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最終発言2016/01/29 06:53:10 -
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最終発言2016/01/28 19:23:15
オープニング
●巨大な?
色々な気持ちを込めて作られるチョコ。
時には、愛。
時には、行きすぎた愛。
そして、哀。
そんな気持ちが入り混じり、カタチに成した。
「ちょこぉ」(鳴き声)
茶色い四足歩行の愛らしい(?)生物(?)が街中に現れた。
でかい、これは本当に生き物なのか? と思う位だ。
そんな巨大生物(?)の足元に小さい方が走りまわる。
「チョコクレー」
と、鳴きながら彼らは口からチョコを吐く。
「熱い! 熱い!」
カップルにチョコが当たり二人の愛も熱くなる。物理的に。
「チョコクレー」
チョコを求む小型に対し。
「はぁ? これ彼ぴっぴのだしー、やるわけないじゃん!」
と、女子高生が声を上げれば。
「チョコォ……ペッ」
途端に不機嫌な声色になり、小型の口からチョコの塊が飛ぶ。
女子高生が持っていたチョコも飛んだ。
「ちょっと、どうしてくれるのよっ!」
女子高生おこである。
「ならば、ワシを食え」
と、低いヴァリトンボイスが響くと目の前にマッチョが現れた。
ただし、素晴らしいツヤのチョコボディで。
「きゃぁぁぁぁ!」
絹を裂くような悲鳴が街中に響く。
●命名ちょこぉ
「皆様、緊急事態です! 街中に愚神が現れました。この愚神を」
「ちょこぉ」
ティリアの言葉を遮って弩 静華(az0039hero001)が命名。
「巨大チョコォがミニチョコォを引き連れて街を侵略」
「ち、違います! チョコを持っている方に対して、チョコを吐く、チョコを投げる等の迷惑行為をしているそうです」
ティリアは説明をする。
「それと、被害者からの話によると彼らは喋るそうです。ヴァリトンボイスで……」
え? チョコがしゃべんの? と、エージェント達は思った。
「だって、愚神だから」
それもそうか、と納得するエージェント達。
いや、納得とかする前に、チョコが動いている時点でおかしい。
「”ワシを食え”と言って黒光りするマッチョになるそうです」
「チョコだから、仕方がない」
そうだね。
チョコは、溶かして、固めて、ハイ出来上がり!
まて、何か違う!
「まぁ、愚神でもテンパリングが上手なのですね」
と、ティリアは感嘆の声を上げた。
「チョコォ狩り、しゅっぱーつ」
静華が拳を振り上げた。
解説
●登場人物
ティリア・マーティス(29)独身
お菓子作りは得意。
圓 冥人
居たっけ?
弩 静華
甘いもの好き。
●目標
愚神「チョコォ」、従魔「ちょこぉ」の討伐
・敵情報
愚神「チョコォ」1匹
デクリオ級。甘いチョコの匂いがする茶色い丸ボディで四足歩行。
鳴き声「ちょこぉ」、体長3m
攻撃一覧
・チョコ吐き
「おろろろろろろろ」
・チョコ投げ
「ぺっ!」
・チョコ食う
「ぢょごぉ」
従魔「ちょこぉ」5匹
ミーレス級。チョコォと同じフォルム。
鳴き声「チョコクレー」、体長50cm
攻撃一覧
・チョコ吐き
「おろろろろろろろ」
・チョコ投げ
「ぺっ!」
・まちょぉ
「ワシを食え!」(ヴァリトンボイス)
・その後
倒したチョコォから採取したチョコでお菓子作り。
リプレイ
●ちょ、ちょこぉ
ティリアからの説明を聞いた狼谷・優牙(aa0131)の顔が青ざめていた。
「何も聞かされず連れてこられてみれば……どうしてこうなったですよー!?」
優牙はプレシア・レイニーフォード(aa0131hero001)から説明なしに連れて来られた様だ。
幼い少女にも見える優牙の表情は不安そうに英雄を見た。
そんな優牙を尻目に、赤い燃えるような髪を揺らし金の目を細めプレシアは「行こうよ」と言った。
「覚悟しなさい」
と、豊満な体を揺らしながら天間美果(aa0906)は言った。
金色の長い髪、顔にはサングラスを掛けており黒いスーツを着用している美果の口から涎が一つ。
”巨大なチョコ”という言葉だけで美果のお腹の虫が大きな音を立てた。
「チョコをくれる愚神だとっ!?」
五行 環(aa2420)が紫の瞳を輝かせながら声を上げた。
僧侶の様な服装の環は、脇に銀色のボウルを抱えていた。
「鬼丸、チョコを貰えない男は漢じゃねぇっ! チョコの量が男子のステータスだ!」
拳を震わせながら環は英雄の鬼丸(aa2420hero001)に向かって叫んだ。
