本部

一匹ヒーロー

玲瓏

形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 8~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2016/02/10 20:10

掲示板

オープニング

● 
 今年の冬は気候が温かく、作物の育ちには一切弊害を及ぼされる事がなかった。村の人々は安心して農業に勤しむ事ができるのである。大豊作とまでは行かなかったが、例年よりも良い野菜が育っている事は明確で、市場に送る際に得た収入額は昨年をはるかに上回る記録的数字となっていた。
 山奥に位置する村では、その記念にお祝いをする事になった。
「おうい、玄米酒が足りてねえや。誰か持ってきてくれねえか?」
「ん~? おかしいな。さっき会長さんが取りにいったはずだけど、まだ戻ってこねーのかい?」
「他の酒と見分けつかねえから迷ってるんじゃねーか?」
「味比べしてそのまま眠っちまってたりしてなあ!」
 祭りで使用する食べ物や飲み物を大皿に詰め込みながら、村人達の間に笑いが起こった。
「心配だから俺見てくるわ。サボんなよう」
「まっかせとけってい」
 一人が作業場を抜け出し、村民会の会長が取りにいった蔵へ向かう。作業場から歩いて二分の所にある蔵は物音ひとつなく静まっていた。
「会長ぉー。酒に見分けついてるかい? わかんねえなら俺手伝うか~?」
 蔵は引き戸で、男は戸に手をかけた。途端、左の方からがさごそと音が聞こえた。何事かと男は建物の左側面に向かうも、奥には森林へと続く草むらだけ。
 何事もなかったと知ると、戸に戻り今度こそと開け、中に入った。
「会長ー」
 それよりも、先ほどのがさごそは何だったのだろうか。


 新たな任務が発生し、あなた達はオペレーターの前へ集合した。
「O県山奥に位置する村から、迷子捜索の依頼が来ております。その村には通信設備がなく、電話をよこした村人の方は別の町まで足を運んだそうです」
 ところで、迷子の捜索の手伝いならばわざわざこんな人数を迎える必要はあるのだろうか。オペレーターはしっかりとあなた達の疑問を予め想像していた。
「村周辺を調べてみたところ、近くに愚神の存在が感知されました。従魔もおそらく、潜んでいると思われます。迷子になった人物のデータは後ほどお送りさせていただきます。山の中は通信が困難なので、なるべく集団行動を心がけるようにしてください。それではお願いします」


 少年は村から離れ、森の中にいた。
「なあ、真木(まき)、どう考えてもお前ひとりで倒せるような相手じゃない。無茶だぞ」
「じゃあ、誰がこの村を守るんだよ。ここは僕の村なんだぞ。自分の村は、自分で守る。父さんが教えてくれた……!」
「確かに真木のいう事は最もだ。だが、やられたらどうするつもりだ」
 真木は答えずに、相棒に手を伸ばした。
「共鳴の時間だ。まずは目の前の虫ケラ共を倒す」
 ――この村は僕が守るんだ。
 剣を構えた真木の目は、今や孤独のライオンが宿っていた。

解説

●目的
 迷子の人物の確保。愚神の撃破。

●人物データ
 迷子になったのは真木(まき)という十三歳の少年。村の中の唯一のリンカーで、大切に扱われている。
 行方不明になったのはその日の朝から。あなた達が村に着く頃には迷子になってから五時間が経過している。

●愚神データ
 ケントゥリオ級愚神。強靭な盾と剣、肉体は生半可な攻撃を受け付けない。動きは遅いが、この愚神の持っている剣は蛇腹剣であり、鞭のような早い攻撃を繰り出す。
 刀の姿を模した従魔を呼ぶ。自身の動きが遅い分のカバーとして従魔を使役する。

●少年はどこに?
 村の周囲は森で覆われているため、少年が森に向かったとすぐにわかる。村には隠れられるような場所がない。
 森は広く、全てを探そうと思えば一日以上かかるだろう。
 下記に、少年を見つけるヒントとなる情報を記述します。
・従魔が何者かに倒された痕跡が残っている。戦闘があったと思わせる周囲の傷跡が残っています。(木に切り傷がついている)
・血痕の後が点々と残されている。
 この二点を見つける事が出来れば、少年の確保に近づくでしょう。ただ単に探索しても二点を簡単には見つけられません。工夫が求められます。

●発見後
 真木は熱血漢で、自分一人の力で愚神を倒そうと意気込む。
「お前たちは手を出すな。愚神は僕が倒す!」
 そんな応酬をしているところに愚神が現れる。真木はあなた達の事にかまわず、英雄と共鳴して一人で突っ走るが……。

●真木の英雄
 ロアンという名前の、女性軍人の英雄。ロアンは一で突っ走る真木の説得を諦め、共鳴を許している。真木の身代わりになるのも辞さない精神を持っている。
 決して村を見捨てないという契約を、二人は交わしている。

