本部

我ら五影、一切の不法を赦さず

弐号

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/06/21 19:06

掲示板

オープニング

●誅すべし
 夜の帳も落ち、人々が寝静まった深夜二時。道路を行き交う車もまばらなこの夜中に二つの人影が、人目を避けるように、とある会社の駐車場に蹲っていた。
「よし、一応一通り見てきたが人が残ってる様子はねぇ」
「大丈夫そうだな。じゃあ、行きますか」
 片方の人影が時計を確認し立ち上がる。
「セキュリティが来るまで……まあ、2、30分ってところか?」
「それだけあれば十分よ。金庫の場所も調べてある」
 次いでもう一人の人影も立ち上がり、右手に持ったナイフの柄を相方に向ける。
「全ての富を我が手に」
 タバコを咥えていた方はその柄に手を乗せると、合言葉のような台詞を呟き、そしてたちまちの内にその姿は消え、その後にはナイフを持った男のみが残された。
 いや、残された方の男の姿もよく見れば今までとは様子が違っている。背は一回り大きくなり、服装は全身をぼろ布のような黒いマントで覆った恰好へと変化していた。
 彼らはH.O.P.E.に所属せず、自らの欲望に従って能力を使うことを選択したリンカー、即ち一般的に『ヴィラン』と呼ばれる存在である。
「さて、それじゃあ、早速始めるか」
 共鳴状態となった彼は身を低くし足早に目の前の会社へと近づく。3階建ての中小企業の自社ビルである。一応セキュリティ会社とは契約しているが警備員を雇っているほどではない。それくらいの会社だ。
「よっと」
 男は慣れた様子で手に持ったナイフで窓を丸く切り取り、中に入るための穴を作る。共鳴したリンカーにはわけもない事である。
 するりとその穴に身を滑らせビルの内部に侵入する。窓を切る際にも入る際にも大きく窓を揺らしたりはしない。そうすればセキュリティが反応するからだ。未だこの会社のセキュリティは侵入者に気付かず沈黙していた。
「楽勝、楽勝……」
 うまく侵入できたことにニヤリと笑う。後は金庫を盗んで持ち帰るだけである。どこかのタイミングでセキュリティに引っかかる事はあるかもしれないが、警備会社が来る頃にはまず間違いなく。逃げられる算段だった。
 しかし、彼の侵入にセキュリティの機械よりも先に気付いた存在があった。
「――誅すべし」
「ん?」
 急に聞こえた声に男の足が止まる。同時に太ももに走る激痛。
「鼠族、誅すべし」
 声の先を振り返ると暗闇の中からそれは現れた。黒装束を身にまとい、顔も覆面で目元以外はすべて覆われている――一言で言ってそれは『忍者』だった。 痛みの元の太ももを見ると手裏剣が突き刺さっている。間違いなく目の前の忍者の仕業だろう。
『やばいぞ、逃げろ……』
 彼の中の英雄が頭の中で語り掛ける。
 こんな恰好をした奴が尋常な相手であるはずがない。エージェントやヴィランであればまだ大分マシだ。
 だが、この忍者は本来誰もいるはずのない場所に急に現れた。おそらく従魔か――あるいは愚神だ。
「くそっ!」
 痛みを我慢して、その忍者から離れるように駆け出す男。
 向かうのは忍者の出てきた方とは逆側にある窓。突き破ってしまえばセキュリティに引っかかるが、そんな事を考えている暇はない。今は何より一刻でも早くこの場から逃げ出すのが先決だった。
 ――だが、
「禁を犯す者、誅すべし」
「!?」
 その進路を阻むように再び忍者が立ちふさがる。
(追いつかれた!?)
 否、そうではない。
「境界を犯す者、誅すべし」
「招かれざる者、誅すべし」
「我ら五影、闇夜に一切の不法を赦さず」
 前後左右から次々と声が聞こえる。
 囲まれている。それに気付いた次の瞬間には彼の意識は闇に飲まれた。

