本部

カムイミンタラにて

霜村 雪菜

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
5人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/09/03 19:30

掲示板

オープニング

 大雪山。アイヌ語で「カムイミンタラ」、神々の遊ぶ庭と呼ばれた山。
 夏場は登山客や観光客で賑わうこの山に、従魔が現れたと連絡があった。スタッフが、集まったエージェント達に状況の説明をする。
「従魔は、巨大化したアオサギです。観光客の撮った写真にたまたま写っていて、通報を受けた偵察班が確認しにいったのですが、全長は推定で3メートルから5メートルになりそうだということでした。羽を広げたら、幅がどれくらいになることか。普通のアオサギだと、翼開張150から170センチだそうです。」
 くちばしと足が長く、通常であれば一メートルに満たない大きさの鳥だ。鶴をちょっぴり縮めた感じ、といえば近いだろうか。
 全体的に灰色がかっていて、頭頂部から胸部に黒い縦縞が入る。一見細くて優美な姿だが、性質は神経質で意外に攻撃的らしい。餌場に入ってきた他の鳥などを威嚇して追い払ったり、他から餌を奪い取ったりするくらいの執着心も見せるとか。同じアオサギだけでなく、時に猛禽類や鶴、コウノトリなど自分より大きい相手でも容赦しない。
 そして食性は動物食で、魚類、両生類、鳥類の雛、小型哺乳類、甲殻類、昆虫などを食べるのだ。
「今は被害が出ていないようですが、人間も襲われないとは言えませんからね。まして、従魔化していますし。早速討伐に向かっていただきたいのですが、今回はちょっと厳しいかもしれません」
 強さとしてはデクリオ級だが、問題はむしろ敵が自在に空を飛ぶことと、戦闘地となる大雪山の環境にある。
「標高が高いので、地表で戦うよりも負担がかかると考えられます。ロープウェイもありますが、安全を考えると動かすことはできないので、まずは目撃ポイントの展望台まで登っていただくことになりますが……。登山道入り口までは、車で送ります」
 共鳴していけば体力の消耗は防げるかもしれないが……。登山道は整備されていて、比較的なだらかだ。ゆっくり登れば三十分くらいらしい。ロープウェイなら十分でつくそうだ。
「この展望台の近くにある周遊コースの中に池があるのですが、どうもそこが餌場だったらしいんですね。だから、現れるとしたらここじゃないかと考えられています」
 ちなみに、標高は1300メートル前後。観光コースなので道は整備されているが、舗装されているわけではないので普通の靴だと足に負担がかかると考えられる。
「高山病というのはあまりないかと思いますが、普通の登山じゃありませんからね。充分準備をしていってください」

解説

●目的
 大雪山でアオサギ従魔を倒します。
●従魔
 デクリオ級。アオサギが従魔化したもの。全長は推定3~5メートル。見た目は優雅だが餌に対する執着が強く、意外に攻撃的。他の鳥から餌を奪ったり、餌場に入ってきた動物を威嚇したり、時には自分より大きい鳥や猛禽類相手にも容赦しない。魚類、両生類、鳥類の雛、小型哺乳類、甲殻類、昆虫などを食べるので、人間相手に標的が移らないうちに討伐しなければならない。
●大雪山
 夏は登山客や観光客も訪れる。従魔が現れると考えられるのは展望台付近の池。安全のためロープウェイは動かせないので、登山道入り口まで車で行ったあとは、徒歩で登っていかなければならない。登山道は整備されているので、ゆっくり登って三十分ほど。ただし戦闘が控えているため、あまり体力を消耗するのは避けたいところ。張り込みポイントとなる池周辺も、整備はされているが舗装などはされていないので、足場はあまりよくない。標高がおよそ1300メートル前後なので、地表での戦闘とは環境が異なる。