●PL情報

・真木は家族を愚神に奪われている。その際、家族に村を守りぬくと約束する。
・村人は全員愚神に操られている。愚神は最終手段として、村人を使ってあなた達を攻撃する可能性がある。

リプレイ


「はあぁぁ!」
 風をも穿つ掌底が刃を吹き飛ばし、木に突き刺さる。そうして動かなくなったその物体を見て、真木は両ひざを崩した。出血が鋭い痛みを得て、彼の体力を著しく奪う。
「奴は……一体どこにいるんだ。村に、一歩たりとも近づけないぞ」
 技術で傷を癒した真木はすぐに立ち上がり、森の奥へと進んでいった。


 迷子の捜索願が出されていた村では、すでに十人のリンカーとその英雄たちが到着していた。大雑把に分けて聞き込み役と手掛かり調査役に分かれており、迷子の少年の行方を確実な物としていく。
「朝から昼までいないっていうことね。それは珍しい事なの?」
 中年の村人にそう聞いていたのは餅 望月(aa0843)で、彼女の隣では百薬(aa0843hero001)が主に相槌をとっている。
「真木は普段、ずっと俺たちを見守っていてくれてるから、村の外に勝手に出ていくなんて事はしないんだ。だから、誰かに攫われちまったのかもしれねえ」
「誰かって、この村の人達のうちの誰か?」
「最初はそう思ったんだけどよ。村の奴らが集合したら、真木を除いて全員いるんだ。だからここの奴らじゃねえって事は分かった」
「ふーむ。真木って子がいなくなる前の日とか、何かいつもと変わった事はなかった?」
「わかんねえなあ。強いていうなら、なんか地震みたいな物があった気がするがねえ」
 次の質問に移ろうとした望月だったが、すぐ後ろから声が掛かり村人の一人、また百薬と同時に背後に注目した。
「話している所悪いな。どうやら不自然な音を聞いた村人がいるという事だ。一応全員に知らせておこうと思ってこうして回っていた。邪魔したな」
「ううん、平気よ。教えてくれてありがとね」
 するとまた望月の背後から「あのう」と村人の声がかかり、彼女はまた振り返らなければならなくなった。
「多分、そいつは俺の事だな」
「不思議な物音を聞いた人?」
「ああ俺だ俺だ」
「詳しく聞かせてもらってもいいかな」
「勿論だ。俺から言うつもりだったからな。えーっと、とりあえず物音が聞こえた場所まで案内するぜ。ついてきてくれ」
 望月と百薬は村人の後をついていく事にしたが、來燈澄 真赭(aa0646)、緋褪は他のリンカーにも同じ情報を共有するため三人から離れた。