 異常に気付き駆け付けた警備会社の社員が見たものは、物言わぬ骸となった侵入者の姿だった。

●立チ入リヲ禁ズ
 愚神や従魔が関わっていると思われる事件といえども、一先ず現場に入るのは警察だ。彼らは当然のようにあたりを立ち入り禁止にし、現場の検証にあたっていた。
「従魔か愚神ですかね……」
「多分な。普通の人間にはここまで鮮やかに殺れねぇよ」
 一般人が見たら卒倒しそうな仏の写真を見ながら刑事の一人が呟く。
 朝から始まった調査は既に十時間以上に及び、空は日が沈みかかっていた。
「H.O.P.E.に連絡は付けてんだな?」
「ええ、夜には来れると」
「それまで何も起きなきゃいいがな……。一旦車に戻って報告するぞ」
「はい」
 玄関から外へ出て空を見ると外はすっかり暗くなっていた。
「もう夜じゃねぇか。H.O.P.E.はまだか」
「あ、警部補! ちょうど良かった!」
 ちょうど外に出たタイミングで彼に声をかける警官が一人。彼は小走りに刑事に駆け寄り、「立ち入り禁止」と書かれた黄色いテープを跨いだ。
「一つご報告が――」
 あります、という声は続かなかった。何故なら彼の喉にはどこからか飛んできた手裏剣が突き刺さり、それ以上声を出すなくその場に倒れ伏したからだ。
「なっ――!」
「境界を犯す者、誅すべし」
 耳に届いた声に上を見上げる。
 屋上に一つの影が直立していた。
「我ら五影、闇夜に一切の不法を赦さず」
 それだけを言い残して、影は後ろに飛び退き姿を隠す。
「ひぃ! 逃げ――」
「待て! 落ち着け!」
 この建物の中に愚神がいる。その恐怖におののき逃げようとする若い部下の肩を急いで掴む。
「あのテープに近づくな!」
「えっ?」
「やべぇんだよ。何も考えずに動くと死ぬぞ!」
 言いながら自分の周りを警戒して見渡すが、どこにも異常はない。どうやら自分たちは命を狙われていないらしい。
「殺そうと思えば俺達一般人なんて一瞬だ。だが、奴は俺たちは殺さなかった。ルールがあるんだよ」
 この稼業を長年続けていれば事件の延長で愚神と遭遇するのはそう珍しい事ではなかった。その彼の経験が現在の危機に対する対処を浮かばせていた。
「とにかく今はセーフだ。これを維持するんだ。特にあのテープに近づくのは一番危険だ」
 警官が襲われたのはあのテープを跨いだ瞬間だ。それと同じ行動をするのは逃げるためとはいえ得策ではなかった。
「とにかく、H.O.P.E.だ。H.O.P.E.の連中が来るまでここを一歩も動いちゃならねぇ」
 時計を見る。午後七時四七分。夜は始まったばかりだった

●緊急収集
「というわけで、予定が変わりました」
 現場に向かう車内でリリイ レイドール(az0048hero001)がハンドルを握ったままそう告げた。
「調査の予定でしたが、愚神の討伐任務に変更です。あ、降りるのはもちろんOKです。いいよって方だけこのまま現場にお連れしますよ。あと、緊急収集もかけたので現場で合流するエージェントも多分いると思いますので、各自連携をとって任務遂行お願いしますね」

解説

●敵 デグリオ級愚神『五影』(ごかげ)
 全部で5人の忍者の姿をした愚神。昼間は警察の調査に一切引っかからなかった。一人一人の力はデグリオ級だが、5人で力を合わせてドロップゾーンを形成している。実質的にはケントゥリオ級の愚神と考えるべきである。
・『一乃影』
 接近戦を得意とし、攻撃力と回避に優れる。武器には毒が付着しており、確率で減退を付与する。
・『二乃影』
 手裏剣と苦無による遠距離戦を得意とし、不意打ちを担当することが多い。テレポートショット相当の忍術を有している。
・『三乃影』
 攻撃系の忍法に優れる。炎や雷の忍法を操り、魔法攻撃、魔法防御に優れる。フラッシュバン相当の忍術を有している。
・『四乃影』
 大蛙や忍者犬や大亀などの召喚系の忍法に優れる。大蛙の舌は確率で拘束を付与する。
・『五乃影』
 五人のリーダー的存在で全体的にバランスのいい能力を有しています。武器に毒が塗ってあるのは『一乃影』と同様。

●場所と状況
 三階建てのビジネスビル。どの階も廊下に階段とトイレ、そこそこの広さのオフィスという構造は変わりません。エレベーターは存在せず、階段は両端に一個ずつです。
 玄関は正面と裏の二か所。正面玄関には刑事がOPの刑事がおり、中には若干名の人が残されていますが生死は不明です。

●ドロップゾーン
 デグリオ級従魔でありながらドロップゾーンを形成している。範囲はビル敷地内部。このドロップゾーンの中では「夜の間、ルールを破った者」に対し五影が「誅」を発動する。形成されたドロップゾーンは愚神を倒してもすぐには消えない。
「誅」:五影の内、いずれか一体が近くに召喚され、不意打ちを仕掛けてくる。仮に5人全員を拘束していたとしても、その場から一度消えて拘束されていない状態で別の場所に召喚される。ただし、既に死んだ、あるいは意識を失っている愚神は召喚されない。「誅」の間は攻撃に命中補正が掛かる。

