本部
スライム盛り盛り討伐クエスト
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 5人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/15 12:00
- 完成予定
- 2015/11/24 12:00
掲示板
-
相談用
最終発言2015/11/15 05:43:05 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/11 19:08:46
オープニング
●這い寄るカオスの気配
「エージェントが敗走した?」
神妙な顔をした部下からもたらされた報告に、支部の討伐依頼を取りまとめている男は眉根を寄せた。
「どういうことだ。依頼内容は下級デクリオ級従魔の討伐だっただろう。人数も十分あてがっていた筈だ」
「それが、かなり厄介な従魔だったようでして」
隠しきれなかった困惑の滲む声色で、部下がおずおずと口を開く。
「結論から言うと、この従魔、不定形の粘菌なのです」
「不定形の粘菌」
思いもよらない名称に、男はただ部下の言葉を繰り返す。不定形の粘菌。俗に言うスライムの事だ。だがそれが何故今回の顛末に関係するのか男には全く分からなかった。
無言で続きを促すと、部下は数拍言い淀んだ後、意を決したように男を見据える。
「ただの粘菌じゃありません。いわゆる『エロ系創作物に稀によくいる粘菌』なのです」
「エロ系創作物」
自分の耳が拾った単語が信じきれず、自分の口でもう一度同じ音を発してみたけれど、やっぱり結果は同じだった。男はこめかみ辺りに鈍痛を自覚した。
「……まさかとは思うが、服だけ溶かして粘液に媚薬効果とかがあるスライムの事か……?」
「媚薬効果はありませんが、そうですね」
キッパリと肯定した部下に、男は眉間辺りに鈍痛を覚えた。できるなら今すぐ部下の頭を軽く小突いて「冗談はよせよ」と柄にもない朗らかな顔で笑い飛ばしたい。だが、残念ながら部下の表情は真剣そのものだし、報告書にもしっかり『不定形の粘菌』に関しての記述がある。紛れもない現実だった。
「ふざけた現実ですが直視してください。冗談でもなんでもなく厄介な相手なのです。不定形であるが故にこちら側の物理攻撃は殆ど通用せず、粘菌であるが故に放っておくと肥大化してしまう。早急に手を打たなければ被害ばかりが拡大します」
「だが所詮粘菌だろう? そこまで梃子摺る相手か?」
「身に付けている装備を溶かされるんですよ? 防御力も下がりますし、何より裸で戦えと?」
「……」
参加したエージェントの中には若い女性もいた。つまりはそういう事だ。
「幸い命に別状はありませんし、装備も何故か防具だけが半壊した程度で修復も可能です。きちんと対策を取っていれば然程苦戦する相手ではないでしょう」
先程男も言った通り、所詮は粘菌。装備を溶かす謎の粘液が厄介なだけで、攻撃力も然程なく討伐難易度自体はそれほど高くはない。
「具体的な対策は?」
「技術部に問い合わせた所、冷気放射器なるものがあるとの報告が」
迷いない部下の答えに、男は思わず苦笑を漏らす。つまりは自分が使用許可さえ出せば、すぐにでも討伐隊を編成できるようになっているらしい。つくづく有能な部下を持ったものだ。
「わかった、許可を出そう。後は頼んだ」
苦笑したままひらりと手を振れば、部下はあからさまにホッとした顔をして一礼する。そのまま部屋を辞した部下の背中が扉の向こうに消えるのを見届けて、男は人知れず、疲れ果てた唸り声を吐き出すのだった。
●つゆだく従魔討伐し隊
「お集まりいただきありがとうございます。今回皆様にお願いしたいのは、不定形の粘菌の駆除です」
開口一番言い放たれた言葉のインパクトに、集まったエージェント達は一瞬言葉を失った。
「仰有りたいことはわかりますがどうかご静聴を。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、これは一度失敗した依頼です。大規模作戦の影響で不安が広がっている現状、2度目の失敗は許されませんよ」
