本部

魂の価値、残されるもの

鳴海

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2015/11/21 20:43

掲示板

オープニング

  
 人は死んでしまったらどこに行くのだろうか。
 その魂は私をおいて、いったいどこに行ってしまうのだろうか。
 別の世界に飛ぶのか、それとも天国へ行くのだろうか。
 魂の重さは21グラムだという。
 その21グラムを失った体を私は強く抱きしめた。
 冷たかった、血の香りしかしなかった。
 青ざめた顔はもう、笑みを作ることもないし。この体に熱がこもることもない。
 あの優しげなまなざしも、鈴が鳴るような声も、もうどこか遠くへ消え去ってしまった。
 それを取り戻したいと願っても、自分にはもう、何もできない。
 ライヴスが枯渇しつつあるこの体ではもう、彼女の体を支えることもできない。
「なぜだ。なぜ私の大切な人が死ななければならなかった」
 愛しているとさえ、まだいえていなかったのに。
「違う、死ななければならなかったのは別の人間のはずだ」
 私の大切な人は、仲間を守って死んだ。守らなければならない弱い人間がいなければ、こんなことにならなかった。
 情報収集の段階でミスを犯したH.O.P.E.も重罪だ。そして何よりチームメイト。全員が逃げ去りこの子を助けにも来ない。
 この世のすべてが、彼女が守った人間全てが彼女を殺したのだ。
 この子は頑張った。腹から血を吹き出しても、全ての従魔を倒すため戦い続けた。
 人類を救うため命をなげうったのに、人類は彼女が死に果てても誰一人救助をよこさない。
「許さない、私はお前たちを許さない」
 私は彼女の死体を抱きしめた。そうした瞬間、私の意識が彼女の体の中に流れ込んでいくのが感じられた。
「許さん、許さんぞ! H.O.P.E.!」 
 私は覚った、全てを、この体で、この新たな力で、私はH.O.P.E.を破壊する。
 そう私を闇が包んだ。

   *   *


 すべての発端は作戦ミスだ。そう寝台の上でエージェントは語った。
「敵の情報が不足していて、予定していた倍の敵との戦闘になった。すでに負傷していた私たちの隊は意見が真っ二つに割れたのだ」
 もともとは山の奥地に鎮座する愚神『トート』を討伐する任務であったが、あの愚神の力量を甘くみていた。
「私達はトートのもとにたどり着く前に敵の術中にはまった、罠だったのだ。情報も改ざんされていた、狡猾で頭が回る愚神なのだ」
 負傷している兵もいる。全員でこの戦域から撤退するか、もしくはこのまま戦い続けるか。
「その時の戦闘区域は近くに町があった、ここで引けば街に被害が出るかもしれない。その時あの子が言ったのだ『アンリエット・バートリー』が」
 『アンリエット・バートリー』とは前回のミッションでの死亡者の名前、そして今回の討伐目標のもと契約者だった。
「『私が敵の注意を引きつけている間に、皆さんで増援の手配を、そうすればすべての問題が一気に解決するでしょう?』そう言ったのだ、私たちはその提案に頷いた。彼女がどれだけ危険なことを言っているか分かっていたのに、彼女にその役目を任せてしまったのだ」
 結果、アンリエットは死亡、そして彼女と契約していた英雄は愚神の力によって邪英となってしまった。
「私達は捜索隊を出したのだ。だが彼女をみつけることはできなかったのだ。戦闘していた場所は気が深く生い茂る山だった。だから救出に行かなかったわけではないので、助けられなかったのだから単なる言い訳になるがね」
 また彼女が稼いでくれたおかげで、ほとんどの従魔を倒すことに成功している、町への被害はゼロだった。
「いま、彼女と契約していた英雄『ガルマ・アーヴェン』がこのH.O.P.E.支部向けて進行中だ。彼を撃破してほしい」
 そうエージェントは頭を下げた。
「彼は現在トートの支配下だ、彼の心を取り戻すことができれば、彼は英雄に戻ることができるかもしれな、だが彼が私たちの言葉を聞いてくれる確証はない。なぜなら彼自身が、我々を憎んでいるからだ」
 最後にそのエージェントは彼女の遺品を手渡してきた。それは小さな小包で底面には、『貴方のことを愛しています』と書かれていた。
「彼女の思いが届いたところでどうにもならないかもしれない。けれど彼女の思いを届けずにいては申し訳ない、彼女を贄にした私が何を言うんだと思うかもしれないが、どうかこれを彼女に届けてやってはくれないか」
  
 *   *

 トートは心地よい闇の中で笑った。
「ここはいい、居心地がいい、憎悪が渦巻いている、悲しみで満たされている」
 トートは現在消えゆくガルマに力を与え縛っている。
 しかしトートは何かを命令しているわけではない、ただ増幅しているだけだった。
 彼の悲しみを、彼の絶望を、彼の怒りを。


