本部

いつだって狐は美人にしか化けない

白田熊手

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 6~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
少なめ
相談期間
6日
完成日
2016/02/08 20:04

掲示板

オープニング

●栃木県那須市湯本・某旅館『女湯』
「んーっ……!」
 詰まった様な呻きを漏らし、イルミア・フローレント(az0015hero001)は露天風呂の中で思いっきり全身を伸ばす。
「くはぁ……!」
 そして、限界まで伸ばした体から一息に力を抜く。急速に弛緩した筋肉へ温もりが一気に染み渡り、イルミアの全身をジンジンとする快感が包む。
「ふあぁ……」
 イルミアは満ち足りた様に溜息を吐き、力の抜けた体をそのまま湯の中に揺蕩わせた。
「ふふっ……イルミアさん、気持ちよさそう」
 常になくリラックスした様子のイルミアに、隣で湯に浸かる潤巳リナが小さく笑って言う。
「んー……最近、大きな作戦が続いたからね」
 生駒山で行われた一連の作戦はどれも困難を極め、命の危険を感じた事も一度や二度ではない。いつも元気なイルミアだが、激戦による疲労は少なくない。
 この温泉へ休養に来たのも、それを気遣ったリナの発案によるものだ。
「HOPEのお仕事って、やっぱり大変なんだ」
「そうね、愚神や従魔はどんどん強くなるし……」
「ちょっと、心配だな……」
「でも、大丈夫よ。アキラと二人なら、どんな困難でも乗り越えてみせるわ」
「う、ん……そうだよね」
 リナは少し複雑な面持ち頷く。イルミアの言葉からは、アキラに対する強い信頼が感じられた。それは、良い事なのだろう。けれど、イルミアとアキラの心が、幼い頃からずっと一緒だった自分よりも近くなってゆく事に、リナの心は僅かに曇る。
(やっぱり、能力者と英雄の絆って、唯の幼なじみよりも強いのかな……?)
「そうだな、俺とイルミアなら、どんな困難でも乗り越えられるよ」
 表情を曇らせるリナとは対照的に、和波アキラ(az0015)はイルミアの言葉に力強く応えた。
「……え?」
 一瞬の沈黙の後、リナの動揺した声。
「調子に乗っちゃ駄目よ。ニンフェットの時なんか、危なかったわ」
 だが、イルミアはそれに気づかず、アキラを軽く窘める。
「実際あの時は……」
「……ちょ、ちょと待って! 何でアキラ君が居るの!?」
「……え?」
 驚きの声を上げるリナに、イルミアがきょとんとした声を上げる。
「だって……ここ女湯だよ!?」
「えっ……あっ!?」
 イルミアは慌てて声がした方を見る。見慣れた顔がこちらを見ていた。その顔は、間違いなくイルミアが契約する能力者、和波アキラのものだ。
 イルミアは一瞬呆気にとられ、それからハッとして自分の体を見る……風呂なのだから、当然裸だ。
「なっ!? なぁっ……!?」
 イルミアはバチャバチャとお湯を跳ね上げ、アキラの視線から慌てて自分の体を隠す。
「どうしたの、イルミア?」
 その様子を、アキラは不思議そうな顔で見つめた――。

