本部

らーめん。

ガンマ

形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
能力者
25人 / 1~25人
英雄
24人 / 0~25人
報酬
寸志
相談期間
4日
完成日
2016/11/22 16:31

掲示板

オープニング

●H.O.P.E.某会議室

 どーん。

 そんな擬音が正に当てはまる。
 集ったエージェントの目の前に、うずたかく積み上げられた大量のダンボール。

「皆様、お集まり頂きありがとうございます」
 一同へニコリと微笑んだのは、H.O.P.E.所属オペレーターの綾羽 瑠歌だった。一礼の後、「それではミッションについて説明させて頂きます」と良く通るなめらかな声で話し始める。
「プリセンサーが大量の従魔発生を予知しました。その従魔というのが――こちらです」
 そう言って瑠歌が徐にダンボールから取り出したのは、

 いんすたんとらーめん。

「この通り今でこそただのインスタントラーメンですが……プリセンサーの予報によると、これら全てに従魔が憑依してしまう、という未来が待っているのです」
 どどん。大量のダンボール、その中に押し込まれたインスタントラーメン達。これら全てに従魔が憑依するとなると……相当大変なことになりそうだ。

 では、エージェント達はどうすればいいのか。

「従魔が発生する前に、憑依する物をなくしてしまえばこの事件は回避できます。つまり――」
 瑠歌が、神妙に頷いた。

「これらを一つ残らず食べつくすこと。それが、今回の皆様のミッションでございます」

 そんなことしなくても廃棄すればいいんじゃね? そう呟いたエージェントに、瑠歌が「こら」と腰に両手を添えて優しく嗜める。
「食べ物を粗末にしてはいけませんよ。いいですね? それから、食事の前はちゃんと石鹸で手を洗いましょうね。……よろしいですね、エージェントの皆様?」

 はーい。

解説

●目標
 インスタントラーメンを食べ尽くせ!

●登場
従魔が憑依する未来が待っているインスタントラーメン達
 ただのインスタントラーメン。めちゃくちゃ大量にあります。
 様々な種類があります。カップ麺、鍋で煮るタイプ、生麺系、などなど。
 味もスタンダードなものから、激辛、明らかにバツゲームな味(チョコ味など)とムダに豊富。
 カロリーが気になるエージェントのためにローカロリーなはるさめヌードルもあります。
※食べつくすことがミッションなので、お持ち帰りしちゃ駄目です。

綾羽 瑠歌
 H.O.P.E.所属オペレーター。本部のトップイラストのおねえさんです。
 リンカーではなく、一般人。
 婚期を逃し続けて、はや3じゅ ンンッ みんなのおねえさん。
 ダイエット戦士なのでローカロリーのはるさめヌードルをちまちま食べてます。

ヴィルヘルム
 H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットの第二英雄。
 おいしそうなにおいに釣られ、暇潰しに来訪。調理方法など知らぬなので乾麺のままバリバリ食い漁っている。


●場所
 H.O.P.E.東京海上支部、広い会議室。
 お鍋、コンロ、水、お箸、お茶、タイマーなど、インスタントラーメンを作成するのに必要なものは一通りある。
 調理器具や材料の持参もOK。

リプレイ

●エージェントVSラーメン

 ででどん。

 人生においてこれほど大量のインスタントラーメンを見るのは、インスタントラーメン工場の人以外にそうそういないんじゃなかろうか。

「ひゃー……スゲェ量ッスねェ……」
「タワーって奴か? 圧巻だな!」
 齶田 米衛門(aa1482)とウィンター ニックス(aa1482hero002)は二人揃ってダンボールの山を見上げていた。
「ここにあるラーメンを食べつくさないと……か。スープも飲みほす必要アリなのか?」
 多々良 灯(aa0054)が呟く。どうやらスープも飲み干す必要があるらしい。
「わーい、らーめん食べ放題依頼もふ~! たくさん食べるもふ~!」
 傍らではしゃいでいるのは、むすび(aa0054hero002)。くいしんぼうのむすびもいるんだ、灯は英雄の姿を隣に決意を抱く。
「ひとつ残らず食べつくしてみせよう……燃えてきたぜ!」

 そう、ミッション内容は「食べるだけ」。

 簡単な内容だ。「廃棄すれば手っ取り早いのに」とバルタサール・デル・レイ(aa4199)は思ったのだが、どうもそれはダメらしい。
「ラーメンに憑依って、どんなだよ」
「これも仕事だよ」
 答えた紫苑(aa4199hero001)は既に水をはった鍋に火をかけていた。
「ラーメンに従魔か」
 妙な従魔もいたものだ、とゼム ロバート(aa0342hero002)。「食べちゃえば問題ないですからね♪」と微笑むのは笹山平介(aa0342)だ。
「湯入れるだけだろ……」
「いえいえ、今日は一味違いますよ♪」

「これ全部が従魔になったら大変だね……食べるのも大変そうだけど」
 そう言葉を放った皆月 若葉(aa0778)は買い物帰りの姿のまま着席していた。隣ではラドシアス(aa0778hero001)が、眉根を寄せて相棒に問う。
「……買い物帰りにH.O.P.E.に寄っただけのはずが、なぜ依頼を受けた?」
「いや、一人でも多い方がいいかなと……」
 あっけらかん。その様子にラドシアスは溜息を吐いた。
 麻生 遊夜(aa0452)も、同刻に苦笑しつつ溜息を零していて。
「やれやれ、気が遠くなりそうだな……」
「……ん、人もいっぱい……ラーメンもいっぱい」
 遊夜の背中にしがみ付いているのはユフォアリーヤ(aa0452hero001)。狼耳も興味にピンと立っている。

「ラーメンか……!」
「私はあまり得意では無いですが……お付き合い致しますよ」
 そわそわとダンボールを見上げる賢木 守凪(aa2548)に、イコイ(aa2548hero002)が深窓の令嬢然と微笑んだ。
「よーし、大手をふるって食えるぞ」
「年を考えて程々にしてよ……?」
 意気込む水落 葵(aa1538)にウェルラス(aa1538hero001)は溜息を吐く。カップ麺が友達な外見三三歳と、そのカップ麺を取り上げる日々を送る英雄のコンビである。
「ふええ野菜高いよぉ……」
 新たに会議室へ入ってきたのは木霊・C・リュカ(aa0068)だ。ふええとか幼女みのあることを言ったがガチ成人男性だ。
「栄養バランスを考えないといけませんから」
 野菜がギッチリ詰まったスーパーの袋を手に、リュカに付いてきた凛道(aa0068hero002)
が言う。ほんと最近野菜高いよね。
「夜のラーメンははいとくのあじ、ですね……」
 紫 征四郎(aa0076)はわくわくとしていた。普段ジャンクな食べ物を口にすることは稀なのだ。英雄のユエリャン・李(aa0076hero002)に髪も結わえて貰い、準備万端。なお結った髪型はユエリャンとおそろいである。
「せーちゃんも夜中ラーメンする? 美味しいよ!」
 リュカはそんな征四郎に「ふふ」と笑んで見せた。
「征四郎くんもリュカさんも来てたんだね! 楽しんでるかい? ボクは楽しんでるよ!」
 そんな二コンビに話しかけたのは烏兎姫(aa0123hero002)。初めての依頼に心躍るまま、テンションも高い。
 その後ろから顔を出したのは虎噛 千颯(aa0123)だ。新しい英雄を、周囲の知り合い達に紹介していく。
「えーっと……新しいうちの子で……烏兎ちゃんってんだ……まぁ……よろしく」
「やぁやぁ初めまして! ボクは烏兎姫だよ。気軽に烏兎って呼んでね」

