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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/22 00:01:57 -
祭りだっ!!
最終発言2016/05/24 02:20:52 -
質問卓
最終発言2016/05/23 10:10:19
オープニング
●蒼く白む香港
香港の戦いは終わった。
エージェントを中心とするH.O.P.E.は、古龍幇との衝突を回避し、愚神の策謀を打ち破った。
香港の周囲をぐるりと取り囲む結界——本来ならば目に見えぬ、時折ライヴスの燐光きらめくそれは、勝利の象徴でもあった。香港は今や、世界でも有数の安全な都市となったのである。
香港の市街地を散策していたエージェントたちが街角を曲がったとき、ガラの悪い集団とばったり出くわした。
「あ……」
「……ふん」
男たちはぷいとそっぽを向いて脇をすり抜けていく。小さな英雄は舌を出してあっかんべえまで見せているが、そこに一触即発という様子は無い。エージェントたちは思わず苦笑いを浮かべた。
H.O.P.E.と古龍幇はこの地において英雄同士が争う危険を悟り、国際会議での妥結発表に向けて交渉を本格化させつつあるという噂だった。市街地では一時避難者たちの帰宅が始まり、戦闘で損傷を受けた建物やインフラの修理も始まって、建設作業員らの元気な声が飛び交っている。
香港の海へと視線を転じるエージェントたち。
結界の壁にきらりと燐光がきらめいた。香港の街に残った戦いの傷跡も浅くはないが、それも、この輝きが目に入れば無駄ではなかったと感じられた。
● 提供はグロリア社でお送りいたします
「祭りに出るわ」
君たちを集めて遙華はそう言った。
あまりに唐突な一言に、君たちはポカーンと口をあけた。
「饅頭祭を知ってる?」
饅頭祭とはブッダの誕生日だと言われる旧暦の4月8日から7日間開催されるお祭りのことで。中国の長洲島を上げて行われる一大イベントだった。
「友好の証にって古龍幇から枠をいくつかもらってね。それであなた達にはグロリア社名義で出し物を行ってほしいのよ」
内容はこうだった。
昼間の目抜き通りをぐるりと一周練り歩くパレードが開催される。
この祭りはもともと、伝統衣装や、獅子舞、龍舞などを披露する場であったが。世界蝕以降積極的に英雄たちの世界の文化も取り入れパレードの多彩さは増したのだという。
「古龍幇が祭りのしきりだったから当然よね。まぁそこまではよかったわ」
だが、住民たちはそこで気が付いたそうな。
英雄たちの伝統衣装がありなら、もうなんでもいいんじゃね?
そして今では中国古来の伝統衣装にプラスして、英雄世界の伝統衣装。大衆的娯楽の仮装。つまりアイドル衣装やアニメのコスプレなどで参加すると言ったカオスが出来上がっていたのだ。
「それに私たちは参加します」
遙華の計画としてはこうだ。
「まず班を二つに分けるわ、取材班と仮装班」
仮装班には各々のテーマを決め行列を取り仕切ってもらう。
そして仮装に参加しているリンカーたちを取材班が取材し。一つの番組にする。
「仮装班はチームをいくつか決めてもらいます。チームごとにテーマを決めてもらうわ」
テーマとは何でもよい。英雄の世界の文化を前面に押し出した衣装に身を包んだ集団でもいい。
アイドルたちが歌いながら目抜き通りを闊歩してもよし。
単独で愛と勇気を振りまく魔法少女でもいいし。
殺陣をやりながら、演奏をしながら行進してもいい。
「そして一つの班には演出用の人員を二十名まで貸し出すわ」
この人員とはグロリア社の社員であるが、リンカーたちの指示を的確にこなす優秀な人材を集める予定だ。
集団でありながら一つの生物のような、そんな連携を発揮してくれることだろう。
だから君たちは心配せずに、やりたい演出を考えてくれればいい。
「まぁ、感覚としてはパレードね、演出は派手にしてもらって構わないわ」
紙ふぶきを散らす、花火を打ち上げるなど、演出もグロリア社の技術を使えばお手の物である。そのための機材も貸し出すという。
「リンカー同士でチームになってもいいけど最低二班欲しいところね。そしてテーマに沿った衣装や小道具は全てグロリア社で仕立てるわ」
衣装はもちろん、小物も大盤振る舞いで。グロリア社の試作品も複数貸出可能。
「あ、言い忘れていた。この祭り伝統として少女を神輿に担がないといけないみたいなの。その少女も選出しないと」
神輿に担がれる少女は別にそこにずっといなければならないわけではない。要は少女を仮装させてシンボルに掲げればいいのである。