●『男湯』脱衣所
「はぁ……気持ちよかったな」
 風呂から上がりの体をリクライニングチェアに横たえ、アキラはのんびりと呟く。
「たまには……こういうのもいいな……」
 湯上がりの気怠さに、アキラの瞼が緩やかに落ちようとしたその時、ドタドタというけたたましい足音が脱衣所に響く。
「……なんだ?」
 不審に思ったアキラが目を開くと、そこには見慣れた顔。
「イルミア!?」
 何故かすごい形相をしたイルミアが、一直線にアキラの方へ向かってくる。
「お前……ここは男湯だぞ!?」
 イルミアはアキラの問いには答えず、彼を睨み付けた。
「アキラ……」
「う、うん……?」
 その気迫に押され、アキラが思わず身を引いた瞬間――。
「おわぁ!?」
 イルミアの突き出した煌銀の槍が、アキラの頬を掠めリクライニングチェアに突き刺さった。
「あ、危ない……何すんだ、イルミア!」
「あんな大胆な事をしておいて、白っばくれるつもり!?」
 イルミアは引き戻した槍をくるりと返し、柄をアキラの頭に向けて振り下ろす。
「ちょ……!?」
 一応手加減はしている様で、何時もより攻撃速度は遅い。アキラはチェアから転がり落ち、何とかその一撃を躱した。
「ま、待てよ、イルミア!」
「待てないわよ! 乙女の素肌を見ておいて……万死に値するわ!」
「な、何のことだ?」
「女湯に入ってきたじゃない!」
「女湯!?」
「そうよ!」
 そんな覚えはない。だが、イルミアは話を聞いてくれそうになかった。再び槍の柄が振り上げられ――。
「濡れ衣だ!」
「待ちなさい!」
 アキラは素早く跳ね起きると、それが振り下ろされるより先に、脱兎の如く脱衣所を飛び出す。イルミアもそれを追う。
 だが、追跡劇とはならなかった。脱衣所を飛び出したアキラは、すぐに近くに居た女性と衝突する。
「うわっ!?」
「きゃっ!」
 彼女を巻き込んで転倒するアキラ。
「す、すみま……せん!?」
 慌てて起き上がり、アキラは女性に謝罪する。だが、女性の顔を見た瞬間、アキラの言葉が止まった。
「イル……ミア?」
 女性の顔は、まさに今彼を追いかけてくるイルミアのものだ。混乱し、硬直するアキラの背後から、もう一人イルミアが現れる。
「逃がさないわよ! 絶対に許さな……って、え?」
 だが、彼女もまた、アキラと共に床に転がる女性の顔を見て動きを止めた。
「え……私? えっ? えっ?」
「どういう……事だ?」
 硬直する二人を前に、床に転がった方のイルミア(?)はクスリと小さく笑い、両腕をアキラの首に回す。
「アキラったら、大胆ね……」
「大胆って……え? なに? 何のこと?」
 想像を超えた事態に混乱するアキラ。
「こんな所で押し倒すなんて……二人っきりになるまで、待てなかったの?」
 そう言うと、イルミア(?)は首に絡めた腕を引き寄せ、彼の唇に自分の唇を寄せる。
「えっ? いや………駄目だよ、イルミア(?)……そんな……!?」
 明らかに不自然な状況。だが、アキラも思春期まっただ中。イルミア(?)の積極的な誘惑につい流されてしまいそうになる……しかし。
「何してるのよ!」
 白い肌を真っ赤に染めたイルミアが、槍の柄を振り回して二人を引き離した。
「うわぁ!?」
「キャン!」
 アキラとイルミア(?)は槍を避け、慌てて身を離す。
 異変はその時起きた。不自然な体勢から飛び退いたせいで、床に尻餅をついたイルミア(?)の姿が、なんと小さな狐の姿に変わったのだ。
「き、狐……!?」
 こちらも尻餅をつきながら、目を白黒させるアキラ。子狐はその目の前を、慌てた様子で逃げ去った。だが、イルミアには分かった。それが唯の狐ではない事が。
「違うわ! あれは……従魔よ!」

解説

●状況
 連戦と疲れを癒やす為温泉に来た和波達ですが、ここでも従魔に遭遇してしまいました。皆さんも同じく、たまたま事件に遭遇します。とはいえ、特に目的というものはありません。従魔を捕まえてもいいですし、無視して温泉や施設を楽しんでもOKです。ただし、従魔は皆さんのライヴスを狙って来ます。

 従魔は変身能力を持つ上、変身相手の恋愛的な好みを察知でき、皆さんにとって魅力的な異性(同性)に変身して誘惑をかけてきます。
 変身能力は万能でなく、一度見たもの(参加PC及び参加英雄、アキラ、イルミア、リナ)にしか化けられず、記憶や癖などもコピーできません。
 対象を誘惑できそうな人が旅館に居ない場合、英雄が参加しているなら英雄に、参加していなければ二十歳頃の妖艶な女性に化けます。

 旅館の主な施設は「露天風呂」「ロビー・ラウンジ」「遊技場」「売店」です。ロビー・ラウンジには休憩用のチェアがあります。遊技場には古いゲーム筐体と卓球台。売店では、温泉まんじゅう等のお土産ものが売っています。
 シナリオ開始時の所在地は上記の四カ所か自室でお願いします。能力者と英雄は別の場所でもOKです。

 シナリオスタートはOPの直後で、皆さんはまだ従魔の存在を知りません。実際に遭遇するか、和波達に遭遇すれば事態を把握します。和波達の現在位置は「露天風呂」です。

●登場
 イマーゴ級従魔『一尾』
 子狐の従魔。対象の心を少しだけ読み、好みの異性(同性)に変身し誘惑します。戦闘力は皆無。非リンク状態で軽く殴るだけで唯の子狐に戻ります。数は不明。

『潤巳リナ』
 小柄でおさげなアキラの幼なじみ。ふわふわしてるけど清楚なしっかり者。

●追記
 PCにとって魅力的と感じる人が、参加PC及び参加英雄、アキラ、イルミア、リナの中に居た場合、従魔はその人物に化けます。そのような人物が居ればお教え下さい(誘惑された時の反応なども)。