   *   *


 最後に『アンリエット・バートリー』について話しておこう。
 彼女はガルマと結んだ誓約は『誰も泣かない世界を創る』こと。彼女は家族を従魔に殺されており、長らくH.O.P.E.の事務員として活動してきた。
 その最中ガルマと出会い、力を授かり、戦えることに喜びを感じていた。
「みんなが安心して生きられる世界を作ろう、ガルマ」
 そう数々の任務をこなしてきた。
 愛称はエット。
 誰にも愛される、笑顔の眩しい女性だった。

解説

目標 デクリオ級愚神『トート』および『ガルマ・アーヴェン』の排除

『ガルマ・アーヴェン』について。
 彼は現在愚神に取りつかれ邪英としてその力を振るっている。

 彼は近接物理攻撃を得意としていて獲物は日本刀。もともとバトルメディックだったので回復手段を持つ。
 物理防御力に秀でており近接戦はよほどの手練れでない限り厳しいだろう。
 また魔力の刃を飛ばし範囲攻撃してくる、こちらは連発はできない
行動パターンは下記の通り、こちらの攻撃を一ターンにランダムに二回行う
1 近接単体攻撃
2 範囲攻撃(使用した次のターンは使えない)
3 ケアレイン

デクリオ級愚神『トート』
トート自体に強大な戦闘能力はない、ただし洗脳攻撃。減退攻撃を仕掛けてくる上にガルマに一定のダメージを与えない限り出現しない。
 どうやらガルマの体内に潜伏しているようだ。
 行動パターンをまとめると下記の通り
1 洗脳攻撃、遠距離魔法で広範囲を攻撃する。受けると耳元で殺戮を促す声に取りつかれる。
2 減退攻撃、遠距離単体攻撃、傷が回復しない呪いをかける


 ガルマはまだ人間の心を残しているのか、人の言葉に耳をかし、会話が可能。
「なぜH.O.P.E.は彼女を見捨てた」
「命を救うことに意味などない、自分の命が失われてはなおさらだ」
「なにが英雄だ、私たちはいざというとき契約者の命すら救えないのだぞ」
「お前たちも目を覚ませ、今すぐにこんなことはやめるべきだ、くだらない」
 等敵意をむき出しにしてくるが、彼の言葉に対してうまく返すことによって彼の戦闘力を大きく低下させることができるだろう(命中力の低下、行動の放棄等)
 また説得に成功すればガルマは英雄に戻るでしょう。しかし契約者が死亡しているため、正気を取り戻したとしても彼はこの世に存在できません。
 されに説得は容易ではありません。それ故に目標はガルマとトートの撃破に設定されています。

リプレイ



「ガルマさんの気持ち、分からなくもないです……」
今は亡き妻子が映るスマホを見つめながら『坂野 上太(aa0398)』は一人ご地につぶやいた。
 遥か過去に置き去りにした旨の痛みを今思い出すようになぞる。
 これと同じ痛みを彼が抱いているのなら。
 救ってやらなければ。
 そう上太は感じていた。
 彼の隣に立つ英雄『バイラヴァ(aa0398hero001)』は静かに目を閉じる。
戦いの始まりをただ、感じていた。

『御門 鈴音(aa0175)』は願った。くれぬ悲しみが終わるように、枯れた心に雨が降るように。
 そして御門はつぶやく、彼女に寄り添う英雄に向けて。
「……もし私が死んだら。その時は思いっきり私を食べていいよ?」
それに『輝夜(aa0175hero001)』は答える。
「…………馬鹿者! わらわは生きたお前を喰うためにとり憑いておるのじゃぞ? 勝手に死ぬことは許さぬ」
 御門は気が付いていた。その鬼の少女の口が一文字に引き結ばれていること。
 いつも彼女とは違うことを。
(輝夜、あなたはなぜそんなにいらだっているの?)
 その言葉を御門は口に出せずにいた。


『八朔 カゲリ(aa0098)』は殺害対象を待っていた。森に潜み。耳をそばだたせ。遠いのか近いのかも分からない敵をただ静かな心で待っていた。
――ああ、哀しいな。女の望む世界の為にと力を尽くしていた男が、女を亡くして悲嘆にくれる姿は。
業を煮やした『ナラカ(aa0098hero001)』が言葉をかける。
――して、如何する我が覚者よ。彼に対し、汝は如何に向き合う?
 それに対してカゲリは答える。
「説得なんて、したい奴がすれば良い。 女が望んでいないから……。なんて、理由にもならないだろうが……。感情は理屈じゃないんだ」
 キッと遠くを見据えた闇色の瞳はどこまでも静かで、微塵も揺れはしなかった。