「年齢は……。まぁ十代なら許されるんじゃない?」
そう遙華はしゃべり終えると、口が渇いたのかミネラルウォーターを一口飲んだ。
「お祭りだからね。長らくにらみ合っていたライバル組織との親睦会の意味もあるのよ。だったらグロリア社が資金を出し惜しみする理由はないわ。派手に行きましょう」
「そしてあわよくば、出し物の部でMVPをとるのよ!」
そう遙華は締めくくり、全員に資料をまわし、細かい打ち合わせに入った。
「そう言えば、テレサも饅頭祭来てるのよね?」
遙華はロクトに問いかけた。
「そのはずよ、観光でね。エージェントも引き連れて。何をするつもりなのかはあまり詳しくは聞いてないけど」
「ふ、ふーん、そう」
遙華はそっぽを向いて頬を赤らめる。
「スケジュールに空きがあったりしないかしらね」
「スケジュール? さぁ、よくわからないけど、同じ島の中なんだから、会えないこともないと思うけど?」
「…………、ちょっと声をかけて見てよ」
「え? いやよ、めんどくさい。それにいまさら何を恥ずかしがっているの? 昔はだって、テレサおねーちゃーんって言って……」
「わー、わー、やめてよ。恥ずかしくなるじゃない。わかった、わかりました。自分で声をかけるわよ」
「全くもう、世話の焼ける」
そう言いつつテレサのスケジュール確認のために連絡を入れるロクトであった。
● 貸出アイテム一覧
・エンジェルス・ビット
八枚の薄型スピーカーを空に浮かべて音を届ける機器。マイク繋げば声が、楽器とつなげばその音が出力される。
・プロモネアバンド
腰と腕にワイヤーを取り付けて空を飛んでいるように見せる技術。
光などで工夫すればワイヤーは見えない。工夫で様々な使い方ができると思われる。
・HANABIバズーカ
人畜無害な光の塊を発射する。光の玉は空ではじけるが熱くないし安全。
花火のように見えるが、光の粒の色や落ちる速度など細かく調整可能。
解説
目標 とにかく楽しむ。あわよくばMVPをとる!
まず班分けが必要です《取材班》か《仮装班》を選んでください、班によって役割が変わります。
《取材班》
・原則二名
・出し物に対してのリアクションやコメントが要求される。
そのためあらかじめ皆さんの出し物の内容がわかっていないとリアクションがつらくなると思いますので、取材班のためにこんなことやるよ、と教えておいていただければと思います。
《仮装班》
・二チーム以上必要
一チーム最低一人のPCが必要、つまり英雄と能力者は別のチームに参加することは可能。
・グロリア社社員を人チームで二十人程度貸出可能。
使うのが難しかったら、仮装させて行進させるだけでいいですよ
* 遙華は取材班を希望していますが、しかしPCで二人選出された場合は遙華は仮装班に行きます
全体の流れ
0(場合よっては、事前準備の風景も撮影します)
1饅頭祭の取材、おいしい食べ物やいろいろ
2パレード開始。パレードを見ながら全員に取材をして生きます。
取材内容は特になければ下記の質問のうちいくつかを答える形で。
取材班の方は別の質問を考えても構いません
・この仮装のテーマは?
・苦労した点は?
・先日の戦い参加してた? 参加してたらどうだった?
・古龍幇の人とは仲良くできてる?
・番組を見ている人に一言
3 パレードが終われば全員でご飯を食べつつフェードアウト。
上記が大まかな流れです。
リプレイ
ここはホテルの一階、駐車場、そこを貸し切って全員が作業をしていた。
「正護、作業は順調かしら」
そんな年上を呼び捨てにする不遜な声に、『防人 正護(aa2336)』は作業を中断して顔を上た、その隣には『セバス=チャン(aa1420hero001)』が立っている。
現在ステージ組立班は塗装を施した板をステージ側面に打ち付ける作業を行っていた。
「どうした遙華」
「いえ、アイリスたちが町を見に行きたいって言うから、人がいなくなっても大丈夫かと思って」
「あとは、取材か?」
「ええ、インタビューしても?」
後ろでカメラを持つ『雅・マルシア・丹菊(aa1730hero001)』が言った。
彼女は今回自前のカメラとレコーダーでの記録作成にあたる予定だ。
「明日に向けて気合いが入るわね。支度は順調かしら?」
そう正護は肩をすくめると雅のインタビューに答えていく。
「遙華とシロはいかないの?」
お着替えを済ませた『蔵李・澄香(aa0010)』たちが作業場に現れた。
「私たちはまだ準備があるから」
そう遙華が言うと、澄香たちは待ってるよと言い残して祭り会場へ走り出していく。
「子供たちとお話したらすぐに行きますね。」