 物音を聞いた、という情報はすぐに伝達が行き届き、他に大した情報がないという事が分かると物音がした現地、蔵へと向かい集合した。
「むむむ……!」
 一所懸命に真木の痕跡を探しているのは東雲 マコト(aa2412)だ。迷子になった少年に関する情報……名前やおおよその身長、年齢、性別、時間帯は既に共有されているため、その情報に合致した足跡が見つかればとんとん拍子なのだが。
「いいかマコト。トラッキングの基本は足跡だ、足跡からは様々な情報得られる。いつ通ったのかどこへ向かおうとしたのかとかな」
 バーティン アルリオ(aa2412hero001)からのアドバイスを受け東雲は四つん這いになってまであちらこちらと探し回り、顔と草とをくっつける。
 探してる間、九字原 昂(aa0919)が一つだけ情報を持って合流に加わった。彼とベルフ(aa0919hero001)は村の中でも人気のない区域を丁寧に調査していた。
「獣道のような物がありましたので少し奥に進んで調べてみましたら、事件と関係があるかどうかは分かりませんが多数の木に切り傷の跡が窺えました」
「わ、すごい! 本当ですか?」
 穂村 御園(aa1362)が真っ先に九字原の成果を褒めた。
「はい。奥の方になると森に入ってしまうのでまだそこまで調査は及んでいませんが、とりあえず皆さんにその報告をするとのことで僕だけ合流させていただき、ベルフが今調査してくれてます」
「それじゃあ、もしここで何も見つからなかったら、九字原さんが見つけた痕跡の方を進んでみましょうか」
 提案者の百薬に反論する声はなかった。木に残った切り傷。どうにもこれは普通の出来事ではない。また、ベルフの報告によっては真木少年がそちらから森に向かったのは確信的に――
「あれ」
 五感の中でいうところの嗅覚に違和感を覚えたマコトは、目を瞑って違和感の正体を確認した。
「どうかしたかよマコト」
「バーティン、ちょっとここに顔を近づけてみて」
 言われた通り彼は、不格好ながらもしゃがんで草の生えた地面に顔を近づける。
「酒の匂いがする……ああ、こいつは変だな」
 二人の後ろには木が数本ばかり見える。つまり、メンバーから少しだけ離れているという事だ。普通の声でしゃべってもその話題が確認できるほどの距離だが、それでも会話をする距離ではない。普通に生活していて、そのような距離の場所に香りが残るというのは一体、どんな理由だろうか。また、酒の匂いといった事実もある。酒を踏んだ足でこの場所を歩いたという事だ。
 更にマコトは歩みを進め奥の地面にも同じような香りがしている事がわかった。等間隔に香りが残っている。
「でかしたぜヒーロー。立派な足跡だ」
 二人は一行と会話する距離まで戻ると、酒の香りが等間隔に残っている足跡を発見した事を全員にすぐ伝える。
「なるほどのう。そうなってくるとしたら、お主の出番じゃな」
 祖狼(aa3138hero001)の目先にはライロゥ=ワン(aa3138)の姿。ライロゥは獣化する事により、嗅覚と視覚、二つの感性に磨きがかかるのだ。
「勿論、サイショからそうスルつもりでシタ」
 村の方面から颯爽とベルフが戻ってくると、全員の注目は彼へと向けられる事になる。
「十五分くらい探してみたが、特に異常はなしだ。だから多分、こっちで痕跡が見つかってりゃ、こっちの道が正解なんだろうが、調子はどうだ」
「こっちの道で正解みたいだよ。足跡……と呼べるのかは分からないけど、一応痕跡は見つかったからね」
 間もなくマコトの功績は褒められ、この道から森の中へと侵入する事になった。
「……おい、真赭、そろそろ出発だぞ」
 緋褪の尻尾に寄りかかって微睡に浸っていた真赭を、マクラと布団代わりにされている当の本人が起こした。
「ん……ねえシナモンないの~? うちの好きな奴~」
「こんな山奥にあるものか。あったらそれは奇跡だ」
「ええ~」
 この迷子探し、どうなることやら想像がつきそうにもない。そんな感想を思わす出発振りだ。


