本部
奏でる者、『奏者』
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/01/27 19:00
- 完成予定
- 2019/02/10 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2019/01/27 18:11:55 -
質問卓
最終発言2019/01/25 23:33:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/01/24 22:33:51
オープニング
●奏でる者
奏者とは、奏でる者。音と深いかかわりを持つ。
奏者とは、奏上する者。仕える上の存在を持つ。
これは、依代たる『笛吹芽瑠』のつけた名とされる。
ただし『黒蛇』の人間は誰も、生きている『笛吹芽瑠』には会った事がない。
猜疑心が強く、傍に置くものを誰一人として信用しない。
どんな場合でも、必ず手綱を握れるよう、あらゆる方策を尽くす。
『黒蛇』に属するリンカーは全て、爆発物を埋め込まれている。重要な仕事を任されることが多いからだ。
命令に背いたとき、あるいは生命活動が停止したとき、彼らがどこの誰であったのかを闇に葬る。
どこの誰でもなかった黒孩子であろうと、それは同じ。
それが、『黒蛇』に所属するということ。
●笛吹芽瑠
「芽瑠君は、人間に家族を惨殺されてる。人の世を憎んで愚神を呼び出していたとしても、ボクは驚かないな」
ソロ デラクルス(az0036hero001)は寿神の兄、土胜人の手紙から顔を上げて言った。
「『めー』は……いや、笛吹殿は、生きていれば俺と同じ年齢の娘が居るのだと言っておった。死んだ娘の代わりに、俺を可愛がってくれたのじゃ」
十二歳で拾われた頃の、幼い愛称が風 寿神(az0036)の口から漏れる。
笛吹芽瑠は、何も持たずに故郷を飛び出した寿神に名前と戸籍を与え、愛情を与えた。
それは偽りではなかったと、今も信じている。
「あの人はいなくなる前、きっとまた会える、探してくれと俺に言ったのじゃ。今となっては、それがどういう意味を含んでおったのか……」
家屋と充分な財産を寿神に遺し、笛吹芽瑠は消えた。
記録によれば、寿神の故郷である山茶郷が愚神に滅ぼされたのも同時期。
「殺して貰えるとでも思っとったんやろ。ホンマに愚神を呼び出したんやったら、舐めた考えやけどな」
リィ――本名は、マパチェ・デルクス(az0036hero002)。
能力者であった土胜人の願いに応え、風寿神と新たな誓約を結んだ。この先を見届けるために。
「ソウシャは心底意地の悪い奴やからな。死にたがっとる人間はまず殺さん。心変わりして、先の人生を望んだときにようやく笑いながら殺す。そうすると『いい音』がするんやて」
奏者が最も好む楽器は、人間の心。
人が悲嘆に暮れるとき、最も美しい音を出す。彼は、それを音として知覚する。
ただし、それを糧としているわけではない。あくまで嗜好品として、悲嘆の心を好む。
「死神の姐ちゃんも、澄んだいい音がするらしいで。他とは違うんやて。ソウシャの奴、姐ちゃんが悲しむことなら何でもしよるで?」
「そうか。では俺の兄という人も、さぞよい音がしたのであろう」
寿神が言うと、リィは顔を顰める。
「シェンレンは、なるべく何も感じんようにしとった」
「そうじゃろうか? 俺と兄は対の存在、なにやらわかる気がするのじゃ。奏者が兄に俺を殺せと命令した意味、兄が何も感じない振りをしていた意味、リィに何も告げなかった意味」
「訳知り顔すんな」
リィは寿神をキッと睨む。誓約を結んだといっても、ソロのように仲良しというわけにはいかない。
「確かに、俺は悲しい。兄が俺の捨てた運命を背負わねばならなかったことも、俺の身代わりとして奏者に囚われたことも、敵対する言葉しか交わせず命を落としたことも」
ぎゅっと唇を噛み、リィは押し黙っている。
「じゃが、兄の傍にリィが居てよかったのじゃ。全てが報われよう。じゃからこの先は、俺がリィを守ろう」
長い沈黙が流れる。リィは細かく震えていた。
「…………自分ら二人、似とらへんと思とったけど、そっくりやな。勝手なとこが」
●見えない刃
奏者は、きわめて用心深い。従魔と他人を扱うことに長け、滅多なことでは自分の能力を見せはしない。
なるべくなら逃げろ。
以下は、そうできなかった場合に備えて記す。
奏者の支配下にある研究所では、いくつかの従魔を調整している。
カプセルとして人に飲ませて支配するもの、獣に与えてその力を強化するもの。
そのいくつかには、もう遭遇しているだろう。
