本部
魂の価値、残されるもの
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/14 19:00
- 完成予定
- 2015/11/23 19:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2015/11/14 15:28:49 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/11 09:57:06
オープニング
人は死んでしまったらどこに行くのだろうか。
その魂は私をおいて、いったいどこに行ってしまうのだろうか。
別の世界に飛ぶのか、それとも天国へ行くのだろうか。
魂の重さは21グラムだという。
その21グラムを失った体を私は強く抱きしめた。
冷たかった、血の香りしかしなかった。
青ざめた顔はもう、笑みを作ることもないし。この体に熱がこもることもない。
あの優しげなまなざしも、鈴が鳴るような声も、もうどこか遠くへ消え去ってしまった。
それを取り戻したいと願っても、自分にはもう、何もできない。
ライヴスが枯渇しつつあるこの体ではもう、彼女の体を支えることもできない。
「なぜだ。なぜ私の大切な人が死ななければならなかった」
愛しているとさえ、まだいえていなかったのに。
「違う、死ななければならなかったのは別の人間のはずだ」
私の大切な人は、仲間を守って死んだ。守らなければならない弱い人間がいなければ、こんなことにならなかった。
情報収集の段階でミスを犯したH.O.P.E.も重罪だ。そして何よりチームメイト。全員が逃げ去りこの子を助けにも来ない。
この世のすべてが、彼女が守った人間全てが彼女を殺したのだ。
この子は頑張った。腹から血を吹き出しても、全ての従魔を倒すため戦い続けた。
人類を救うため命をなげうったのに、人類は彼女が死に果てても誰一人救助をよこさない。
「許さない、私はお前たちを許さない」
私は彼女の死体を抱きしめた。そうした瞬間、私の意識が彼女の体の中に流れ込んでいくのが感じられた。
「許さん、許さんぞ! H.O.P.E.!」
私は覚った、全てを、この体で、この新たな力で、私はH.O.P.E.を破壊する。
そう私を闇が包んだ。
* *
すべての発端は作戦ミスだ。そう寝台の上でエージェントは語った。
「敵の情報が不足していて、予定していた倍の敵との戦闘になった。すでに負傷していた私たちの隊は意見が真っ二つに割れたのだ」
もともとは山の奥地に鎮座する愚神『トート』を討伐する任務であったが、あの愚神の力量を甘くみていた。
「私達はトートのもとにたどり着く前に敵の術中にはまった、罠だったのだ。情報も改ざんされていた、狡猾で頭が回る愚神なのだ」
負傷している兵もいる。全員でこの戦域から撤退するか、もしくはこのまま戦い続けるか。
「その時の戦闘区域は近くに町があった、ここで引けば街に被害が出るかもしれない。その時あの子が言ったのだ『アンリエット・バートリー』が」
『アンリエット・バートリー』とは前回のミッションでの死亡者の名前、そして今回の討伐目標のもと契約者だった。
「『私が敵の注意を引きつけている間に、皆さんで増援の手配を、そうすればすべての問題が一気に解決するでしょう?』そう言ったのだ、私たちはその提案に頷いた。彼女がどれだけ危険なことを言っているか分かっていたのに、彼女にその役目を任せてしまったのだ」
結果、アンリエットは死亡、そして彼女と契約していた英雄は愚神の力によって邪英となってしまった。
「私達は捜索隊を出したのだ。だが彼女をみつけることはできなかったのだ。戦闘していた場所は気が深く生い茂る山だった。だから救出に行かなかったわけではないので、助けられなかったのだから単なる言い訳になるがね」
また彼女が稼いでくれたおかげで、ほとんどの従魔を倒すことに成功している、町への被害はゼロだった。
「いま、彼女と契約していた英雄『ガルマ・アーヴェン』がこのH.O.P.E.支部向けて進行中だ。彼を撃破してほしい」
そうエージェントは頭を下げた。