 森捜索時、役に立つだろうと思われた通信機だったが、ノイズがひどく使い物になりそうになかった。最初の五分程度までは使えていた事を考えると、ドロップゾーンが展開されていると想像するのが現実的だろう。電波が通っていないせいで携帯電話の使用も期待できない。しかし、集団で行動してはただのピクニックになってしまい、迷子を探す作戦には向かない。なるべく声の届く範囲で離れて捜索する事になった。
「……ホラー映画に良く有るよね、こう言うの。段々仲間が逸れて減ってくの」
 また、望月が拡声器を借りてきた事で捜索範囲は少なくとも広がった。
「足場がちょっと悪いわね。皆、木の根っことかに気を付けて」
 水瀬 雨月(aa0801)の言う通りに足場は良好とはいえず、目先の事ばかりに気を取られれば足を掬われる危険があった。迫間 央(aa1445)、九字原、來燈澄の持つ「鷹の目」により上空からの捜索も可能となる。それに加え灰堂 焦一郎(aa0212)はスコープを使って望遠をする事も可能。
 リンカーのありとあらゆる力を使っての作戦となっていた。
「……嫌な臭イ……集落とは違いマスね」
 ライロゥは嗅覚からの感想をそのまま祖狼へと伝えた。
「森の匂いはしないな。血と獣と……これは従魔か」
「どこからか分かりマスか?」
「こうも混ざっとるとのぅ……。近づかんと厳しいな」
 ライロゥからは何十メートルか離れたところで、人探しを続けながら一つの疑問を考え込んでいた橘 由香里(aa1855)は、飯綱比売命(aa1855hero001)に胸の内を明かした。通信機が使えないため、橘は彼女に少しだけ近づかなければならなかった。
「もし、あの足跡が意図的な物だとしたら、これは罠っていう可能性もあるわよね」
「突然じゃな」
「迫間央は村自体が愚神の影響を受けていて、洗脳されている事を想定していたけど、私も賛成できる。これは罠かもしれないわよ。わざと酒の匂いをつけて、誘導したのかもしれないわね」
「お主はよく考えつくのう。じゃが、ちょいと考えすぎではないじゃろうか。わらわは何も感じなかったぞ?」
 言葉の返しようがなく、橘は再び彼女と離れて迷子の捜索を開始するのだが、村人洗脳説の仮定を捨てきれずにいた。全面的に信じる事はないが、頭の片隅に入れておいた方がよいのかもしれない。
 視点は地上ではなく空中に切り替わる。空中では三匹の鷹が飛び、少年を探していた。すると、迫間の鷹がみた森の景色に通常とは異なる模様が見てとれた。
 彼はすかさず灰堂の元へ向かう。
「灰堂、三時の方向、奥に見える地点をスコープで確認してもらえるか」
「承りました」
 スコープ越しに不吉な空間が見えた。それはドロップゾーンではなく森の一部ではあるが、自然にできたとは思えない光景だった。
 拡声器で全員に集合を呼びかけ事情を説明すると、灰堂を先頭において固まって奥へと進んだ。
「なるほど、これは確かに……」
 異様な光景を二番目に目に入れたのは水瀬で、灰堂がわざわざ招集をかけたのも納得のいく空間だった。彼女は冷静さを崩すことなく、辺りを俯瞰した。
 木々に入った深々な亀裂、それは地面にも及んでおり、極め付けは、刀が何本も地面に落ちている事であった。おおよそ自然に与えられている傷はこの刀が原因であるとすぐに想像できる。
「ひどい」
 無差別に入れられた切り傷を見た來燈澄の第一声だった。
「ふむ、ここじゃな。ライロゥ、地面をよく探してみるのじゃ」
「ハイ。――あ、これ……皆サン! コレをみてくだサイ!」
 彼の指さす先に注目する。そこに見えたのは、点々とした染み。そこから香るのは血の気。
「こ、これ血……ですよね? 御園、こういうの無理なんですよ~!」
「まだ新しい血だね。土についてるからわかりにくいけど、完全に黒くなってたらもっとわかりにくくなってると思う。もし、これが真木君のだったとしたら……」
 早速地面を調べたマコトが放った言葉による事態の一刻性は完全に高まった。真木は傷を負っている可能性が高いという事だ。
「マコト、トラッキングで重要なのは同調する事だ。現場の状況、痕跡から自分だったらどうするかを考えるんだ、お前と少年はどこか似ている気がする。普段の行いを見りゃ分かるのさ。お前ならアイツの行動をよめるんじゃあないか、ヒーロー?」
「アルは物知りだね。難しいけどやってみるよ」
 絶賛思考中のマコトの近くでは、望月とライロゥが付近を捜索していた。特に望月は血痕が続いていないかどうかを確認していた。
「また血の跡が残ってるよ」
 調査の成果は出ており、マコトの先にもまた血痕がある。等間隔に、だからこれは傷を受けたまま歩いたという事なのだ。
「もしあたしが真木君と同じ立場だったら……血の跡がこんなにも残ってるんだから、考えられる事は一つしかないね。傷を受けても、村を守ろうとしてるに違いない!」
「それなら早く見つけてあげないと」
「ああそうだな。手遅れになっちまうって事だ」
「血の跡を追ってみましょう。そうすれば辿り着くに違いありません」
「私も穂村さんの意見に賛成よ。ここで戦闘があったという事は、愚神や従魔が近くにいる事も考えないといけないから、なるべく固まって行動した方がいいわね」
「分かりまシタ。それなラ、僕が血の匂イをタドるので、先頭に立ちマス。ついてきてくだサイ」
 今度はライロゥを先端として一同は痕跡を辿っていく事となった。