 さて一方では、呉 琳(aa3404)が藤堂 茂守(aa3404hero002)と並んで手洗いうがいをしていた。琳も麗(aa4317hero001)も石鹸で手をモコモコに泡立てている。
「ん……」
 そんな相棒英雄、麗にハンカチを差し出したのは天野 心乃(aa4317)だ。
「ひたすら食すのみという、なんともお腹の……腕の鳴る依頼ですわね」
 手を拭く麗のお腹が鳴る。「ホント食い意地張ってンな」と心乃の言葉に、麗は口をヨダレいっぱいにして得意気な様子。
「さぁ心乃。気合を入れて参りましょう……!」
「はいはいお好きなだけ食いやがれ」

 琳は楽しそうにはしゃいでいた。
「ラーメンだ! 一杯食べないとな! 仕事だもんな!」
「おや、琳君はラーメンがお好きですか」
 心乃のようにハンカチを渡してあげながら、茂守。「うん!」と琳が頷く。
「特に醤油が大好きだ! 焦し醤油とかもあるんだろ?」
「博識ですね♪ 素晴らしい♪」
 微笑んだ茂守に得意気な笑みを返し。と、琳は見知った顔――千颯とその英雄に気付いては、彼らに声をかける。
「ちはやの新しい英雄さんは烏兎姫っていうのか……じゃあトキって呼んでもいいかな!?」
「うん、トキで構わないよ。それじゃあ琳くんのことはリンって呼んでもいいかな?」
「いいよ! いっぱい食べような!」
「その意気です♪」
 烏兎姫と握手をした琳、琳にどこまでも甘い茂守。(鍋系もいいか……)なんて思いつつも、茂守は烏兎姫への挨拶も忘れない。友好的に一礼を。
「私は藤堂茂守、宜しくお願いします」
「藤堂さんですね。よろしくお願いします」
 一方で千颯は英雄へ声をかけてくれた琳にニッと笑んで、
「琳ちゃん張り切ってるなーたくさん食べような!」
「パパ! ボクもたくさん食べるんだよ! リン! どっちがたくさん食べれるか競争だよ!」
 途端に烏兎姫が千颯の腕をぐいぐいぐい。千颯は苦笑を一つして、
「烏兎ちゃんは……ほどほどにな?」

「やっぱ豚骨醤油に限るわ」
「せっかくまともな食生活に矯正していたのに……」
 イキイキとダンボールを漁る木佐川 結(aa4452)に、水蓮寺 義政(aa4452hero001)は片手で顔を覆っていた。二人の誓約は「一日三食一汁三菜」、それはひとえにかつての結がインスタントラーメン万歳不摂生ライフだったがためである。
「誓約違反? いや、ラーメンには『汁』もあるし乾燥ネギ入ってるから『菜』もクリアだし」
「人はそれを屁理屈と言うんですよ」

「ラーメンな。ニノマエがたまにつくるアレか。美味いな!」
 結の近くで同様の行為をしていたのはミツルギ サヤ(aa4381hero001)。
「各国の職員、エージェントが集っているから、色んな国のラーメンがあるんじゃねぇかな」
 その様子を見守るニノマエ(aa4381)が言い、ミツルギと共にラーメン発掘を開始する。

「食べつくせばいいという依頼と聞きました」
「食べ尽くすのは任せます。私は後処理を進めます」
 両手にカップ麺を携えたラフマ(aa4366hero001)の言葉に、烏丸 景(aa4366)はそう頷いた。立つ鳥後を濁さず、支援(?)は任せろとのことだ。

 さてさて、そんなこんなで任務が始まる。



●いただきます

「おい――マリ起きろ! マリ!」

 御童 紗希(aa0339)は真っ暗な意識の中、カイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)の声を聞いたような気がした。
 ハ、と目蓋を開く。飛び起きる。そこはラーメン会場だった。

「え? なんで!?」

 頭を抱える。こんがらがった頭で必死に状況を整理する。このラーメンを貪る任務にカイがエントリーして、それを「太るから」と断固会場入りを拒否して、そして、朝方カイに「これ飲め!」と飲み物を手渡された……ところで記憶が途切れている。ティンときた。
「図ったな~! あたしに睡眠薬飲ませたのね!」
「しょーがねーだろ。こうでもしないと連れてこれないんだから」
 会場入りしたからには食ってもらうぞ。カイは早速ダンボールを物色し始める。
「お前は春雨タイプで手打ちにしてやる。お互い相手に食べさせるラーメン十個持ってきて食い尽くす!」
「それが今回の任務という訳ね。いいわ、目にもの見せてくれる!」

 というわけで。

「マリ! てめえこのチョイス……俺を殺す気か!」
 カイの前に並んでいたのは、真辛、激辛、メガ辛、ギガ辛、超爆弾級涅槃行きマジ辛……と死亡フラグ確実なラーメン。
「何よ! このあからさまな罰ゲームみたいな味のラーメン!」
 片や紗希は、抹茶、バナナクリーム、メイプルシロップ、メロンソーダ味……とイロモノ春雨ラーメンがズラリ。
 が、これを食べるのが二人の任務だ。いっそ真顔でお湯を注いで、そして、実食。

「「ぶふぉあ!」」

 ちょっとお見せできませんな具合に二人の色々な場所から吹き出されるラーメン。
「く……此処で倒れれば」
「エージェントの名が……廃る……」
 お箸を握り締める二人。
 見据える強敵(ラーメン)。
 逃げるわけにはいかなかった。
 なぜなら、二人はH.O.P.E.エージェントだから――。
「……いくよ、カイ」
「おう、マリ」
 奇妙な友情すら芽生えた(?)二人には、いつしか某マゲドンのテーマ曲が流れ――ゲテモノラーメンを次々と平らげていったのであった。
 かくして、最後のスープまで飲みきった二人は……安らかな顔で燃え尽きる。

 ――ヒーローに、敬礼。

 尊い犠牲を出しつつも、エージェントの任務は続く。
 ニノマエは変な味のラーメンに便乗しようかなーと思っていた。だが紗希達の勇姿(?)を見ては、もう拍手しか出てこない。敬礼もしておこう。
「とりあえず袋麺は面倒くさいから、カップで……」
 と、ダンボールからカップ麺を取り出そうとした瞬間。
「袋のコレ食べたいから作れー! 作って。作って下さいお願い☆」
 ミツルギがニノマエの腕やら袖やら肩やらをぐいぐいぐい。「私だって、たまにはラーメン食べたいモン!」そんな英雄のオネダリに、ニノマエは「あ゛ー」と眉根を寄せて。
「……やめてくれ。作るから」
 というわけで。ニノマエが作ったのはトムヤンクン味だ。二人並んで、両手を合わせて頂きます。
「辛くて、すっぱくて、甘くて妙な味だ。おまえ、こういうの好きなのなー」
 フォークではふはふ、ミツルギはパクチーの香り漂うトムヤンクンを美味しそうに食べている。「パクチーいけるクチか」とニノマエは湯気の向こうの横顔を見遣り、言葉を続けた。
「俺はフォー味とか、グリーンカレー味とかも好きだな。絶妙な異国情緒がたまらねぇんだよ。また依頼で国外行くか」
「変なところでやる気スイッチ入るし。まあ今は食べよう。人のオススメに乗ってみるのも良いな。色んな味に出会いたい」
「そういうこと言ってると、変ラーメン担当になるぞ」
「望むところだ! ジャンジャン食べる!」
「かおてぃっく胃袋……ふふ……」
 不敵に笑んだニノマエは鬼畜辛ラーメンの袋をそっと開けるのであった。