リプレイ

●立入禁止
「なんというか……露骨だよねぇ」
「がうぅ……」
 現場に到着して早々、Arcard Flawless(aa1024)が薄く笑みを浮かべる。その隣では彼女の英雄Iria Hunter(aa1024hero001)が唸り声を上げていた。
 理由は彼女たちの視線の先を見れば明白だ。ビルの敷地に張られた立入禁止テープの内側。警官が喉から血を出して横たわっていた。
「俺は嫌いじゃねぇぜ。近づいたらぶっ殺す!っていう感じでよ。退屈な調査の仕事よりは楽しめそうだ」
 後ろからぬっと現れた五々六(aa1568hero001)が楽しげな様子でにやりと笑う。
「また……殺すの? 今日は戦わないって思ったのに」
「はっ、嫌いじゃねえくせによ、クソガギが」
 ギュッとぬいぐるみを抱き締めながら獅子ヶ谷 七海(aa1568)が漏らした呟きを五々六が笑い飛ばす。
「あたしも今日はお小遣い稼ぎのつもりだったんだけどなぁ。いきなりヘビーな展開ね」
「まあ、これも天使の力を示す機会って事でひとつ」
「それもどうかと思うけど……」
 場にそぐなぬ緊張感を感じさせない口調で言う百薬(aa0843hero001)の様子に餅 望月(aa0843)がこっそりため息を吐いた。
「こうしてみても始まらぬでござる。一先ず近づいてみようではござらぬか」
「そうね、犠牲者が増えないうちに終わらせなくっちゃ……」
 小鉄(aa0213)と稲穂(aa0213hero001)が辺りを警戒しながらもビル敷地内へ入る。
「――!」
 一歩足を踏み入れたところで小鉄の足が止まった。
「ん? どうかしたかい、小鉄君?」
 小鉄の奇妙な様子にシウ ベルアート(aa0722hero001)が声をかける。
「これはドロップゾーン……」
「え、本当、師匠!?」
 小鉄の言葉に反応して桜木 黒絵(aa0722)が慌ててライヴスゴーグルをつけて周囲を見渡す。
「あれ、何も見えない……」
「ドロップゾーンはそれじゃ見えないよー」
 後ろに駐車してある車からリリイ レイドールがノートパソコンを操作しながら話しかける。
「そうなの?」
「ドロップゾーンはライヴスじゃなくて異世界そのものだから。……んー、ドロップゾーンの範囲はそのビルの敷地内。わりと小さめのドロップゾーンだね」
 まじまじとモニターを見つめながらリリイが続ける。
「小さくともドロップゾーンがあるという事は敵はケントゥリオ級という事でござるな」
「要はかなり強い奴が中にいる――獅子身中の虫ってわけか」
「大分違うでござる」
 骸 麟(aa1166)の間違った故事の使い方に宍影(aa1166hero001)が思わず頭を抱える。
「であるならば、なおさら急ぐべきですわ!」
 ピンっと指先を綺麗に立てクラリス・チェンバース(aa4212)が目的のビルの方を指さす。
「確かにドロップゾーンは敵の体内にいるようなものでござるからな。中の人が心配でござる」
 木下三太郎重繁(aa4212hero001)がそれに追随して同意する。
「まず共鳴していくべきだろう。いつ何時襲撃があるとも分からん」
「そうね、露骨に奇襲されましたという感じだしね……」
 ジェネッサ・ルディス(aa1531hero001)がちらりと遺体の方へ視線を向けた後、無月(aa1531)とアイコンタクトをして共鳴する。
 無月達に後を追ってエージェント達が共鳴していく。
「それじゃあ、ご武運を」
 リリイの声を背にエージェント達は敵陣へ向かっていった。