そう『卸 蘿蔔(aa0405)』はマジカルステッキをくるりとやり言った。
蘿蔔たち花火班は、地元の子供たちに絵をかいてもらい、それをもとに祭りのパフォーマンスを攻勢するつもりだった。
その様子を、ネイルガン片手に『レオンハルト(aa0405hero001)』が眺めている。
「それにしても」
遙華は言う。
「学校祭とかってこんな感じなのかしら。私学校にあまり行かなかったから」
「きっとそうです! たくさん楽しみましょう!」
「ええ、蘿蔔、でも私、最早たのしいわ」
「私も楽しいです」
それを、青春してるなぁと生暖かい視線で見守るレオンハルト。
「あ、そうだ、テレサさんも来てるんですよね、遙華も好きな花火あげてみません? 誰かに伝えたいメッセージとか……」
ふむと唸る遙華、その時ちょうど地元の子供たちを連れた祭りの運営の人たちがやってきて、その話はうやむやになってしまった。
一方町に出た者達はというと。
「お! おい! 緋十郎じゃねぇか。みんな緋十郎がいるぞ!」
『レミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)』と『狒村 緋十郎(aa3678)』が仲良く街中を歩いていると。古龍幇のメンバーに呼び止められた。緋十郎はその顔を知っている。
「お。王じゃないか! あの戦い以来だな、元気だったか?」
そう暑苦しい男たちは握手し方を叩きあい再会の喜びを分かち合った。
「何してるんだ?」
「町の下見と、営業だ」
そう緋十郎が指をさした先にはアイドルたちがいた。
『小詩 いのり(aa1420)』と『アル(aa1730)』が路上のアクセサリショップの前で唸っていて。
その隣ではキョンシー姿の『鈴宮 夕燈(aa1480)』がはしゃぎすぎて腕をぶっ飛ばし、それを『イリス・レイバルド(aa0124)』が跳躍してキャッチ。
『アイリス(aa0124hero001)』は羽をパタパタさせながら笑っている。
そして澄香にあれが食べたい、これが食べたいとねだる『アイリス・サキモリ(aa2336hero001)』という、大変姦しい状態になっているわけだった。
「あの子たちと?」
古龍幇の構成員たちは苦笑いを浮かべる。
「そうだ、ちなみにあの真ん中にいる蔵李という人物が、魔法少女で……」
「あ、狒村さん、いい絵ね、こっち向いて?」
突如呼ばれて振り返る緋十郎、そこには雅がカメラを構えていた。
「ホラ。とびっきりの笑顔、あたしに頂戴?」
その写真にピースでうつり、緋十郎は魔法少女アイドルを熱弁し、それを尻目にレミアは男たちを引き連れ町の中に消えていった。
保護者が独り減ったことで、気を引き締め直す『Agra・Gilgit(aa1480hero001)』彼は血濡れのフランケンシュタインのような姿で饅頭を配っていた。
「明日うちら仮装すんねん、よろしゅうなぁ、あ……腕はかえしてな」
腕ごと饅頭を持って行かれそうになる夕燈。その隣で。
「で、饅頭食うのか、食わねぇのか……今決めな」
「そしてあぐやん怖いから!怖いから!!って怯えさせてどないすんねーんっ!と」
いひひと笑う、強面なオジサンAgra、夕燈はその口に饅頭を叩き込み、恐怖を中和するための笑顔を振りまいた。
そんな光景を尻目に『ハルディン(aa3936hero001)』が屋台の取材を行っていた。
「このゴマ餡饅頭凄くうまいンゴ、餡のしっとり感がちょっと桁違いンゴ」
ちなみにこのH.O.P.E.の面々はただ遊びに来たわけではない、ステージに飾る現地の品を探すのも目的である
「取材班は原則二名なんだけど……。まぁいいわ」
ロクトは腰に手を当ててマイクを『御門 鈴音(aa0175)』に手渡した。
「緊張しない?」
「案外普通です」
その隣を歩く『輝夜(aa0175hero001)』はお面片手にお祭り気分である。
鈴音はそう答えカメラへ向き直ると、赤いランプがともって撮影が始まった。
「ではアイドルたちにインタビューしてみましょう」
鈴音がいのりにマイクを向けると。
こそっとお話していた澄香といのりがカメラに向き直る。
二人は顔を見合わせると口をそろえて言う。
「「Helloネイ・ホウ!」」
「初めての香港はどうですか?」
「香港ってこんな街なんだね。……戦いのせいでゆっくり見られなかったけど。平和な時はホントに素敵な街だね」
そんな元気はつらつないのりは、何かに気が付いたのか、カメラを別の方に向けさせた。そして
「あ、おじさんおじさん、ボクら明日お祭りに参加するから、よかったら見に来てね! ボクら?」
そして澄香を抱き寄せて笑った。
「ボクらはH.O.P.Eのアイドルだよ!」
第二章 祭りだ!