「オナカスイター」
 と、フォークをもぐもぐしているのはメルト(aa0941hero001)。
「あああああ待って待ってそのフォークはH.O.P.E.の備品っ! 弁償させられるっ!」
 慌ててメルトの口からフォークを引き抜く彩咲 姫乃(aa0941)。片手間に、まるで工場の流れ作業のように次々とカップ麺にお湯を注いでいる。
「これで一食分は食費浮くかなー」
 溜息。そう、姫乃の英雄メルトは無限に食べるとんでもない暴食にして、何でも食べるとんでもない悪食なのだ。しかも自力で移動しないときたものだから、メルトの手の届く範囲にせっせとラーメンを運ばなければならない。
「……別に未調理でも良いか。メルトは味なんて気にしないしなー」
 エンゲル係数を果てしなく上昇させる食欲の化身にひたすら奉仕していた姫乃であったが。容器ごともぐもぐしているメルトを見るとなんか調理が馬鹿らしくなってきた。
「あ、そーだ。いちいち持ってくの面倒だし、メルトをカップ麺の山に投げ込めばいいんじゃないか?」
 俺天才じゃん。というわけで、メルトをダンボールの方にポーイ。
「最終兵器投入完了――。カップ麺の命運は尽きたな」
 背後で咀嚼音を聞きながら。姫乃はようやっと自分の分のカップ麺にお湯を注いだ。トッピング等を持ち込む余裕はない。
「持ち帰れないのが悔しいなー」
 急にやることがなくなって、暇そうに麺をすする姫乃。その背には食費で苦労している人間の哀愁が染み付いていたという……。

「うっひょう、ラーメン食べ放題! ボク、あれ行く! とんこつっ!!」
 ストゥルトゥス(aa1428hero001)はイキイキと、そして次々と、あらゆるトンコツ味をダンボールから引っ張り出していた。とんこつ野郎Aチーム。それをニウェウス・アーラ(aa1428)は「うわぁ」という目で見ている。
「カロリーとか塩分とか……ひどいことに、ならない?」
「んなモン怖くてバリカタ食えるかぁー!」
「……わ、私ははるさめヌードルにしとく、ね……」

 というわけで。

「バリカタ最高! バリカタ最高!」
 ストゥルトゥスは自前でネギやノリや煮卵を用意する徹底ぶり。
「この量は……はるさめでも結構、きつい、よ……」
 一方、健康を気にするニウェウスははるさめヌードルや、ローカロリー・塩分控えめのものをチマチマと食べている。が。ラーメンってそんなウン杯も食べるもんじゃあない。にもかかわらず、ストゥルトゥスと言えばまた新たにラーメンを開封しているではないか。
「マスターはまだまだだなぁ。ほら、ボクなんかもう六杯目さっ!」
「ねぇ、本当に大丈夫……?」
「だーいじょうぶ! 今のボクならラーメンな三銃士にだってなれるッ」
 眼鏡をクイッと押し上げるストゥル。なおラーメンの湯気で真っ白に曇っている。
「……ストゥルは、どこへ向かうつもりなのか、な? あと眼鏡真っ白だよ」

 次々とラーメンを食べていくエージェント達。

「賞味期限の短いものから手を付けましょうか」
「それと油が多く使われているものだね。油は保存状態を悪くするから」
 哭涼(aa3892hero001)とエリヤ・ソーン(aa3892)もそれに続く。ダンボールから取り出したものをあらため、古いものから順に、二人で協力して調理しては一生懸命食べてゆく。
 食べる、だけでなく。エリヤ達には別の作戦もあった。というのも、後片付けと「もしも従魔が発生した場合に備えて」だ。
 具体的な作戦内容としては、ゴミ袋を買えるだけ購入して用意、食べ終わった容器はそこに入れるようにと通達。「これで、ゴミ袋にまとまったところに従魔が憑依する形になれば撃破しやすくなるはず」という心算だ。
 食べ尽くしてしまえばそういう事態にならないとは思うが、念には念を。
「無数の鼠よりも数匹の狼の方が御しやすい、という言葉を教わった事があります」
 そう語るエリヤは、従魔が出た時の戦闘作戦もシッカリと考えてきたのだ。勿論、AGWも持って来たし、スキルの準備も万全だ。
 あつあつのラーメンを冷まして食べつつ、二人は油断しすぎない。
「美味しいですか?」
「うん!」
 とはいえ、美味しい食事には表情も綻ぶもので。哭涼の言葉に、エリヤはニッコリと微笑んだ。

「カップラーメン! しかもこんなに! なんということだろうね! 素晴らしいね! ところで卵はあるのかな?」
 珍神 無鳥(aa1708hero002)は賑やかな雰囲気にうきうきと目を輝かせていた。ちなみに卵はあるそうで。「どれもこれも捨てがたいけれど、人気なのはどれなんだい?」と相棒の蛇塚 悠理(aa1708)に聞きつつ、卵と生麺タイプのラーメンを両手いっぱいに、いそいそ調理に向かう。
「葵くんはカップラーメンが一番なのかな。どんなカップラーメンが好きなんだい?」
 悠理は葵の隣に座り、ニコヤカに話しかけている。
「俺は塩かな。そっちは?」
「醤油だね。でも、あれも美味しいんじゃないかな。きっとあっちのも美味しいと思う」
 などと言いつつ同時に調理を進めてあれこれ食べ比べている。悠理は細身に反して割と食べる、喋っていると更に食べる。しかもペロッと完食するが、本人曰く「無理して食べてないよ」とのこと。
「悠理サン。コレ、オレのお薦めだけど食う?」
 そんな悠理へ。スプーンが添えられた薄塩味のやや半熟スクランブルな卵焼きを、葵が勧める。
「味が色々あるっていってもずっとインスタントラーメンじゃ飽きちまうだろう? こういうのがあると結構つづけられるぜ?」
 食べ始める前とか、途中で入れて味を変えたりとか用だな。そう補足した葵は、爪楊枝が添えられた別の細巻き卵焼きを一口。とろりとした焼き具合で、幸せな甘さ。
「しょっぱい系が多いですからね。口休めにどうぞ。一口だけでも、だいぶ紛れますよ」――それらは葵の英雄ウェルラスが作成した絶品だった。

「齶田サンのところのお野菜は大変質が良いと伺っておりまして……もし野菜をお持ちでしたら少し分けていただけますか?」
 一方。米衛門へ、当のウェルラスはそう言葉をかけていた。
「もちろんッスよ!」
 米衛門は野菜を快く分けてくれる。流石農家。「ありがとうございます」とウェルラスは微笑んだ。
 というわけで、ウェルラスは早速その野菜で野菜炒めを作り始める。あっさり塩味。大皿に盛ってトングも添えれば完成だ。
「ラーメンに入れても、これだけ食べてもお好きにどうぞ。やっぱり野菜は摂っておきたいですからね。あ、おっさんはノルマあるからね」
 問答無用。葵のカップ麺にドサーッと野菜を山盛るウェルラス。「ウワッ」という顔になった相棒。
「ウェルラス君も一緒にどうだい?」
 そんなウェルラスへ悠理が言う。「是非」と答えたウェルラスは、ちょうど自分用に鍋で煮るタイプのラーメンを作っている最中だ。
「もしラーメンが好きってことなら、どこか一緒に食べに行きたいね」
 と、悠理が友人達へ言い終えた直後だ。ラーメン調理を終えた無鳥が顔を出す。
「や、こんにちは。初めましてだね。珍神無鳥という者だ。よろしく頼むよ!」
 フレンドリーに挨拶する彼は明らかにラーメンを作りすぎている。だけでなく未調理のもののキープも多い。どうもお持ち帰り用のつもりらしいが、
「ん? 持ち帰りは駄目だって?」
「そうなんだよね。連理に持って帰ってあげたかったけれど……持ち帰り不可なら仕方ないか……」