『ゼノビア オルコット(aa0626)』は言う。
 その場にいるすべてのリンカーに向けて。
「このまま倒すのは簡単です、けど……それじゃ悲しいです。私達だって他人事じゃないですから」
「声を出して大丈夫なのか?」
『レティシア ブランシェ(aa0626hero001)』は彼女を気遣い歩み寄る。彼女が容易に言葉を発することができない体であることを知っていたからだ。
 だからこそ、ゼノビアの思いの強さを感じ取っていた。
「今回は、私は私の声で、私の言葉で、彼と対峙したいんです。これは単なる戦いじゃない。彼と、彼女の物語を悲劇にしないための戦いなんです。心を救うための戦いなんです」
 そう前を見据えたゼノビアに続いて、リンカーたちは武器を構えた。
 目標は『ガルマ・アーヴェン』
 かつては英雄だった彼を、討伐するためにリンカーたちは進軍を開始した。

   *   *

 ガルマは森の中を着実に進行していた、険しい顔つきで、前だけを見据え。その心の底からわき出す怨嗟の声にのみ耳を傾けていた。
 彼は殺し切るだろう、彼女をみすてたものすべてを。
 それほどの怒りをもってして、彼は歩みを進めていた。
 そんな彼の目の前に突如躍り出たのは『言峰 estrela(aa0526)』そして彼女とすでに共鳴状態にある『キュベレー(aa0526hero001)』だ。
 彼女は微笑む。
「ふふふ」
 その笑みと不意打ちに、ガルマの反応がワンテンポ遅れた。その隙を狙って本から湧き出た黒い霧が彼に迫る。
 そしてその霧は刃へと変わりガルマを切り裂いた、直後黒い霧へと戻り視界を閉ざす。
「さぁ、探して御覧なさい」
 その闇にまぎれた少女をガルマは襲撃者を見失った。
 代わりに視界の端に捉えたのは、木々の隙間からこちらを狙う
『早瀬 鈴音(aa0885)』彼女はアサルトライフルで牽制するようにガルマを打った
――命中しているわ、さすがね鈴音。
『N・K(aa0885hero001)』が観測主の役割を果たしている。そのおかげで慣れない森での戦闘もこなすことができていた。
「奇襲、波状攻撃。力量差がある敵を前にした時には特に有効な作戦だ」
 直後背後に陣取っていたゼノビアからの遠距離射撃。
 その銃弾をガルマは首を傾けただけで回避する。
「小賢しい、お前たちはだれだ」
 問いかけられた瞬間、目の前に現れたのは『加賀谷 亮馬(aa0026)』
 彼はすでに共鳴状態にあり『Ebony Knight(aa0026hero001)』に酷似した姿だった。
「ここは通さない」
 亮馬は剣を抜く。そして切りかかる。
 振り下ろした剣はガルマにやすやすと切り払われ、押さえつけられる、だが。
 その機会を逃さず背後からの奇襲、カゲリのマビノギオンによる遠隔攻撃。
 そしてひるむガルマの横っ面に、御門のフルティングによる攻撃が決まる。
 しかし、ガルマは波状攻撃を受けてもほぼ無傷で立っていた。
「知っているぞその顔。H.O.P.E.で見たことがある」
 ガルマはかつての仲間を顧みてそう言った。
「いまさら来てなんだ。そうか私を倒しに来たのか」
「ちがう、私たちは!」
 御門が反射的に叫ぶ。
「彼女を救いにではなく、私を倒しに来たのだな!」
 その瞬間、大量のライヴスと共にガルマから殺気が放たれた。
「くるぞ、防げ」
 そう察知した亮馬が叫びをあげる。その次の瞬間にはひらめく刃がその身を切り裂いていた。
「いまさら来てなんだ、彼女を助けることはしなかったくせに、私を殺そうというときにはずいぶんと早いじゃないか」
 次いで御門の刃から逃れるために、大きく後ろへ飛んだ。その瞬間彼は剣に膨大なライブスを纏わせ。それを森の一帯へと放った。
「なぜH.O.P.E.を彼女を見捨てた、言え!」
 魔法の刃がカゲリを中心として複数のリンカーを狙うが全員がそれを回避した。 半ば断ち切られた木々がめきめきと音を立てて倒れていく。
「あぶない!」 
『真壁 久朗(aa0032)』は倒れる木々の下敷きになろうとしていた『セラフィナ(aa0032hero001)』をかばい飛び出した。
 何とか回避はしたが土まみれになり地面を転がる。
「殺しに来たのではない、止めに来たんだ」
 久朗が叫ぶ。そして共鳴を開始した、だが全身傷だらけの彼には負担が大きく。共鳴をしても荒い息をついていた。
「アンリエットは仲間を守ったのだろう。……命を賭けて。その彼女の身体を使って、お前は人を殺そうと言うのか」
――クロ!
 セラフィナはリンクしてみてやっと久朗の傷の具合を理解した。
 全身にしみいるような激痛。
 そして見れば衣服の下から血があふれてきているんだろう。血がにじんでいた。
「お前が悲しいからと言って、それを他人にまで押し付けるのは話が違うだろう」
 久朗はその身を抱え起き上がる。そして真っ向からガルマを見据えた。
「だまれ!」
 ガルマは土煙を上げながら着地、そして身を翻し木の中に身をひそめた。
「命を救うことに意味などない、自分の命が失われてはなおさらだ」
「じゃあさ、彼女を守れたとしても、ガルマさんは命を賭けなかったの?」
 早瀬が大声で問いかけた。
「それとも近い人……大事な人だけなら助けんの?」
 その時、ガルマは見た、自分をまっすぐ見据え武器を手に持たずこちらに語りかけてくる少女の姿を。
「なんでそんなに自分勝手なんですか!」
「ばか、あの子何やってんのよ」
 本来であれば早瀬と言峰と彼女はスナイパー、森の中からガルマを射抜き、縫いとめるのが仕事のはずだった。しかしその彼女は今ガルマの目の前にいる。
 その身からあふれ出る思いを止めることができなかったんだろう。