神輿を前にして鈴音が『クラリス・ミカ(aa0010hero001)』へマイクを向ける
「この仮装のテーマは?」
「そうですね。可愛らしさもそうですが、お祭りとの一体感でしょうか」
「苦労した点は?」
「ふふ。ありませんよ。皆様が輝いてくれるだけで、全てが報われるのですから」
「そんなわけで、パレードがこれから始まります。現場のハルディンさんにカメラを戻しましょう。ハルディンさん」
そして映像が目抜き通り中央に飛ぶ。ここがパレードが一番盛り上がるところらしく人でごった返していた。
「あ、きたンゴ」
カメラのシャッターを切る雅、その向こうにはH.O.P.E.陣営トップバッター『ヴィヴィアン=R=ブラックモア(aa3936)』のステージがあった。
鉄骨を組んだだけに近い荒々しい可動式ステージにエンジェルスビットを設置。漢服姿のヴィヴィアンがギターをかき鳴らし現れた。
「ハロー香港、こちらはヴィヴィアン……イングランドでやってた頃と面子は違うが……ネメシス、今日限りの復活や!」
あふれるメタルサウンドに場の温度が上がっていく。
「男も女も叫べ!」
ヴィヴィアンは観客をマイクと速弾きで、そう煽った。
「次の曲いくぞオラァ!」
バズーカから炎が空へと立ち上る。
「最後の曲いくぞ……『龍希大圏(ロンシーダーチェン)』」
バンド編成に二胡や琴を入れオリエンタルかつ荒々しい演奏と中国語の歌詞で歌い上げる。少しでも皆に熱が届くように。
「龍も希望も興味ねえよ 重要なのは俺とお前の心だろ!」
拳を掲げて煽り続ける。
「足りねえぞ!」
その言葉に観客は張り裂けんばかりの声を上げ腕を振る。
そして燃え尽きたようにがっくりとうなだれるステージにハルディンが駆けより、そして言った。
「ンゴにちはー! 突撃レポーターですンゴ!」
全力を使い果たしたヴィヴィアンはハルディンに頷きを返した。
「いやぁ、さすがだったんご。ファンのみんなにその声を届けるンゴ」
「魂と魂でぶつかれよ、その方が楽しいぜ」
そんな二人の姿を雅と、何やらピンク色のボディースーツを着た女性が写真に収めていた。彼女は般若の仮面をかぶっている。
「それ、逆に恥ずかしくない?」
雅が言った。
「そうですか?」
その声から察するに中身は鈴音、彼女はホープンジャー般若に変装していたのだった。
「わぁ、雅さんすごい」
そんな彼女のとった写真と自分の写真を見比べて感嘆の声を上げる鈴音。
「どうやったらそんなにうまく取れるんですか?」
「うーん、確かに技術はあるのだけど。デジカメだとカメラが勝手にやっちゃうから、工夫するのは角度とかそのあたりしかないのよね。その上で話をするなら……」
そんな二人の目の前に今度は古龍幣の紋章刻まれたステージが現れた。
そのステージの上を。黒くなびく旗を持った構成員が駆け、渦を巻くように旗がなびく、その中心からレミアが躍り出た。
龍の紋様描かれた黒チャイナドレス姿を身に纏い観客たちを見下ろす。
そして扇子を閉じ、ドレスのスレットから覗く太ももを強調し、妖艶に微笑んで見せた。
「ええ! 狒村さん!」
突如鈴音が驚きの声を上げた。
そのレミアの背後に。上半身古傷だらけの男が吊り上げられている。
両手足荒縄捕縛の拷問のフルコースある。
だが、彼は本気でくくられているわけではない、演出だ……と思う。
現に、演技が始まり、組員のハッと言う掛け声で縄がほどけた。
そして片手と両足でステージ上に華麗に着地する緋十郎。
その瞬間、龍のように立ち上る花火が上がる、そのいくつかは停滞し黒と赤の花火に替わって炸裂する。
太鼓の音が始まると、筋肉を脈動させえた男たちが野太い声ではやし立てはじめる。
レミアが躍る、緋十郎も筋肉を波打たせ、汗で輝く肌に光を反射させ舞う。
黒と赤の花火を打ち上げながら、ステージは先に進んでいく。
クライマックスではレミアは、両手を空に向ける。そしてバンドを操り、空を羽ばたく。黒赤花火の嵐が鮮烈に目に焼き付く演出だった。
演目が終わると、取材班は壇上に上がった。
「狒村ちゃんが楽しそうなのでポリス呼びそうになったンゴ」
ハルディンがそう言い。鈴音は問いかける。
「今回のテーマはなんですか?」
「見ての通り、古龍幣とHOPEの友好と交流だ。あとはレミアの美しさと、男達の熱く滾る血潮がテーマだな」
男たちは熱く腕を組みあった。
「苦労した点はどこでした?」
空から滑空して降りてきたレミアが代わりに答える。