 そんなこんな、ラーメンタイムは続く。

「じゃあさっそく! 好きなのを選んで食べていこう」
 マイどんぶりを片手に大宮 朝霞(aa0476)は気合い十分だ。が、ニクノイーサ(aa0476hero001)は眉根を寄せている。
「ひとつずつ作るのか? みんな鍋にぶち込んでまとめて作った方が早いだろう?」
「はぁ? なに言ってるのよニック!」
 鬼神が如き勢いでニクノイーサの胸倉を掴む朝霞。「ヒエッ」と怯んだ英雄をそのままガクガクと揺さぶりつつ、朝霞は怒涛の勢いで語り始める。
「このラーメンのひとつひとつを開発するのに、どれだけの愛情! 夢! 研究成果が注がれていると思ってるの!」
「それは知らないが……」
「例えばこの『北の大地の味噌ラーメン・みぞれ』。北海道の有名ラーメン店とのコラボ商品だけど、このスープとちぢれ麺のハーモニーをここまで再現するのにどれだけの努力があったと思っているのよ! それにこっちの『関西だし浪速ラーメン』は(以下数千文字)」
「あー……それは、たしかに大変そうだな」
「これだけじゃないわ! ここにある商品はすべて、開発者達が血の滲むような戦いの末にやっと発売されたモノばかり! それを混ぜちゃうなんて、許されないわ! ラーメンへの、いいえ、神への冒涜よ!」

 どーん。

 全てを言い切った朝霞に、ニクノイーサはただただ呆気に取られ。
「わかった。俺が悪かった。ひとつずつ作って食べよう」
 熱意はしかと伝わった。降参だ、と両手をヒラリ。すると朝霞は笑顔を浮かべ、
「そうよ。ちゃんと味わって食べるのよ!」
 と。その手には生卵。

 かつッ。
 パカッ。

「卵を入れるとおいしいのよ」
「勝手に卵を加えるのはOKなのか……」
「素人は黙ってなさい――」
 黙っとれされても、解せぬ。複雑な気持ちになるニクノイーサなのであった。世界はとっても理不尽だ……。
「大宮って言ったか?」
 と、そこへ現れたのはイヴィア(aa3984hero001)だった。
「あんたらには料理教室でいい経験させてもらった。ありがとーよ」
 笑顔を向ける。傍らではイヴィアのリンカー無音 冬(aa3984)が「料理教室……楽しかったから……」と小さく言葉を続けた。二人は見たことのある者へ挨拶へ回っていたのである。
「たくさん作りすぎてな……もしまだ食べられるなら貰ってくれ」
「……よかったら……お友達と一緒にどうぞ……」
 ニッとイヴィアが笑えば、冬が醤油ラーメンを手に持って。
「どうもありがとう。頂くわ」
 卵を手に、朝霞は二人へと微笑みかけた。しかし、冬達の背後には大量のラーメン(調理済み)があるが。それを問えばイヴィアの笑みが苦笑に変じた。
「ああ……言ったろ、『作りすぎた』って」

 時は少し遡る。

「三分間……時間差で作ったら……次々食べられそう……」
「そんなに食べられるのかよ……」
 お前、絶対一つも食べきれないだろ。冬の言葉に、イヴィアはそんな感想を抱いていた。しかし冬は「温かい物……大好きだから」と無表情ながらにキリリとする。
(心なしか目が本気じゃねぇか……)
 ならばその気合いを尊重しよう。「しかたない」と頷いたイヴィアは相棒に問いかける。
「三つずつぐらい時間差でお湯入れてやるから……どれが食べたい?」
「醤油……味噌……魚介……とんこつ……太麺と細麺各種で……後は、」
「結局全種か!」
「色んな味を食べてみたいから……」

 結果。

「お腹いっぱい……」
 味噌一杯で冬はギブアップだった。
「やっぱりな……」
 知ってた。イヴィアは遠い目で、残った多くのラーメンを見つめている。醤油ラーメンは朝霞組へ任せたものの。今に至る。
「持ち帰り禁止ならしかたねぇ……俺が責任もって食べてやる」
 当初は「仲間の為にお湯入れ役でもするかな」と思っていたイヴィアは、立派なフードファイターへジョブチェンジ。
 そして。
「冬……もうすこし自分の胃袋の大きさ把握しておけ……ぐふっ」
 ガクリ。本日三人目の殉職者。ヒーローに敬礼。


●らーめん01
「これがいんすたんとらーめん?」
「歯応えがございますわね」
「ウメー」

 ぽりぽりぽりぽりぽり……。

 レミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)、麗、ヴィルヘルムが、揃って乾麺のままラーメンを頬張っていた。ほっぺがハムスター。
「いやいや、それはお湯で戻してから――、別に食い方は自由か」
 姫乃は「うん」と頷くだけにした。
「お前らなんつー食い方してンだよ、あーボロボロすンじゃねーっての」
 せっせと机に紙を敷いてあげたり、英雄達の服を払ってあげたり口の周りを拭いてあげている心乃。
「ま、待て、突っ込みどころは多分そこじゃない」
 とりあえずどこからどうしたものかとうろたえる狒村 緋十郎(aa3678)。
「ヴィルヘルム! 早食い勝負をぴゃああ!!」
 顔を出した征四郎に至っては悲鳴を上げた。
「な、なんでそのまま食べて……! もー、ちゃんとお湯入れた方が美味しいんですから! やってあげます!」

 というわけで。
 能力者達によるラーメン講座が始まる。

「んでリクエストは?」
「あらオーダーですの……?」
 心乃に問われ、麗は「ふむ」と首を傾げ。
「メニューがありませんので、ひとまず目につくモノ全部下さいな」
「……あいよ」
「ありがとう心乃」
 一方で緋十郎も、実際に調理しながらレミアにインスタントラーメンの説明をしている。ヴィルヘルムも、征四郎が作っている手元を興味深そうにじーっと眺めていた。

 そんなこんな。「生卵を落として食べるのが至高なんだ」と緋十郎が持参した卵が英雄達のラーメンに落されて、完成!

「そのような召し上がり方があろうとは」
 感心しつつ麗は割り箸をパキリ。いただきます。
「――! 美味しい。美味しい……! 美味しい、ですわ!」
 全身から嬉しいオーラをほとばしらせつつ、わんこそばの要領で次々と心乃が作ってくれるラーメンをもぐもぐもぐもぐ。麗はマジの大食らいなのだ。
「近頃は甘い辛いねばねばぎとぎとぐつぐつどろどろ、と多様ならーめんがあるのですね」
「……しっかし何でも美味そうに食うよな」
 心乃は頬杖を突き、ズズーッとスープまで平らげている英雄を眺めている。
「ん? どうかされました?」
「いーや。……なんでもねー」

「あんた会長の英雄だろ? こういうのに興味あるのか?」
 一方、ラーメンをウメーウメーと頬張っているヴィルヘルムへ姫乃が話しかけていた。中身と外見の不一致、そんな『共通点』は姫乃に興味を抱かせる。
「んあ?」とヴィルヘルムはスープを飲み干しながら、姫乃を見やった。
「楽しそだなーって思っただけだぜ」
「へぇ。お堅いイメージがあったんだがな。意外と茶目っ気が強いんだな」
 上の人の詳しい事情なんて知らないけれど。そんな姫乃に、「なんかわかんねーけどよろしくな!」とヴィルヘルムは一方的に握手をしたのであった。