●物を壊すべからず
「これは……手裏剣、でござるな」
 警官の喉に突き立てられた凶器を目にして小鉄が呟いた。
「……ということは、これはもしや忍者対決?」
 一人こっそりと息の荒くなる黒絵。
「修行中とはいえ女子高生忍者としては負けられない戦い……!」
「おい、待て。そのテープに触るな!」
 一人燃え上がる黒絵を他所にエージェント達に少し遠くから声がかかる。
 顔を上げるとビルの入口の方から早足でこちらへ向かってくる男の姿が確認できた。
「……あんたら、H.O.P.E.の連中だな?」
 近寄ってきた男が面々を見渡し声をかける。
「はい、そうですが……あなたは?」
「俺は刑事だよ、刑事。この事件の担当だ」
 望月の言葉に刑事が頭を掻きながら答えた。
「あら、それは好都合ですわ。刑事殿、状況を詳しく教えて下さらないこと?」
「ああ、構わねぇぜ。ずっとお前らを待ってたんだからよ」
 言って刑事は懐から手帳を取り出した。
 現在の捜査状況、警官の襲われた状況、敵の位置と姿、そして残した言葉。多少あいまいな部分はあったが、職業上だろうか刑事の説明は簡潔でありながら的確な説明であった。
「ふーん。その短時間でよくルールの存在に思い至れたね、おっちゃん」
「ふん、仕事柄愚神に遭ったのは一度や二度じゃねぇからな」
 憎々しげに顔を歪めながらアークェイドの言葉に刑事が返す。あまり良い思い出ではなさそうだ。
『……どうやら、やはり相手は忍びのようですな』
 ふわっと麟の後ろを半透明で漂いながら宍影が呟く。当の麟の方はというと得た情報に若干首をかしげていた。
「でも、刑事さんの話、今一ピンと来ないな? 入る時は何とも無かったんだろ?」
『五影とやらの科白が鍵なのでござろうな……。夜になって不法を働いたと……これはもう少し……』
「そういう思い込みは危ねぇぜ。何より根拠が敵の言葉だしよ。虚言、偽報に騙し討ちは戦場の華よ」
 麟と宍影の会話に――外野的には麟が一人で喋っているだけだが――五々六が割り込む。
「結局今確かなのは、このテープが一つのキーだという事くらいだな」
「とりあえず何か投げてみましょうか?」
「まどろっこしいね」
 望月の意見にアークェイドが口を出す。
「時間がないなら、一気に済ませるのが一番さ」
「え、ちょっと……」
 武器を振りかぶった彼女を見て、何をしようとしているかを察して黒絵が止めようとするも間に合わない。
「こんだけいれば止められる! 警戒頼むよ!」
 愛用のパイルバンカーを振り下ろしテープを切断する。ズシンと地面にパイルバンカーが接触する。
「ええい!」
 やってしまったものは仕方ない。八人はそれぞれが別の方向を警戒し奇襲に備える。
「……」
 一瞬の間。
(不発? ……否!)
 小鉄があたりが一層暗くなったのに気付く。月が雲で陰ったのか。まさか、そうではない。
「上でござる! 散!」
 小鉄の叫びに反応し各々が一斉に散らばる。
 上と言われて上を見る者はいない。一瞬の躊躇いもなく前方に身を投げ出して――刑事はアークェイドが一緒に押し倒している――いた。
「ちぃ!」
 ズシン、重たい音が辺りに響き渡った。
「ワオ」
 思わずクラリスが感嘆の声を漏らす。
 そこにいたのは巨大な亀だった。直径にして3mはありそうな大亀。それが上空から落下してきたのだ。そして、その上に印を組み直立する黒ずくめが一人。
 まさしく忍者であった。
「狼藉を働く者、誅すべし」
「それはお主でござろう!」
 いち早く体勢を立て直し、反撃に移ったのは小鉄であった。大亀を飛び越えて敵に迫る。
「ぬ――」
「逃さぬ!」
 飛び退こうとした敵の胸にライブスを乗せた拳を叩きつける。大きく吹き飛ぶ愚神。
(――いや)
 吹き飛び過ぎだ。無論その意図で行った攻撃ではあるが、込めたライヴスに比べて勢いが強すぎる。
「顕!」
 吹き飛んだ敵が空中で印を組み、気合を込める。
 すると着地点に巨大な大蛇が現れ、その頭部に愚神が着地した。追撃をかけるには遠すぎる。
「利用されたでござるか」
「……城攻めの軍勢を発見」
 小鉄は悔いるが、相手も決して無傷ではない。打たれた胸元を抑えながら愚神がぼそりと呟いた。
「籠城戦を開始する」
 そう告げると先ほど落ちてきた大亀が霞の如く消え去る。
「我ら五影、闇夜に一切の不法を赦さず」
 そう言うと、蛇が素早く動きビルの後方へと姿を消していった。
「少し期待しましたけど……見えませんね」
 望月がライヴスゴーグルで敵のいた方を確認するがまるで痕跡を発見できない。
『形ある愚神や従魔はよほど緩い奴じゃないとライヴスを漏らさないよ』
「そういうものですか」
 リリイの説明に少しがっかりした様子で肩を落とす望月。
 二人のやり取りを尻目にアークェイドが一人顎に指をあて考え込んでいた。
「……今の奴本当にケントゥリオ級?」
「確かにケントゥリオ級にしちゃ、ちと迫力が足りねぇな」
 アークェイドの呟きに五々六が同意する。
「『我ら五影』、か。五匹いるつうことかねぇ」
「その後は『不法を赦さず』。やっぱりなんかキーワードっぽいよね」
 黒絵が一生懸命考えてますという風に指を額に当て眉を顰める。
「決まり事を破った者の元へ現れる、といったところでござろうか」
「問題はその決まり事が何かって事だね。……決めた、ボクはしばらく一人で行動させてもらうよ。少しやりたい事がある」
「へ?」
 少し考えてからふと思いつたように歩き出すアークェイド。
「私も少し中を先に探ってみようと思う。生存者も気になる」
「え? え?」
「オレ達も行ってくる。何か手がかりがあるはずだ」
「えぇ~?」
 そのままアークェイドが建物の裏に、無月と麟が正面玄関に向かって消える。
「あの……師匠、これ大丈夫?」
 心底不安そうに黒絵が小鉄に尋ねる。小鉄は一瞬考えてからさらりと言った。
「何、怪しい奴が出てきたら切れば良いだけの事でござる」
「ハッ! そりゃそうだ!」
 その答えが気に入ったのか五々六が豪快に笑い声をあげた。
『あのね……間違ってないけど、怪しいって言ったらこーちゃんもなかなかよ?』
 稲穂の呆れかえった声は幸い小鉄にしか聞こえないものであった。