「わたし以外、酒好きな無頼漢ばっかりで……事前練習、気付けばいつも最終的には酒盛りになっていたことかしら。まあ、緋十郎も楽しそうだったし、それはそれでありよね」
「先日の戦いは参加していました?」
「参加していた。というかこのメンバー22人自体が、その時に共闘した戦友だ」
鈴音は驚きの声を上げる
「すごい……。戦友なんですね?」
「ご覧の通りだ。一度肩を並べて戦った仲間は、俺にとっては最早同胞に等しい。『猿』は仲間意識の強い動物でな」
「ではテレビの前の皆さんに一言」
差し出されたマイクをレミアがとり、彼女は言った。
「ヴィラン組織とはいえ、古龍幣はこうしてHOPEと友好を結び、非合法組織からの脱却に向けて動き出したわ。色々と思う処もあるでしょうけど……長い目で温かく見てやって頂戴」
そうこうしている間に次のステージが到着したようだった。
今までにないほど派手な花火が上がっていく。
あわててインタビュアーの二人はそのステージへと向かう。
そのステージは。開いた本のような、そしてそのメルヘンが湧き出て花畑のようになっていた。
その壇上にはさっきまで他の班の花火を打ち上げていた蘿蔔とクマの着ぐるみを着込んだ遙華が乗っていた。
蘿蔔は妖精の衣装を着こみ、可愛らしくステッキを円状にかざしていくと花火が発射される。あれは特注のHANABIステッキである。
そしてそれが変身の合図なのか、蘿蔔はイメージプロジェクターでくまのぬいぐるみに変身していた。
その間に遙華は籠を片手に路上へと降りており、子供たちに飴を配っている。
蘿蔔は神輿の上で子供達から募集した花火を打ち上げながら踊った。
そして遙華があらかた雨を配り終えると、遙華自身も肩に背負ったバズーカを天高く放つ。
その花火は文字となり『たまには遊びに来なさいよ!』と読めた。
そしてその直後稲妻が光る。
それは当然バズーカによる演出だったが、会場の人間全員が轟音に見を震わせた。そして、真っ赤な禍々しい光が何本も空に上がり。
着ぐるみたちが残虐笑顔のクマさんに替わっていく。
「え? え? わたししらないわよ、これ」
直後、バンドを利用し空を滑るように襲ってきたくまさんにさらわれる遙華。
「きゃー」
「遙華!!」
そう着ぐるみを脱ぎ捨て愛銃風HANABIバズーカを構える蘿蔔。
それを止めようと群がるクマさんたち。それを蘿蔔は見事に打ち落としていく。
トリオを放ち、空から襲ってくるくまさんに光の固まりをぶつける、するとその光が当ったくまさんは地面に落ちて綺麗なくまさんに戻っていく。
「あ!」
そんなステージにくぎ付けになっている鈴音だったが、仮面の幼女がステージを上ろうとしているのに気が付いた。
「輝夜じゃないの、何をして」
そして鞄に入っていた饅頭を取り出すと、鈴音は輝夜めがけて投げつけた。
スコーンといい音がして輝夜は地面に落ちる。
直後蘿蔔が最後のくまさんを打ち抜くと遙華の着ぐるみをおもむろに脱がせにかかる。
実は遙華も中に妖精風の衣装を着こんでいたのだ。
二人は観客に手を振ると、バンドを使用し空中を滑るように移動。
そして鈴音の目の前に着地する。
雅がマイクを向けた。
「すごいパフォーマンスでしたね。見どころは?」
「見どころは花火のアートです。小さな光が合わさり一つの大きな花となるように……私達も一人ではできないことは多いのですけど
皆とならすごい結果も残せるのだと。えと、そんな感じなことを伝えたらな……って」
そう鈴音と遙華は微笑みあった。
そしてあわただしくも次のステージが二人を待っていた。
大きな円型の台座が、自走してこちらまでやってくる。
それをめがけて二人は走った。パレードを通してすべての花火を担当しているため大忙しなのだ。
「いかないと」
二人はバンドで飛びながら、花火を打ち出した。花火がアーチ状に幾本も組み合わさり、その中央を通って、今目抜き通りにステージが到着した。
第三章 ファイナルステージ
そのステージは現地調達された、様々なもので飾られていた。食べ物やら、アクセサリーやら、看板やらである。
そんな派手な見た目の割に作りは繊細で。ステージ内部にはきっちり控室が作られている、その部屋の隅でカタカタと震えているのは夕燈。
「あかん! 緊張して来たーっ! けど、頑張るで……!」
その手をアルがとる。
「大丈夫だよ、私たちはステージの上でこそ輝かれるものなんだから、だから大丈夫だよ」