 技能の使用回数を果たしたところで、真木は木にもたれかかって座り込んだ。携帯用に持ってきた缶詰の食料もなく、残るは腰にぶらさがった水筒と、ポケットの中にあるお守りだけ。
 彼はお守りを握り締めて小声で呟いた。
「逃げて死ぬくらいだったら――」
 真新しい決意を手に入れた目つきをした少年は立ち上がる。それから大きく息を吸って、大自然の息吹を体内に取り入れる。
「僕はここにいるぞ! 化け物! 村にいくなら僕を倒せ!」
 木から木へ、風から風へ言葉は運ばれていく。昼寝をしていた鳥さえ羽ばたき、その音をどこまでも伝えていく。
 勇ましさが轟いでいる。しかし、彼は気づいていなかった。彼のプライドが、耳に蓋をしてしまっていた。
 彼は気づいていなかった。背後から差し迫る従魔の存在に。
 耳の蓋をすり抜けて彼に届いたのは風を切る音。振り向くが、大抵間に合うような速度ではなかった。
「くッ!」
 真木は目の前に凶器を見た。鋭利な鉄製の刃が今にも自分を貫く準備を終えている。
 しかし準備は終えているはずなのに、従魔は少年を傷つける事はできなかった。どこからともなく射撃音が聞こえ、刃は弾き飛ばされてしまう。
「真木と思われる人物を発見しました」
 銃を下ろし、灰堂は前方を見る。彼は足を怪我しており、血痕の元はおそらくそれであった。愛想のよい九字原が少年に声をかけた。
「あなたが真木さんですか?」
「そ、そうだ。お前たち、何者だ!」
「僕たちはH.O.P.Eからきたリンカーです。あなたを探すように言われ、探していたのですが」
 一行の正体がリンカーだという事がわかると、真木は警戒を解いた。九字原につづいて水瀬が少年に尋ねる。
「どうして一人で村を抜け出すような真似をしたの?」
「朝、変な奴が村の中をずっと見ていて、絶対怪しい奴だったからおっかけたんだ。そしたら、剣の形をした魔物に襲われたんだ! あの化け物、僕を倒すつもりで魔物と僕を戦わせたにちがいないと思って、ずっと追いかけてたんだ」
「剣の形をした魔物……。その化け物っていうのは?」
「でかい体をしてて、ロアンは愚神だっていってた。あ、ロアンっていうのは僕の英雄の事だ」
「ん……という事はお主、一人で愚神を倒すつもりだったのか?」
「そこに関しては私が言おう」
 共鳴を解除して、真木の体からロアンが分離した。そのロアンが、苦渋の顔をしながらそう言って続けた。
「この子は村を守りたいと、必死の願いをしていたのだ。知っているとは思うが、あの村には私たちしかリンカーがいない。だから――」
「阿呆かお主ら」
 お主らと呼ばれた二人は口を噤んだ。
「唯一の能力者が死んでしもうたら後の村は誰が守るのじゃ。勇気と蛮勇は違うじゃろう? 大体、分別の付くそなたが止めるのを諦めてどうする!」
 ロアンは目を瞑って、言葉の真意を真正面から受け止めた。
「お主が真にその小僧の事を考えるなら、きちんと諌めぬか! 大切なのは一人で敵を仕留める事ではなく大切な者を守ることであろう!」
 少年の保護者、同時に人間の保護者である英雄の彼女に厳しい目を向けていたのは飯綱比売命だけではない。
「契約者の暴走を止めるのもわし等の役割だと思うのじゃがな? 言う事きくだけなら英雄なんぞやらんでいいんじゃないか」
 僅かな沈黙は途端に訪れた、大地の振動が掻き消した。
「なんだなんだ? 地震か?」
「少し揺れ方が違うわね。なんというか、誰かが無差別に大地に武器を叩きつけたような」
 揺れは収まり、ふとしたところで影に包まれた躯体が森の奥から姿を現した。森の中にはたくさんの影がある。それだというのに、その存在感は唯一無二なる代物と呼べた。


