヨロ!」
 彼女らの楽しそうな(?)様子を、カイがスマホで撮影。主にカルラの要望で試験中の様子を記念に撮られ、ついでに運用試験の資料としても流用される。他にも征四郎がデジタルカメラを構えていた。
「っ! リュカ!」
「え?」
 次の瞬間、上空から1つの凧がリュカへと落下。とっさにオリヴィエが反応して突き飛ばすと、硬化した凧が鈍い音とともに地面へ突き刺さった。
「すまねぇ、ミスった!」
『ちゃんと飛ばすのじゃ明華、流れておるぞ!』
「てめぇがやれ!」
『頑張れ明華、風を味方につけるのじゃ! 何のためにお前に羽が生えているのだ!』
「うるせぇブレる黙ってろ!」
 それは明華が使用した凧。上空で効果を発動したが、スラスターが風に負けて制御不能となったのだ。
「ふむ、実戦経験のあるエージェントでも操作が難しいのか」
「なぁ、これもう少しどうにかならなかったのか!?」
 冷静に分析する主任の声を聞き、目を回すリュカをかばいつつオリヴィエが演習場を指さし叫ぶ。
「人形を操るのと多少コツが違うけど、風に乗るのも面白いわね! ……空飛ぶ人形! 作れないかしら!?」
 まず、小走りで駆け回りながら凧を操作していたナーサリーライムは、途中から揚げて落としての繰り返しで演習場を耕していた。場内の誰かへ突っ込むこともあるが、たまに風に煽られて場外の人物にも突っ込んでいるため、危険極まりない。
「うぐっ!?」
「恭也!?」
 あ、言ってるそばから恭也の脳天に凧が直撃した。アレは痛い。卒倒した恭也に伊邪那美が駆け寄り、演習場からさらに離れて避難した。
「五十鈴! 聞きたいことがあります!」
「な、何よ……」
 こちらは終始暴走するタツミと、息が切れてきた五十鈴。
「この独楽、どうすれば止まるのですか!?」
 実は、途中から独楽から竜巻が発生し、タツミは逃げられなくなっていた。
「はぁ!? 分かってて乗ったんじゃないのかよ!!」
「いえ! 回ってるのに乗っただけだから降りれない、というか酔った!!」
「お前マジふざけんなよぉ!!」
 全力逃走中の五十鈴は、大声で助けを求めるタツミに罵声を返す。
「こ、こうなったら、秘技! 炬燵に籠る!!」
 で、色々限界を迎えた五十鈴は幻想蝶から簡易炬燵を取り出し、屋外で引きこもった。現実逃避とも言う。直後、タツミ竜巻が五十鈴炬燵を空高く舞い上げた。夏休みの友も竜巻に巻き込まれ、びりびりに破れて炬燵を追いかける。なんか綺麗。
「ギャワー! 何ですかこれはーっ!」
 もちろん、独楽竜巻は使用者にも牙を剥く。お互いにぶつかり合って軌道が予測不可能となり、ペーマは対戦者よりも自分の攻撃から逃げ回るハメに。
「この! いうこと! きけ!」
「これ喰らったらぜってぇただじゃ済まねぇぞ! ってか、てめぇがやれやあああ!!」
『儂はあれをしかとこの目に収めねばならぬでな!』
 そして、瑞麗と途中で装備を羽子板に変更した明華は、必死の攻防を繰り広げる。当初のミス以降、瑞麗は羽子板での殴打や打ち上げた羽根の重量操作による奇襲など、色々と検証したが磁場操作が一番効果的だと判明。
 そこから瑞麗は羽根を打ちまくっているのだが、肝心の磁場操作はタイミングが極めて難しくほぼ場外の見学者へと飛び、時折迫る流れ弾は明華が気迫で防いでいる。
 この羽根、超強力な磁力の反発を利用して射出するため、弾速が銃器と同等以上になる。つまり、明華は至近距離から撃たれる銃弾を打ち返しているに等しい。
 簡単に人体を抉りうる修羅の遊技と化した羽子板から懸命に生き延びる明華は、元凶のカルラに魂の叫びを放つ。が、返事はきりっとしたドヤ顔が見えそうなカルラの、楽しそうな声だった。
「おおむね職員の運用試験と同じ結果、か」
「だったらこんなもん使わせんなあああ!!」
 もはや模擬戦どころではない状態を見た主任の総評に、明華はたまりにたまった鬱憤とともに羽根をスマッシュ! 地面ごと主任を吹っ飛ばした。