「アイドル! せやな」
そんな一番の新人夕燈を中心にみんなが集まってくる。
「そう、そろそろちょっとはアイドルさんらしい事せぇへんと……気が付いたら芸人さん扱いになりそうやし!!」
そう拳を握りしめる夕燈。そして一番経験の浅い彼女へと、澄香もいのりもアイリスも、イリスも金色の方のアイリスも手を重ねる。
円陣みたいになったので、せっかくだから澄香がえいえいおー、っと言った。
「ありがとうなぁ。さすが先輩やなぁ、もう大丈夫そうや」
そしてステージ開幕。盛大に放たれる花火と、先行して登場したのはラジエルの書で召喚された、デフォルメクラリスミカ。そして多数のビット型スピーカーが空を舞う。
『ぐぎゃー』
全員で歌いながら登場、選曲は祭りの実行委員と相談して決めた、受けがよさそうな曲を改変して歌っていく。
アイドルたちは外周を等間隔に埋めるように立ち、前日祭りで出会った人たちや実行委員の人たちに手を振る。
それに歓声が返り、すっかり彼女たちはこの町でも人気のアイドルとなっていたことがうかがい知れた。
「みんな、今日は集まってくれてありがとう!」
いのりが言うと、配置が換わり、夕燈が一段高くなっているステージ中央に上った。
「うちの少ない持ち歌を歌いまーす」
そう夕燈は歌詞を広東語に変えながら、一生懸命に謳い上げる、汗を散らし、輝くような笑顔で、楽しさを胸いっぱいにして。。
それが観客の胸にほっこりした何かを残していった。
観客側で見ているAgraへ手を振る夕燈。
喝采が上がる、その瞬間転調、者悲しいながらも激しい曲調、特徴的なギターサウンドが響き渡り、そしてステージ中央にアイリスが登場する。
流れるような、銀糸でおられたドレスへと衣替えしたアイリスは、大切そうにマイクを抱え歌い始める。
「 飛べない翼、大きな桜の下
命の歌、少女の館
生きる喜びもそして悲しみも
未来も明日も昨日も今日も 」
アイリスは思い出していた、この世界に呼び出されてからの半生。としてそれ以前の自分。
「 涙が出そうな日には空を見上げてごらん
きっとほら、一筋の光が見えるよ」
世界には選択肢が豊富にある。その事実が今の自分を照らす光になっている。
「 行こう、素敵な夢があれば
涙を流れ星にかえてみせるよ
バナナムーンで迎えにくるよ
何時にだっていけるよさぁ……夢の力で
数多の光がキラキラ輝く奏多へ 」
それは自分に向けられた歌だろうか、それとも仲間に向けられた歌だろうか。
アイリスにはその時は判別がつかなかった、だが自分の胸にも染み渡るその気持ちを今は信じたい。そう思ったのだ。
「辛く悲しい時があっても、歌ーボクーを忘れないでね」
あとを引く残響、直後一瞬ステージの明りが消え、ライトアップされた中央にアルが踊りでる。
アルはエナメル質のコスチュームを診に纏っている両目の下にスリット入れて、関節部分は球体っぽいペイント。表情も意識して、人形のように綺麗な微笑みを絶やさぬように。
アカペラで響くのはもの悲しくも透き通る旋律。
曲名は【希望の音~ルネ~】
アルの持ち味が最大限に生きるように編曲されていた。
そして前サビを歌い終えると高らかに音響が響き渡り。アルは、テクノ風に女神の神話を歌い上げる。
(ボクのこの声はある意味作り物。
透き通るガラス質の声と同じものは出せないけど。
本人も……いないけど)
アイリスと夕燈のコーラスが入る。そして物語は佳境へ。
(心を込めて歌えば、偽物であるボクの声に魂が乗る。本物になる。
ボクの魂と……ルネさんの魂を乗せて、紡ぐ【魂の音】)
それは、世界の滅びを目の当たりにした水の神が。自分の全て、その体の水さえも使い切り、滅びの火を消して。
この世から消え去ってしまったが、彼女の思いや水は雨となって降り注ぎ、焼かれた大地を潤した。そんな歌だ。
(ルネさんは、春香さんの中で確かに生きている。願わくは、誰も傷つかない世界を)
その歌声は会場をのみ、歌が終わっても、全員の視線がアルに注がれていた。
そのアルはまるで電池が切れたようにその場に崩れ落ち、次の登場人物を待つ。
次のアイドルはイリスとアイリスだ。
「お、お姉ちゃん……」
「流石にこんな大舞台に1人で演じろとは言わないさ。今回は私も隣にいるよ」
「よ、よかった……ホントによかった」
「全体行動の大まかな流れは私が把握しておくのでイリスは合わせるだけでいいよ」
「ただ……個人パートでは、気合を入れて頑張りたまえよ」
