本部
【山茶郷】秘境崩壊
- 形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,300
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/10/29 22:00
- 完成予定
- 2018/11/12 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
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相談卓
最終発言2018/10/29 19:28:48 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/10/28 00:15:06
オープニング
●テロ支援施設
「中国政府が、山茶郷への攻撃を決定した」
そう告げる風 寿神(az0036)の紅い瞳は、驚くほど落ち着いていた。
かつて逃げ出し、そののちに愚神に滅ぼされたという陸の孤島、山茶郷。
いまはヴィラン組織の武器工場の建つ故郷に、彼女は何を思うのか。
「順を追って話そう。先日の調査によりH.O.P.E.は山茶郷で製造されている武器の部品をサンプルとして入手した。そしてそれが、北京の従魔を使ったテロ事件で使用されたものと一致したのじゃ。山茶郷の工場は中国政府にテロ支援施設として認定された」
北極で異変が起こり、それと呼応するようにして各地で事件が起こった。
北京では死者の体を乗っ取る従魔がAGWを使用して市民を殺害し、国務院を警護していた兵士達も従魔化されるという事件が起きたばかりだ。
そして、その北京の事件で使用されたAGWが山茶郷で製造されていたものと方が一致した。
兵士の同士討ちを幻覚にて誘発したとされる『胡蝶』も、小羊路市場で販売されたものと同じ素材を使用していた。
中国政府は極秘裏に当該施設との接触を試みたが、反応はなし。
間もなく最後通牒の勧告ののち、施設の空爆が予定されている。
「じゃが、H.O.P.E.側としてもこれを見過ごす訳にはゆかぬ。あの工場ではAGWを製造し、労働者の服従のために従魔を扱うことが判明した。愚神がいかに関わっているのか、その証拠も得られぬまま手をこまねいている場合ではない」
調査メンバーが持ち帰った識別用金属タグには、一つ一つにカプセル内で休眠状態になった従魔が仕込まれていた。電気信号で装着者の首から注入できる装置と共に。
「服従か死か――金属タグによって『印』をつけられた労働者達は好きこのんで武器密造に携わっている者ばかりではあるまい。救出できれば大きな情報源となる可能性がある」
労働者が協力的であれば、中国政府は彼らをテロリストとしてではなくテロリストに拘束を受けた被害者として扱う。その点についてはH.O.P.E.香港支部が調整している。
「また、同工場は蜥蜴市場の運営するものと看做されておるが、蜥蜴の組織は全容が掴めておらぬ。証人でも、証拠書類でも、データでも……なんらかのものを持ち帰りたい」
蜥蜴市場、という名称すら、追う側がそう呼んでいるだけだけである。
様々な土地で普通の市場に隠れた違法取引を行う。
常に尻尾を切り捨てて逃げる。
わかっているのはそれだけ。
●最後の一日
「中国政府の総攻撃の前にH.O.P.E.に与えられた時間は、二十四時間。その間に回収しきれる限りのものを回収する。証拠品は前回のメンバーが押収した。よって今回優先するのはデータと、情報を持った人間たち」
寿神はホログラムを操作し、前回の調査によって判明した工場の構造図を浮かび上がらせる。
「工場棟、居住棟共に地上部は一階程度、建物は地下に広がっておる。俺達が最初に到着したのは工場棟の地下五階。オートマッピングシートにより、隠しトンネルとエレベータの位置も判明した」
隠しトンネルの出口は人の入らない保護林の中で、普段は植生で偽装された扉で閉じており、中国政府が監視中。他の出入り口の存在は不明。
「今回は協力者リィとのコンタクトは取れておらぬ。よって前回と同じ経路は危険であり、空からの降下作戦となる。要請があれば通常兵器による空からの援護が可能であるが、精度は期待せぬほうがよかろう」
援護は、工場で製造されている兵器の射程外からのものに限られる。
使用可能武器は、主に誘導追跡機能のない500ポンド爆弾。
一般人の救出をする場合は、最後の手段として取っておいたほうがいいだろう。
「おそらく、地下五階の倉庫付近に管理室がある。そこでこのタグの管理をしていたはずじゃ」
ちゃら、と音を立てて寿神は目の前のテーブルに金属タグを置く。
「数の確保が必要なせいであろう、この装置の仕組みはごく単純。前述の通り電気信号を受けて装着者に従魔カプセルを注入する。革ベルトを切断しても装置は作動する。ただし、この装置にライヴスは必要ない。つまり」
テーブルの上の金属タグを、両側から薄い磁石で挟む。
ガチリ、と音を立てて磁石が貼りつく。
「注入口を塞ぎ、工業用磁石で機械を誤作動させてしまえばあとは単なる革と針金。単純な刃物で切断できる」