「なにぃっ!? じゃあひとつも貰えねぇってなったら……男の沽券に関わる問題じゃねーか!」
環の言葉を真に受けた鬼丸も銀色のボウルを持った。
「チョコに込めた想いの成れの果てでしょうか?」
白髪を揺らしルビーの様に赤い目で月影 せいら(aa2046)はソレを見た。
「チョコみてぇな甘~い想いだろ? 幸せそうな敵だよなぁ~☆」
と、チョコには甘い想いしかないGUREN(aa2046hero001)は炎の様に赤い目でソレを見る。
「なんかあれ……男同士でいちゃついてる本を読んでる時のお前に似てるな。表情が特に」
レオンハルト(aa0405hero001)は金色の目で丸いボディに四足歩行の愛らしい生物を見る。
「ふぁっ!?」
卸 蘿蔔(aa0405)が変な声を上げた。
「チョコクレー」
ちょこちょこ歩きまわるちょこぉが蘿蔔の緑の目に映る。
丸くて茶色いボディ、四本の足で移動する姿は、レオンハルトと蘿蔔の知っている白いヤツにそっくりだ。
(あの姿、ねっとで見たことがあるぞ。確か……)
シュヴェルト(aa0053hero001)は青い目でちょこぉを追う。
「思い出さなくていいから戦うよ!」
染井 義乃(aa0053)はドゥームブレイドの柄を握り締めた。
「チョコクレー」
と、ちょこぉはつぶらな瞳で義乃の赤い瞳を見つめた。
「何か気持ち悪いですしさっさと倒してしますのですよー」
と、優牙はスナイパーライフルを構えちょこぉに銃口を向けた。
「むー、撃つだけじゃつまらないのだ♪こういう相手にはやっぱり接近戦なのだー♪」
プレシアは、優牙が持ってたスナイパーライフルからねこねこなっくるに持ちかえた。
「ちょ!? プレシア、それじゃああの変なチョコあびちゃいますよー!?」
プレシアの行動を見て優牙は慌てた声色で言った。
「気にしないのだー♪チョコまみれになっても後でお風呂に入れば問題なーし♪」
無邪気な笑顔でプレシアは答えた。
と、その時、プレシアの目の前に大きなチョコボディが現れた。
カカオの香りが漂い、プレシアのお腹が大きく鳴った瞬間。
「おろろろろろろろ」
チョコォの口から液体状のチョコが流れ出す。
「あはは♪チョコを吐き出すとか面白いのだー♪え、食べてもいいの? いいの? それなら……!?」
プレシアは体に掛ったチョコを舐めるが、苦い。
匂いはチョコなのに苦い。
彼らの知っているチョコの味ではなかったのだ。
「に、苦い~……」
プレシアは涙目でチョコォを見上げた。
チョコォを丸齧りする夢は脳内で優牙は×印を付けた。
(おい。呼ばれてるぞおろろろろろし)
レオンハルトは吐くチョコォを見て蘿蔔に言う。
「……そのそうですね。良い攻撃チャンスです」
蘿蔔は16式60mm携行型速射砲の銃口をチョコォに向けた。
「おろろろろろろろ」
と、チョコォが口を開けた瞬間。
「喰らえ! 共食い!」
ちょこぉが入って行った瞬間、「ワシを食え!」とヴァリトンボイスが聞こえたかと思うと、巨大なマッチョが現れた!
「見事な三角筋と大胸筋のバランスだわぁ。そそるわねぇ」
せいらはうっとりとした表情で巨大まちょぉを見上げた。
巨大まちょぉは褐色肌のマッチョが巨大化した様に見える。
素晴らしい胸の筋肉、筋肉の筋まで再現されている二の腕。
筋肉好きの一般人もせいらと同様に見つめている。
”素晴らしい筋肉”
「大きなチョコおおおおおおおお!!」
凄まじい足音と共に美果はチョコォ目掛けて走る。
「まちなさい! 美果!」
ベルゼール(aa0906hero001)は美果の首根っこを掴み、ベンチに座らせた。
「落ち着きなさい、敵はチョコに夢中です。それに、今……行ったら危険です!」
ベルゼールは巨大まちょぉを見つめる人達を黒い目で見た。
アレを壊されたら筋肉フェチ、いや筋肉大好きな人達にやられてた、とベルセールは思った。
「そ、そうよね」
美果はベルゼールの真剣な表情を見て頷く。
イケメン2人、銀色のボウルを脇に抱えて歩く。
ノリが良過ぎて女の子に引かれまくり、彼女いない歴が更新していく環と鬼丸。
「そこで……あいつらだ!」
と、環はちょこぉを指す。
「おぉっ……! 男子ステータスの塊!」
鬼丸は声を上げた。
間違ってはいない、確かにちょこぉ達はチョコだ。
しかし、チョコを貰えない虚しい男子特有の思い込みと、絶望しすぎて脳内が混乱している彼らにはちょこぉからチョコを奪う為に戦う。
「この際入手ルートは関係ない! チョコだ! チョコの量がバレンタインを制覇するんだ!」
それで良いのか環! と、突っ込む者はいない。
求む、突っ込み役!