リプレイ

●登山
「登山……ねぇ。山の上の景色は見たいけど、疲れるのは嫌よ、緋十郎」
 レミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)は、遥か高みにそびえる山頂を見上げて言った。
「ああ。共鳴して登るか。いつも通り、痛みも疲労も俺が引き受けよう」
 狒村 緋十郎(aa3678)は、レミアに優しい。というか甘い。そういうわけで、体力温存と不測の事態への備えも兼ねて、共鳴して目的地まで登っていくことになった。今は夏だが、山の中だと気温が地上とかなり違うこともある。装備も怠っていない。荷物は多いがリンカー達には幻想蝶という便利ツールがあるので、こういうときとても便利だ。
「忍足袋にスパイクを打つとは考えたな」
 ネイ=カースド(aa2271hero001)は、煤原 燃衣(aa2271)の足下を見て言った。
「ボクの故郷でも、猟師さん達はスパイク足袋を使ってました。山で狩りなら絶対コレです」
 登山用の杖も準備して、万全の体勢だ。水筒にはスポーツ飲料、チョコバーとゼリー食も携帯している。服装も秋口のもので整え、ウィンドブレーカー着用と、寒さに備えた用意をしてきた。
「……全く、アイツ等、何処にでも沸きますね……人間に被害が及ぶかもしれない? 許せませんね……」
「……の、割りにはワクワクしている様だが?」
「それはネーさんもでしょ?」
「まぁな……狩りは無我夢中になれる」
 今回の従魔は、アオサギだ。まさに狩りである。
「さて、此処からは共鳴して進むぞ」
 体力温存と迅速な目的地への到達のため、二人は共鳴する。
「久々の山だから、意識してやらないと……」
 燃衣は、意図的に心拍に合わせ大きく鼻で呼吸口から出す。膝を上げ、足裏全体を同時に、石を避け地に付けるように歩く。移動は上半身の体重移動で行い「こする」様な力は厳禁だ。杖も補助に使い、林間で落ち葉溜まりは杖で先につついて確かめる。慎重に、効率的に進んでいった。
「アオサギって美味いんだろうか?」
「古くは王の料理として食されていたと聞きますが……アオサギは悪食故に非常に不味いとも聞きます」
 繰耶 一(aa2162)とサイサール(aa2162hero001)は、ゆっくりと登山口から進みながらそんな話をしている。
「従魔が悪食なんてどこでも聞く話だ。んでもって従魔の肉は殆ど美味く食べれるらしいじゃないか、悪食何て関係ないだろうさ」
 動物などが従魔になった事例は多く報告されているが、食べられるものはだいたい討伐に当たった人々がおいしくいただいているという話である。
「何であれ、狩りとったあかつきには……存分に肉を堪能させていただきましょうか……。狩猟は……愉悦……ッ!!」
 サイサールの顔は笑っていない。しかし、昂りからか、何処か快楽に近いものを感じているような気がした。
 しかし、テンションが高い者ばかりではない。
「……楽な仕事だと思ったんだが……別の意味で、めんどくせえな」
 ツラナミ(aa1426)は、溜息をついて山を登っていた。
「……」
 一方38(aa1426hero001)は、対照的に目を輝かせながら登っている。
「……なんでこいつこんな楽しそうなの。マジ理解できねぇ……」
 さらに溜息が出るツラナミだった。
 とはいえ、全身防寒具に身を包み、登山道具一式も整えている。溜息も実は単についているだけではなく、山の薄い空気に慣れるためにゆっくりと呼吸をしているためでもあった。
「……だる」
「…………」
 黙々と山を登っていく二人だった。
「動物ドキュメンタリー番組のロケをしている気分です……まぁ、幾分殺伐としている気もしますが」
 九字原 昂(aa0919)も登山スタイルで、雨具などの支度も万全だ。山の天候は変わりやすい。遭難者の多くが、それに対応しきれず危険な状態になってしまうのだ。
「正直、そこまで戦いづらくはないよね」
 イリス・レイバルド(aa0124)は、自信ありげな様子だ。
 もっと寒く雪深い所の依頼経験があるし、もっと高いところの戦闘経験があるし、そもそもイリスの師匠アイリス(aa0124hero001)は大自然の化身である。都会の整えられた道よりも険しい自然の中で鍛えた時間のほうが長いのである。
「まぁ、悪路でも普段と変わらずに動けるように訓練はしているが……油断はしない事だよ」
「うん、がんばる」
「ああ、頑張りたまえ」
 頼もしい子弟の会話は、深閑とした森に吸い込まれていく。