 そんなヴィルヘルムを、緋十郎は卵三つ入り特性ラーメンを頬張りつつ眺めている。眺めている……細い腰と豊かな胸を。
(くっ……中身おっさんだというのに……まな板派の俺の心すら揺るがすとは……さすが会長の第二英雄だ……!)
 ぐぬっとしつつ悩殺されなう。
 そんな緋十郎を、レミアはラーメンを頬張りつつ静かに眺めている。彼の考えなどお見通しだ。そして湧き上がった感情の名は、嫉妬。スッと立ち上がったレミアは徐に緋十郎の手を取ると――
「緋十郎、わたしが食べさせてあげるわ」
「えっ?」
 思わぬ申し出である。明らかに顔に喜色が浮かぶ緋十郎だったが、返すレミアの笑みは嗜虐的で。流れるような動作で、どこからか取り出した荒縄で緋十郎の両手を後ろ手に縛ったではないか。
「はい、あーん」
 フォークで巻き取って、緋十郎の口へ突き刺すように差し出すのはあっつあつの麺。「あっづぁ!」と叫んだ彼に「スープも飲まなきゃダメよ」とあっつあつのスープも容赦なく口中へ流し込む。
「アアーーー!」
 しかし緋十郎の叫び声は歓喜に満ちていた。なぜなら彼はドMだからだ!
「ふふ、よーく噛んで食べなさい」
 下僕に罰を与えるレミアも妖艶な笑みだった。なぜなら彼女はドSだからだ!
「すげえな……」
 ヴィルヘルムに「やべえ」という目で見られても、緋十郎にはそれすらご褒美だった。やべえ。
 さてさて、そんなドMへのお仕置きは、今度は『放置プレイ』にシフトしていた。レミアは緋十郎の目の前で優雅にラーメンの続きを食べ始める。いい具合に冷めて食べやすい。
「ん、おいしい」
 レミアにとって食事はあくまでも趣味だ。カロリーなども気にせず、楽しむもの。ときおり思わせぶりに緋十郎に視線を送って煽っておいて、「待て」と命じては愉しんでいた……。

「綾羽さん、随分と質素なもん食ってるんすねー」
 もぐもぐもぐ。結はオペレーター瑠歌の横に陣取り、ひたすら豚骨醤油のカップラーメンを食べ続けていた。ダイエット戦士を嘲笑うかの如く。
「ええ……あはは……」
 瑠歌は結の方を見ないようにはるさめヌードルをちまちま食べている。と、その正面に回りこむように結が移動したではないか。彼女が手にしていたのは金のジャスティン像。を、無表情のまま振り上げて――

 ガッ。

 叩き付けた先には豚骨醤油ラーメンの乾麺。会長像でガンガン細かく砕いてゆく。
「貴女、会長の像を……」
「は? 知るかよ。こんなもん、叩き棒にしか使えねえだろ。ばかじゃねえの、義政」
 たしなめようとした義政ににべもない。英雄が形容できない表情で佇んでいる最中にも会長像による結のクッキングが続く。
「流石に味変えねーと飽きるっすね」
 砕いた麺で通常通りの手順で調理し、持参したザルで麺とかやくをこし、スープと分けて。さて。
「義政」
「なんですか」
「スープに片栗粉ぶっこんで混ぜるだろ」
「はぁ」
「冷凍ごはんを電子レンジでチンするだろ」
「ええ」
「で、この麺とかやくと一緒に炒めとけ」
「はい?」
「ちゃっちゃとやれよ、わざわざ丁寧に説明までしてやったんだぞはっ倒すぞ。誰のおかげでここに残れてんだよ」
「……」
 義政は片手で額を押さえた。でもちゃんと言われた通りにする辺り優しいと言うか健気と言うか。とかく、炒められたご飯にあんかけ風スープがかけられ、『木佐川式あんかけソバめし』が完成したのである。調理したのは八割義政だが。
「うまっ」
 結はそれをもぐもぐし始める。もぐもぐし続ける。瑠歌の真横でイヤミのように、若さの暴力によるカロリー無視で食べ続ける。食べ飽きたらあれやこれや調理して(正しくは調理させて)エンドレス。
「……」
 瑠歌は苦行中の僧侶みたいな顔をしていた。マーラよ去れ。そんな念仏すら聞こえてきそうだった。
「我慢するとストレスでより太るからな、食いたいだけ食う方がよほど健康的であるぞ」
 マーラその二現る。ラーメンをもぐもぐもぐもぐ食べているユエリャンだ。なお展開した言葉は持論だ。ソースなどない。食欲はとどまらない。
「カロリーを抑えるのもそうですが、バランスの良い食事はそれに勝りますよ」
 マーラその三も現る。野菜たっぷりラーメンをもぐもぐもぐもぐしている凛道だ。野菜はセーフ、野菜だから大丈夫、なお太らないとは言っていない。

「マーラよ去れ!!!」

 そう叫んだオペレーターの声は、やはり本職、よく通る玲瓏さで響いたという。



●らーめん02

 まぁ、参加者は英雄も含め五十人近くいるわけで。

 他の人らが頑張って食ってくれるだろう。若人頑張れ。バルタサールはやる気のない様子で味見程度にラーメンを食べていた。無理はしない。
「一人何杯まで食べること、とかそういうノルマがなくて助かった」
「オジサンの胃袋にはしんどいもんね」
「年齢相応って言え」
 くすくす笑う紫苑にバルタサールは溜息を吐く。バルタサールの強面なマフィアが顔をしかめればかなりの迫力があるというのに、ラーメンの湯気でサングラスが真っ白でどうにも締まらない。拭いても拭いても曇るのでもうそのままに、メキシカンらしく唐辛子の効いた辛口ラーメンを食べている。
 一方の紫苑は関西だしの京風ラーメンを上品に食べていた。プレミアっぽいお高そうな奴だ。量も少なくかなりのお上品志向である。
「二杯目作る?」
 というわけで量が少ないゆえにすぐ食べ終えた紫苑は席を立つ。「任せる」とバルタサールの返事に「はーい」と返し、インスタントラーメンを手に取った。
 ちなみに、お湯を注ぐだけのタイプだとものの三分で完成してしまう為、バルタサールコンビは茹でるタイプのラーメンで時間稼ぎ。「折角だから美味しいものを食べたい」と二人の合致した意見により野菜などの材料も完備だ。
 食休み、次のラーメンが来るまでバルタサールは持ち込んだテキーラで口直し。なお食前から飲んでいる。調理は「かったるい」ので紫苑に丸投げだ。
「できたよー」
 という訳でまもなく紫苑がラーメンを持ってきた。惰性でバルタサールはそれを口に運ぶ、が。ゴホッと盛大にむせたではないか。
「なんだこの味……!」
「どうしたの大丈夫?」
 白々しいほど心配そうな紫苑の顔。これ見よがしに置いてある「いちごみるくとんこつ粉末スープ」とかいう頭のオカシイ空袋。
「お残し厳禁だよ」
 わざとらし~く言いながらバルタサールの背中を撫でる。
「……野郎……」
 バルタサールは紫苑に何か言ってやろうかと思ったが「味を指定しなかったそっちの落ち度だよね?」としか言われなさそうで、肩をわななかせる他になかったのであった……。