●浪費するべからず
「ワタシ達も行きましょう。このチームが最大の戦力である事には変わりませんから」
 望月の言葉に無言で同意して、一行は周囲を警戒しながら慎重に玄関から入っていく。
「よ、夜の会社とか学校って雰囲気ありますよねー」
「そうかしら。わたくしは静かで嫌いではありませんわ」
 落ち着かない様子で辺りをきょろきょろと見回す黒絵にクラリスが返事を返す。
「でも、そうですわね。視界が悪いのは確かですわ。電気は……あれですわね」
「――おい、ちょっと待て」
「え?」
 五々六が死地特有の嫌な臭いを感じ取り、クラリスに声をかける。が、その時にはすでに玄関全体に明かりが灯っていた。
「――!」
 唐突に、何の前触れもなくクラリスの真正面に愚神が現れる。距離おおよそ5m。
「徒消せし者、誅すべし」
 愚神が目の前で真っすぐクラリスに向かって苦無を放つ。
 舐めている。いかに不意打ちといえこの程度の攻撃を――
「否、後ろでござる、クラリス殿!」
 直後、小鉄がクラリスに向かって叫んだ。
 その声にゾッと背筋に寒気が走り、すぐさま倒れ込むように身を屈めた。
 頭上を通る風切り音二つ。愚神が放った苦無は二本。一本は正面。そしてもう一本は背後に放ち、クラリスの背中に転移した。遠目で眺めなければまず見破れないトリック。
「お見事」
 愚神が初めて感情を感じさせる言葉を放ち、再び苦無を数本構える。クラリスの反撃態勢は整っていない。
「なんの! 火遁の術!」
 口から出まかせだがとりあえず忍法を叫んで火球を愚神とクラリスの間に炸裂させる。
「む――」
 当たらないのは考慮の内。
「逃がさぬでござる」
 後方に退いた愚神を追いかけて小鉄が駆ける。小脇に抱えた刀を横薙ぎに一閃。ステップの最中には避けにくい軌道のはずだ。
「笑止」
 持っていた苦無でその一撃を受け止め、着地する。
「待ってたぜ」
 その着地点に何とか追いついた五々六が肩に担いでいた大剣を振りかぶった。
「意外と足の速さには自信があってよ」
 横薙ぎのフルスイングが今度こそ愚神の胴体を捉える。
「ぐっ!」
 吹き飛ぶ愚神。
「ち、しぶてぇ……」
 廊下の先で立ち上がる愚神を見ながら憎々し気に吐き捨てる。
「地の利は我に在り」
 懐からズラリと苦無を取り出す愚神。その間には長く狭い廊下が横たわっていた。

●廊下を走るべからず
「まずは屋上に向かうべきだな」
『ん~、これは忍者対決って事でいいのかな? やっぱそこは気になるかい?』
「……私は任務成功の為に全力を尽くす、ただそれだけだ」
 からかうような口調のジュネッサに苦言を呈しつつ、無月は夜の廊下を進む。
「む」
 と途中ばったりと警察の関係者らしき男と遭遇する。
「だ、誰だ。あんた」
「失礼。私達はH.O.P.E.だ。現在この建物は立て込んでいてな。しばらくここで大人しくしていて欲しいのだ」
「それは構わないけど……あの、一体何が?」
「大した事ではないすぐ終わる」
 男の問いをはぐらかしながら一応周囲を警戒したところに、無月の通信機に声が届く。
『狼藉は……物の破壊……』
 か細く囁くような女の声。アークェイドだ。
「……これはまずいな」
 明らかに尋常な状況ではない。
 そう判断し、彼女を探そうと駆け出そうとし、
「粗忽者、誅すべし」
 そのふくらはぎに突然激痛が走った。
「っ――!」
 痛みをこらえ体を反転し、廊下の先の闇を睨む。
 一体の愚神がそこに立っていた。