「彼は現在トートの支配下だ、彼の心を取り戻すことができれば、彼は英雄に戻ることができるかもしれな、だが彼が私たちの言葉を聞いてくれる確証はない。なぜなら彼自身が、我々を憎んでいるからだ」
最後にそのエージェントは彼女の遺品を手渡してきた。それは小さな小包で底面には、『貴方のことを愛しています』と書かれていた。
「彼女の思いが届いたところでどうにもならないかもしれない。けれど彼女の思いを届けずにいては申し訳ない、彼女を贄にした私が何を言うんだと思うかもしれないが、どうかこれを彼女に届けてやってはくれないか」
* *
トートは心地よい闇の中で笑った。
「ここはいい、居心地がいい、憎悪が渦巻いている、悲しみで満たされている」
トートは現在消えゆくガルマに力を与え縛っている。
しかしトートは何かを命令しているわけではない、ただ増幅しているだけだった。
彼の悲しみを、彼の絶望を、彼の怒りを。
* *
最後に『アンリエット・バートリー』について話しておこう。
彼女はガルマと結んだ誓約は『誰も泣かない世界を創る』こと。彼女は家族を従魔に殺されており、長らくH.O.P.E.の事務員として活動してきた。
その最中ガルマと出会い、力を授かり、戦えることに喜びを感じていた。
「みんなが安心して生きられる世界を作ろう、ガルマ」
そう数々の任務をこなしてきた。
愛称はエット。
誰にも愛される、笑顔の眩しい女性だった。
解説
目標 デクリオ級愚神『トート』および『ガルマ・アーヴェン』の排除
『ガルマ・アーヴェン』について。
彼は現在愚神に取りつかれ邪英としてその力を振るっている。
彼は近接物理攻撃を得意としていて獲物は日本刀。もともとバトルメディックだったので回復手段を持つ。
物理防御力に秀でており近接戦はよほどの手練れでない限り厳しいだろう。
また魔力の刃を飛ばし範囲攻撃してくる、こちらは連発はできない
行動パターンは下記の通り、こちらの攻撃を一ターンにランダムに二回行う
1 近接単体攻撃
2 範囲攻撃(使用した次のターンは使えない)
3 ケアレイン
デクリオ級愚神『トート』
トート自体に強大な戦闘能力はない、ただし洗脳攻撃。減退攻撃を仕掛けてくる上にガルマに一定のダメージを与えない限り出現しない。
どうやらガルマの体内に潜伏しているようだ。
行動パターンをまとめると下記の通り
1 洗脳攻撃、遠距離魔法で広範囲を攻撃する。受けると耳元で殺戮を促す声に取りつかれる。
2 減退攻撃、遠距離単体攻撃、傷が回復しない呪いをかける
ガルマはまだ人間の心を残しているのか、人の言葉に耳をかし、会話が可能。
「なぜH.O.P.E.は彼女を見捨てた」
「命を救うことに意味などない、自分の命が失われてはなおさらだ」
「なにが英雄だ、私たちはいざというとき契約者の命すら救えないのだぞ」
「お前たちも目を覚ませ、今すぐにこんなことはやめるべきだ、くだらない」
等敵意をむき出しにしてくるが、彼の言葉に対してうまく返すことによって彼の戦闘力を大きく低下させることができるだろう(命中力の低下、行動の放棄等)
また説得に成功すればガルマは英雄に戻るでしょう。しかし契約者が死亡しているため、正気を取り戻したとしても彼はこの世に存在できません。
されに説得は容易ではありません。それ故に目標はガルマとトートの撃破に設定されています。
マスターより
こんにちは、鳴海です
最近とある映画を見てきました。
魂の重さがなんとやら、言葉は思いに先行して何とやら。
愛する人にもう一度会いたいっていうのは。
物語のテーマとしては王道で、だからこそいいですよね。
そんなお話を僕も書いてみました。
今回はシリアスな感じで行きたいと思いますので、よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2015/11/21 20:43
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相談卓
最終発言2015/11/14 15:28:49 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/11 09:57:06