リプレイ

●旅情
「やー温泉とか久しぶりだけどやっぱ最高! ナトくんも気持ちよかった?」
 湯上がりの身体を休めようとロビーにやってきたシエロ レミプリク(aa0575)は、頭に張り付くナト アマタ(aa0575hero001)に聞いた。
「……♪」
 ナトはシエロの頭をキュッと抱きしめる。頭部に感じるナトの体温。
「そっかー」
 言葉より明らかな返答にシエロは相好を崩す。ラウンジにあまり人影はなく、緋褪(aa0646hero001)が一人酒杯を傾けている。シエロは湯上がりの体をソファに沈めた。
「はいお小遣い♪ 無駄遣いしちゃダメだよー?」
「……(アリガトー)!」
 お小遣いを受け取ると、ナトはトコトコと売店へ向かった。その後ろ姿をシエロは堪らぬ様子で見送る。
「ああもう歩いてるだけで可愛い……!」
 売店に入ったナトは、まっすぐにお菓子コーナーに向かった。その後ろを、●ュービーのストラップ持ったAlice(aa1122hero001)が通り過ぎる。
「狐好きな桜花の分も買って行こう♪」
 Aliceはそのまま会計を終え、部屋へと向かう。
「温泉まんじゅう、温泉たまご、うまいものいっぱいじゃのう♪」
 一方、土産物コーナーでは飯綱比売命(aa1855hero001)が饅頭を食い散らかしていた。
「……温泉稲荷寿司とか温泉あぶらげはないものか」
 空になった饅頭の袋を潰し、飯綱比売は口に食べかすを付けたまま次の獲物を探し……見つける。
「何か、可愛いのがおるのう」
 飯綱比売はぺろりと舌を回した。

「良いお湯だったでござるな!」
 温泉で日頃の疲れを癒やした小鉄(aa0213)は、すっきりした声でそう言い放つ。
「ねぇこーちゃん、皆へのお土産って何が良いかしら」
 はしゃぐ小鉄の袖を引き、稲穂(aa0213hero001)はそう聞く。
「む、さっぱり何が良いやら……」
「……聞いた私が悪かったわ」
 小鉄の返答に稲穂は溜息を吐く。その心知らず、遊技場の前に差し掛かった小鉄は卓球台に目を止めた。
「む、卓球台……米殿、一勝負と参らぬか?」
「一勝負するッスか!」
 小鉄の誘いに、齶田 米衛門(aa1482)は元気よく応える。稲穂は少し頬を膨らませた。
「んじゃオレは……稲穂! 土産屋行こうぜ!」
 スノー ヴェイツ(aa1482hero001)は気にした様子もなく、稲穂を売店に誘う。
「オイの必殺スマッシュお見舞いするッスよ!!」
「拙者、本気で行かさせて頂くでござる」
 既に小鉄達の心は卓球に向いている。
「馬鹿共放っておいて行こうぜ……ししょく、ってのねぇかなぁ」
「そうね、行きましょう」
「二人きりっての、初めてか? ま、ホレ飴やる飴」
 スノーから手製の蜂蜜金柑飴を受け取り、稲穂は小鉄達と別れ売店へ向かった。
 その後ろを、一匹の狐が過ぎ去た。狐は客室の方へ向かい、キョロキョロと辺りを見回し……不運にも、偶然部屋を出た鈴音 桜花(aa1122)に姿を見られる。
「可愛い!」
 狐好きの桜花は子狐を捕まえようとする。しかし、子狐は俊敏に身を躱す。子狐を捕まえ損ねた桜花は床に体を打ち付けた。
「いたた……意外とすばしっこいわね」
 桜花は立ち上がり辺りを見回す。子狐の姿はない。
「……あっちかしら?」
 桜花は見当を付け、そちらに向かった。
 入れ替わる様に、ユリア シルバースタイン(aa1161hero001)とマックス ボネット(aa1161)が露天風呂へと続く廊下に姿を見せる。
「露天風呂って初めてです」
 ユリアは初めて見る旅館の風情にはしゃぐ。マックスは浴衣の帯を気にしていた。英国人のマックスに浴衣は難物らしく、不格好な着こなしだ。
「オヂ様、じっとして下さい」
 見かねたユリアが、マックスの帯を直す。
「悪いな」
 バツ悪く言い、マックスはふと思う。
(温泉旅館に来てみたが、傍からはどう見えてるもんかね。親子……いや、そこまでオッサンでは無いはずだ、まだ断じて。上司と部下……どっちが偉そうかはすぐ分かるだろうし、これも無いな……)