 リンカーを背後にして、真木は強引にロアンと共鳴した。
「真木、よせ……!」
「口を閉じろロアン。これは僕の戦いだ」
「あの人らの言葉は、全く正論だ! 無謀な戦いになる!」
 大きな躯体が歩みを踏むと、木の葉が舞う。真木は影を睨んだ。強引に共鳴を解除しないところをみると、まだロアンも迷いを断ち切れていないようだった。少年の心を大事にするか、体を大事にするか。
「貴方に村を守る使命があるように、我々には貴方を護る使命があります。どうかご理解を」
 真後ろから聞こえてきた灰堂の言葉。援護射撃を意味する言葉であったが、真木は頭を振った。
「愚神は僕が倒す!」
 聞く耳を失った様子の真木を前に、緋褪は説得を持ちかけようとするのを止めた。
「奴は言葉で言っても分からないだろう。それなら、ギリギリまで戦わせて、無理だと分からせる必要がある」
「彼、死ぬ気かもしれないわよ」
 冷静に物事を見ていた橘。灰堂と穂村は銃の射出準備を終えて、照準を愚神に合わせていた。
 真木は構えを取ると、両足を曲げて腰を落とし影へと駆けた。
「吹き飛べぇえッ!」
 自分よりも大きな影を前に怯まず、拳を握って腹部へ強い衝撃を持つ打撃を与えた。彼はこの一撃で全てを終わらすつもりで、全身を敵の攻撃範囲内に差し出している。
 そのでかい躯体は吹き飛ぶ事はなかった。しかし、強力な一撃だ。内部に衝撃を与える事はできたはず。真木は上を向いた――
「そんな?!」
 服の襟元から後頭部を大きな手に捕まれ、簡単に持ち上げられた。愚神の拳に力が込められる。
「灰堂さん! 左腕を!」
 いつの間にか木の上に登っていた穂村が、スコープを除いて発射合図を待っていた灰堂に叫ぶ。
 同時に弾が発射され、愚神の左腕に命中した。強力な銃弾を浴びた愚神は真木を地面に落とす。その隙に、迫間とヴァンクールが二人で地面で呻く真木へと駆けつける。愚神は銃弾を受けて少ししか態勢を立て直す時間を要さず、すぐに次の攻撃が繰り出された。
 うねる蛇腹剣。孤月の力で剣の軌道をずらし、ヴァンクール、そして真木への攻撃をかなわぬ物とする。その隙にヒーローが真木を後ろへ逃がすのだが……。彼はまた立ち上がって、拳を握った。愚神へと向かってまた一歩足を踏み入れた。
 怒るような射撃音が響いて、真木は立ち止まった。
「あのさ、それ迷惑なんだけど……ちょっと周り見てくれないかな?」
 真木の足元に一発使用したのは穂村だった。
 我に返った真木は、周囲を見渡す。
「御園、彼は――」
「分かってるよ、エスティ」
 無線から聞こえてくるような声はST-00342(aa1362hero001)で、彼は少年の自己犠牲の精神にシンパシーを感じていた。
 愚神の剣を抑えている迫間の背後で、ヴァンクールが真木の進む道に立って、こう吠えた。
「戦う力を手に入れてヒーロー気取りか? ヒーローをなめるんじゃあない! 無謀なのと勇敢なのは違う、このまま一人で突っ走っても死ぬだけだよ。村を守ると決めたんだろ?この戦いも生きて帰って始めたことはやり通せ!」
 水瀬の言葉も、背後から通り抜ける。
「もし死ねば村の人達は哀しむし、村も守れない。格好を付ければいいという物でもないわ」
 蛇腹剣の動きを封じていた迫間は、力をこめて剣と剣の間に火花を散らし、弾いて後方へステップを踏む。
「お前の気持ちはわからんでもない。が、お前にとって大事な事は何だ? 村や村人の安全よりも、自分のプライドの方が大事なら好きにするがいい」
 そして、少年と肩を並べ、問いただすようにベルフは言う。
「村を捨てて坊主のちっぽけなプライドを取るか、プライドを捨てて村を助けることを優先するか、坊主の好きな方を選べ」
「僕は……」
「村は破壊されても再建できるが、人の命は失われればそれまでだ」
 緋褪の最後の言葉で漸く、自分の過ちに気づいた真木は肩を落とした。その仕草が子供らしいものだ。そんな肩を持ち上げるように手を置いた本物のヒーローが、彼と顔を合わせて言葉を放つ。
「ヒーローは一人じゃあない、一緒に闘おう」
「でも、僕は……」
 今さらになって弱気になっている彼の体を、望月のケアレイが黙らした。弱気な体では、確かに弱気な言葉が生み出されてしまうもの。
「あたしたちは協力の仕方も知ってるから、一緒にやってみようか」
 真木は改めて愚神と対峙した。十人プラス一人対愚神の火蓋が切られた瞬間はまさしくたった今であった。
「皆様、愚神を発見致しました。隊列を変更して周囲を良く警戒して頑張って屠殺してきましょう」