 ゼノビアが真っ向からガルマと相対していた。彼女が叫ぶ。
「H.O.P.E.が、見捨てたくて見捨てたんじゃないって……わかってる、はずです。見てたでしょ、彼女がどんな気持ちで、あの場に残ったか。なんで一人で残るしかなかったか……」
 危険だ、そう歯噛みしながらも早瀬が言葉を継いだ。
「ガルマさんはあの子の思いを裏切ってるんだよ。誰も泣かない世界を創るのに、ガルマさんも皆も力が足りなかった。それを憎んでも良いんだよ。でもね。最後まで貫いたのが片方だけって、どうなのよ?」
「私は……。私も貫いた、彼女と同じ夢を追った。だがそれは間違っていたと、今なら思うだけだ」
「だったらアンリエットさんが守った命や他のチームメンバーも、一緒に死ねば満足、でしたか!」
 ゼノビア胸を押さえながら問いかける。
「ああそうだ! 私は私は、そう思っている。心から!」
 その時、ガルマは振り上げた剣をゼノビアに叩きつけることはしなかった。
 代わりに地面を割り、砕きあたりを土煙が覆う。リンカーたちは一瞬全簿不覚に陥った。
 そんな光も刺さない煙の中に少女の声が響く。
「どうか、聞いてください……ガルマ様」
煙が晴れればその声の正体がわかった『フェルトシア リトゥス(aa0903hero001)』の声だった
その傍らには『黒塚 柴(aa0903)』が立っている。フェルトシアと共鳴せずに見守っていた。
「命を救うことに意味はない…?本当に、そう思っているのですか? ……ガルマ様はご自分の命が最も大切だと……いいえ、それは偽りですよね」
 しかしそれを見逃すガルマではない。森の中から急接近するガルマそれもゼノビアの狙撃で横っ面に吹き飛ばされる。そして体制が崩れたところに御門が切りかかる。
「だって貴方は、アンリエット様の為に命を捨てようとしているのに」
「うるさい!」
 フェルトシアの声を聴くことを拒絶するガルマ、彼は全力でフェルトシアに接近しその剣を振り下ろそうとする。
「亮馬さん!」
「わかってる。」
 しかしその剣が彼女に届くことはない御門と亮馬が剣をクロスさせ、その一撃を止めた。
「もう、終わりにしろよ」
 亮馬が言う。
「アンタの言ってることは筋が通らない。俺は自分の英雄と交わした約束を守ろうとしないあんたが理解できない!」
――そう責めるな、よもやこの異常な怒りや憎しみがこやつだけのものではないということを忘れたか? はよう、出てこい。わらわが食らい尽くしてくれる
 唐突に、いままで成り行きを見守るだけだった輝夜が発言した。御門の目つきが鋭くなり、髪の色に黒味がさしていく。
(これは、輝夜の思い? なんだろう悲しくて、もどかしくて。でも少し暖かい)
 輝夜の感情がいつもより強く、大きく流れ込んでくる。それは悲しみと慈しみ、同情、そして大きいのは嫌悪、ガルマに向けてではない。これは。
「お前それでいいのかよ」
 亮馬がガルマの剣を払い、そして肉薄する。
「なにがだ」
「本当にやりたかったのはこんなことじゃなかったんじゃないかって聞いてるんだよ」
「ああ、そうだな、私はこんなことはしたくはなかった、だが命があと幾ばくかで消えゆくと知った時。私は思ったのだ。この怒りを伝えるべきだと。彼女の犠牲の上でのうのうと生きているお前たちにな!」
「お前!」
 そうさらに追撃の姿勢を見せる亮馬を、木々の陰に潜んでいたカゲリが制した。
「やめろ、熱くなるな。相手の方が格が上だ。死ぬぞ」
 亮馬は足を止める。
「なんであんたはそんなに平然としていられるんだ。だってあいつのやってることめちゃくちゃだぞ」
「めちゃくちゃだが、奴の感情は本物だ。奴の怒りは女に対する想いの丈と同義だ」
「何を言って……」
「冷静になれと言っているだけだ、自分の感情だけで熱くなって切りかかるな、それはあいつと同じことをしていることになる」
「俺はあいつとは違う」
「なら連携を乱すな。それに俺は好感が持てる。女の死に嘆くだけで拳も握れない男なんて、死んで良いだろう。拳を向ける相手が違うとは言いたいがな」
 その言葉で冷静さを取り戻す、彼にも最愛の女性がいるから。
 彼の気持ちがわからないわけではなかった。
 でも、だからこそいっそう強く、許せないとも思ったのだ。
 そんな迷いを見せる彼に替わって
 カゲリは追撃の魔術を放つ。
「この程度か! これだけの人数を集めておきながら私一人に苦戦する、英雄がきいてあきれるな!」
 しかしその攻撃を受けてもまだガルマは倒れない。
「……はい。私達「英雄」の力なんて、本当に……悲しくなるくらい、小さなもの。手の届くところにあるものですら、守れない。それでも、ガルマ様は守りたいと思ったのでしょう?それは、アンリエット様だって同じです」
 フェルトシアが言葉をかける。
「お前たちに彼女の何がわかる! 彼女は信じていた仲間に裏切られて死んだのだぞ。一人で瀕死の傷を負いながらも、歯を食いしばって従魔と戦ったのだ。一体でも逃がせば多くの人間が死ぬ。そういって戦った。そんな彼女をなぜ誰も迎えに来なかった! 私はそれが許せないんだ!」
 森にその悲鳴がこだまする。
 リンカーたちの説得もむなしく戦いは激化するばかりだった。
 そんな様子を遠くから見つめる少女が二人いた。
「芽衣……だいじょうぶ?」
 熱に浮かされた表情で荒い息をつく『北里芽衣(aa1416)』その肩を『アリス・ドリームイーター(aa1416hero001)』が支えていた。
「大丈夫です、それに彼には伝えないといけないことがあります」
「芽衣ったらだいじょーぶ?そんなにそのガルマっていうのと話したいの?」
「うん、だから来たの」