●侵入を許しません!
「あったあった。ここか」
 建物の裏手に回り、刑事の話から割り出した被害者の侵入口を見つける。
「じゃ、ここから……」
 綺麗にくり貫かれた窓の隣の窓を同じように丸く切り抜いて素早く中に侵入する。
「さて、鬼が出るか忍者がでるか……」
 入るやいなや背中を壁に預けて死角を無くし付近を警戒する。
 まず右、そして左――
「――っ!」
 視線を左に移したところで廊下を真っすぐに飛び込んでくる黒い影が視界に入る。
 真っすぐに首筋を狙ってきたそれを何とか避け、肩口で受ける。
「っだぁ!」
 すぐさまその腹部に蹴りを入れ距離を取る。
「――」
 蹴りに大したダメージは無い。愚神は何事も無かったかのようにスッと刀を構えた。
 急いで肩に触れ状況を確かめる。傷は意外と浅い。鎧のお陰か。だが――
(毒か……!)
 傷口が焼けるように熱い。鼓動が必要以上に高鳴る。
「狼藉を働く者、誅すべし」
(長引くと厄介だな)
 敵が長期戦の構えで様子見なのを良い事に、体力回復用に用意していたチョコレートをバリバリとかみ砕き、愚神を睨め付ける。
「行くぞ、覚悟はいいか」
 愚神がゆったりとした動きで刀を構えなおす。
 その動きに違和感を覚える。まるで、こちらが身構えるのを待っているような――
「しまっ――」
 事態に気付くが間に合わない。振り向こうとしたところを大蛙の舌がアークェイドを捉えた。
「境界を犯す者、誅すべし」
(二回引っかかっていた!)
 先ほどとは打って変わって正面の愚神が、無言で真っすぐ迫り、大蛙の舌ごとアークェイドの脇腹に刀を突き立てる。
「なめるなぁ!」
 痛みにカッとなり力任せに大蛙の舌を引きちぎる。再び距離を取る愚神。
(どうあっても持久戦に持ち込む気か、なら!)
 それに付き合う体力は無い。急いでチョコレートを再びかみ砕き、腕のバンカーを横の壁に突き立てる。
(逃げの一手だ!)
 夜中に強烈な破砕音が轟く。彼女のバンカーが多大な粉塵を上げ、壁を瓦礫と化す。
「狼藉を働く者、誅すべし」
 しかしその粉塵が晴れるより早く、彼女の目の前には既に印を組み終わった状態で愚神が現れていた。
 愚神の口から強烈な炎の奔流が吹き付ける。
 勢いに押され背後へと飛ばされるアークェイド。
「狼藉は……物の破壊……」
 ボロボロになりながら倒れた彼女がまず行ったのは自身の回復ではなく、通信器の接続だった。
「境界は侵入……」
 ぼそぼそと何とかマイクに届く程度の小声で呟く。
『アークェイド殿!?』
『しっ、お静かに』
 リリイの声が大声を咎める。
 若干ぼんやりしてきた視界を動かし、周りを見る。映るのは3体の愚神と――緑の光。
 なんだ非常口か、と思った彼女の瞳にとある文言が映る。
『当社のセキュリティは窓からの侵入者を許しません』
 それは非常口の横に警備会社が貼った張り紙。
「張り紙だ……!」
 それは確信だった。
「張り紙を、探せ……!」
 その台詞を最後に彼女は意識を手放した。

●社内五訓
『張り紙を、探せ……!』
 アークェイドの言葉は全員の耳に同時に届いた。そして発見もほぼ同時。
 それは社内の何か所かに貼られた何の変哲もない訓示。
『社内五訓
 一、廊下を走るべからず
 一、無駄な電気を点けるべからず
 一、居眠りをするべからず
 一、ポイ捨てをするべからず
 一、物を壊すべからず』

●忍法「誘い蝶の術」
「――幻影蝶よ!」
 張り紙を見た黒絵が唐突に誰もいない空間で幻影蝶を展開する。ライヴスで生んだ多数の蝶が彼女の周りをふわりふわりと舞い始める。
「何を――」
 回りが尋ねるよりも早く、黒絵はポケットからハンカチを取り出しすぐさま放り投げた。
「ポイ捨てをするべからず……」
 目にした文言をもう一度繰り返す。きっとうまくいくはず。
「――っ! バカな!」
 黒絵の背後から声が聞こえる。掛かった。
 急いで振り返る。そこには多くの幻影蝶に集られ膝から崩れ落ちる愚神の姿があった。
「あのチキン野郎は俺が抑える! 叩け!」
 五々六が叫ぶ。彼は先ほどから苦無投げの愚神が抑えていた廊下に飛び出し、立ちふさがる。
「狭い廊下が逆効果だな」
「くっ」
 救援に駆け込もうとしたところを抑えられ、愚神が急停止する。そして、距離をとって苦無を構える。
「いくらでも来い! 言っとくが俺はしぶてぇぞ!」
 あえて追わずそこに足を止めて、五々六が怒号を飛ばした。