 手始めに放たれたのは水瀬の持つ死者の書から放たれた白い羽根だ。直線を描き、真っすぐに愚神へと向かっていく。愚神は身動き一つせず羽根を迎え入れるかと思えば、瞬間的な速度で背後から二本の刃が現れ、羽根を切り落とした。
「あれが従魔ね」
 刃の形を模した従魔は持ち手の部分に黄色い目玉のような物があり切っ先をリンカーに向けて浮遊している。現れたのは二本だけでなく、次から次へと登場しはじめその数は十を超えた。
「わぁ~すごい数。うちはあの従魔達を相手するわぁ。一人じゃ足りないから何人か助っ人が欲しいわねー」
「灰堂が集中して射撃に構えられるよう、俺も従魔鎮圧に手を貸そう。遅れを取るんじゃないぞ」
「僕モ手をカシマス!」
「周りはベテランばかりじゃ……足引っ張るなよ?」
 ライロゥは分かってるといわんばかりに頷く。彼は森の中で香るにしては不自然な臭いを察知し、振り向いた。その匂いは橘が服用している薬によるものだとすぐに気づく。
「お主、また薬頼りか。無理をしすぎではないのか? あまりあの小僧を笑えぬぞ」
 心配するような飯綱比売命に、橘は有無を言わない口調で、愚神の前で今にも立ち向かおうとする真木の後ろ姿を見ながら言った。
「無茶はわかってるけど……私はあの子に勝たせてあげたいのよ」
 そういった橘は、トリアイナを握って走り出し俊足にもすぐに愚神の前に立つ。背後から複数の従魔の気配があったが、灰堂と穂村の銃が橘を庇う。
「はッ」
 勇ましい声と同時に、刃が愚神の首元へと軌道を向けて走る。寸前のところで愚神を守る従魔の刃に弾かれそれは届かなかった。
 橘の先鋒は無駄にならず、望月と九字原がそれぞれ続いた。九字原は剣を振り回し従魔からの攻撃を防ぐと、二本の剣先を両腕の関節へと向ける。そして勢いを失わず、そのまま突き刺した。
 他の従魔の動きは間に合わず、水瀬の飛ばす羽根の獲物となる。更に望月は足に向けて武器を持った腕を伸ばす。
 多方面から一斉に攻撃を受けた愚神は蛇腹剣を振り回した。三人のリンカーは瞬時に飛び退き、距離を取る。愚神の躯体は鱗のようなもので出来ており、今の攻撃はさほど大ダメージを与えているようには見えなかった。
「ブルームフレア!」
 何十もの従魔が宙を飛び交い、背後からの援護を遮断しようと役目を果たしていたが、水瀬や來燈澄の活躍は絶大で、すぐに鎮圧された。
「踊レ踊レ……深紅ノ燕ヨ舞エ!」
 ライロゥの近くを浮遊する従魔もまた、彼の技の餌食だ。この従魔が相手するには不足が多すぎた。
「案外生ぬるいわね」
 従魔が役に立つ前にほとんど破滅まで追いやられた事に気づいた愚神は、鞭のように二度剣を振るうと、片腕を前に伸ばした。
「何ヲするつもりでショウか」
 すると、倒した剣が再び浮き始めた。しかし今度は一斉に後ろに下がり、愚神が命令を下したのか、なぜか全ての刃が四方へ散った。その刃はすぐに戻ってきたが、とんでもないサプライズを用意していた。
 刃を手にした村人の姿が四方から現れ始めた。
「こいつ、姑息な……!」
「作戦追加するよ! 村人達には絶対攻撃を当てちゃだめ。気絶させるだけ!」
「もちろんよ」
「村の皆を使って……。もう許さない!」
 怒りに身を任せた真木は、危険を顧みず愚神へと一直線の道を走る。そして曲線を描いて飛びあがる。
「危ない!」
 刃の形をした蛇が、真木を襲う。まぎれもなくそれは愚神の武器。ヴァンクールは飛び上がって、自らが盾となる決意をした。
 迫間と九字原の二つのワイヤーが蛇腹剣を押さえつけようとしたが、愚神の腕力は簡単に退けた。
「東雲さん!」
 ヴァンクールは横に弾かれた。木にぶつかり、幸いにも枝に貫かれる事はなかったが、その時に得た衝撃は大きい。
「ご、ごめんなさ――」
「く……、ヒーロー、気持ちは分からなくもないけど、あまり騒げばいいってもんじゃあない」
 駆けよってくる村人達をセーフティガスで気絶させていた望月はヴァンクールに駆け寄り、傷を回復させる。
「大丈夫?」
「ああ、あんがとな。よっしゃ、まずは村人達からなんとかしないとな!」
 穂村が正確な照準で村人の剣を落とさせたが、村人は再び剣を拾った。
「この人達、剣のせいで洗脳されているわけじゃない……! それに、一体どこから出てきたんだろう」
「ST-00342はこう分析する。あの愚神は村にリンカーがいない状態を作り、その間に村人に洗脳したのだと」
 村人達の戦力は極めて低いが、一種の人質のような扱い方をされてはリンカーも大幅に攻撃手段を失う。洗脳を解く手っ取り早い手段は愚神を撃破する事。
 このままの長期戦は不利であった。
「援護致します。ストレイド!」
『照準補正・予測射撃開始』
 愚神の操る剣は木々を薙ぎ倒し、無差別に攻撃をしかける。その範囲内には村人も含まれていて、何人かが宙を舞う。
「くそッ――」
 吠える真木を退けて愚神に突撃したその姿は橘であった。
「こいつの攻撃は私が封じるから、その隙に他のみんなと力を合わせて集中攻撃を掛けなさい!」
「封じるって、どうやって!」
 彼女は自ら範囲内に飛び込んで、蛇腹剣の攻撃を自分へと向けた。その攻撃を三叉戟で正確に絡め取り、地面に突き立てる。
「長くはもたないから、きっちり決めるのよ。そして、生きて帰って村の人達に報告しなさい。僕が村を守ったよって……!」
「よし、連携攻撃だ!」
 飄々と木々を移り行く影はライロゥであった。従魔と村人の攻撃など彼の素早さの前には無力だ。そして空中から魔弾を飛ばす。
「走レ走レ……銀ノ狼ヨ穿テ!」
 魔弾の後を追って走り抜けるのはヴァンクール。
「いくぜぇぇぇッ!」
 蛇腹剣が封じられている愚神は、次なる手は盾による防御しかない。ヴァンクールのオーガドライヴの受付を拒否しようと盾を前に突き出したその手は、しかし前に出る事はなかった。
「無駄な足掻きだ。諦めろ」
 森の中で潜伏していた迫間が、二本の刀で愚神の隙をこじ開ける。愚神は真正面から攻撃を受けた。
 連撃はまだ終わらない。
 すぐ後ろに続いたのは九字原だ。従魔の妨害を剣で弾きながら突き進む。愚神は橘と迫間の拘束を脱しようとしたが、猫騙によりその行為はやはり無駄となる。
 二本の刀が今度は、躯体の首元に刺さる。角のように体から生えているようだった。
 弱まった愚神の視界には、分身しながら駆けるオッドアイの狐の姿があった。更に彼女を纏うように、幾本かの白い羽根も同時に。
 分身と本身の斬撃が、急所に当たる。
「それじゃトドメよろしく」
 真木はバック転を繰り返し助走の距離をつけてから走り始め、道の途中で両足で大きく地面をけって飛び上がった。
「これが僕の全力だッッ!」
 愚神に向かって足を伸ばし、その方向へと落ちてゆく。二体の従魔が彼の軌道を妨害したが、二つの弾丸が火花を散らして従魔をどけた。
 足が腹部を強打する。一撃だけじゃ倒れない。なら、何度も何度も! 蹴り飛ばすまでッ!」
「はぁあああッ!!」
 空中で、両足を突き出して何度も何度も強打した。そして両足で愚神の頭を思い切り蹴り飛び上がると、体を高速で回転させ足から炎を出し、熱風を交えて愚神へと直撃する。勝負を一気に詰めた。