「もぅ。芽衣がいつもアリスにだめだめいう気持ちが、やーーっとわかったわ」
「……ごめんね、アリス、ちょっとだけ無理させて」
「ふんだ、芽衣の言うことだからゆるしてあげる」
 そう言って彼女は歩みを進める。置き去りにされた真実をガルマに伝えるために。
「ガルマさん、H.O.P.E.は、アンリエットさんを見捨てたわけじゃないんです。アンリエットさんの覚悟を受け止めたからあの場を離れたんですよ」
 アリスの手には小さな小包が握られている。
「なに?」
「だからすぐに捜索隊も出て、助けに行ったんです」
 ガルマは明らかに困惑した、動揺し。一瞬動きが止まった。
「だけど、ごめんなさい、みつけることができませんでした」
「嘘だ!」
 そしてその隙を逃さずに御門が一太刀浴びせる。
「くっ……」
 歯噛みしたガルマは振り返り、追撃を仕掛けようとするが。すぐさまゼノビアと早瀬の追撃が飛び、あとを追うどころではなくなってしまう。
「焦っているのね」
 言峰が微笑みながらガルマの前に躍り出て。そして黒い霧で彼を切り刻んだ。
 ここで初めてガルマは膝をつく。
 その姿をみおろして、満足そうに言峰は微笑んだ。すぐに森の中にきえていく。
「おおおおおおおおお!」
 その瞬間、ガルマは叫んだ。声を上げ剣を振り森の中に潜んでいる。早瀬めがけ突き進む。
 早瀬は急速接近してきたガルマの攻撃をよけられなかった、反射的に銃を撃つが、その攻撃は弾かれる。そして突き立てらてた刃の衝撃と痛みで、ライフルを取り落す。そして早瀬は地面に転がった。
「まずは一人目だ」
 ガルマは狂った笑みで早瀬を見下ろし。喉元に刃を当てて見せる。しかし早瀬におびえの表情など微塵もなかった。
「やっぱりこんなのおかしい」
 早瀬は言う、身を乗り出し首から血が流れているのにも構わずに言った。
「何かを恨みたくなる気持ちは仕方が無いと思う。けどそれに流されるのは、やっぱり正しくないよ! 誓約はアンリエットさんが亡くなったことで。二人を結びつける効果はもう無いだからもう破っていいの?」
「うるさい、お前たちに何がわかる!」
「誰も泣かない世界を創るのに、ガルマさんも皆も力が足りなかった。それを憎んでも良いんだよ」
「喉をかき切られたいか?」
「でもね。最後まで貫いたのが片方だけって、どうなのよ? 一緒に創ろうって言った彼女を選んだんなら。恨みながらでもその願いは守らなきゃいけないんじゃないの? 辛くてもそれが二人が歩んで来た事の証じゃん」
「うるさいうるさいうるさい、なにが、何が『誰も泣かない世界を創る』だ、そんなもの無理だった、初めから望んではいけないものだったのだ。くだらない、くだらない」
「くだらなくなんかない! じゃあアンリエットさんが、町を命がけで守ったことも、くだらないって言うんですか?!」
 ゼノビアが叫んだ。
「H.O.P.Eが憎い、壊すなら、私がここで殺されれば、ガルマさんは満足、します? きっと、私の友達や、英雄は、泣きます。【誰も泣かない世界を創る】どころか、壊れちゃいますね」
 そしてゼノビアは涙を流しながら、祈るように告げた。
「こんな、愚神みたいなこと……しちゃだめ、です」
「私は」
 ガルマは直後剣を投げ捨てた。それが樹の幹に突き刺さり、甲高い音を上げる。
 そして早瀬の上からどけ、その身を抱き、地面に膝をついた。
「本当は、くだらないなんて思ってないんでしょ!?」
 早瀬が叫ぶ、その声をかき消すようにガルマの口が開いた。
「あああああああああ!」
 ガルマは叫ぶ、その心が張り裂ける苦痛を表すように。
「手の届くところにある、かけがえのないもの。幸せ。笑顔。もし、自分の命を天秤にかけることで、守ることができるなら……私は、迷うことなくそれを選びます。そして、そのことを誇りに思います」
 フェルトシアが言葉を継いだ。
「……わかりませんか?ガルマ様。アンリエット様は、誇りに思っていたんですよ。誰かの幸せを守れることを。……貴方と、共に戦えることを」
「誇り? あの子が、エッテが?」
 その時だった、黒いガスが突如ガルマから吹き出し始めた。
 御門と亮馬、カゲリはそれを警戒して武器を構える。
「……ガルマ様。きっと……きっとまだ、間に合います。ガルマ様の悲しみ、苦しみ、怒り……わかります。だから」
 そのガスは森を見たし、あたりを一層暗くする。充満し、声が聞こえる
―― どうやら、お出ましのようじゃ
 輝夜がそう言った瞬間、霧の中から声がした。
「わが闇を乱す者は、どこの誰だ」
 その声に抗うようにフェルトシアの声が大きくなる。
「彼女を愛していたのですよね、だから、許せないんですよね……」
「あああああああ、私は!」
「H.O.P.Eも、仲間達も、彼女の守ろうとした人達も。何より、貴方自身のことも」「忌まわしい! そのくだらない答弁をやめろ」
 瞬間その闇が具現化した。黒いフードをかぶった骸骨のような魔物がガルマの中から出現した。
 そしてその研ぎ澄まされたナイフのような指先をフェルトシアへ突き立てようと手を伸ばす。
「だから、お願い……帰って来てください、ガルマ様。一緒に……みんなが安心して生きられる世界を作りましょう!」
「私は! 私は!!」
「ええい。だまれ!」
「それが。私達「英雄」の役目だって、私はそう思っています!!」
「黙れと言っている!」
 柴がフェルトシアをかばい間に入る。そして共鳴を開始した。
「だめだ、間に合わない」
 そう柴は目を閉じ、死を覚悟した。しかしその指先が柴の体を切り裂くことはなかった。
 ガルマが、白銀の剣を抜き、その指先を止めていた。
 トートに抗い。攻撃を止めたのだ。
  
