本部
八分村と雪女
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 5~10人
- 英雄
- 8人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/14 12:00
- 完成予定
- 2015/11/23 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/14 09:49:06 -
相談卓
最終発言2015/11/14 09:54:52
オープニング
●八分村
「うちの田舎は、八分村というです。村八分って、言うでしょう。嘘か真か、昔村八分にされた人間たちが寄りあって作った村だと周りからは噂されていました。本当に田舎で、小さな村なんです。葬式ですら、未だに土葬でするような」
HOPEにかけ込んできた男は、そんな話をし始めた。受付嬢が地図で調べようとすると、そんな名前の村はなかった。男は「通称ですよ、通称。正式な村の名前は、他にあります
」といった。その村に、従魔が出たのだと言う。
「村には、俺の祖母が住んでいましたが今年の夏に亡くなりました。だから、そろそろ祖母が住んでいた家を取り壊そうって話になったんです。あんな村に住んでいる親戚もいませんし、引っ越してくる者もいないんだから貸家にだってできない。それで仕事が休みだった俺が親族を代表して、村に行ったわけですよ……そしたら」
――いらっしゃい、タイチ。
死んだはずの男の祖母が、いたらしい。
「この寒い時期だっていうのに野良着一枚で……本当に死んだ時のまんまの恰好なんですよ。それでずっと俺に『いらっしゃい、タイチ』って言い続けるのです」
男は、恐くなって祖父の家から逃げたと言う。
だが、そうやって走っているうちに村にある唯一の診療所のことを思い出した。そこには男の幼馴染み、ユキコが勤めていたはずである。祖父を彼女に看取ってもらってからは連絡もとっていないが、男は幼馴染みが無性に心配になり診療所まで走って行った。
「携帯は使わなかったんですか?」
受付嬢が尋ねる。
「村は、携帯の電波が昔からはいらないんです。家の電話があるにはあるが、調べようにもネットに診療所の情報なんてない。そもそもユキコの診療所に来る患者は、ネットなんて見ない年寄りばかりなんです」
男はユキコの診療所まで行き、彼女の無事を確認したらしい。
だが、そのときユキコは泣いていた。
『ごめんなさい、タイチ。急いでHOPEというところに行って、そこでリンカーを呼んできて欲しいの。そこにいる人たちならば、たぶん全部分かっているから』
●冬の村
八分村に、雪が積もりだした。このままでは、村はきっと雪で閉ざされるだろう。ユキコは毎年、冬になると何人が春を迎えられるだろうかと考えていた。
「……冬は、年寄りや子供があの世にひっぱられる」
ユキコは、この村が好きだった。だから、医者になってわざわざ村に帰って来たのだ。だが、村はどんどんと寂れて行き、最後に残った年寄りもとうとう今年の夏に亡くなった。
ユキコは、さびしかった。
だから、愚神のあんな甘言にも乗ってしまったのだ。
『私と契約すれば、あんたはこの村で一人ぼっちで生きなくてすむよ』
「……タイチ、本当にごめんなさい」
――村八分村。
そこは愚神と従魔が、リンカーを呼びよせるために作った罠。
解説
八分村……16時現在、大雪注意報発令中。雪は膝のあたりまで積もっており、さらに増えていく。日中だが、吹雪のため視界は悪い。家は全部で十五棟あり、昔ながらの作りをしている。畑仕事のために、大きな縁側があるのが特徴。
従魔(村民たち)……各家に二人ずつ(お爺さんとお婆さんペア)でいる。愚神の命令があるまで、『いらっしゃいませ』という挨拶をひたすら繰り返し、村に訪れた者を愚神の元まで誘導させようとする。攻撃を受けるかリンカーが雪女と接触する、と攻撃をしかけてくる。なお、服装などに関わらず、雪や寒さに強い耐性があり、吹雪のなかでもスムーズに動くことが可能。武器は、農具。
愚神(雪女)……英雄と偽って、ユキコと契約した愚神。姿はほぼユキコであり、ユキコの意識は生きている。触れたものを凍結さたり、空中の水分を凍らせて吹き飛ばしてくる。吹雪のなかでも自由に動き回ることが可能。
タイチ……村までの道案内として同行する。村の地理に詳しく、ユキコを心配している。なお、大学に進学するまで、ユキコと付き合っていた。(PL情報―ユキコを攻撃すると、タイチはユキコを庇おうとする)
ユキコ……村唯一の医者。八分村が好きで、若者たちが都会に移るなかで村に残ることを決める。愚神と契約した自分のことを責めており、雪女と共にリンカーたちに滅ぼされることを望んでいる。なお、タイチとは将来の方向性(ユキコは村に戻りたかったが、タイチは町で仕事をしたかった)の違いによって別れている。
マスターより
こんにちは、落花生です。
個人的に怪談は、夏よりも冬を舞台にしたほうが怖く感じます。雪で逃げ場がない。あるいは、雪で閉じ込められているというのがなんとも……。
リプレイ公開中 納品日時 2015/11/19 01:08
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/14 09:49:06 -
相談卓
最終発言2015/11/14 09:54:52