●湯情
 Aliceは何故か、一尾の化けた桜花と温泉に浸かっていた。一度部屋に戻ったのだが、何故か桜花は部屋におらず、仕方なく一人で温泉に来た所、本物の桜花に追い詰められた一尾に遭遇し、それと気付く前に桜花に変身されてしまったのだ。
「ふぅ、気持ちいいですねぇ」
 Aliceはのほほんと目を閉じる。桜花に化けた一尾はそれを見計らい、脱衣所へ続く扉を静かに開けた。ここに居ては、いつ本物の桜花と遭遇するか分からない。
 だが、一尾は不運だった。脱衣所への扉を開けた先には正に、一尾を探しに来た桜花の姿が居た。既に戸は開けてしまっている。一尾は咄嗟に姿を変え、今度はAliceに化ける。
「あら、Alice……来てたのね」
「ええ、まあ……」
 窮余の策だったが、何とかこの場だけはしのぐ。一尾はほっと胸をなで下ろした。だが、その安心はつかの間だ。
「丁度いいわ、一緒に入りましょう」
「え、それは……」
「……どうしたの、早く入りましょう?」
 だが、一尾の思いなど知らぬ桜花は、Aliceに化けた一尾を強引に露天へ連れ込む。中には本物のAliceが居る……最早如何ともし難い。
「あら……?」
 露天に入った桜花は、そこに居るAliceを目にし驚きの声を上げる。それは、自分と同じ顔を見せられた本物のAliceも同じだった。
「だ、誰ですか? もしかして生き別れの家族?」

「むむ、お土産って何選ぶか悩むわね……」
 小鉄達と分かれ、スノーと共に売店を訪れた稲穂は、土産物を両手に持ち真剣な表情で睨み付ける。
「スノーちゃん、この温泉卵饅頭っていったいどんな味なのかしらね」
「ししょくになかったからなぁ……」
 スノーは試食用の饅頭を口に放り込みながら答える。
「一つの箱に沢山入ってるのがお手頃かしら……ねぇ、スノーちゃん、やっぱりお土産はこのお饅頭詰め合わせが良いかしら……沢山入ってるし」
「稲穂、あんまり節制し過ぎっと散財しやすいからよ、程々に使った方が節約には良いぜ!」
「そうかもだけど」
 言いつつ、稲穂はまた土産物を睨み付ける。
「にしてもアイツら楽しそうだよなぁ、男の友情って奴か……」
 そう言い、また一つ口に饅頭を放り込んだスノーの目に、奇妙な光景が映る。

「のう、お姉さんと遊ばぬかえ?」
 飯綱比売はお菓子を買いに来たナトにちょっかいを掛ける。通報待ったなしの光景だが、幸いナトは訳が分かっていない。
「……?」
「ううむ、ちと幼すぎるか……」
 きょとんとした表情のナトに、流石の飯綱比売も諦め気味に呟く。と、突然背後から、太い腕がナトに差し出された。
「何じゃおぬし?」
 飯綱比売が怪訝は顔をしたが、腕を伸ばした男は気にする事なくナトに微笑みかける。ナトは男の大きな体と太い腕をまじまじと見つめた後、にっこりと微笑みその腕に飛び込んだ。
「ハハハ、高ーいでござる」
 男はそのナトを高く抱き上げ、自らの肩に乗せる。ナトも男も上機嫌だ。
「おばさんより、お兄ちゃんと遊びたいでござるよな?」
「おばさん!?」
 ナトを肩車し勝ち誇る男の言葉に、飯綱比売は柳眉を逆立てた。

「小鉄……なんでこんな所に?」
 男は、齶田と卓球をしているはずの小鉄だ。スノーは不審な表情でその光景を見つめ、饅頭を口に放り込む。
「もう勝負が着いたのかな?」
 そう言って饅頭を口に放り込むスノーの首に、後ろから腕が回された。
「よっ♪」
 腕を回してきたのは、満面に笑みを浮かべた齶田。
「米ちゃん、もう卓球終わったの?」
 突然現れた米衛門に、稲穂は驚いた様子で聞く。
「卓球? そんなのより、君達の方が大事さ」
「米ちゃんどーしたの? まさか昼間っからお酒でも飲んでるんじゃ……」
「何かおめぇ違ぇな……誰だ?」
 明らかに不審な様子の齶田。スノーは首に回された腕を取り、捻りあげる。
「ちょ……痛いよハニー!」
 齶田の悲鳴。それと同時に、飯綱比売の怒声が響いた。
「誰がおばさんじゃ!」
「アウチ!」
 小鉄の尻に一発。軽い蹴りだったが、小鉄の姿は煙と消える。
「な、何じゃ?」
 後に残ったのは、きょとんとして床にへたり込むナトと、一匹の子狐。違和感がすっと胸に落ち、稲穂は齶田の頭に手刀を叩き込んだ。

