本部

【東嵐】連動シナリオ

【東嵐】大回転大熊猫

gene

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/03/23 19:30

掲示板

オープニング

●香港の日常
 香港九龍支部で開催されるHOPE国際会議。その開催予定日は刻一刻と近づきつつあった。
 道行く人たちはどこかせわしなく落ち着かない様子で、誰もが忙しそうに感じられた。
 商店や飲食店、宿泊施設などは会議中のかきいれを当て込んで準備に余念がなく、メディア関係者は早々に現地入りして取材の下準備に大忙しで、現地の住人らも開催期間中の喧騒を予想してどこか落ち着きが無いようだった。
 そんな非日常の気配迫る中でも、変わらないものがある。
「ああっ、ご覧下さい! 大きな従魔に今武器が振り下ろされました!」
 リポーターがひっくり返った車の裏でまくし立て、カメラマンは腹ばいになりながらカメラを向けている。画面の中では、エージェントが大剣を振り回し、白黒模様の熊のような従魔と戦っている。
「街のど真ん中で……暴れないの!」
 エージェントが振り回した大剣が従魔をなぎ払い、塵に還す。
 そう、彼らエージェントにとっては、そんな非日常こそが日常なのである。

●マカオの日常?
 マカオの煌びやかな街に悲鳴が響いた。

 高層ビルの間を、青、赤、黄、白、黒の五色の巨大な大熊猫(ダー・シォン・マオ)……ジャイアントパンダが前回りの要領で転がってきていた。
 白いパンダは日本の動物園でも見ることができる通常の姿であるが、その大きさは通常の五倍ほどもある。ちなみに、黒いパンダは、その大きさを除けば見た目はほぼただのクマである。

 パンダたちが通り過ぎた道路にはヒビが入り、ぶつかった車には丸い凹みができた。
 今はまだ車通りの少ない道を転がっているが、この先には大通りがある。大通りに出れば、車はもちろんのこと、人もこの転がるパンダを避けることは難しくなるだろう。

 驚きと恐怖に悲鳴をあげて逃げ惑う人々の間で少女が一人、向かってくるパンダを呆然と見つめていた。
 少女の手には小さなパンダのぬいぐるみが握られていた。
「大熊猫……?」
 大好きなぬいぐるみによく似たそれに、少女は手を伸ばそうとした。

 偶然にその場に居合わせた『あなた』は、今まさに従魔と接触しようとする少女に気づき、少女を助けるために駆け出した。

解説

●目標
・少女を助けてください。
・被害が大きくなる前にパンダ型従魔(五体)を倒してください。

●登場
・パンダ型従魔
・ミーレス級
・特技:転がること
・弱点:転がることしかできないこと

●場所と時間
・マカオ高層ビル街
・日中

●状況
・五体の巨大パンダが転がっています。
・車をぺしゃんこに潰したり、ビルを破壊するような威力はないですが、一般人に当たったら大変危険です。
・絶滅危惧種のジャイアントパンダは保護の対象ですが、今回のパンダが従魔であることはH.O.P.E.が保証します。

リプレイ


「……でか」
 悲鳴が上がった方へ視線を向けると、巨大なパンダがコロコロ転がってくるのが見えた。
 その異様さと、コミカルさに皆月 若葉(aa0778)の目は一瞬点になった。
「……一体、どこからわいて出たんだ?」
 ラドシアス(aa0778hero001)は嫌悪を示すように眉間にしわを寄せた。
 若葉はパンダの目の前に少女が立っていることに気がつき、叫んだ。
「……っ危ない! ラド、助けるよ!!」
 二人は手を取り合い共鳴し、少女を助けるために駆け出した。