「相棒、まずは美味しそうならーめんの確保もふよ!」
「こっちはむすびの分をいれる箱な」
 灯とむすびは各々の名前を書いた箱を手に、五つほどラーメンを確保。ウッカリ食べ忘れに備えて目立つ場所にも設置。準備OK。
「色々あるけどどれもおいしそうもふ~」
 むすびが選んだのは、バターコーン味、可愛いかまぼこ入りの醤油ラーメンと、子供が好みそうなものばかりである。
「むすび、調理は俺がやるから座ってな」
「もふ~!」
 というわけで、灯が手際よくラーメンを調理。尤もお湯を注いで三分待つだけなのであるが。
「鶏ラーメンに卵いれるか?」
「入れるもふ~」
 そんなやりとりをして間もなく、二人分のラーメンができあがる。
「やけどしないように気をつけて食べるんだぞ」
「はいもふ~! いただきますもふ~!」
 ふうふう、子供用フォークで持ち上げた麺をしっかり冷まして、それからちゅるり。むすびは満面の笑みを浮かべる。
「おいしいもふ~♪ しあわせもふ~ばりばり食べるもふよ~!」
 が、しかし。その隣から漂ってくるカプサイシン的な刺激にむすびは「うっ」と顔をしわくちゃにする。見やれば、灯が超激辛唐辛子ラーメンを食べているではないか。どろどろスープが真っ赤っ赤。見るだけで辛い。
「うん……」
 美味しい、と頷く灯はドが付く辛党なのだ。選んだラーメンも麻婆豆腐麺やら辛味噌系やら明らかに食べられる人を選ぶようなものばかりである。
(もふは辛いのは苦手もふ……)
 あんなヤバそうなものを美味しい美味しいと頬張る灯は、ひょっとしたら人間じゃないのかもしれない。むすびは一瞬、真剣にそんなことを考えたのであった。

「……ん、持って帰りたいねぇ」
「言うなって、ダメだって言われたろう」
 狼耳をピコピコさせるユフォアリーヤに、持ち帰り衝動に耐えている遊夜が答える。「別に食糧危機に陥ってるわけではないが食費が浮くのは確かだからな」とは自分に言い聞かせるがごとく。
「何にせよ食べ進めにゃ始まらんな」
 というわけで、遊夜はとんこつラーメンの袋を開けた。
 ネギ、もやし、チャーシューにニンニク味噌、ごま油に卵……持参したそれらを盛り付ければ、漂ういい香り。
「毎日ならきついが、うむ……やはり美味いな」
 美味いものは、たまに食うから美味さが引き立つのだ。遊夜は眼鏡を湯気で真っ白にしながらホクホク顔。
「……ん」
 一方でユフォアリーヤもカップ麺にポットでお湯を注ぎ、三分待っていた。ちなみに凄い辛そうな奴。その隣には『生クリームパフェ風味海鮮ラーメン』を始めとした意味不明なモノどもがいる。なのにユフォアリーヤはわくわくしながら尻尾をふりふり。せっかくだから、普段食べないものに挑戦だ!

 まぁ、結果はというと。

「……やーん」
 辛いのはともかく、他のはダメだった。しょんもり。
「あー、もう……これ食ってろ」
 見かねた遊夜が自分のラーメンを差し出す。英雄はそれを食べつつ……思いついてしまった。
「……やーん」
 またゲテモノラーメンをウッカリ作成。だがユフォアリーヤの計画だ。このラーメンには惚れ薬がどばぁしてある。「またか」と何も知らない遊夜は肩を竦め。
「普通のにしとけって、まったく」
「……ん」
 ユフォアリーヤの代わりに惚れ薬ラーメンを食べる遊夜。わくわくと見守る英雄。

 すると。

「ごふぉ!」
 鼻血を噴き出して倒れる遊夜。ほら、ギャグマンガのお色気シーンで鼻血でるじゃん。あれと同じ現象じゃないかな。惚れ薬のせいでユフォアリーヤが魅力的に見えすぎたのかもしれない。お薬は用量用法を守って正しくお使い下さい。

「皆すごいなぁ」
 次々と減っていくラーメン、仲間達の食べっぷりに包帯まみれの若葉は目を丸くしていた。先の大規模作戦で大きな負傷し療養中なのである。腕を動かすのも苦労するゆえ、ラドシアスが若葉の分のラーメンを調理し、フォークを渡すなど補助を行っていた。
「残ったスープにご飯……最高だよね」
 おかげさまで美味しく食べられて、若葉はホッコリと微笑む。
「んな余裕があるなら麺を食え、麺を」
 対照的な様子のラドシアスは幾度めかの溜息を吐いた。
「……ぐ、傷が……ご飯食べれば治る……気がする」
「治るか阿呆」
 そんなやりとりも交わしつつ、ラドシアスは再び調理の為に席を立つ。
「何作るの?」
「カルボナーラーメン」
「!?」
 しれっと答えた英雄の言葉に驚きを隠せない若葉。その間にも調理が進む。
 麺を茹でほぐし、そこに牛乳・粉チーズ・粉末スープ加えて。焼いたベーコンと一緒に皿に盛り、卵黄を絡め黒胡椒をかければ……
「完成だ」
「なにこれ凄い」
 ちなみに多めに作ってあるので、周囲の仲間にもおすそ分け。ラドシアスも食が細いなりに少しずつ食べる。
 そして一間が開けば、英雄は若葉を横目に見やった。
「仲間を守れたのはいいが、倒れてはな」
 先の大規模作戦にラドシアスは不参加だった。そのことへの言及だ。若葉は苦笑し肩を竦める。
「戦い方もっと学ばないとだよね」
「まぁ、生きていれば学ぶ機会は幾らでもある……まず怪我を治せ」
「心配かけてごめん、ありがと」
 それから、と若葉は英雄の目を見据えた。微笑んだ。
「カルボナーラーメン、美味しいよ。おかわり」

「お? もしかして料理アレンジしたの? 器用だな!」
「リン見て! これ凄く美味しそうだよ! ねぇ食べてもいいですか?」
 そこへ顔を出したのは千颯と烏兎姫だ。
「うんうん! おいしそうだ! 茂守も食べよう!」
「えぇ、いただきましょう」
 彼らに呼ばれ、琳と茂守もやって来る。
「格好良いパパがみたいな!」
 烏兎姫は小さな体に反してよく食べる。千颯に甘えついて曰く、いっぱい食べる君が好き、というやつだ。
「お? おー、任せとけ」
 千颯は烏兎姫との接し方がまだよく分からない。彼女は異世界において千颯の息子だったと名乗るのだが……。断っておくが、決して嫌いではない。ので、烏兎姫に乞われたとおりカルボナーラーメンを次々と平らげていく。千颯は大食漢なのだ。
 さぁパパがんばっちゃうぞ。千颯は横目に烏兎姫を見た。
「ウトキはどんな味が好きですか?」
「んっとね~」
 が。烏兎姫はと言えば、征四郎とガールズ(?)トークなう。パパはトホホだよ!

「ふぅ……」
 景は額の汗を拭っていた。先ほどからずっと調理をしているためだ。本格的な麺のものは飯ごうで、簡易なものはH.O.P.E.側で用意されたポットや持参した水筒の湯を加え、ガンガン作り続けていく。だけでなく、予算限界まで買い込んだ惣菜などでトッピングも忘れない。
「はい、ラフマ。できましたよ」
「ありがとうございますマスター、頂きます」
 ラフマの前にどんぶりを置く。英雄が手を合わせて食べ始める。が。
「マスター。このラーメン、チョコレートの味がするのですが?」
「貴方は好き嫌いがないから大丈夫でしょう?」
「いや、あの……」
「理論上、英雄はライヴスを介さないものでダメージは受けません。つまりどのようなものを食べても問題はないということです」
「あっはい……」
 ラフマは知らない。自分に回されるラーメンがことごとくゲテモノシリーズであることに。一方の景は、調理の休憩がてらに素朴な味付けのシンプルな塩ラーメンをゆっくり食べていたのであった。