●囮
 アオサギは、標高1300メートル前後のところにある展望台付近、主に池のあるあたりを餌場としているという情報だった。餌に対する執着がすごいという習性を持つので、それを利用しておびき寄せ、戦闘に持ち込む作戦だ。
「縄張り意識が強いみたいだし、普通に餌を置いておくよりも、縄張りに入って何か食べてた方が釣れるんじゃないかな?」
「ふむ、警戒心よりも攻撃性のほうが強いそうだし、悪いという事はないんじゃないか」
 そんなわけでアイリスとイリスは登山前に用意した餌をバケツに入れて池の前で張りこみ、何か食べてる感を出して挑発するために事前用意した果物をシャクシャク食べている。
「そろそろ現れるでしょうか……」
 その近くで、昂もチョコレートバーをもそもそ齧っている。ビニールシートの上に毛布を敷いて寝そべり、上から保護色のシートを被って目立たないようにしている。体力の温存・維持のためだ。相手は動物なので、待機時間の長期化も計算に入れなければならない。
 ツラナミ・38は隠れるに適した木々や岩を探しつつ、鷹の眼でそこそこの大きさの囮用の鷹を生成し待機及び警戒している。鷹の操作権は38に委ねられた。燃衣達が餌を用意したあと、アオサギを挑発するためにこれ見よがしにこの鷹でつつきに行くことになっている。
「……羽に足跡……何このサイズ」
 燃衣、ネイは作業人数を増やすために一旦共鳴を解き、アオサギの痕跡を探していた。
「アタリ……だな。風の流れを見ておけ、山なら風は長く変わらん」
 そして木々の合間、風下、良射角、木々の合間を選定し、用意してきた餌を罠として設置にかかる。岸辺に魚を一匹と鼠を二匹ほど、付近の水場にテグスと針で括った魚を流れに浮かべる。
 一方一とサイサールは、同様の罠を設置後池から四・五〇m程離れた場所にエアーシェル設置した。草や雪、土、岩石などをかぶせカモフラージュさせておく。この中で従魔出現を待とうというわけだ。
「さて、栄養補給と体温保持だ」
 持参したMM水筒を手に、他のメンバーのところに向かう。味噌汁が入っているのだ。
「麦みそにカサゴでだしを取ったあら汁風味にしてある。具材は細かめの豆腐・青菜・ネギ・ほぐしたカサゴの白身。サイサのお手製だ」
「わあ、ありがとうございます」
 燃衣は嬉しそうに受け取った。
「料理の事はお任せください、しかし……十リットルはさすがに作りすぎだったでしょうか……」
「大丈夫さ。うちには食欲魔神がいるから……ネーさんとかいう……」
 そのネイは、とてもおいしそうに味噌汁を啜っている。
 結果、サイサールの懸念は味噌汁ごと各々の胃にめでたく収まったのだった。