●一切の不法を赦さず
「逃がしません!」
 衰弱した状態で四対一。まるで抵抗できず、愚神が望月の槍に貫かれ、闇に溶けるように霧散した。
「全てここに呼ぶでござるか!?」
 喜ぶ暇はない。事態は一刻を争う。小鉄が壁に貼られた交通安全のポスターに手を掛けながら叫んだ。
「一人一人確実にいきましょう!」
 合間を縫って五々六に回復を飛ばしながら返事を返す望月。
「承知!」
 小鉄が答えながらポスターを破る。そして、すぐさま壁に背を預け感覚を研ぎ澄ませた。
(とはいえ、この状況。もし拙者なら――)
 一種の覚悟をし身を固める。
「――ぐっ!」
 案の定だった。背中の壁が破壊され裏側から強烈な蹴りが加えられる。
 しかし、覚悟を固めた分、衝撃は薄い。きっちり着地して敵の方へ視線を移す。
 一瞬目を疑う。
 目の前の愚神の後ろで別の愚神が刀を振りかぶっている。そしてそれを横薙ぎに振るった。
「――」
 そしてそれがどういう事か気付く。襲われた愚神は何一つ慌てる事無く垂直に飛び立ち、天井に着地した。
「四人……否、五人か」
 逆さまの愚神が呟いた。
「いいだろう。まずここを制圧する」
 愚神が手に持った苦無を放り投げた。それが地面に落ちた瞬間、愚神のいた空間が炎に包まれる。だが、それも愚神は悠々と避けて見せた。
(彼奴ら自身も不意打ちの対象なのだ)
 しかし、それは逆に仲間をいつでも召喚できるという事。
「我ら五影、闇夜に一切の不法を赦さず」
 左右にそれぞれ部下を従え、腕組みをした愚神が静かに告げた。