 ドタドタと喧しい足音に、露天風呂に向かっていた來燈澄 真赭(aa0646)は足を止める。
「行ったわよアキラ!」
「分かってる!」
「きゃっ……!?」
 男女二人の怒声。そして、真赭の顔にモフモフが激突する。
「な、何?」
 真赭は持っていた風呂道具を放り出し、慌ててそれを引き剥がす。
「……狐?」
 真赭の顔から引き剥がされた子狐は、身体をプルプルと振るわせ、怯えた様子でこちらを見ている。
「捕まえた!」
 その子狐をひったくる様に、眼鏡の少年が手を伸ばす。真赭は反射的に子狐を庇う。
「こんな小さな子を苛めるなんて、最低ですよ!」
「あ、いや……苛めてるわけじゃ」
 真赭に叱責され、狼狽する少年を制し、金髪の少女が前に進み出る。
「その子狐は従魔よ……可愛く見えても危険なの」
「従魔?」
 真赭は腕の中の子狐を見る。尻尾を丸めて縮こまり、不安そうな目で真赭を見返している。このモフモフが、従魔。
「説明しなきゃいけないわね」
 金髪の少女、イルミアは真赭に先程起こった事件を話す。言葉に嘘はない様だ。何より、真赭もリンカーだ。子狐が従魔である事は何となくわかる。
「そういうことなら、お手伝いします」
「助かるわ……ありがとう」
 協力を約束した真赭に、イルミアは礼を述べる。流石に放置は出来ないし、それより子狐をモフる機会は逃せない。イルミアと互いの連絡先を交換した後、真赭は相棒の緋褪に連絡を入れた。

「子狐の従魔がいるみたいなのでモフってくる。共鳴が必要なら呼ぶからその時はよろしく」
 ラウンジで連絡を受けた緋褪は、酒杯に口を付けたまま横目でその文字を読み……放置する。
「まぁ、いざとなったら連絡来るだろ……」

●欲情
「ふぅ……」
 のんびりと湯に浸かった黒金 蛍丸(aa2951)は、そう大きく息を吐いた。軽く逆上せたかもしれない。そろそろ上がろうかと考えたその時、湯煙の中から声が響く。
「蛍丸様……」
 蛍丸の体が固まる。聞き間違えるはずもない……だがここで聞くはずのない声だ。
「詩乃……さん?」
 声は、蛍丸の英雄、雛守 詩乃(aa2951hero001)のものだ。
「ど、どうしたんですか? ここ、男湯ですよ!?」
「知っています……」
 湯煙に詩乃の姿が映る。蛍丸は慌てて影に背を向け、真っ赤になって俯いた。
「し、知ってるなら……」
 やっとの事で声を絞り出す。詩乃のしなやかな指が肩に触れた。
「私の事、お嫌いですか?」
 触れた指が軽く引かれ――蛍丸の背に柔らかな感触が伝わる。

 蛍丸が緊張を強いられるその同じ湯で、マックスは完全にリラックスしていた。
(休める時に休んどかないとな……)
 勤勉な質ではない。無視をしてまで働くなど真っ平だ。
(それにしても、こう、なんだ。もうちょっと旨い話とか無いもんかね、この仕事って奴は……よくぞ助けてくれました、こちらはつまらない物ですが、とか、お礼の代わりにとかよ)
 都合の良い事を思いながら、マックスはノホホンと湯に浸かる。そんなうまい事は起こらないのだ。のんびりしても罰は当たるまい。だが、童話の様な幸運も偶にはある。
「オヂ様……」
 湯煙の向こうに女性の影が浮かんだ。だがその声は――旨い話?
「……冗談だろ?」
 マックスは口の端を歪めた。

「こうして温泉に浸かっていると、故郷を思い出すわね……今年は任務で忙しくて帰れなかったけれど……」
 湯に身を浸し、橘 由香里(aa1855)は感慨深げに呟く。去年は聖夜に重症を負い、今年も無理に依頼をにこなしている。今日ぐらいはゆっくり体を休めたい。
「由香里~」
 だが、それは空しい願いの様だ。湯をかき分けこちらに来るのは、飯綱比売。彼女とお風呂に入って、余計に疲れなかった事はない。
「……どうしたの?」
「由香里と一緒に入りたかったのじゃ」
 飯綱比売はそう言うと体を由香里に寄せ、背後から腰に手を回す。
「わらわはー、由香里が大好きなのじゃ」
 飯綱比売は腰に回した手を滑らせ、胸を撫でた。由香里の眉間に皺が寄る。
「のぅ……いいじゃろ?」
 飯綱比売は胸に置いた手に少し力を込め、由香里の首筋に唇を――露天に鈍い音が響いた。由香里の手刀が飯綱比売の脳天に炸裂したのだ。
「飯綱比売! そういう冗談はやめなさいっていつも言って……え?」
 怒気を発し振り向いた由香里の目に、破廉恥狐の飯綱比売ではなく、気絶した子狐の姿が映る。
「これは……従魔?」
 気付いたその瞬間、絹を裂く様な悲鳴が響く。由香里は反射的に悲鳴の方へ走る。湯煙に三つの影。悲鳴はそこから聞こえた。
「今の悲鳴は……!」
 影に向かい由香里は叫んだ。
「んふふ……どっちの体も柔らかいわぁ」
 しかし、そこに居たのは二人のAliceを楽しげに撫で回す桜花だった。
「助けて下さ~い!」
 片方のAliceが由香里に助けを求めた。悲鳴の主は彼女らしい。由香里は我に返り、湯をかき分けて桜花に歩み寄る。
「何をしてるんですか!?」
「何って……ねえ?」
 桜花だがAliceの頬に自分の頬を寄せ、そのまま唇を軽くあてる。
「んっ……!」
 Aliceがくすぐったそうに身を捩る。由香里も飯綱比売によく悪戯される。だが、桜花のキスはそれよりもずっと艶っぽく、見ている由香里まで頬が熱くなった。
「っ……!」
 由香里の耳に、再び悲鳴が聞こえた。由香里は桜花を放置し悲鳴の方へと走る。
 それを見送り、桜花はクスリと笑った。そして一方のAliceを抱きしめ、唇を重ねる。共鳴のメソッド。二人の姿は溶け込むように混ざり合う。後に残ったのは、自力で逃げる気力を失った一尾。桜花はその耳に唇を寄せ、囁く。
「色んな女の子に変身してくれたら、見逃してあげても良いわよ?」