盛り上がってる2人は共鳴状態になり、ちょこぉ向かって走り出した。
「男子のステータス! 微量たりとも逃さん!」
「ぺっ!」
走ってくる不気味な男・環。
ちょこぉ達はチョコを飛ばし応戦する。
「チョコゲット!」
銀色のボウルでチョコをキャッチする。
チョコを確保しながらもドラゴンスレイヤーでちょこぉを倒すという技を見せた。
「その熱意を別のところで使えばいいのにねぇ」
圓 冥人(az0039)が大きな欠伸をしながら街を眺める。
チョコに対する熱意がそれぞれ違い、方向性の違いを集めたアイドルユニットの様だ、と冥人は思った。
「満足、チョコは溶かしてしまえば終わりよ!」
と、言い。せいらは殺虫剤とライターを取り出した。
「業火の炎に抱かれるがいいわ!」
殺虫剤を噴射口にライターを当て、スプレー缶の頭を押すと簡易だが火炎放射器の様に火が吹きだされる。
しかし、ライヴスを使ってない攻撃なのでチョコォ達には効かない。
「あ、あれ?」
せいらは溶けないチョコボディに困惑する。
「おろろろろろろろ」
せいらの頭上からチョコが吐き出される。
「甘いわねぇ……まだまだ甘ちゃんねぇ……この世の世知辛さを味わうといいわ!」
と、せいらは体に付いていたチョコを妖艶に舐めとった。
苦い、と思いつつせいらは余裕の表情でチョコを取り出したのは激辛チョコ。
「ぢょごぉ!」
せいらが持っているチョコを見てチョコォは声を上げた。
「味わいなさい!」
激辛チョコはチョコォの大きな口に吸い込まれていった。
「んふふ、甘いばかりの貴方にはそんなチョコを作る気持ちなんて知らなかったでしょう……? どう? 苦しいかしら?」
激辛チョコを食べたチョコォにせいらは言う。
「けぷっ、モットクレー!」
と、チョコォは言った。
「溶けなさい!」
美果が声を上げながらチョコォに向けてブルームフレアを放つ。
ライヴスの火炎によりチョコォは、どろどろと溶けだした。
「ちょこおおおおおおお」
全て溶ける前に美果は、落ちてきたチョコの欠片を取り口に頬張った。
あぁ、チョコの国へ、と旅立とうとした美果の意識は腹痛により意識が戻った。
「ぢ、ぢょごぉぉぉぉぉがぁぁぁぁぁ」
口からチョコを吹き出し、美果は地面に倒れた。
「……カカオの中に激辛チョコと殺虫剤入りか」
溶けたチョコを口に含み、冥人は味の説明をした。
「ど、どうしましょう!」
ベルゼールは”殺虫剤”と聞いて声を上げた。
「少量だけど……ま、牛乳を飲ませて医者に見せれば大丈夫だよ」
冥人は牛乳パックをベルゼールに渡した。
「た、食べなくて良かったです……あぁ、でも」
安堵のため息を吐くベルゼールだが、倒れている美果を見て表情を曇らせた。
「ワシを食え!」
ヴァリトンボイスのまちょぉが言う。
「それって……どういう意味での食え、でしょうか……」
蘿蔔はまちょぉを見て首を傾げる。
(いや、そのままの意味だろう)
レオンハルトは呆れた声色で言う。
「食えば良いのか?」
冥人がまちょぉ撫でる。
つるつる、てかてかのチョコボディ。
その様子を蘿蔔は見つめる、にやける口元を押さえながら。
そうだ。私はこれを見守る観葉植物や天井、空気になりたかったのだ……と、思いながら蘿蔔は見つめる。
(見てないで攻撃しろ!!)