説明役の男性が強い口調と眼光で一同を睨め付ける。失敗は許されない、その言葉にエージェント達は気を引き締めた。
「さて、この不定形の粘菌……長いですね、スライムでいいか。ともかくこのスライム、装備を溶かす事と、物理攻撃が効かない事が判明しています。また、自己増幅力が強く、この数日間で林ひとつ飲み込む程に成長してしまいました。幸い分裂等はしていませんのでそこはご安心を。林の所有者には『更地にしても良い』との許可をいただいていますので、討伐の際林の状態を気にしなくても構いません」
スライム退治。字面だけ見ると簡単そうに思えるが、実際はそれなりに面倒である。某国民的RPGに出てくるまんまるお目々と赤い口がトレードマークのスライムなら苦労も少なかっただろうに、残念ながら今回相手取るのは巨大な不定形の粘菌である。巨大だが、1体だけであるのがせめてもの救いか。
「そして今回、H.O.P.E.技術部より特別に道具を貸し出していただいています。冷気放射器と言って、霊力を使用して強力な冷気……そうですね、冷凍ビームを発射する装置です。これでスライムを凍らせてから砕けば物理攻撃も通るでしょう」
男性がポンと軽く手を置いて示したのは、鈍い銀色のタンクとそれに繋がる黒っぽいホースを有する機械。背負って使用する形状のそれが、冷気放射器らしい。
「こちら、研究員が気紛れに作った一品物になりますので、取り扱いにはくれぐれも注意してくださいね」
にっこりと微笑む男性の背後にブリザードの幻覚が見える。どうやら相当お高いらしい。
「また、現在スライムに囚われた人がいるという情報は入っていませんが、絶対ではありません。被害者がいないかだけ確認して、どうか速やかに粘菌を駆逐していただきますようお願い申し上げます」
そう言ってエージェント達を見渡した男性は、誠意を込めて深々と頭を下げるのだった。
解説
●目的
不定形の粘菌の駆除
●情報
・従魔『不定形の粘菌』
デクリオ急従魔。活発に動ける粘菌生物。
素の状態だと物理攻撃が殆ど効かない。反面、魔法攻撃に弱い。
現在林を丸々覆い尽くしている。デカいがほぼ動けないので攻撃を当てるのは容易い。
自身の肉体を触手のようにして攻撃してくる。なお殺傷力は低い模様。
また、粘菌部分に不用意に侵入すると足を取られて動きが阻害されるので注意が必要。
「触手攻撃:ムチ」
触手をムチ状にして攻撃してくる。当たるとそれなりに痛い。
「触手攻撃:縄」
触手を縄のようにして攻撃してくる。絡み付かれると「拘束」のBSを受ける。
また、装備を徐々に溶かして防御力を下げてくる。
・冷気放射器×1
冷凍ビームが発射できる装置。H.O.P.E.技術部提供。共鳴状態時のみ使用可能。
放射器使用中は武器が使用できない。
・戦場
元林だった場所。現在は不定形の粘菌に覆い尽くされておりまるで腐海のようになっている。
周囲は田畑が点在する程度で開けている。民家はなく、人通りも殆どない。
●備考
過度なプレイング(特にエロ系)はマスタリング対象です。
マスターより
どうもでっす。
スライムが雑魚モンスターだという風潮は最近の物らしいですね。なんでしたっけ、ドルなんとかの塔が元祖だとかいう話をどこかで聞きました。本当かどうかは知りませんが。
ファンタジー系の話だとお約束の敵ですが、最近だと強さはまちまちな様子。いつだったか、核を破壊しないと倒せないが、核に到達するまでに武器が溶けてしまうのでなかなか倒せないスライムが出てくる小説を読んだことがあります。スライムヤベェ。今回出てくるスライムはデカいだけの雑魚ですのでご安心ください。
それでは宜しくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2015/11/24 00:44
参加者
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相談用
最終発言2015/11/15 05:43:05 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/11 19:08:46