 温泉に浸りながら、ユリアは微かに残っている記憶を思い起こす。自分の育ちのこと
『父親』という言葉に触れる度に沸き起こる、拒絶と憧れが混ざったような、何とも説明のつかない感情のこと……そして記憶の中の『マックス』さん、断じてあのオヂ様ではない。誰なんだろう……父ではないし……恋人? 何か違う。
 ゆったりした時間は感傷を呼び起こした……だが、それをぶち壊す男が湯船に颯爽と現れる。
「よう、ユリア! 俺も一緒に入るぜぇ!」
「オ、オヂ様!?」
 その姿は紛う事なきマックス。ただし、一部普段は見えない所まで見えている。
「な、何をなさっているのですかぁ!?」
「裸で親交を深めようと思ってサァ!」
 マックスは湯をザップザップと漕ぎ、ユリアに迫る。
「大丈夫……って、何なのよこれ!?」
 悲鳴を聞きつけた由香里が現場に駆けつけ、その光景に唖然とする。振り子の様に揺れる何かが、背後の由香里からもはっきりと見えた。
「あー、もう……死ね!」
 駆け寄った勢いのまま、由香里は渾身の手刀をマックスの脳天に叩き込んだ。無論偽物だったマックスは子狐に戻る。
「ハァ、ハァ……」
 全力移動と興奮の為、由香里は肩で息をする。すると、今度は脱衣所への戸が勢いよく開き、湯殿の中に飯綱比売が飛び込んで来た。
「由香里ぃー無事かぁー! 大変じゃ! 従魔が人に化けてお……ぶへっ!?」
 間髪入れず由香里は飯綱比売の脳天に手刀をぶち込む。衝撃で耳と尻尾が飛び出るが子狐にはならない。本物の飯綱比売だ。
「あら、これは本物なのね。いつもふざけたことをやっているから、つい化け狐だと思ったわ。いえ、狐には違いないけれど」
「わらわは姫神である! 狐と呼ぶでない! というか、いまの一撃はまったく容赦なかったのじゃ! ひどいのじゃ!」
「悪かったわね……でも、私も大変だったのよ」

「ご、ごめんっ!」
 詩乃に迫られた蛍丸は、堪らず男湯から飛び出す。いくら何でも詩乃の様子はおかしい。蛍丸は急いで浴衣を纏い脱衣所を出た。
「ほ、蛍丸様……」
「詩乃……さん」
 男湯の暖簾を潜った所で、蛍丸は女湯から出た詩乃と鉢合わせる。蛍丸は顔を赤くするが、それは詩乃も同様だった。だが、ふと疑問がわく。何故詩乃は女湯から出てきただろう?
「あの……変な事聞きますけど、自分と同じ顔の人に会いませんでした?」
 疑問を抱いて立ち尽くしていると、自分と同い歳位の少年に奇妙な事を聞かれ、蛍丸は妙な顔をする。
「あ、すみません……お二人は、HOPEのエージェントですよね?」
 少年、和名アキラは唐突な質問を謝し、それから事の顛末を語った。人に化ける狐が跋扈している事。自分は手分けしてその狐を捕獲して回っている事。
「ひ、人を騙すなんて、ゆ、許しませんよ!」
 話を聞き終えた詩乃が、真っ赤な顔で言う。どうやら詩乃の方には偽の蛍丸が出たらしい。顔も赤くなるはずだ。
「き、狐が化けていたんですね……えっと、その……なんだか大変でしたね……が、頑張って捕まえましょう!」
 気負う蛍丸の顔を詩乃はちらちらと見る。偽物の自分は蛍丸にどんな事を……興味はあるが、聞くのは怖い。二人の視線が合う。弾かれた様に逸らす……気まずい雰囲気は、女湯の暖簾から由香里、飯綱比売、ユリアが出てきた事で救われた。続いて、マックスも男湯を上がる。アキラは彼と面識がある。
「仕事のついでに良い夢が見れたんだ。ま、儲けたってことにしとくかね?」
 蛍丸同様初心なアキラは、マックスの言葉に赤くなる。
「……オヂ様、狐は誰に化けました?」
「あ?」
「私の所には、オヂ様が現れました……」
 複雑なユリアの視線。マックスはそれを外し、頭を掻いて答えをごまかした。
「どうだったかな……忘れたよ」