「う、うん」
そして華々しk登場したのは金糸の姉妹。
二人はステージの左右を歩いているが動きは鏡合わせのようにぴったりと重なっている。
そして舞台中央で合流し、背中を合わせて歌い始めた。
それは『ルネ』に続く、二人の希望の音アレンジ。
イリスは天使の翼を、アイリスは妖精の翼を震わせて、対称なダンスを踊る。
手を握り、一瞬で立ち位置を変え、背中合わせになり。
溶け合うように共鳴をし一人に。
一瞬で共鳴を解き、二人になり。観客を驚かせた。
そして二人は再び共鳴。ステージの前側へ走りだし飛んだ。
四枚の羽で力強く空を飛ぶ演出。
そして同じように空を舞うビットから彼女の歌声が響いてくる。
荒れ果てた地に生まれた小鳥、自分は飛べないと信じていた小鳥は、その背を押してもらい始めて空を知る。
そして小鳥は自分で世界を目の当たりにするのだ。自分の生きていた荒野の外には緑が広がっているのだと。
勇気をもって羽ばたけば世界はどこまでも広がっている。
そんな歌。
次いでステージに戻ったイリスは主導権だけをバトンタッチ。
ステージ上で、滑るかのように踊るアイリス。
彼女が歌うのは見守る歌。
彼女は傷ついた大地に芽生えた最初の命だった。
だから彼女は守ることを誓ったのだ、この世界に命があふれるその日まで。
ここで愛するもの達に、愛を分け与え続ける。
そんな歌。
そして音がやむと、イリスとアイリスは空中で分離して舞台袖にはけていく。
次いでステージ中央に躍り出たのは、魔法少女クラリスミカである。
彼女は光のハートや星を振りまきながら、可愛らしくウインクすると。元気いっぱいに『太陽の音~Sol~』を謳う。
明るく乗りの良いポップスで、それは一人の少女の曲だった。
救われた世界で、その平穏が輝きがどれだけ脆く儚いか知った少女。だから今度は自分が、この世界を太陽のように照らし。たくさんの人に温もりを与えよう。
そして世界を守っていこう、そう誓った少女の歌。
曲の盛り上がりに合わせていのりが澄香に駆け寄り、抱き着くとハーモニカを奏で澄香と一緒に可愛く踊る。
そして空にたちこめる、花火の煙幕。
それを澄香は人差し指を上にあげ。そしてBフレアを放つ。
それは太陽のように赤々と燃え、会場を包む雲を払う。
そこで曲が終了。
明りも花火も一切が消え。ステージを水色の光が包む。
そしていのりの手を引いて、澄香が促す先にはステージ中央にピアノが出現。
そこに澄香はいのりを送り届けるとステージ前側に移動、輝きを極力セーブし、祈るようなしぐさのまま動きを止めた。何もしていないと見せかけて、リーサルダークで空に暗雲を作っていく。
そしていのりの指先が鍵盤を滑る。同時にビットから響く軽やかなメロディー
ポップスだが、場を穏やかな旋律が満たした。
それは『月の音~Luna~』
世界は、癒しの雨のおかげでまた息吹を取り戻した、命があふれていく世界。だえけどそこに女神さまはいなかった。
彼女は戻ってこない。だから少女は月を見ながら彼女がいた時間に思いをはせる。
その澄み切った声は切実で、聞くものの胸へと取り返せない何かへの悲しみを蘇らせる。
会場全体が、その声に飲まれていた。誰もがステージ中央で輝くいのりから目が離せない。
そして。曲が終わりを告げると。澄香が立ち上がり空にBフレアを放つ。
それは黄金の輝きを持ち、暗雲を切り割く満月となった。
うっとりとした歓声が場を満たす。
「最後に行くよ!」
直後いのりと澄香が声をかけると、舞台袖からアイドルが全員登場。明るく中国で人気のある曲をアレンジして、アップテンポのまま閉めた。
大歓声が沸き起こり、その興奮は一向に冷めぬようだった。
そんな歓声の中、取材班の面々が舞台に上ってくる。
インタビューを受けるアイドルたち。
「こっちの花火ってほんと火力が違うから日本とスケールが違ってすごく綺麗でしたね」
そう鈴音がステージを見渡しながら言った。
「プリちー……スッマ~イル」
アイリスは大はしゃぎで、澄香やいのりに抱き着きながらカメラに手を振る。
「この仮装のテーマは?」
「う~ん……、アイドル!」
歌い足りないのか元気すぎるアイリスである。
「まぁ、全体としてはそうですね。でも個別にテーマはちゃんとあって……」
澄香が言う。
「うーんとね、月かな」
いのりが補足した
「澄香の太陽と対になってるんだ。今回歌わせて貰う歌のテーマでもあるんだけど。香港も色々あったじゃない?