●2戦目・風神雷神
 1戦目が終了し、エージェントたちは多くが負傷。特に戦闘参加者は満身創痍であり、運用試験の過酷さが伝わってくる。
「では、準備と回復が終わり次第、2回目の試験を行ってくれ」
 だが、主任はケロッとして次の試合を促した。アンタさっき吹っ飛んだよな?
「まさか、こうも早く回復手段を使い切るとはな」
『ある意味予想通りだけどね』
 負傷したエージェントたちへ『ケアレイ』、『ケアレイン』、『エマージェンシーケア』をかけるカグヤは苦笑し、その様子を見つつクーがチクリ。
『次はお兄さんたちだね! ふふー、せーちゃんにも恭ちゃんにも負けないよう頑張らなくっちゃ!』
「……程々にな」
 共鳴したリュカは元気いっぱいに意気込みを示すが、オリヴィエは待ち受ける展開が読めたため返事が消極的に。
『ねぇ恭也、本当に大丈夫? 結構大きい音がしてたけど?』
「大丈夫だ、問題ない」
 先ほど頭に凧の強打を受けた恭也も共鳴し、しきりに伊邪那美から心配の声が上がる。カグヤの回復スキルで治療されたものの、場所が場所だけに不安は大きい。
「これでも命中には一家言ある。この程度、抑えこんでみせよう」
『ん。ボク達に、当てれないものは、ないの』
 制御を誓った遊夜は羽子板を手に薄く笑む。共鳴したユフォアリーヤもクスクスと笑いながら同意した。
「なるほど、悪くはないが扱いにくい子だな」
『風が強いようなので、なおさらですね』
 凧の感触を確かめるユエリャンと征四郎は、模擬戦での運用法を検討する。
「いよいよドレの本気だせそうだな」
 最後にたらふく餅を食った紗希がカイと共鳴し、素振りをしながら演習場へ。構えがテニスなのはご愛敬か。
「では、始め!」
「よっしゃ! 何時でもこいやぁ!」
 主任の号令とともに紗希が威勢のいい声を上げると同時、羽根が頬を掠って通り過ぎた。
「さっきカイさんが嘆いてたからな、少しでも運動させてやらんと」
『……ん、心を鬼にする』
 犯人は遊夜とユフォアリーヤ。さっきから餅ばかり食っているJKの運動量を増やしてやるため、重点的に紗希へと狙いを絞る。
「餅ばかり食っているJKなどいない!」
 地の文に干渉してこないでください。
「リアルベイ〇レードだね! くらえお兄さんの独楽! シュート!」
 こちらではいきいきとした様子でリュカが独楽を射出した。わざわざ肉体の主導権を入れ替わるほど、1戦目の様子を見てやりたかったらしい。その際、オリヴィエの助力を受けた『ロングショット』で遠くへ飛ばされた。
「危ないじゃろう、リュカ!」
 その先にいたカグヤも独楽を投擲して応戦。瞬時に展開した竜巻ではじき返す。
「その子らは我輩も遠慮するである!」
 さらに凧を操作していたユエリャンも片手で独楽を使い、弾かれた独楽の1つに対抗する。
「こちらも独楽で牽制する!」
『……どうみても、遊んでるとしか見えない姿だよね』
 恭也もユエリャンと同様、もう一方の竜巻独楽を竜巻独楽で応戦。なお、この様子が盛大な独楽遊びにしか見えなかった伊邪那美のツッコミは気にしない。
「ぐはぁ!」
『恭也ー!』
 すると、不運にも恭也だけ防御に回した独楽がそのまま跳ね返った。伊邪那美の声とともに、恭也の体が勢いよく飛ばされ宙を舞う。
『あっ! 恭ちゃんが自爆した!』
「……コントロールできないなら、あれはもう自由にさせておく……」
『珍しい、オリヴィエが諦めの境地!?』
 それを見たリュカは目を丸くし、ある程度予測していた結果を確認したオリヴィエの疲れた声に、さらに驚いていた。
「よそ見とは余裕であるな!」
「ぐっ!?」
 その背後から、ユエリャンが『ジェミニストライク』でオリヴィエの頭上から凧で強襲。強風で荒ぶる凧の動きはそのまま、分身による手数の増加で命中率を補う。
「なめんなぁ!」
「これ以上は食らわん!」
「ちっ、これはまたじゃじゃ馬だな!」
『……ん、他のも癖が強いみたい。すごいことになってる』
 ユフォアリーヤが独楽の乱戦を見守る中、紗希と恭也と遊夜は熾烈な羽根の打ち合いを披露。力任せの紗希や迎撃主体の恭也はもちろん、癖を掴むのに時間がかかって命中に自信があった遊夜の狙いも定まらない。時折聞こえる外野からの悲鳴も、今は気にしていられない。
「……む? なんじゃ?」
 模擬戦の中、しばらく距離を置いて独自にAGWの評価を下していたカグヤは、技術者の目から不意に違和感を覚える。
「っ! 全員聞け! 独楽の動きが一気に速まったのじゃ! 用心せよ!」
 カグヤが気づいたのは竜巻独楽の機動性。見間違いではなく、当初より数倍の速度で演習場を暴れ回っている。原因は回転速度が上昇し続けた独楽が地面から離れ、実体がより自然な竜巻へと変化したためだ。
「これは、っ!?」
「手応えが、変わった!?」
 同時、三角凧を操るオリヴィエと四角凧を操るユエリャンの手に伝わる糸の感触が、突如ズシリと重くなる。独楽竜巻がより強力かつ無差別に動きだし、周囲の気流や風向が著しく乱されたのが原因だった。
「おい、っ!」
「麻生、これは、っ!」
「ああ、ヤバい、っ!」
 また、徐々に制御を覚えた羽子板組の羽根にも変化が。紗希・恭也・遊夜が打ち合う中、徐々に羽根からスパークが明滅する。磁力反発で高威力になるだけだった羽根が、ライヴスによる磁場操作の持続的な影響が効果に変化をもたらし、帯電したのだ。
「これは今まで見たことのない現象だ! 全員、計測を……」
 未知の現象に興奮した主任が、職員へデータ解析を指示しようとした。
 が。
「逃げるのじゃ! 巻き込まれるぞ!」
 すべての暴走独楽が職員たちへ突っ込んだ。カグヤの警告むなしく、データ入力用のパソコンが空中分解しながら宙を舞う。
「くそっ、恨むなよ!」
 直後、限界を感じた遊夜が竜巻独楽へと放電羽根を射出。すると、アニメ演出っぽく弾道の軌跡が雷電を帯び、パソコンの部品ごと竜巻をすべて蹴散らした。
「捕まえたである!」
 すかさず回転速度が緩んだ独楽を、征四郎が『女郎蜘蛛』でまとめて捕獲し、動きを止めた。
「……これ意外とすごいんじゃないか?」
『……ん、汎用性は、なさそう』
 プラズマ弾っぽくなった羽根が空中で焼き消えたのを確認した遊夜は呆然と、ユフォアリーヤはごもっともな意見を漏らした。