●激情
「緋褪~♪」
 ラウンジで酒を飲む緋褪の元に、真赭が姿を見せた。緋褪は既に真赭の伝言を受けている。既に不審を抱いていた緋褪は、次の一言でほぼ確信する。
「えへっ、緋褪に会いたくて来ちゃった☆」
 真赭はそう言って、胸を押しつける様に体をすり寄せる。緋褪は溜息を吐き、一応確認の為に聞く。
「子狐とやらは終わったのか?」
「そ、そんな事より、緋褪と遊びたいな~☆」
「ふぅ……あいつが動物がらみの案件を中座するわけないだろう。お前さん何者だ?」
 緋褪は呆れた様に言い、真赭首根っこを摘まむ。
「何するの緋褪ぇ~」
「従魔としては論外、狐としても落第だ……」

「いやぁ小鉄さんと真剣勝負何ぞ、模擬戦以来で初めてでねェッスかね……へば、行くッスよ!」
 齶田、百一回目の強烈なサーブが、使い古された卓球台の寿命を削る。小鉄も負けじと強烈なスマッシュ。これまでの成績は小鉄8吹っ飛び、齶田8吹っ飛び。五分である。
「中々やるッスな……全力で参るッス!!」
 小鉄のサーブを齶田は強打……と見せかけ、フェイント。
「なんと!?」
 絶妙のフェイントに小鉄は体勢を崩すが、根性で何とか打ち返す。
「ふっ、はっ、やはり強いでござるな米殿!」
 そんな人外卓球を繰り広げている所に、スノーと稲穂は姿を見せた。言ってしまうが、一尾である。
「……む、ヴェイツ殿でござるか、このセットが終わってから混ざるでござるよ!」
「いや、見てるから良いよ」
 一尾の狙いは小鉄と齶田のライヴス。幸い、二人は大量のライヴスを無意味に放出している。二人は小鉄の誘いを断ると、それぞれ小鉄と齶田の後ろで卓球を観戦する。
「小鉄さん余所見は厳禁ッスよ……烈風波ァ!」
 一瞬気のそれた小鉄に齶田は必殺のスマッシュを打ち込む。もっとも、技名は口で言っているだけだ。
「ぬぅぅ!」
 吹き飛ばせば齶田リード。だが小鉄は烈風波に耐え、お返しとばかりに必殺技を打ち返した。
「ストレートブロウでござる!」
 強烈な直球は、齶田の放った烈風すら纏い一直線に飛ぶ。
「……グハァ!」
 その強烈な一撃が齶田を直撃し、9度目のダウンを奪った。
「やったでござる!」
 両手を挙げる小鉄。だが彼は気づいていなかった。稲穂達(偽)を必殺技に巻き込んでいた事と、卓球台をぶっ壊したら弁償だと言う事を。

「あー、ライヴス吸われてるのわかるけど、従魔はがしちゃうと嫌がって逃げられちゃうかもしれないし……」
 アキラ達と分かれた真赭は、初めに捕らえた一尾をモフりながら旅館を巡る。だが、総数が減ってきた事も有り容易にその尻尾はつかめない。そんな時、真赭はラウンジ前の廊下で緋褪と出会った。
「緋褪、子狐どこかで見なかった?」
 真赭は開口一番聞いた。
「いや、見てないな」
 緋褪は余り興味なさそうにそう答える。真赭はその答えに少し失望し、さっさとその場を去ろうとする。
「見かけたら教えてよ」
「待てよ」
 だが、緋褪はそれを許さなかった。真赭の肩をぐいっと掴むと、旅館壁に追い込んで両手で逃げ場をふさぐ。所謂壁ドンだ。
「子狐じゃなく、俺の事も少し構ってくれよ?」
 緋褪はそう言うと、四本の尻尾をぱたぱたと振り、真赭の瞳をまっすぐに見つめる。
「ふーん……いいよ」
「お、本当?」
「うん……本当」
 言うが早いか、真赭は緋褪の顔面をピコハンで殴った。美形の緋褪が、一瞬で子狐に変わる。
「動物追いかけてるうちが、そういうことに反応するわけないでしょ。それが理解できてないってことであなた偽者」
 真赭は子狐を抱き上げ、抱えた狐に頬ずりする。
「約束通り構ってあげるね~」
 二匹の狐に真赭が恍惚としていると、今度こそ本当の緋褪が来る。先程捕まえた狐を引き渡すつもりで、丁度ラウンジを出た所だ。
「ここにいたか。子狐追加だ」
 そう言うと、緋褪は真赭に子狐を渡す。
「花を貰うより嬉しい……ありがとう、本物は私の事解ってるね」
 三匹の狐に囲まれ、真赭は満面の笑みを浮かべた。