「エッグタルト美味かった……」と、スキップでもしそうな足取りで歩いていた骸 麟(aa1166)は、視界に入ってきた巨体に驚いた。
「何だありゃ?」
「女の子……ではないので?」
 そうボケる余裕を見せるのは宍影(aa1166hero001)だ。
「宍影、オレの前ではボケ厳禁だぜ。その向こうのゴロゴロしてる奴だよ」
 注意されても宍影はマイペースに答える。
「……パンダ戦隊ペキンゴロリンズ……でござるかな?」
「惜しい……一色色違いだ!」
 思わず乗ってしまう麟……結局のところ、二人は似た者同士ということなのだろう。
「あれはお寺の色だ。だからパンダ戦隊マカオテラリンズだな。どっちかと言うと」
 中国において青・赤・黄・白・黒は正色とされ、黄色が皇帝、青が青龍、赤(朱)が朱雀、白が白虎、黒が玄武を表す色である。
「転がってませんな……それなら生息地から考えてパンダ戦隊ポタランズでも……いや、ここは決めてローリング戦隊という手も」
「さすが宍影! キレてるぜ!」
 こんな会話をしながらも、麟と宍影は全速力で少女とパンダの元へ駆けていた。

「たく、こんな現場に遭遇するたぁメンドクセェなぁ!」
 巨大パンダを見た瞬間から眉間に深いしわを刻んでいるのはガラナ=スネイク(aa3292)だ。
「文句言う暇あるなら走る! あの子助けるわよ!」
 リヴァイアサン(aa3292hero001)は生真面目にガラナに注意した。しかし、彼女はパンダをよくよく見て、ほんのりと頬を赤らめる。
「……でも、あの従魔ちょっと可愛いかも……」
「そっちこそ寝言ほざいてんじゃねぇよ!」
 ガラナは眉間のしわをさらに深めて言った。。

「パンダがいる!?」
 なんでこんな街中に? と、不思議に思った世良 杏奈(aa3447)だったが、すぐに普通のパンダではないことを察した。
「……いや、従魔ねコレ。いくらなんでも大きすぎるわ」
 そして、すぐにルナ(aa3447hero001)と手を合わせると共鳴した。
「被害が拡大する前に早くなんとかしないと!」

 従魔の姿におぞましい記憶がよみがえり、強い憎悪をその胸に抱いたエージェントがいた。
「……」
 煤原 燃衣(aa2271)は腹の底から溢れ出る怒りが暴れ出すのこらえながら、巨大な従魔を睨みつけた。
「……殺すっ!」

「こんな街中に動物が……ってなんだあれ!?」
 GーYA(aa2289)は転がってくるもふもふ……というよりは、地面の砂やら砂利やらを巻き込んでゴワゴワしている巨体を怪訝に眺めた。
「熊……パンダかしら? かわ……いくないわね」
 まほらま(aa2289hero001)は眉をしかめ、ゴワゴワした巨体から目をそらすのと同時に一般市民へ注意を呼びかけた。
「従魔よ、みんな逃げて!」
 G-YAの目に少女の姿が映り、G-YAは「危ない!」と叫ぶのとほぼ同時にまほらまと共鳴するとツインテールを風になびかせて疾走する。


 G-YAとまほらまは共鳴すると、少女のもとへ走る。
 しかし、巨大な黄色いパンダの方がずっと少女に近い……今まさに転がるパンダが少女に接触するという瞬間、まほらまは悲鳴をあげるように自身とともにあるG-YAの名前を呼んだ。
「っ! ジーヤ!」
 巨大なパンダに少女が弾き飛ばされるのは免れないと思ったその時、ガラナが二丁板斧を握り締め、ヘヴィアタックを使用して重い一撃を繰り出した。
 それとほぼ同時に、燃衣が黄色いパンダの側面へヴァリアブル・ブーメランを直撃させた。
「動機に口出しはせん……だが、殺意の練りが甘い……わかっているな?」
 燃衣と共鳴しているネイ=カースド(aa2271hero001)は彼の頭の中で語りかける。
「……黙っててください。ネーさん、こいつは一方的に殺します」
 従魔に家族を奪われた過去……その時の感情はそう簡単に冷めるものではない。時が苦しみを解決してくれるなんて言葉は一体誰が言ったものだったのか……どんなに従魔を倒してみても、燃衣の心に深く根付いた憎悪が薄まることなどない。
「……よし。殺意を飼いならせ……飲まれたら……俺がお前を殺す……いけ」
 周囲にいるエージェントたちを確認し、燃衣は叫ぶ。
「共闘願います!」
 さらに、若葉がファストショットを使い、16式60mm携行型速射砲を黄色いパンダへ打ち込んだ。
「市街地にはちょっと不釣り合いな武器だけど……」
「……外さなければ問題ない」
 連続攻撃によりパンダの動きを多少緩慢にすることに成功し、その隙を狙って、まほらまは従魔の前から少女を抱えて横へそれた。
 一旦、少女をビルの隙間へと避難させると、まほらまと主導権を交代させたG-YAは少女の顔を覗き込んだ。
「大丈夫? 痛いトコとかない?」
 少女がぬいぐるみを抱きしめていることに気づくと、G-YAはにこりと優しい笑顔を見せる。
「かわいいね。パンダ好きなの?」
 G-YAの笑顔につられるように少女も笑って頷いた。
「鈴麗(リン・リー)!」
「っ! ママ!」
 女性の声に反応して、少女はパッと路地の入口へ目をやった。
「助けていただいて、ありがとうございました」
 少女を抱きしめると、母親はG-YAへお礼を言った。
「俺たちが従魔を引きつけている間に早く避難してください」
 それだけ伝えると、G-YAはすぐに巨大パンダの元へ戻る。
「巻き込まれ体質極まれりってトコかしらぁ?」
「まほらまの呪い、ゲージ振り切れてるよね〜これ」
 二人は頭の中で会話する。
「やーね。人のせいにしないでよ?」と、まほらまは口角をあげる。
「従魔は五体よ」
 そのパンダに立ち向かっているエージェントを見回す。
「ジーヤを助けたリンカーの他にも、何人かいるようね」
 G-YAとまほらまは息を合わせるように意識を合わせ、地面を蹴った。
「俺たちも行くよ!」