「塩ラーメンにはゴマいっぱい! あと卵にわかめにチャーシューも!」
「上にのっけすぎて最早インスタントとは呼べない気も」
 とっておきの特性ラーメンにリュカは目を輝かせた。あっさり系の袋麺をちょっと長めに茹で、そこにくたくたに煮込んだ野菜を投入、卵は半熟、これ至高。凛道に首を傾げられたが至高なのだ。
「前が見えません」
 凛道はラーメンの湯気で眼鏡が真っ白になっている。食べているのは鶏ラーメンをカルボナーラ風にしたり、カップ麺に牛乳を入れたりと洋風な調理をしたものだ。
 余談だが「野菜を一緒に煮込むか、炒めて後乗せするか」でリュカと凛道は調理の度に揉めている。
「あ、リュカ! 味見させてください……!」
 そこへ征四郎が顔を出した。胃袋は小さいけれど、色んな味を食べてみたいのだ。「もちろん」とリュカは微笑む。
「お湯を捨ててまぜそば風味にしても美味しいんだよ」
 良いお酒のあてになる、とまでは未成年には言わないで語るリュカ。「リュカはなんでも知っていてすごいです!」と征四郎は目を輝かせた。

「湯を入れて三分……それだけで美味いとはなんと素晴らしい……! これは人類の叡智そのものであるぞ……」
 ユエリャンはフォークで麺をもたげて感動していた。元の世界では病弱の身で、食べることもままならなかった。しかも征四郎同様、ラーメンを食べる機会はあまりない。その反動かユエリャンはハイペースでラーメンを食べ進めていた。
「ユエさんは何食べてるんですか」
 そんなユエリャンを凛道がじっと見ている。眼鏡が曇って視界が悪いので見えないが、ユエリャンが食べているものはズバリ唐辛子系だ。持参の一味唐辛子まで追加している。赤い。
「なんだ眼鏡置き、食ってみるか?」
 言うなり、ユエリャンは唐辛子をラーメンにどばー。
「眼鏡が曇って前が見えんだろう、どれ我輩が食べさせてやろう」
 そのまま赤いラーメンを凛道の口にドーン。悪気は無い。無いったら無いのであった。凛道はしんだ。すいーつ。


●激戦は続く
「も、もう無理ぃ……」
 エンドレスラーメン。ニウェウスはぐったりと机に突っ伏していた。
「ふはははは! たったの四杯でギブとか、食が細いよねー」
 ストゥルトゥスはまだまだ余裕の表情である。「細くないよ!?」と顔を上げたニウェウスだが、途端に顔を顰めた。というのも、
「ストゥル、息くさい……」
「んー、そりゃもう、ニンニクたっぷり入れたから!」
 と、英雄が差し出したのはほぼ空のチューブにんにく。これにはニウェウスも真顔。
「待って。ほぼ一本?」
「もっちのろーん、ゴエーフ」
 ゲフー。ストゥルトゥスの見た目の端正さを全力で残念にするげっぷ。
「ふぎゃー!?」
 これにはニウェウスも真顔、を保てるはずもなく、慌てて鼻をつまんで手でパタパタ空気を扇ぐのであった。

「任務の使命感で食ってもつまんねぇだろ。インスタントでもひと手間掛ければちょっとしたご馳走だぜ?」
 というわけで、今日の波月 ラルフ(aa4220)は料理人だ。
「つけ麺風にするか……」
 生麺タイプを見てそう呟く。ならばスープが必要だ。
「~♪」
 鼻歌を歌いつつ、ラルフは手際よく調理してゆく。シンプルな魚介系ベース、鶏がらベース、ピリ辛のゴマ味噌、トマト風味洋風変り種、柚子塩を使ったあっさり塩系――合計五種類のスープだ。
 だけでない。ラルフはサイドメニューも作り始める。
「お、できてるできてる」
 冷蔵庫から取り出すのは杏仁豆腐だ。ちょうど、温泉卵もできた頃合。温泉卵用に普通の味とごま油入りの二種類のタレも用意。それらを配膳しつつ、大盛りの野菜サラダも登場だ。
「野菜を先に食べてからラーメン、って方が太り難いぞ」
 ドレッシングは醤油ベースのあっさり系を用意。そしてラーメンのようなヘビーな料理のオトモと言えばウーロン茶。
(……ちょっと凝りすぎた気がするが、まぁ、いいか……)
 なんて思いつつ、仲間達に「好きに食べていいからな」と声をかける。
「折角だし楽しく食った方がいいだろ」

「皆さんが食べられるよう炊き出し風にしましょうか♪」
 ポン、と平介は手を合わせてそう言った。
「食べたい物は何でも言って下さい♪ 全力で作ります♪」
 腕をまくり手を洗いエプロンを装備し。声の先には守凪がいる。
「なんでもいい。……平介と……誰かと共に食べるものなら何でも美味いからな」
「分かりました、張り切って作りますね♪ 齶田さんが具材に詳しそうです♪」
 と、「呼んだッスか」と自分の名を聞いた米衛門が顔を出した。
「調理手伝い? やるッス!」
 話を聞いて喜色満面、「雑用大好きッスよ」とやる気十分だ。
「もしねば、鍋ラーメン作るッスよ! 流石に飽きっど思うんで、味変えればいけっかなぁ」
 汁っこ全部ってのは、はらつえぐ(お腹一杯)てダメだべし……米衛門はそう思案する。ならばこの際、麺の消費を優先だ。そうと決まればウィンターへ、
「兄さん、ちと手伝ってけねが?」
「何すりゃ良いんだ? 袋持ってくりゃ良いのか?」
「やー、味見て欲しッスね」
「任せろ! 大好きだぜそう言うの! 醤油味食べたい」
「作るからちっと待ってろー」

 という訳で、鍋ラーメンがたっぷりと作られてゆく。

「ハシ覚えて良かったって思う瞬間だよな、麺啜る瞬間ってのはよ!」
 ウィンターは嬉しそう~にラーメンを頬張っている。こちらに来てそんなに日が経っていないが、箸捌きは巧みだ。
「兄さんは結構食べられるみったし、オイが限界来たら任せるッスよ」
 米衛門も好みである若干伸びた味噌ラーメンを頬張りつつ。
「じゃ、限界の先まで頑張るとすっか!」
「そッスな! 限界の先まで!」

「ラーメンにかけたり、のせると美味いらしいぜ!」――と、琳に勧められた塩コショウと味付け卵入りラーメン。
「熱いな……」
 ゼムはそれを睨むように見据えつつ、腕組みをして冷めるのを待っていた。すると茂守が現れ、手慣れた様子でラーメンを冷まし始める。そうして冷まされたものをゼムは常のままゆっくりと食べ始めた。が。
「茂守……お前が食え」
 少し食べ残しが出れば、どんぶりごと茂守へと押しやった。「承知しました」と茂守は笑顔で文句も言わない。
「……俺はその辺で待ってる」
 ゼムはそのまま少し離れた場所にどっかと座った。賑やかなのは苦手だ。「うるせぇな……」と小さく愚痴を零していると――その近くをイコイが通りかかった。「あ、どうも」とイコイは会釈を一つ。ゼムも眼差しでそれに答える。
「女……ラーメン食えるのか」
「さっき少しだけ頂きましたが……私はあまり、こういったものは好みませんねぇ。ゼムさんは?」
「俺もあまりこういうのは好きじゃねぇんだよ……」
 まぁ少しだけ食べたのだが。ゼムの答えに、イコイは「ふふ」と目を細くした。
「妙なところで気が合いましたね?」
「……何ならお前も座れ」
 気が合うかどうかの言葉には敢えて反応はせず、ゼムは自らの隣を指差した。「静かな奴が隣の方が落ち着く」と彼の言葉に、ならばとイコイは遠慮なく腰を下ろす。
「ゼムさんはどういった物が好みなんです? 今度、食事でもいかがかな、と。気になるお店があるので」
 と、イコイが隣の彼へ顔を向けた瞬間だった。伸ばされるゼムの手が、イコイの小さな顎を掴む。乱暴な手つきではない、それは『女』に対して行うような動作で。
「前にも言ったろ……俺のことが知りたいなら大事なモンを俺に差し出せ」
「――、」
 その言葉に、イコイは……