●死線
「ハッ! よく言うぜ。もう四影だろうがよ」
「五々六殿、大丈夫でござるか」
 右腕に刺さった苦無を抜き取りながら五々六がぬっと現れる。
「こうなったらもう一対一で抑える意味はねぇ。あっちも考えは同じだ」
 ちらりと苦無を投げていた愚神の方を見やる。苦無を構えたまま動く様子はない。おそらく仲間と連携して襲ってくるつもりだろう。
「アークェイドさんは無事ですか!?」
 望月が通信機に問いかける。全ての敵がここに揃った今、彼女の安否は最大の気がかりだ。
『……大丈夫。息はあるみたい』
 リリイの返答に一同がほっと胸を撫で下ろす。
「さて、参るぞ」
 まるで知人に話しかけるかのような気負いのない口調で頭領と思しき愚神が告げる。
(まずは回復を……)
 望月がケアレインで全体の回復を図ろうと集中する。
「させぬ!」
 それを察知した後方愚神が指先から強烈な閃光を放つ。
「うっ……」
「ちぃっ!」
 望月と五々六が咄嗟に目を覆うのが間に合わずに目をにダメージを受ける。
「覚悟」
 それに乗じ、一気に別方向から望月へと迫る頭領愚神ともう一体。
「通すかよ!」
 目を半ば封じられながらも、その一方の進路に身を挟み立ちふさがる五々六。
「退け」
「ごはっ!」
 愚神の爪先が五々六の鳩尾に突き刺さった。浮いた体に追撃の回し蹴り。派手に吹っ飛ばされる。
「まだまだ足りねぇなぁ!」
 しかし、吹き飛ばされながらもすぐに立ち上がり逆に愚神に迫る。
「ちっ」
 五十六の反撃は簡単に受け止められるが少なくとも足は止まった。
 問題はもう一方、頭領愚神の方である。
「させませんわ! ハァァ!」
 望月を背にかばい、クラリスが派手に光りながら体内のライヴスの濃度を高めていく。
「……二乃影」
「御意!」
 いつの間に接近していたのか苦無投げの愚神――二乃影が剣を構えるクラリスに苦無を数本投擲する。
「こんなの……!」
 弧を描くような起動で飛んできた苦無を続けざま落とすクラリス。だが――
『クラリス殿!』
「注意が散漫だ」
 重繁の忠告も間に合わず、その脇を黒い影が通り過ぎる。
「くっ……」
 口惜し気な表情を浮かべ、クラリスが脇腹を抑え崩れ落ちる。
「ケアレイン!」
 望月の回復が味方全体に降り注ぐが、それでもクラリスは立ち上がれない。
「おのれ!」
「師匠!」
 咄嗟に跳びかかった小鉄を援護する形で黒絵がブルームフレアを放つ。位置は小鉄とは対角線。愚神の退路を塞ぐ形だ。
 愚神は刀を構えた。迎撃する構えだ。
「いざ、推して参る!」
 気合と共に上段に刀を振るうも易々と防がれる。
「ふっ」
 代わりにとばかりに刀を交えたまま前蹴りが飛んできた。
(これではない!)
 これを互いの位置を入れ替える形で避ける。。
 結果、小鉄の背中が愚神の前に晒される。
「……」
 特別な台詞もなく、愚神は淡々と作業をこなす様にその背に刃を振り下ろす。
「これだ!」
 小鉄はこれを避けなかった。むしろ刀に向かって背中を押し込むように迫る。
「何!?」
 初めて頭領愚神に動揺の色が走った。退くならば急所に当てる自信があった。しかし、逆に迫る者に軌道を修正する余裕はない。
 背の急所から寸分外れた箇所に刀が刺さる。
「ぬぅぅ!」
 そこからさらに体を捩じり、反転させた勢いのまま袈裟切りに斬りかかる。
「なんと……」
 小鉄の刃が愚神に深く食い込んだ。
「くっ……」
 しかし、そこまで。おおよそ鎖骨を絶ったところで刃は止まった
「致命至らず、か……」
 ぐらりと小鉄が崩れ落ちる。
「貴様!」
「覚悟!」
 二乃影と忍術愚神が弱った小鉄を狙い跳躍する。
「邪魔すんな!」
「――!」
 空中から小鉄に迫った二人に広がった白い網が迫る。
「くっ、不覚!」
「悪い、出遅れた」
 麟の放った女郎蜘蛛の糸に絡み取られ忍術愚神が地に落ちる。
「くそ、一匹か」
二乃影の方は空中で器用に姿勢を変え、これを避けていた。
「ケアレイン!」
 その隙に望月の癒しの光が再び一同を包み込む。
「――うおっとっ!」
 着地してから放った苦無は寸前で傷が癒えた小鉄が何とかといったとこで回避する。
「ここが死線だ!」
 ダメージを追ったのは当然小鉄だけではない。敵の愚神もまた決して浅からぬ傷だ。
 敵に囲まれた状況からの撤退が一瞬遅れるほどに。
 それを戦士の嗅覚で感じ取った五々六が目の前の愚神に背を向け、頭領へと迫った。
「させぬ」
 しかし、それを易々と許すほどその愚神も甘くない。その背に一撃を入れようと足に力を籠め――逆にその背中を刃に貫かれた。
「卑怯者と呼ぶか? 呼びたくば呼ぶがいい。私は喜んで卑劣漢と呼ばれよう……!」
 気配を消し背後から忍び寄った無月が刺した刀を引き抜く。そして同時に愚神が霧散した。
「……」
 何とか持ち直し刀を構えなおした頭領愚神に五々六が迫る。
 まずは振り下ろす一太刀。斜めに構えた刀に軌道を反らされる。
 二太刀、振り上げ。受け止めるも刀を弾き飛ばし、体が完全に泳ぐ。
「もらった!」
 泳いだ体に横薙ぎの三太刀。愚神はならばせめてと手足で受け、そして吹き飛ばされる。
「畳め!」
 五々六に言われるまでもなく動けるものが追撃に走ろうとした刹那、女郎蜘蛛に絡めとられた愚神が叫んだ。
「二乃影! 頭領を頼む!」
 愚神の体が風船のように膨らむ。
「いかん!」
 何をする気か一瞬で理解した一同が防御態勢を取る。
 強烈な破裂音。そして爆風。
 その両方が通り過ぎ、一帯が静かになった時、そこに愚神の姿はなかった。
「逃げられたか……!」
 誰かの口惜し気な声がほぼ廃墟となった玄関に響いた。

結果

シナリオ成功度 普通

MVP一覧

  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722

重体一覧

  • 神鳥射落す《狂気》・
    Arcard Flawlessaa1024

参加者

  • 忍ばないNINJA
    小鉄aa0213
    機械|24才|男性|回避
  • サポートお姉さん
    稲穂aa0213hero001
    英雄|14才|女性|ドレ
  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722
    人間|18才|女性|攻撃
  • 魂のボケ
    シウ ベルアートaa0722hero001
    英雄|28才|男性|ソフィ
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 神鳥射落す《狂気》
    Arcard Flawlessaa1024
    機械|22才|女性|防御
  • 赤い瞳のハンター
    Iria Hunteraa1024hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 捕獲せし者
    骸 麟aa1166
    人間|19才|女性|回避
  • 迷名マスター
    宍影aa1166hero001
    英雄|40才|男性|シャド
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • エージェント
    獅子ヶ谷 七海aa1568
    人間|9才|女性|防御
  • エージェント
    五々六aa1568hero001
    英雄|42才|男性|ドレ
  • 我が歩み止まらず
    クラリス・チェンバースaa4212
    機械|19才|女性|回避
  • エージェント
    木下三太郎重繁aa4212hero001
    英雄|38才|男性|ブレ
前に戻る
ページトップへ戻る