●意見と餅と炬燵と不死鳥
 結局、試作AGWはエージェントたちへ深手を負わせ計測機器も全滅させた。最後に、職員たちは1戦目の人から使い心地を聞いていく。
「タコは複数人戦闘相手だと良いかもしれないわ。でも、手元の使用者が無防備にはなるかしら?」
 とはナーサリーライムの言。ようやくお餅にありつけて、幸せそうに頬張っている。
「ハゴイタは全然ダメ。そもそも使えなきゃ意味がない」
 とは瑞麗の言。やはり性能以前に使い勝手が悪すぎたらしい。
「お前らは馬鹿か? 全部ぶっ壊した方が使い手の為だ」
「いや、斬新で予想外の攻撃は、敵も度肝を抜かれるぞ! 明華、あれが武具として店に並べばかなり売れr」
「売れるか!!」
 とは明華とカルラの言。見事に意見が割れた。結果を見ればさもありなん。
「ほとんど逃げる方に必死でしたが、常に相手を動き続ける状態にさせるので、コマは案外役に立つんじゃないでしょうか?」
 とはペーマの言。途中から餅つきの方が楽しくなり、ぺったんぺったん杵を振る。
 五十鈴とタツミは独楽で気絶し意見が聞けず。ここからは2戦目参加者の意見となる。
「制御が効かないのは、駄目だ。護衛の場で使うのを考えているのなら、特に」
「使い手の意見って大事だよ? あ、お兄さん醤油ーv」
「……きなこ」
 とはオリヴィエとリュカの言。終始振り回されっぱなしだったことを考えれば、オリヴィエの意見とリュカの忠告は当たり前か。お餅は気に入ってくれたらしい。
「独楽は武器としては欠陥品だな。銃や弓と違い、使用後に回収しないといけないのは致命的だ。これならヨーヨー型にした方がまだ良い。が、防御に使うならまだ芽が有る。発生する竜巻は、運用次第で飛び道具避けや防壁になりそうだ」
 とは恭也の言。羽子板に関しても所感を述べる。
「羽子板は遠距離攻撃として羽根の玉は威力が高く、近接戦では板で殴るなど対応は可能だが、操作性に難がある。絵柄は、好みがあるだろうから無地にするのが無難だな」
「羽子板って普通山なりに羽を打ち返す遊びだよね? 地面と平行に飛ばす物じゃないよね? ……って、言うか何でボクがツッコミ役に回ってるの!?」
 至極真剣に分析する恭也に、伊邪那美が忙しくツッコミに回る姿が印象的でした。
「楽しかったぞ! 君達の他の子らも是非見てみたいものだ。扱いにくいという点を除けば悪くない。兵器も作り手に似るからな。仕方のないことだ」
「……お正月にしか使えないとなると、対コストってどうなるんでしょう?」
 とはユエリャンと征四郎の言。ちなみに、費用対効果は最悪です。
「磁力をなくした上でだが、板から操作して着弾前の顔に玉を爆発させるのってどーだ? ヴィランに効くかもしれないぞ」
 とはカイの言。操作性と威力の両立を考えた改造案といえる。紗希? 餅食ってます。
「凧型は囮には良さそうだが、風の影響を受けやすく独楽型との相性も悪い。奇襲以外に臨機応変さに欠けるのも難点だろう。独楽型は使い方にもよるが、無差別だと今回のように味方や護衛対象に被害が出るぞ」
 とは遊夜の言。長短あわせた評価を提示した。ちなみに、ユフォアリーヤは餅用の調味料を作っている。
「凧は地対空近接武装としては使えそうじゃが、市街地では電線などに注意じゃな。羽子板は羽根を量産すれば銃のように使えそうじゃが、操作性がネックじゃ。独楽は携帯性や複数使用などを考慮すれば有用じゃな。後は射出機構を機械化し、使用動作を簡略化すれば安定性も増すじゃろう」
 とはカグヤの言。武器としての優位点を挙げていった。なお、クーは黙々と餅生産を手伝っている。
 アンケート後は、餅メインの交流会に発展した。
「この世界のAGWはどれも目を見張るアイデアでな、制作者には一度会ってみたかったのだ」
「ユエ、凄い楽しそうだ、な」
 ユエリャンやカグヤは特開部の面々と話が盛り上がっていた。類は友を呼ぶ、ということか。オリヴィエはそんなユエリャンの様子を、きなこ餅を食べつつ眺める。
「やはり羽子板こそが一番ではなかろうか!」
「……ん、美味し」
 エージェント同士では、遊夜が羽子板の性能を熱弁していた。最後のアレが中々のロマン技だったからかも。彼の隣ではユフォアリーヤがきなこ餅をもっちもっち。
「まったく、今日の恭也は変だと思わない? どう見ても玩具としか思えない物にツッコまないで、真面目に評価を下すなんて」
 伊邪那美はツッコミ役の恭也が何も言わないことを友人に愚痴り、餅をやけ食い。恭也の頭には餅のように膨らんだコブが。もしかして打ち所が……?
「餅も毎年大量に死者を出している恐怖の兵器であるよな」
「……やめてください」
 そして、ふとユエリャンがこぼした一言に、特開部と征四郎が反応。
「気道を潰すのは有効であるからな、まずアウルで大量の餅を」
「やめてくださいっ!」
 さらに続けようとしたユエリャンとメモを取りだした特開部職員を見て、征四郎が必死に止めた。彼らなら、やりかねない。