奏者は組織を通じ、幅広い情報網も持っている。もし奏者が本気で追うなら、逃げ切ることは困難だ。
音の支配と、見えない刃には気をつけろ。
奴は自分の音を消す。そして音もなく近寄る。
山茶郷は、見えない刃によって滅ぼされた。
刃は奴を中心に飛ぶ。
一度に広範囲を切り裂く。
視認はできない。
ただし、硬いものは透過できない。
遠くのものは斬れない。
●四川省、豊都
「奏者には、一度会ってみようと思うのじゃ」
寿神は静かに言った。
「連絡がつきそうな場所、その四川省の研究所とやらに、手紙を送っておいた、会いたいので訪ねると」
奏者が寿神に何らかの執着を持っているという話が本当ならば、何かしらのリアクションはあるだろう。
「それ果たし状やん。姐ちゃん、切り刻まれるで」
こちらから奏者にアクセスできる可能性のあるのは、四川の豊都、平都山にある研究所。
場所は寿神の兄が遺した資料に書いてあった。
尻尾切りと移動を続ける蜥蜴市場――『黒蛇』の、動かない拠点とも言える場所。
「ひとりで行くわけではない、仲間を募る。俺も死なない程度になるよう、留意しよう。リィ、共に来てくれ」
「ええ度胸やな、姐ちゃん。うちにとっても奏者は仇や。いつまでものさばらせんわ」
リィは挑戦的な笑みを浮かべる。
研究所は平都山の中腹にあり、広い敷地に二階建ての建物が建っている。
幹部と呼ばれていたリィ達でも、入ったことがあるのは物資の受け渡しに使う一階のエントランスだけ。
「まあ、幹部っちゅうんはソウシャの都合よく動かせる駒の意味やからな」
それでも、特権のある地位を奪い合い、内部では静かな争いが繰り広げられていたのだと、リィは言う。
密告、讒言、裏切りは日常茶飯事。
奏者の下についてからというもの、心休まる日などなかった。
そしておそらく、内部告発によって胜人は死んだ。
告発者のことはもうどうでもいい。だが元凶であり、手を下した奏者のことは許さない。
「どのみち、いつか殺すつもりやった」
そうしなければ自由になれないと、知っていたから。
リィはこの世界に来て、出会った胜人を幸せにしてあげたかった。
もっと自由に、笑わせてあげたかった。
もう、叶わない。
「うち、何でもしたるわ。ソウシャを殺すためやったら」
解説
目標:四川省の研究所に行き、遭遇する奏者の能力を探る
●奏者
・『黒蛇』に所属し、蜥蜴市場を取り仕切る愚神
・人間の悲嘆、苦痛を好む
・寿神の恩人、笛吹芽瑠の体を依代とする
・寿神に執着しており、寿神が来るとわかれば、苦痛を与える為に必ず来る
《消音》
・自分の立てるあらゆる音を消す
《見えない刃》
・範囲3で水平に不可視の刃が飛ぶ、盾は有効
・射程は限られるが、正確な飛距離は不明
研究所模式図・ノンスケール】
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■ □□ 入口 □□ ■
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■■■■■■■門■■■■■■■■
□;建物、1辺約20sq ◎;エントランス位置
■;塀、高さ約4m
・敷地内は見晴らしのよい緑地
・胡蝶、血鉤、冥蛇、首なし、青光の元となる従魔を調整した研究所
・門は暗証番号制であり、リィが番号を知っている。ただし監視カメラがあり、出入りは記録されている
※『奏でる者』『見えない刃』は手紙の内容であり、PC情報です。
マスターより
蜥蜴市場を支配する愚神、奏者への威力偵察戦です。
調査寄りの戦闘か、戦闘寄りの調査か悩みましたが今回は調査寄りの戦闘で、奏者は確実に研究所に現れるものとします。
まだ情報が少なく、撃破には至らないかもしれません。
またこちらの研究所は各種従魔を研究・調整しております。何か出してくるかもしれません。
それでは、よろしくお願いします。
(『胜』は特殊文字でありOPとプレイングでは可能でしたが、リプレイでは不可でした。無念…)
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2019/02/09 00:27
参加者
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相談卓
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最終発言2019/01/25 23:33:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/01/24 22:33:51