レオンハルトの一言で現実に戻ってきた蘿蔔。
「撃ちたい……」
グレートボウに矢を番えた蘿蔔はまちょぉの背後に回る。
「お尻を割る!」
蘿蔔は矢をまちょぉのお尻に向かって撃った。
「アーッ!」
と、ヴァリトンボイスで叫びながら飛び上るまちょぉ。
「お尻にもう一つ穴を作ってしまったです」
良い笑顔で蘿蔔はまちょぉのお尻に刺さった矢を見る。
非道である。
しかも、ただのチョコに戻ったまちょぉを回収する蘿蔔。
「その筋肉質な身体も見掛け倒しか。岩よりも脆いぞ」
まちょぉを切ったシュヴェルトは、チョコに戻ったソレを見る。
「元はチョコレートだからね。それにしても、どうしてこんな形に……」
丸いフォルムに四足歩行……義乃の脳裏に白いヤツがちらつく。
多分、元はあの絵文字……いや、考えるのはよそう、と思い義乃は首を横に振った。
こうして、愚神チョコォの討伐は終わったのであった。
●チョコを作ろう!
「皆様、お帰りなさいませ」
ティリアがエージェント達を迎える。
「とりあえず、皆様。調理室へ」
ティリアの案内でエージェント達はチョコを抱えて調理室へ。
「ところで、このチョコは何に使うんだ?」
シュヴェルトは大量のチョコを見て首を傾げる。
「そういえば、シュヴェルトは知らないんだっけ……。いい機会だし、贈ろうかな」
「……?」
義乃の言葉にシュヴェルトは首を傾げた。
「あ、あれのチョコで作るというのがなんともですけど……ま、まあ大丈夫なんでしょうかー」
ボウルに入ってるチョコの塊を見て優牙は何とも言えない気持になる。
「安心ですが、もしいやでしたら、私が用意したチョコでも使いますか?」
そんな優牙の気持ちを察したのか、ティリアは声をかけた。
「良いですか?」
「ええ、私はどんな形でもチョコですから平気ですわ」
「では、お願いします」
優牙はティリアのチョコを受け取った。
「お菓子ー♪美味しいお菓子作ってなのだー♪いっぱい食べるから♪」
プレシアは楽しそうに道具を用意する。
「クッキーを作ろうかな?」
材料を見ながら優牙は様々なお菓子のレシピを思い出していた。
バターを常温に戻しクリーム状になるまで煉る。
そこに、砂糖、卵黄の順に入れて混ぜる。
混ざったら小麦粉を入れて粉っぽさが無くなるまで混ぜ合わせる。
そこへ細かく刻んだチョコを加えて混ぜる。
生地を円柱状にしてラップで包み冷蔵庫へ。
ある程度冷えたら冷蔵庫から取り出し、生地を包丁で切る。
天板に並べて予熱で温めておいたオーブンに入れて焼くだけだ。
「出来た!」
オーブンから天板を取り出した優牙は声を上げた。
「美味しそうなのだー♪」
出来たてクッキーに手を伸ばしてプレシアは頬張った。
「あ!」
「美味しい!」
プレシアは優牙に向かって満面の笑みを浮かべた。
「良かった。次はチョコケーキ作ります」
クッキーを焼きながら優牙はケーキを作る準備をした。
「これがあれから採れたと思うと……嫌すぎる」
ボウルに入っているチョコの塊を見てレオンハルトは眉間に皺を寄せた。
「ん、でも普通に美味しそうですよ……これなら溶かして固めるだけで十分、なのです」
蘿蔔はお湯が入ったボウルの上に、チョコが入ったボウルを置いて溶かし始めた。
「火力が足りない気がするのです」
お湯からボウルを外し、蘿蔔は直接ボウルに火を掛けた。
「確か牛乳入れると良いとか」
蘿蔔は、どばーとチョコの入ったボウルに牛乳を注いだ。
「香り付けにお酒も良いよ」
冥人は蘿蔔にアドバイスをする。
「どんなお酒が良いでしょうか?」
「そうだね。よく聞くのはブランデーとかじゃないかな?」
と、冥人の言葉を聞いて蘿蔔はお菓子用のブランデーを1ビン加えた。
甘いチョコの匂いとブランデーの匂いが混ざって、蘿蔔は鼻歌交じりに混ぜる。
「なぁ……なんかこう……虚しく感じるんだが……」
鬼丸が真っ白になりながら環に言う。
「言うな……それに気付いたら……負けだっ!」
大量のチョコに囲まれながら環は一心不乱にお菓子を作る。
「あら、五行様はお菓子作りが上手ですわね」
ティリアは二人に笑顔を向けた。