 シエロは至福に包まれていた。幸福は人によって違うものだが、彼女にとってそれは少女であり、少年であり……端的に言ってナトだった。
「ん、あれ? 何で笑顔で近づいてくるのかな? かわいい」
 ナトはシエロの顔に唇を近づけ、その短い舌で彼女の頬を撫でる。
「ひゃ、くすぐったい! でもいい……いいよ!」
 一人のナトはシエロの腰部に馬乗り、小さな手で彼女のお腹をサワサワし、一人のナトは腕に両手足を絡みつけ、首筋に舌を這わせる。更にもう一人のナトは、彼女の頭を全身で抱え、髪に口付ける。
「ほら当たっちゃうから! 君の天使ゾーンがウチの欲望ゾーンに当たっちゃうから! ちょっ…やばっ…すごい良い匂いする!」
 人気のなくなったラウンジの物陰で、シエロは大勢のナトに押し倒されていた。
「……♪」
「や、突然そのようなことを言われてもですね、スリスリされつつ言われてもですね!?」
 このナトが、本物でなく一狐なのは言うまでもない。それはシエロも解っているのだが、どうも彼女は欲望に忠実な様だ。止めるという選択肢がない。
 そこに、また一人新しいナトが加わる。
「わぉ! まだ来る~?」
 リンカーとしてどうかと思うが、とにかく幸せそうだ。新しく加わったナトは、シエロの胸の辺りに腰を下ろすと、両手で彼女の耳を掴んだ。
「うわぁ……何されちゃうのかなぁ!?」
 わくわくして次の動作を待つシエロ。新しく加わったナトは、彼女の両耳をギュッと抓りあげた。
「いたた……で、でも有りだねぇ!」
 期待したものとは違ったが、やってみると案外良い。シエロはそう思い、新しく加わったナトを見て……凍り付いた。そのナトは他のナトとまるで違う。表情こそ同じだが、気配が南極の様に冷たい。
「えっ……えっ……? もしかして……ナト?」
 そう言ったシエロの耳を、ナトはにこやかな表情で思い切り捻る。
「うっ……」
 背に冷たいものが走った。そして次の瞬間、シエロは絶叫する。
「違うんだよぉぉぉ!!」

●湯煙
「あ、あらかた潰しましたね」
 旅館の見取り図眺め、蛍丸は言う。ローラー式に部屋を潰していたので、取りこぼしはないだろう。
「そうだね……皆さん、忘れている所はありませんか?」
 アキラがその場に居る皆に聞く。卓球台を壊して説教部屋行きの小鉄、齶田。ナトに土下座中のシエロを除き、全員がこの場に居る。
「あっ……?」
 アキラの確認に、由香里が声を上げる。
「どうしました?」
「……忘れてたわ」

「次はちっちゃいAliceに化けてください♪」
「あの……そろそろ解放して欲しいんですけど」
 桜花の要求に、一尾はいい加減ぐったりして言う。傍らでは、Aliceが我関せずと温泉を楽しんでいた。桜花が約束を守るわけもないが、由香里がアキラ達を連れてくれば、とりあえず一尾の受難も終わるだろう。それまでは、桜花にとって至福の時になりそうだ。
「うふふ、幸せです♪」

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 忍ばないNINJA
    小鉄aa0213
    機械|24才|男性|回避
  • サポートお姉さん
    稲穂aa0213hero001
    英雄|14才|女性|ドレ
  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575
    機械|17才|女性|生命
  • きみをえらぶ
    ナト アマタaa0575hero001
    英雄|8才|?|ジャ
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • 百合姫
    鈴音 桜花aa1122
    人間|18才|女性|回避
  • great size
    Aliceaa1122hero001
    英雄|15才|女性|シャド
  • 晦のジェドマロース
    マックス ボネットaa1161
    人間|35才|男性|命中
  • 朔のヴェスナクラスナ
    ユリア シルバースタインaa1161hero001
    英雄|19才|女性|ソフィ
  • 我が身仲間の為に『有る』
    齶田 米衛門aa1482
    機械|21才|男性|防御
  • 飴のお姉さん
    スノー ヴェイツaa1482hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 終極に挑む
    橘 由香里aa1855
    人間|18才|女性|攻撃
  • 狐は見守る、その行く先を
    飯綱比売命aa1855hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • 愛しながら
    宮ヶ匁 蛍丸aa2951
    人間|17才|男性|命中
  • 愛されながら
    詩乃aa2951hero001
    英雄|13才|女性|バト
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