●襲来
 最初に気づいたのは、誰だったのか。
「ボク、繰耶さんの反対行きますね、挟んで翼を落としましょう」
 その気配を察知した燃衣は、ネイに囁いた。樹木のヤニをタオルケットに塗り葉被せ羽織り、小枝等周囲に立てイメージプロジェクターで景色同化。さらに一六mm速射砲装備し楽な姿勢で待機していた。おかげで、かなり待ったにもかかわらずさほど疲労していない。
『呼吸を整えろ、お前は一発の銃弾だ』
 いち早く共鳴したネイの声は、頭の中に直接響いた。
 池周辺の地形は、あらかじめ許可を取って緋十郎らによって魔剣である程度整えられている。と言っても本当に『ある程度』なので、地面がなだらかになったわけではないし木も視界を遮る。従魔が出たとは言え、この山が保護すべき自然環境を有していることに変わりは無いのだ。しかたがない。
 巨大な影が、ゆっくりと近づいてくる。一瞬、空が暗くなる。
 狙われているのは、鷹。38が囮として操作しているものだ。
 罠として撒いた餌をつつく鷹に、アオサギは威嚇のためか鋭い鳴き声を放った。それでも鷹が去らないと見るや、恐ろしい速さで走り――。
「今よ、女郎蜘蛛……!」
 緋十郎と共鳴したレミアが、女郎蜘蛛を発動させた。共鳴時の意識主体は、レミアなのだ。さらに改造した「希望の御旗」を展開し、狙撃する仲間達の攻撃力を増幅させる。ほぼ同時に、共鳴したイリスが、「救国の聖旗」を掲げる。黄金の翼から溢れ出た光は、その照らす範囲にいるすべての仲間達に守護の祝福を与えた。
「来るわ、しっかり狙って撃ちなさいよ……!」
 レミア自身は、『トップギア』でライヴスをさらに高め、集中に入る。
「来たね……さて、狩りの時間だ」
『どのようにして血を吐かせて差し上げましょうか……』
 共鳴し、射手の矜持を発動させた一は、連携を打ち合わせた燃衣とのタイミングを計る。
 燃衣は、オプティカルサイトを装備しトップギアでさらに威力を上げ、最大の効果が出せる機会を待っている。膝を立ててしっかりと銃を固定し、通信機で一に合図を送る。
「もげ墜ちろ……3、2、1……撃ッてぇ!」
 狙いは、翼の付け根。
 一も、同時に銃弾を放つ。
 的の巨大さが、徒となる。
 完全に鷹にばかり意識をやっていたアオサギは、いったんは女郎蜘蛛とレミア・イリスの出現に驚き、威嚇のためか逃げようとしてか両翼を広げていた。そこに狙い違わず二発の銃弾が撃ち込まれたのだから、それが命取りとなった。
 ひときわ耳障りで甲高い声が、アオサギの喉から迸る。聞く者によってはそこに悲痛さすら感じ取れて、眉を顰めずにはいられない。
 しかし、彼らはわかっていた。自分達の任務を。責任を。
「じゃあ! 皆さん……ッ」
 燃衣とネイが、高らかに言葉を放ち、再び共鳴する。
「『狩りの時間だ』」
 通信機から聞こえたそれが合図だったかのように、身を潜めていたツラナミが、動く。女郎蜘蛛を発動させ、暴れるアオサギを捕らえる。
 薄い空気に身体を慣らし、待機中も体力温存に努めた。おかげで行動に支障は無い。だが、短期決戦がベストなのは変わらない。
 大地をしっかりと踏みしめ、アオサギが動いたらいつでも走れるように腰を低く落とす。女郎蜘蛛の網で捕縛し、そうすることでアオサギを抑えることが目的だ。
 アオサギは、翼を封じられもがいている。必死の抵抗で、抑えるのに精一杯だ。小銃を取り出そうとしたのをやめて、ツラナミはとにかく網を強く引く。
 その横合いから、共鳴した昂が飛び出した。『潜伏』を使いながら気配を消して接近していたのだ。近接攻撃で威嚇しつつ、昂は女郎蜘蛛を発動させる。
 アオサギが、叫んだ。レミアの分と合わせて、三重の戒めによって大地に縫い止められて。
 体勢は、整った。
「そのくちばしぶち砕いてやるよ!」
 盾を構えたイリスが、アオサギに躍りかかる。
 高く跳躍し、盾を果報に構えたままアオサギに向かって落下する。ライヴスブローとライヴスリッパーを発動させた攻撃は、巨大な鳥の肉体だけでなくライヴスにも大きなダメージを与える。
 だが、アオサギのどう猛さもまだ健在だ。
 巨大なくちばしが、大きく振り上げられイリスを襲う。『守るべき誓い』で攻撃意識を自信へ引きつけていたためにそれは予想の範囲内ではあったが、衝撃に備えイリスは高く盾を掲げる。
 だが。
「イリスの光輝く翼は守護の翼、わたしの漆黒の闇の翼は殺戮の翼よ」
 アオサギの首が、中空で突然動きを止める。背後からレミアが蛇龍剣を鞭状に変化させて振るい、アオサギに巻き付かせたのだ。『電光石火』の効果を与えられた一撃は、目にも留まらぬ速さでアオサギを切り裂き、引き倒す。
 レミアは、だがそれで満足はしなかった。武器を魔剣に持ち替え、禍々しい黒翼を大きく広げる。
 狙いは、敵の片翼。
 魔剣が、通常の三倍の速さと威力で以て、アオサギを襲う。
「空こそ飛べない翼だけれど……従魔風情の翼とどちらが上か、思い知らせてあげるわ……!」
 翼の付け根が、裂ける。
 従魔の絶叫が迸る。
 起き上がり、両足で逃げようとするが、叶わない。女郎蜘蛛の戒めの他に、イリスがすかさず近接戦闘に持ち込む。
「逃がすと思っているの……甘いね」
『流石にこの距離で、その図体で、翼なんて広げようものなら当ててくれと言わんばかりに的が大きいからねぇ』
 ちぎれかけた翼と、未だ無事な翼。大きく広げたところをイリスの光の刃が両断する。
 ダメージの大きさと恐らく苦痛のために、アオサギは叫びながらどうと地面に倒れた。そこに昂が、ツラナミが、武器を構えて躍りかかる。反撃しようとするアオサギには、遠距離から一と燃衣が射撃による援護と牽制を加えた。
 イリスとレミアによる攻撃・防御両方の増幅効果で、徐々に従魔に対するダメージは蓄積され、加えてリンカー達の受ける攻撃はほとんど意味を成さない。
 両翼をもがれ、倒れ伏す巨鳥は、とうとう動かなくなった。
 レミアの魔剣で両断されて。
 レミアは、高々と剣を空に掲げる。
 勝ち誇る黒翼が、虚空に大きく広がった。
 それが、勝利宣言となった。