 計測データは吹っ飛んだが有用な情報を得た特開部。数日後、上司から呼び出されてやっぱりしこたま怒られた。
「またトンデモAGWを作ったそうだな!? 今回はH.O.P.E.東京海上支部にも多大な迷惑をかけおって!!」
 聞くところによると、演習場上空に突如出現した謎の未確認飛行炬燵に一般人からの通報が相次ぎ、業務を一時圧迫したらしい。また、エージェントへの被害も問題視され、結局今回のAGW開発も中止となった。
 後日、被害者エージェントたちにはカイや征四郎やカルラたちが撮影した写真が配られた。当時は必死でも、いつかいい思い出になるだろう。中でも一番笑いを誘ったのは、竜巻独楽の上でフェニックスポージングするタツミの姿。
「五十鈴! 出てきなさい!」
「絶対、嫌!!」
 ちなみに、未確認飛行炬燵と竜巻不死鳥の話は本人たちの耳にも入り、自宅で新たな火種となっていた。もしかしたら、寝正月とゲーム三昧の方が平和だったかもしれない。

結果

シナリオ成功度 普通

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 全てを最期まで見つめる銀
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • 革めゆく少女
    御童 紗希aa0339
    人間|16才|女性|命中
  • アサルト
    カイ アルブレヒツベルガーaa0339hero001
    英雄|35才|男性|ドレ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • エージェント
    アリスaa4502
    人間|14才|女性|回避



  • 妙策の兵
    望月 飯綱aa4705
    人間|10才|男性|命中
  • 妙策の兵
    綾香aa4705hero002
    英雄|17才|女性|ジャ
  • エージェント
    邵 瑞麗aa4763
    人間|22才|女性|生命



  • 片翼の不良
    瑠璃宮 明華aa4795
    獣人|21才|女性|攻撃
  • 写真部『マドンナ』
    カルラaa4795hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • エージェント
    ペーマaa4874
    人間|16才|女性|命中



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