  *  *

「わー、何かあの人から愚神が出てきたのよー?」
――……面白くは無いが、アレを殺してこの任務は終わりだ。
言峰とキュベレーは新たに現れた敵、トートを前に身構えた。
 そして柴が共鳴を開始する
「もう見てられないからな」
「ありがとう柴」
 そうフェルトシアは微笑んだ。
「手はず通りに行きますよ、バイラヴァ」
―― わかってるよ、早く終わらすぞ!
 その瞬間だった、トートとガルマを別つようにブルームフレアがさく裂する。
 そして二人を別つように上太が躍り出た。
「怒りや苦しみはあって当然……だけど、それを愚神に利用されてはいけない。君とアンリエットさんの戦いはまだ、終わっちゃいない! 戦うんだ、内なる自分に!」
 そうガルマを諭す。
「振り払うことなどできない、この者の闇は、この者自身から湧き上がる。この者の本性からな」
―― 黙れこわっぱが。
 いつの間にか御門は変わっていた。黒の長髪をさらりとかき上げ。引き込まれそうな赤い瞳、それに会う深紅の十二単姿となり、頭に角が生えていた。
 次の瞬間、御門がトートの前に立ち、そしてガルマへ渾身の一撃を浴びせ森の中に弾き飛ばした。
―― ……フフッ、よく馴染む身体じゃ……本来のわらわの力には程遠いが……『鬼』が如何なるモノか思い知らせるには十分じゃ……。お主が知らぬ絶望を見せてやろう……。
 そう、一連の動きは全て輝夜によるものだった。彼女は妖艶な笑みを浮かべる。
(輝夜……普段は「人間なんてただの食い物だ!」とか言ってるのに。……いつも最後は人を心から救おうとしている気がする……一体どうして)
 そう御門が逡巡している間にリンカーたちはガルマを追う。