 洗脳は解けたが、村人達は意識を失ったまま倒れていた。
「よくやったな、ヒーロー」
「うん、でも……」
 倒れた彼らを見た真木が自信を無くして答えた言葉はこうだった。
「みんなを心配させて、危険な目に合わせて。もしかしたら、みんなは僕の事を嫌いになったかもしれない……。それくらい、僕は悪い事を」
「それはありません」
 灰堂は地面に座り込んだ真木の耳元で、たった一つのカセットテープを再生した。彼は戦闘中、これだけは壊すまいと守っていた。
 ――おい、真木! 皆、待ってるからな。今日はお祭りがあるんだ。美味しい食べ物も飲み物もたくさんあるぞ? だから帰ってこいよな。皆、待ってるから。
 何も飾らない言葉。
 真木は顔を歪めたが、汚れた腕で目元を拭うと立ち上がった。
「みんな、ありがとう。……最後に、村のみんなの傷の手当てとか、運んだりとか、手伝ってくれる……かな」

 本部に連絡を終えた迫間は、マイヤ サーア(aa1445hero001)に茶化した言葉をかけられた。
「厳しい事を言っておきながら、しっかりとあの子を守っていたのね」
「そういう依頼だったからな。結果的にうまくいったしな」
 今では真木は、すっかりメンバーに馴染んでいた。最初は我がままだった子供が、すっかり。
「イメージプロジェクター持ってきたのに、結局使わなかったなぁ」
「ヒーローならよくある事だぜマコト。ヒーローってのはいつもそうなのさ。必殺技や道具を準備したものの、使い道がなくなっちまうってのはな」
「だからといって準備を怠るのは?」
「愚かなこったあ」
 強敵との闘いに疲れたメンバーは、緋褪の尻尾の世話になっていた。來燈澄はもちろんの事、百薬もその隣で。
「私の尾をなんだと思っているんだろうか。布団じゃないはずなんだがな」
「あたしもお邪魔していい?」
「お前、今の私の言葉を聞いていなかったのか……」
 そんな微笑ましいリンカーの一面を見た真木は、いつしか家族を思い出していた。真っ青な空を見上げて、家族に、そして村の人達に言った。
「僕が村を守ったよ。みんな!」
 木から木へ、風から風へ言葉は運ばれていく。昼寝をしていた鳥さえ羽ばたき、その音をどこまでも伝えていく。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 単眼の狙撃手
    灰堂 焦一郎aa0212
    機械|27才|男性|命中
  • 不射の射
    ストレイドaa0212hero001
    英雄|32才|?|ジャ
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 難局を覆す者
    アムブロシアaa0801hero001
    英雄|34才|?|ソフィ
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • 真実を見抜く者
    穂村 御園aa1362
    機械|23才|女性|命中
  • スナイパー
    ST-00342aa1362hero001
    英雄|18才|?|ジャ
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 終極に挑む
    橘 由香里aa1855
    人間|18才|女性|攻撃
  • 狐は見守る、その行く先を
    飯綱比売命aa1855hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • 血まみれにゃんこ突撃隊☆
    東雲 マコトaa2412
    人間|19才|女性|回避
  • ヒーロー魂
    バーティン アルリオaa2412hero001
    英雄|26才|男性|ドレ
  • 焔の弔い
    ライロゥ=ワンaa3138
    獣人|10才|男性|攻撃
  • 希望の調律者
    祖狼aa3138hero001
    英雄|71才|男性|ソフィ
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