●恒例行事の……
「フーム、アオサギか……コレは、いかん、涎が……」
「……食べるの!?」
 従魔が完全に沈黙したのを確かめたあと、ネイは突然口元を激しく拭い始めた。まさかアオサギまで射程範囲内と思わなかった燃衣は、愕然とする。
「スズ……過去フランスでは……コイツは御馳走だ」
 確かにフランスでは『王様の料理』とまで言われ、かつてはイギリスでも食べられていたことがシェイクスピアなどで確認されるらしい。
「アオサギの肉というのはこのご時世珍しいですね。幻想蝶で持ち帰りましょう」
「塩麹に漬けてパリッと焼くのもいいし、甘辛い醤油で煮込むのもいいな」
 一とサイサールも食材として堪能する気満々のようだ。量がすごいので、もしかするとアオサギ肉パーティーなどということになるかもしれない。HOPEにおいて、食べられそうな従魔はとりあえず食してみるというのがもはや恒例行事になりつつある。ツラナミと38、昂達もまんざらでもなさそうな顔だった。
「奴らを、恩恵だなんて……絶対、思わないんだからね」
 だが、イリスは断固としてそういうことは拒否していた。愚神や従魔で研究が進んだり武器が出来たり薬が出来たりしており、そういうことは最近一部納得すべきかもと考えているが、美食などの娯楽系は受け入れない。譲れない一線だ。
 リンカーにも英雄にも、それぞれ事情がある。矜持も、憎しみも、こだわりも。
 様々な思いと人生を抱いて、神々の遊ぶ庭と呼ばれる山には、再び平和が訪れたのだった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271

重体一覧

参加者

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避



  • エージェント
    ツラナミaa1426
    機械|47才|男性|攻撃
  • そこに在るのは当たり前
    38aa1426hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • 魔の単眼を穿つ者
    繰耶 一aa2162
    人間|24才|女性|回避
  • 御旗の戦士
    サイサールaa2162hero001
    英雄|24才|?|ジャ
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
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