   *  *

「ここは撤退を、そして新しいねぐらを」
 トートは森の中を滑るように疾走していた。一目散に逃げ、姿をくらまし。体制を立て直すつもりでいた。
 しかしそううまくは行かない。その背を銃撃が襲った。
「ぐおっ、だれが!」
 森の中の人影がトートの目を引く、しかしそれは囮だ。
「頭が回るからこそ、思い込んだ事が外れると脆いものです!」
 そう上太が叫んだ瞬間、瓦礫がなだれ込みトートの行く手をふさいだ。次の瞬間逆サイドをリンカーたちがふさぐ。
「ひひひ、まとまってくるとは、愚かだ」
 だが不思議と勝ち誇ったのはトートの方だった。
 それもそのはず、彼は広範囲に殺戮を促す霊力を発することができる。
「殺しあえ!」
 そして周囲に響く思い鐘の音、ガルマの攻撃だった。
 殺せ、殺せとリンカーたちの耳元でささやく声が響く。
 それに対してゼノビアは威嚇射撃を行った。
「もう、誰も操らせはしません」
 その射撃により集中力が途切れたのか、鐘の音が遠ざかる。
「僕は通じませんよ。感情とは律するものなのです」
 上太は剣を構え振り下ろした。トートの肩口から切り裂く。
 直後トートを黒い刃が切り刻む。
「ぐおおおおおおおお」
――ふふふ、みつけられるかしら。森に潜む私たちは、闇に潜むあなたより上機嫌よ
 見事なコンビネーションを見せつけた二人。キュベレーが笑い、バイラヴァが歓喜した。
――狡猾っていうのは、こういう戦い方ができるって事だぜ。
 トートはもはや致命的な傷を負い。体中から霧状の霊力を吹き出していた。それでもまだあきらめず逃げようとあたりを見渡している。
 だがその前に立ちはだかるのは御門、身の丈ほどの大剣を振りかざし、不気味な笑みで微笑んだ。
―― ずいぶんと好き勝手にやってくれたようじゃのう。
「お前は……」
 そう、トートが何も言い終らないうちにその大剣が閃いた。
 大地すら砕く鬼神の一撃で真っ二つにされたガルマは、悲鳴を上げながら霧散していく。
―― 心の闇に付け込むようなことはわらわが許さぬ。
 そしてトートは消滅した。
  
   *   *

 森から邪気が払われ、トートの消滅をリンカーは感じていた。
 だからだろうか、先ほどよりもガルマの様子は落ちつていた。
 彼は今ひざまずいてピクリとも動かない。そのままの姿勢で彼は言った。
「お前たちは、そうか、私からトートを引きはがしたかったのだな。だが無駄だ。私はH.O.P.E.に復讐する」
「アンリエットと一緒に戦ってきたことをお前は無に帰すのか?」
 久朗が歩み寄り、手を差し伸べる。
「彼女はお前との約束を破らなかった。お前はどうするんだ?」
 そう、優しく問いかけた。
 だがガルマは何も答えない。困った表情を向ける久朗のかわりをセラフィナが務めた。
「あなたの契約者はどんな人だったのですか?」
「彼女は優しかった、いつでも他人が優先で、私はよく彼女の心配をしたものだった。だから私は決めたのだ、彼女がこの世界を守るなら、私は彼女を、絶対に守り抜こうと。」
「彼女が死んで悲しかったんですね」
 芽衣が歩み寄り、その手を取った。
 ガルマの頬を涙が伝う。
「私はただ、エッテに死んでほしくなかった。ただそれだけなのだ」
 その涙を芽衣がぬぐう。
「信じたくないのは、分かります。誰かを恨みたくなるのも……でもそんなの、悲しいです。ガルマさんまで、そんなに泣いて」
「泣いてなどいない、泣いてなど……」
「泣いてます。あなたは昔のわたしとかわりません。大切な人をなくして、ただ嘆いて、泣いているだけです」
 そしてその小さな手でガルマに、残された思いを託した。
 ガルマはその包に書かれているメッセージを読み、目を見開いた。
「あけてもいいかな」
 そう芽衣に尋ねると彼女は黙って首を縦に振った。
 その中にはメッセージカードと。そして指輪が入っていた。
「そう言えば、もうすぐであって一年になると、言っていたな。記念日とか、このことだったか。」
 そのメッセージカードにはこう書かれていた。
『この世界では本当に愛し合ってる人たちはおそろいの指輪をつけるんだよ。これ彼もいっしょにいようね、ガルマ』
「彼女の遺品にはお前を愛していると書かれていた。その意味は、お前ならわかるんだろう」
 久朗が問いかける、そしてセラフィナが言葉と継いだ。
「どこまでもお付き合いしますよ。貴方の嘆きは、僕達が受け止めますから」
 そしてガルマはその指輪を薬指にはめる。そしてその手を握りしめつぶやいた。
「私は、全て思い出した、彼女のために私ができることを探していたのだ。私は彼女を愛していたから」
 その瞬間だった。ガルマの体から一気に霊力が放出された。
 この世に彼をとどめておける憑代がなくなったのだ。
 ガルマはどんどん透明になっていく。
「ありがとう、リンカーたち。私は最後にとても罪深いことをしてしまった。けれど誰も殺さずにいられて、よかった。ありがとう」
 そうガルマはリンカーたちに微笑みかけ。そして天にてをかざした。
「なぁ、英雄たちよ。最後にいいか」
 彼の体が光の粒になって消えていく、しかし、その粒は金色の雨となって全員へ降り注いだ。リンカーたちの傷が癒えていく。
ケアレイン。
これは彼と彼女が一番愛したスキルだった。
「いくら私たちが英雄ともてはやされていても、私たちの力は強大な闇の前には無力だった。だがそれでも私はその絆を高めていけばいつかはその闇に打ち勝つことができるのではないかと思っている」
 それはガルマが最後にようやく取り戻した心。
「友を、恋人を、相棒を。守れよ。私のように嘆くなよ」
 そしてガルマは消えた、魂はいずこかへ消え去り。そして森に振る雨だけが残った。