過去は過去として忘れずに悼む気持ちを持っていたいなって」
「そっちの姉妹のテーマはなんだンゴ?」
ハルディンが問いかける。
「ボクが天使で、お姉ちゃんが妖精です」
「はははっ この羽は自前でね、友人達には妖精の様だとありがたいコメントを頂いているよ」
「苦労した点は?」
「ぜーんぜん。ほらあのお神輿見てよ。ほとんど香港のものなんだよ。人もモノも食べ物も大好き!」
「それに、組み立てたのはジーチャンじゃし」
「あら、その間あなたは何を?」
「歌詞覚えてた。この曲ねー、歌ってって頼まれたから覚える時間が少なかったー」
「先日の戦い参加してたンゴ?」
いのりは答える
「してた。後方支援だったけどね。古龍幇の人たちとも手を取り合えたと思う」
「妾ジーチャンに任せっきりじゃからよくわかんないけど……きっとジーチャンのしてることは間違ってないと思うのじゃ!」
「きっとそうンゴ。H.O.P.E.も古龍幇も楽しんでこの祭りに参加してるから間違いないンゴ」
「古龍幇の人とは仲良くできてる?」
「きっと仲良し!」
アイリスは満足げに言った。それにいのりもうなづく。
「ボクは特に柵とかないからね。細かいこと考えるのは得意じゃないし」
「番組を見ている人に一言」
イリスがはじかれたようにその質問に答える。
「ぼ、ボクはアイドルじゃありませんからね」
「今、流行のアイドルなのだからファンは大切するべきだよ、イリス」
銀色の方のアイリスは言った。
「みんなと仲良くなりたい。アイドルだからじゃなくって……えっと、せかいじゅーのみんなとお友達になったらケンカしたって仲直り出来るんだもん」
いのりも澄香もそれに笑顔で頷くと。二人は示し合せたようにカメラへと視線を向けた。
「Helloネイ・ホウ、香港! ボクらはみんなが大好きだよ!」
とてもきれいな発音の広東語でいのりはそうしめた。
エピローグ
その後、仮装の部が終わると、表彰式があった。
そしてめでたくアイドル組がMVPをとることができた。
その後簡単に片づけもそこそこに。アルのたっての希望ということもあり。
面々は早速打ち上げにと町に繰り出していく。
「打ち上げまでに戻ってくるのよ!」
「任せて!」
そうレミアは緋十郎を連れて別行動。古龍幇の皆様の宴に参加するようだった。
「ごはんごはん」
そう元気な銀のアイリスに引き連れられ町を歩いているとグロリア社の看板がででんと大きく打ち立てられていた。
「いつの間に!」
澄香が驚きの声を上げる。
「グッズ販売のためにね」
そこにはアイリスの顔を模した饅頭やらアイリスジャム&黄金のリンゴ
「あれ、お姉さま聖水もある、え、なんで?」
「あら? まずかったかしら、取り下げる?」
クラリスの陰謀である。
その隣では饅頭を眺めながらふむふむと唸る輝夜がいた。
「ふむ。これはわらわのいた世界の大陸の食べ物、マントウによく似ておるの。」
「マントウ? ……輝夜のいた世界って案外私たちの世界によく似てたのかもね?」
そうアイリス饅頭を食べる二人であった。
「ちなみにこのリンゴはね、私のジャムにじっくりつけてあるんだ」
「私のジャムって言うとすごい響きよね、そう言えばイリスとアイリスの曲あれは題名はあるの?」
遙華は言った、ステージ上で二人が歌っていた曲だろう。
「もしないんだったら、そうね……金風の音~RERA~や守樹の音~Tyrasu~なんていかが?」
「あら、遙華の残念ネーミングセンスなんかに頼るより自分で決めた方が安全よ」
「もう、ロクト!」
「お嬢様方……」
「あ、じいや。こんなところにいたんだ」
そう店の奥から現れたセバスはそのトレイに味噌クリーム油揚げパフェが乗っていた。
「そろそろ日本の味が恋しくなるかと思いまして」
歓声を上げる女子達。
「なんで、そのチョイス?」
「アイリス様のたっての希望でございまして」
ちなみに正護は屋台の組み立てが終わると同時にこの出店の手伝いに回されていた。
グロリア社は鬼である。
そんな楽しく談笑する一行へ。雅が合流した。
「一部だけど写真現像してきたわ。思い出にどうぞ」
「私が撮ったもののもあるんですよ」
その写真の中には、準備期間中のものもあった。遙華と蘿蔔が看板にペンキを塗るうちにふざけてお互いの肌に塗り始めた写真があった。
それを手に取り蘿蔔は言う。
「遙華……今日は私の我儘につきあせちゃってごめんなさい。でもおかげで楽しかったです…ありがとう」
「謝らないで蘿蔔。わたしもすごく楽しかった」
そう笑いあう二人、今回の件はリンカー全員にとっていい思い出になっただろう。
「そう言えば、テレサさんはどうしましたか? 確かお祭りに来てるって」
「うーん、連絡はしたから余裕があればこっちに来るはずなんだけど……あ!」
そう、写真を眺めていた遙華はふと顔を上げる、すると人ごみの中にコスプレっぽい人を発見すると駆け寄っていった。
「テレサ! 久しぶり、元気だった?」
その後、グロリア社の打ち上げに緋十郎が酔った状態で戻ってきて、古龍幇の人たちもついてきてひと波乱あったのだが、それはまた別のお話。
結果
シナリオ成功度 | 大成功 |
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