 少女が無事にエージェントたちに助けられたのを確認しながら、宍影と共鳴して忍び装束姿となった麟は街灯に登るとパンダが転がっていく先を見た。
 先ほどの連続攻撃だけでは、パンダの動きを鈍らすことが精一杯で、動きを止めることはできなかった。
「やばいな……この先は大通りだぞ!」
 エージェントたちの間に緊張が走る。
「大通りに出たら、もっと被害は大きくなりますね」
 杏奈はエージェントたちを見渡して言った。
「五体の従魔に対して、私たちは六人……効率よく倒さないといけないですね。まず、人の少ない場所へ誘導しなければ……」
「ここは大通りほどじゃないが、人も車もあるしな……車が入れない通りとかがあればいいんだが」
 ガラナの言葉に、街灯よりもさらに高い木のてっぺんへ移動していた麟が答える。
「それなら、大通りに出る手前の十字路の角を右に曲がって、一本向こう側の道に入れればなんとか……」
 麟はパンダを観察し、彼らが前へ転がりながらも時々お互いにぶつかりあい、ぽよんっと跳ね返る様を見た。

 エージェントたちはパンダの前へ回り込むとそれぞれ行動を起こした。
 燃衣は飲食店の裏口の水道を使い、水をまいて滑りやすくする。
 ガラナは二丁板斧で切りつけてはすぐに離れるということを繰り返し、パンダを苛立たせて自分に意識を向けさせた。
「ハッ! 図体でかいだけで後はまんま獣だな! 潰してやっからさっさと来やがれ!」
 決して知的な動きではないパンダをガラナは挑発する。言葉が通じているかどうかは怪しいが、どうやらパンダたちはガラナを標的と認識したようだった。
「従魔が通ります! 道を開けてください……っていうか、避難してください!」
 若葉は一般人に避難を呼びかけながらパンダを誘導した。
 杏奈は拒絶の風で回避能力を高めると、銀の魔弾を放ち、ガラナ同様、負の感情を利用してパンダの注意を引きつける。
「こっちですよ!!」
 そして、パンダが五体とも道を右に曲がったところで、道の狭さから一列に並んだパンダたちの最後尾……黒いパンダの背後から麟がジェミニストライクを使い、自身の分身とともに全力の蹴りを食らわせる。
 すると、転がる速度を増した黒パンダが前の青パンダを押し、さらにそれが……と、ビリヤードの要領でパンダたちはお互いに衝突しながら進んだ。
「骸忍術玉突乱法! 詰まったパチンコ台ってところだな」
 狙い通りのパンダの動きに麟は得意げににぃっと口角を上げた。
「……巨大なビリヤードみたいだね」
 お互いがぶつかりあうパンダの様子に若葉が呟く。