エピローグ
「私が殺された、とき、レティシアが…相棒が復讐を、しようとしたら、悲しい、です」
 ゼノビアはさみしそうにつぶやいた。
―― 大丈夫、俺はずっとそばにいる。だから泣かないで。
 そうレティシアはリンクを解いてゼノビアの頭を撫でた。
「よく頑張ったね」
 その傍らで芽衣はガルマの消えた場所を眺め立ち尽くしていた。
「ガルマさん、アンリエットさん。あなた達の無念も願いも、ちゃんと受け取りましたから。その命を、私達は決して無駄にはしませんから……」
 そう御門や上太と共に墓を建てる。
 そんな風景を言峰とキュベレーは見つめていた。
「あの2人は結局、天国と地獄どちらへ向かったのかしら」
 そう言峰はキュベレーに問いかける。
「……死後などは存在しない。それは死ぬことを恐れた生者の願望だ」
「じゃあ人は死んだらどうなるの?」
「……死体が残り、死体が消えれば形は無くなり。生き残った者の記憶にのみ、僅かに存在し、時の経過とともに忘れ去られ全て無くなる。それだけだ」
「ほら、まだ、花あるぞ、おめぇらも飾れよ!」
 そうキュベレーに花を差し出す。バイラヴァ。その手にはたくさんの花が握られており、全て周囲のリンカーたちに配っていた。
 ここに悲劇の幕が下りた。
 悲しいことばかりがあった事件だったが。それでも最後に彼が救われたのなら、この物語にも意味があっただろう。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • シャーウッドのスナイパー
    ゼノビア オルコットaa0626
  • 高校生ヒロイン
    早瀬 鈴音aa0885
  • エージェント
    黒塚 柴aa0903
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416

重体一覧

参加者

  • きみのとなり
    加賀谷 亮馬aa0026
    機械|24才|男性|命中
  • 守護の決意
    Ebony Knightaa0026hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • 此処から"物語"を紡ぐ
    真壁 久朗aa0032
    機械|24才|男性|防御
  • 告解の聴罪者
    セラフィナaa0032hero001
    英雄|14才|?|バト
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
    人間|15才|女性|生命
  • 守護の決意
    輝夜aa0175hero001
    英雄|9才|女性|ドレ
  • 繋ぎし者
    坂野 上太aa0398
    人間|38才|男性|攻撃
  • 守護の決意
    バイラヴァaa0398hero001
    英雄|20才|男性|ソフィ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • シャーウッドのスナイパー
    ゼノビア オルコットaa0626
    人間|19才|女性|命中
  • 妙策の兵
    レティシア ブランシェaa0626hero001
    英雄|27才|男性|ジャ
  • 高校生ヒロイン
    早瀬 鈴音aa0885
    人間|18才|女性|生命
  • ふわふわお姉さん
    N・Kaa0885hero001
    英雄|24才|女性|バト
  • エージェント
    黒塚 柴aa0903
    人間|18才|男性|命中
  • 守護の決意
    フェルトシア リトゥスaa0903hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416
    人間|11才|女性|命中
  • 遊ぶの大好き
    アリス・ドリームイーターaa1416hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
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