寿神が取り出したのは小型のシートベルトカッターのような形状の刃物。樹脂製のガード素材のスリットの奥に刃が仕込まれており、スリットにベルトを引っ掛けて切断する。人体に密着したベルト状のものを切る為の刃物。
「タグは本来はこの程度の単純な装置で外せるもの。ただし外せば即座に監督者である『女王様』とやらに知れるのであろう」
前回の調査で、侵入者がいると知れた途端にやってきた女がいた。
女は自らを『女王様』と呼ばせ、首なしの従魔を銀の笛で操った。
「潜入により電気信号の源を叩くもよし、個別にタグを外してやるもよし。情報集積機関も普通なら地下にありそうではある」
押収予定は、パソコン、電子記録媒体、書類、その他持ち運べるものなら何でも。
「世界各地で異変が続いておる。H.O.P.E.も山茶郷ばかりに人員を割くわけにもいかぬが、今回は皆を含めて三チームが出動する。少しでも多くのものを持ち帰って欲しい」
脱出経路は輸送ヘリ、地下エレベータ、そして南側の崖。
どの経路も安全に撤退できるよう付近を制圧する必要がある。
「最後に、少し補足じゃ。H.O.P.E.東京支部から回答があった。山茶郷で製造されていた武器類が、日本の四国でゾンビたちが使用していたものとも型が一致した」
●斜陽の中で
(逃げよう)
夕日の差す部屋の中、白い髪に獣耳――『リィ』の名でエージェントの前に現れた少女が、メモ用紙にペンを走らせる。
(北には奴らの親玉が出たらしい。この混乱の中なら逃げられる)
(逃げてどうする)
傍らにいるのは、黒いスーツに白いシャツの男。少女の必死の訴えにも表情を動かさず、淡々と返答を書き入れる。
(もう何もかも終わりや。最後くらい自由でもええんちゃう?)
泣きそうな顔で、少女は懇願する。なぜか声は漏らさずに。
(どちらかしか生き残れない。俺か、死神か)
部屋の中には、ペンの走るかすかな音だけ。
(今度こそ、死神を殺す。生き残るのは俺達だ)
男は書き終わるとすぐにメモ用紙を破って丸め、灰皿の上に投げライターで火をつける。
燃え上がる炎が、少女の願いも男の決意も飲み込んでゆく。
男は無言で荷物を取り上げて部屋を去り、その後を白い少女が追った。
解説
主目標:山茶郷の工場施設から24時間以内に出来うる限りの証拠データと証人を救出する
副目標:搬出が可能な撤退経路を確保する
【現場模式図(断面・ノンスケール)】
_□□□□□□□_□□___□□__地表面
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□□□□□□□ □□□□□□■←監視室
■
■
工場棟 居住棟
※平面図とスケールは前回OPに準じる
■:エレベータ位置
工場棟:地下五階まで探索済み
居住棟:天井低めに部屋が詰まっている。中央に大きな吹き抜けあり
最下階に商店と居住棟用監視室がある
●開始時間:交渉可能。指定のない場合は正午作戦開始。ヘリからパラシュートにより降下
●推計人員
工員:300名程度
工員以外の労働者(商店等):100名程度
蜥蜴市場構成員・従魔:不明
●注意事項
テロ支援組織認定によってここにいる人員はすべてテロリストの可能性ありと見做され、無条件での殺傷が許可されている。作戦後に残った労働者はその後の空爆での生存は想定されていない。救出に成功した人員はH.O.P.E.が一時的に身柄を預かる
●撤退経路
・輸送ヘリ:地上制圧が必須
・エレベータ:管理システム全体の制圧が必須。仕掛けがあるかもしれない
・南の崖:監視カメラと狙撃システム破壊が必須。岸壁の階段は崩落があるがロープ降下の際足場として使える
●登場
NPCエージェント10名×2チーム:通信機を持ち作戦を支援する。作戦指示可能
中国軍:輸送ヘリにより撤退を支援。要請に応じて通常武器(銃器、500ポンド爆弾)での援護
●貸与品
タグ破壊用工業磁石&カッター(必要数)
※『斜陽の中で』はPL情報
マスターより
蜥蜴市場を追っている間に北極が大変なことになり、北京でも山茶郷製の武器が使用されました。
それを受けて、中国政府からの本格攻撃が始まります。
実は、【屍国】でもゾンビたちが近代兵器を使用しており、それらはすべて密輸入の違法武器で、中国に支援組織があるという設定があったのです…!
長い期間を経てようやくここで繋がります。
なお、【屍国】のことを御存じなくともシナリオには影響しません。
人員不足のため支援NPCは10名×2チームですが、うまく使ってください。
不明な点は、質問してください。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/11/11 15:25
参加者
掲示板
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相談卓
最終発言2018/10/29 19:28:48 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/10/28 00:15:06