「うふふっ、久々に暴れられそうね」
 車も人もいない道を従魔が転がる様子を見て嬉しそうに笑うまほらまに、G-YAはその頭の中で注意した。
「ダメだからね!? 建物や道路壊さないようにね!?」
「もうだいぶ壊されてるようだけどぉ?」
 確かに、パンダがぶつかったところはヒビが入ったり、凹んだり、被害が出ている。しかし、壊れているから、壊してもいいというのはもちろん違う。
「熊の弱点は鼻っていうよね……パンダもそうかな?」
 若葉の言葉に、麟が言った。
「俺が試してきてやろう」
 そう言うなり、黄色いパンダの元へ駆け出した麟は女郎蜘蛛でパンダの動きを止めると、頭の上に飛び上がり、鼻先を白虎の爪牙で連打した。
 短い叫び声をあげたパンダは自分の鼻を大きな両手で押さえ、それまでよりもさらにその巨体をぎゅうっと丸めると先ほどよりも速度を上げてコロコロと転がり始めた。
 そして、どんっとビルにぶつかるたびにコンクリートにひびを入れ、窓ガラスを割った。
「鼻は弱点ですが、転がるのを止めるのは簡単なことではないようですね」
 杏奈が転がってきた黄色いパンダを横に避けながら言った。
「従魔同士のお互いの力だったら止めることもできるかもしれません」
「見た感じ、転がるしか出来ねぇだろ。誘導すんのは難しくねぇ、まとめて潰すのに一箇所にまとめんぞ」
 ガラナの言葉にまほらまが頷く。
「ぶつけあって動きを止めるのね!」
 まほらまは剣鞭を使い、転がる青いパンダの背を思いっきり打ち、意識を自分に向けさせた。
「……クマの調教をしている気分になってきたわ」
 ふふっとまほらまは楽しげに笑う。
 青はまほらま、黄色は麟、赤は若葉、白はガラナ、黒は燃衣が担当し、パンダたちが正面からぶつかり合うように誘導する。
「ここで衝突させましょう!」
 杏奈が衝突点の目印代わりに立って手を振り、パンダを待ち構える。
 コロコロと転がりながら自分に向かってくるパンダたちを見ながら、杏奈も呟く。
「……サーカスみたいね」
 パンダが衝突する直前、杏奈はサーカスの団員のように華麗に跳躍してパンダを避けた。
 誘導していたエージェントたちもそれぞれ、跳躍してパンダの後ろへと飛びのいた。
 正面からぶつかりあったパンダたちはまたしてもビリヤードの玉のように弾きあったが、何回か後転するとその動きを止めた。
 パンダたちは何事があったのか理解できないようにその顔を空に向け、パタパタと足を動かしたが、起き上がることはできず、パタパタするだけだった。
 従魔が身動きが取れなくなったのを確認したエージェントたちは、自身が誘導したパンダに一斉に攻撃を仕掛けた。
 まほらまはストレートブロウで青いパンダを地面に沈めた。
 麟は再びジェミニストライクを使い、分身とともに黄色いパンダへ孤月で切り込む。
 若葉は赤いパンダに16式60mm携行型速射砲を打ち込んだ。
「獣の対処は、罠にはめて弱らせるってな? さぁて……小細工は終わりだ。一気に叩き潰す!」
 ガラナは白いパンダにオーガドライブを使って猛攻撃に出る。
 燃衣は一気呵成を使用し、ザグナルで二度、黒いパンダへ切り込んだ。
「皆さん、離れてください!」
 杏奈の合図にエージェントたちがパンダから離れた次の瞬間、杏奈がブルームフレアを放ち、パンダの姿をしていた従魔は灰と化した。