「あ、ティリアさん。これ味見して欲しいんだ」
と、環がお菓子を一つティリアに差し出す。
「はい、いただきますわ」
笑顔で受け取りティリアは環のお菓子を口にする。
「まぁ! 美味しいですわ」
笑顔で感想を言うティリア。
「良かった。良かった」
「あ、後でお二人もお菓子をあげますわ」
ティリアの言葉に鬼丸と環は顔を見合わせた。
そう、これで今年はチョコ0では無くなったのだから。
テーブルにエージェント達が作ったお菓子で埋まる頃。
「見て、見て。ティリアフィギュア」
弩 静華(az0039hero001)がチョコを彫って作ったフィギュアを見せた。
エージェント達はフィギュアチョコを見た。
何故か水着姿のフィギュアチョコは細部まで綺麗に彫られていた。
「静華さん、男のでも作れます?」
「もちろん」
蘿蔔の言葉に静華は頷いた。
「お菓子がいっぱい!」
美果は目を輝かせながら言う。
「チョコもいっぱい!」
ベルゼールも美果の隣で声を上げた。
「天間様、お具合は大丈夫ですの?」
ティリアが美果を見て心配そうな表情で言った。
「医者からは「問題ない」と言われましたから大丈夫ですわ」
「それなら良かったですわ」
ティリアの問いに、胸を張りながら美果は笑顔で答えた。
「バレンタインってね。チョコを贈る日なんだよ」
と、義乃はシュヴェルトに説明をした。
「なるほど……つまり、バレンタインとは勝者にのみチョコを与えられるのだな!」
「どこをどう解釈したらそうなるの?!」
シュヴェルトの言葉を聞いて義乃は大きなため息を吐いた。
彼がバレンタインを理解する道のりは遠く、そして険しそうだ。
テーブルの上にはチョコとチョコ菓子しか無いハズの中。
蠢くチョコが異様なオーラを放っていた。
「お前絶対変なの入れただろ!?」
レオンハルトは蠢くチョコを見て声を上げた。
「失礼な。本当に何も入れてませんよ………強いて言うなら愛でしょうか」
と、蘿蔔は真面目に言う。
「愛がこもってたらこの顔たちはもっと穏やかなはずだ……いや、ていうかチョコに顔が!?」
まさにノリツッコミするレオンハルト。
「いや、途中まではマトモだったよ?」
冥人は蠢くチョコを見てレオンハルトに言った。
「愛じゃなくて哀だろ……」
と、レオンハルトは呟いてうな垂れた。
「蘿蔔君、蘿蔔君」
静華は蘿蔔の肩を叩いた。
「ふぇ? なんですか?」
「出来た」
蘿蔔の目の前に、2人の男のチョコフィギュアが!
「この本、参考した」
静華の手には蘿蔔が愛読している本が握られていた。
「良い出来です!」
蘿蔔は笑顔で親指を立てた。
「うん、頑張った」
「何を作らせているんですか……!?」
チョコフィギュアを見てレオンハルトは声を上げた。
「え、弩さんが良いって言うから」
「ん、この本、面白かった」
静華と蘿蔔はきょとんとした表情で言った。
「ぐおっ!? か、辛ぇぇぇぇっ!」
チョコを食べていたGURENは悲痛な声を上げた。
「あら、わたくしが用意した激辛チョコですわ」
せいらは平然とした表情で言う。
「どんな恨みがこもってんだよ……」
涙目のGURENは水が入ったコップを一気にあおった。
「あらあら、チョコに込める気持ちも色々ですわね」
にっこりと笑顔でせいらは答えた。
チョコォは、人々が生んだ気持ちを込めたチョコが動き出したモノなのかもしれない。
戦闘では苦い思いをしながらも倒したが、負の感情がバレンタインに込められればまたチョコォは現れるのかもしれない。
しかし、それは来年の話。
今は、様々な気持ちが込められて出来たチョコを食べよう。
恋人だけのヴァレンタインも良いが、こうして仲間と食べるチョコも美味しいくて楽しい。
「うーん、美味しいのだ!」
「うん、このチョコケーキ美味しいです!」
優牙とプレシアは幸せそうに咀嚼する。
「あぁ、ここは天国かしら~」
美果が恍惚とした表情でチョコを口に運ぶ。
「我慢したかいがありますっ!」
凄い勢いでベルゼールは口にお菓子を運ぶ。
「今年は0じゃない!」
環は両手でチョコを持って頭上に掲げた。
甘い、甘いバレンタインはこれからが本番だ。