 ぱたり。

「……」
 ゼムは眉根を寄せる。脱力しきったイコイは、なんとすっかり眠りこけていた。
「おい貴族、女が寝たぞ……」
 守凪へそう声をかける、と。
「おや? 寝ちゃいましたね?」
 ニコヤカーな茂守がスッと現れ、「これはしょうがないですねぇ~、あちらで寝かせて差し上げましょう♪」とイコイを運んでいく。その背を見送り、ゼムは思った。
(茂守……あいつ、さしずめイコイのラーメンに睡眠薬でも盛ったな)

「これは……味噌、か? 美味いな……」
 英雄達がそんなことをしている一方で。守凪は味噌ラーメンをゆっくりと食べていた。
「トッピングもありますからね♪」
 その隣では平介が、キムチやもやしや納豆といったものをラーメンに乗せつつ食べている。
「麺もスープもトッピングも、色々とあって興味深い」
 守凪は楽しげだ。ラーメンも好きだが、なにより平介と――大好きな人と食べられるのが幸せで、嬉しいのだ。
「平介はどういうものが好きなんだ?」
「なんでも好きですよ」
 平介は笑顔で答える。ちなみに言葉の前には「一緒に食べられれば」が言外についていた。
「そうか」
 頷き、ラーメンへ視線を逃げさせる守凪。こそばゆいような、これが照れという奴か、だがしかし、悪くない心地がした。

 さて、ラーメンとの戦いも後半戦だ。

「哭涼、後はお願いね」
「承りました、エリヤ。頑張ります」
 エリヤは後半戦は英雄に任せると席を立つ。手にはゴミ袋。食べ終わった容器などはこちらで処理します、と仲間達のもとへと向かう。
「手伝うぞ」
「もう残っておらぬな? 食べ残し厳禁だ」
 エリヤの協力に申し出たのはニノマエとミツルギだ。「大人数で食べるから、ゴミの分別も大変だろうし」とエリヤへ頷きかける。
「カップはさっと洗ってから捨てたほうがいいな。ミツルギ、任せていいか?」
「いいぞ。ちゃんとごちそうさま、だな」
 手分けして片付けを開始するニノマエコンビ。
「私も、協力しますよ」
 更に景もそこへ加わる。英雄のラフマはまだラーメンと格闘中だ。
「スープまで飲み干すミッション内容で助かりました」
 言いつつ、景は片付け作業に精を出す。スープが残るようなら、もしもそれに従魔が憑依したときを想定してウレタンで固めたり……と色々考えていただのだが、杞憂に終わったようだ。何よりである。

 そういう具合に時間は進んでいって。
 ラーメンとの戦いに終わりが見え始めていた……。


●ごちそうさまでした

「心ゆくまで堪能、致しました。満足ですわ」

 けぷ。最後の一杯を麗がスープまで食べきった。
 これにてエージェントの戦いは閉幕である。あちらこちらで「ごちそうさま」の声。心乃もそんな声の一つで、やれやれと息を吐いた。
「あー食った食った。今日はもう、」
「ところで心乃、今日のお夕飯は如何しましょう? 私としては」
「は?」
「ん……?」
 目を合わせ、首を傾げあう心乃と麗。
 一間の後、心乃は心からの声を張った。

「まだ食うのかよ!?」



『了』

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 革めゆく少女
    御童 紗希aa0339
  • コスプレイヤー
    大宮 朝霞aa0476

重体一覧

参加者

  • もふもふには抗えない
    多々良 灯aa0054
    人間|18才|男性|攻撃
  • もっふもふにしてあげる
    むすびaa0054hero002
    英雄|10才|?|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 断罪者
    凛道aa0068hero002
    英雄|23才|男性|カオ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 全てを最期まで見つめる銀
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • 雄っぱいハンター
    虎噛 千颯aa0123
    人間|24才|男性|生命
  • 雨に唄えば
    烏兎姫aa0123hero002
    英雄|15才|女性|カオ
  • 革めゆく少女
    御童 紗希aa0339
    人間|16才|女性|命中
  • アサルト
    カイ アルブレヒツベルガーaa0339hero001
    英雄|35才|男性|ドレ
  • 分かち合う幸せ
    笹山平介aa0342
    人間|25才|男性|命中
  • どの世界にいようとも
    ゼム ロバートaa0342hero002
    英雄|26才|男性|カオ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • コスプレイヤー
    大宮 朝霞aa0476
    人間|22才|女性|防御
  • 聖霊紫帝闘士
    ニクノイーサaa0476hero001
    英雄|26才|男性|バト
  • 共に歩みだす
    皆月 若葉aa0778
    人間|20才|男性|命中
  • 温もりはそばに
    ラドシアス・ル・アヴィシニアaa0778hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • 朝日の少女
    彩咲 姫乃aa0941
    人間|12才|女性|回避
  • 胃袋は宇宙
    メルトaa0941hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • カフカスの『知』
    ニウェウス・アーラaa1428
    人間|16才|女性|攻撃
  • ストゥえもん
    ストゥルトゥスaa1428hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • 我が身仲間の為に『有る』
    齶田 米衛門aa1482
    機械|21才|男性|防御
  • エージェント
    ウィンター ニックスaa1482hero002
    英雄|27才|男性|ジャ
  • 実験と禁忌と 
    水落 葵aa1538
    人間|27才|男性|命中
  • シャドウラン
    ウェルラスaa1538hero001
    英雄|12才|男性|ブレ
  • 聖夜の女装男子
    蛇塚 悠理aa1708
    人間|26才|男性|攻撃
  • エージェント
    珍神 無鳥aa1708hero002
    英雄|25才|男性|シャド
  • コードブレイカー
    賢木 守凪aa2548
    機械|19才|男性|生命
  • Survivor
    イコイaa2548hero002
    英雄|26才|?|ソフィ
  • やるときはやる。
    呉 琳aa3404
    獣人|17才|男性|生命
  • 見守る視線
    藤堂 茂守aa3404hero002
    英雄|28才|男性|シャド
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
  • アステレオンレスキュー
    エリヤ・ソーンaa3892
    人間|13才|女性|防御
  • エージェント
    哭涼aa3892hero001
    英雄|18才|男性|ブレ
  • 穏やかでゆるやかな日常
    無音 冬aa3984
    人間|16才|男性|回避
  • 見守る者
    イヴィアaa3984hero001
    英雄|30才|男性|ソフィ
  • Trifolium
    バルタサール・デル・レイaa4199
    人間|48才|男性|攻撃
  • Aster
    紫苑aa4199hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • 密やかな意味を
    波月 ラルフaa4220
    人間|26才|男性|生命



  • エージェント
    天野 心乃aa4317
    人間|16才|女性|攻撃
  • エージェント
    aa4317hero001
    英雄|15才|女性|ドレ
  • 砂の明星
    烏丸 景aa4366
    人間|17才|女性|生命
  • 砂の明星
    ラフマaa4366hero001
    英雄|17才|女性|カオ
  • 不撓不屈
    ニノマエaa4381
    機械|20才|男性|攻撃
  • 砂の明星
    ミツルギ サヤaa4381hero001
    英雄|20才|女性|カオ
  • エージェント
    木佐川 結aa4452
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    水蓮寺 義政aa4452hero001
    英雄|23才|男性|シャド
前に戻る
ページトップへ戻る