「……ップハ! はァー……あ、危なかったァ〜……」
 緊張感から解放された燃衣はその場に倒れた。
「……テメェ」
 共鳴を解いたネイは燃衣の耳を強く引っ張った。
「いたた! 耳痛いですネーさんッ!」
「殺意の練りも吐きも……未熟過ぎる」
 そう厳しい声で叱責すると、耳を離し、ネイはパシンッと燃衣の頭を軽く叩いた。
「皆さん、怪我はないですか?」
 杏奈はエージェントたちを見回し、みんなの無事を確認する。
「あの、有難うございました!」
 少女を助けに入った際に他のエージェントたちがフォローしてくれたことにG-YAはお礼を言った。
「勘違いすんなよ。俺はあのパンダが気に入らなかったんだ」
 ガラナが後ろ頭をかきながら言った。
「挨拶が遅れちゃったけど、また一緒になりましたね。これからもH.O.P.E.の仲間としてよろしくお願いします」
 少し前の依頼で一緒になったG-YAに杏奈は手を差し出した。
「こちらこそ」と、G-YAはその手を握った。
「仲間としては認めてあげるわ。でも、それ以上の感情は持たないでよね!」
 ルナが二人の間に割って入り、G-YAに注意した。
「……ん?」
 どういうことかと首をかしげると、杏奈が左手薬指の指輪を見せた。
「ごめんなさい。この子は、私の可愛いボディーガードでして……」
「そうよ!」と、ルナは大好きな杏奈のボディーガードという仕事への誇りに胸を張った。
「ああ……なるほど」
 G-YAは小さな戦士に微笑んだ。

「お、あったあった」と、麟は灰のなかから黄色いパンダのぬいぐるみを拾った。
「それが……」
 宍影がぬいぐるみを覗き込む。
「ローリング戦隊のもとの姿だ」
 それはパンダのぬいぐるみだった。
「やっぱパンダは、白黒が一番いいかなぁ」
 若葉も白いパンダのぬいぐるみを拾って言った。
「……通常サイズであることが大前提だがな」
 ラドシアスも若葉の手のなかのぬいぐるみをまじまじと眺める。
「それをどうするんだ?」と、宍影が麟に聞いた。
「あの女の子にあげようと思って」
 麟は青、赤、黄、黒の四体のぬいぐるみを拾い、若葉から白いパンダのぬいぐるみを受け取る。
「それなら俺も一緒に行きます」
 燃衣がポケットからパンダ型のクッキーを取り出した。
「お菓子あげようと思って」

 少女に会いに行ったエージェントたちを見送ってから、リヴァイアサンはパンダ型の従魔が残した灰を見つめた。
「……やっぱり、ちょっと可愛かったな……かも……」
「まだ言ってんのかよ、お前……ったく、ほらよ」
 その場を少し離れていたガラナが、ずいっとリヴァイアサンの顔にパンダのぬいぐるみを押しつけた。
「あんなクソデケェモンよりこっちで我慢しとけ」
「……もしかして、頭打った?」
 思わぬ優しさにリヴァイアサンは怪訝な表情を浮かべてしまう。
「胸揉みしだくぞ、コラ」
「セクハラすんな!」
 リヴァイアサンは頬を膨らませてガラナを睨む。
 そんなリヴァイアサンの頭をガラナは乱暴に撫で、歩き出した。
「……」
 リヴァイアサンはパンダのぬいぐるみをぎゅうっと抱きしめると、ガラナの背に小さな声で言った。
「……ありがと」

「従魔を生み出した愚神がどこかにいるかもしれない……油断しないようにしないと……」
 今回の従魔に愚神が絡んでいるのか、自然発生的なものなのか、それはわからないけれど……油断大敵と、G-YAは辺りを見回した。
「嵐の予感……かしら?」
 まほらまは嫌な予感を抱いて空を見上げた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 捕獲せし者
    骸 麟aa1166
  • 海上戦士
    ガラナ=スネイクaa3292

重体一覧

参加者

  • 共に歩みだす
    皆月 若葉aa0778
    人間|20才|男性|命中
  • 温もりはそばに
    ラドシアス・ル・アヴィシニアaa0778hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • 捕獲せし者
    骸 麟aa1166
    人間|19才|女性|回避
  • 迷名マスター
    宍影aa1166hero001
    英雄|40才|男性|シャド
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • ハートを君に
    GーYAaa2289
    機械|18才|男性|攻撃
  • ハートを貴方に
    まほらまaa2289hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 海上戦士
    ガラナ=スネイクaa3292
    機械|25才|男性|攻撃
  • 荒波少女
    リヴァイアサンaa3292hero001
    英雄|17才|女性|ドレ
  • 世を超える絆
    世良 杏奈aa3447
    人間|27才|女性|生命
  • 魔法少女L・ローズ
    ルナaa3447hero001
    英雄|7才|女性|ソフィ
前に戻る
ページトップへ戻る