本部
意識のネットワーク
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/16 22:00
- 完成予定
- 2018/08/30 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
質問卓
最終発言2018/08/14 14:56:59 -
追撃の一手(相談卓)
最終発言2018/08/16 21:22:21 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/16 21:19:32
オープニング
●ある研究室にて
「γの改良は進んでいるのか」
すらりとした外見の女が、腕組みをして尋ねる。糊の利いた白衣を着た男は、幾つものモニターに目まぐるしく流れていく情報に目を通していた。
「ええ。順調ですよ。前回の戦いでは良いデータが取れたので」
「H.O.P.E.は件の研究所に留まって調査を続けているようだが」
男はまじめくさった顔をしているが、口元の笑みは隠しきれない。
「いいんですよ。内容を覗けたところで、彼らが我々の技術を転用するわけにはいかない以上、彼らの役には立ちませんし。むしろ良い撒き餌になりました」
「我々と繋がる情報までもそこに残しておいたわけでは無いだろうな」
女は眉間に皺を寄せると、ずり落ちかけた眼鏡をかけ直して男を睨んだ。男は肩を竦めると、軽快な手つきでキーボードを叩き続ける。
「残しませんよ。そもそも貴方、わざわざこうして直接会いに来ているでしょう。用心深いにも程があります」
エンターキーを殊更勢いよく叩くと、男は椅子をくるりと回して背後の女に振り返った。
「まあ、研究資金を私達に回し続けてくれる限りは、という前提ですけども」
「脅すのか。我々を」
「脅しているわけではありません。ただ、貴方達は世界に立ち向かおうとしているし、私もそれは同じ事です。一蓮托生、共倒れになる覚悟で手を貸していただかなければ私も困ってしまいますから」
スーツの女は肩を強張らせる。顏も顰めていたが、やがて溜め息と共に仏頂面へ戻った。
「既に我等は地獄の門を潜った。どこまで堕ちても、もう同じ事だ」
「よくぞ言ってくださいました。ではそろそろ、今回の研究結果をお見せしましょう」
男は再びキーボードに向き直る。何か操作した瞬間、モニターの画像が一気に切り替わった。ヘルメットを被った何人もの兵士が、暗いコンテナの中に座っている。黒鉄の義体の心臓部には、RGWドライブが歪な輝きを放っていた。
「Σです。頭部及び循環器系以外は全て機械化、有機体部分の生命維持と機械部分の動作は全てRGWドライブの出力を上げる事で賄っています。その分、プロテクト込みでも従魔に精神が蝕まれるような状態に陥っていますが……それを逆手に取り、今回はあるシステムを組みました」
コンテナが開かれた瞬間、兵士達は武器を構えて一斉に飛び出す。モニターはその背中を追いかけていく。男がキーボードを素早く叩くと、兵士は目の前の建物に向かって次々と銃撃を始めた。彼がキーボードを操作する度に、兵士の挙動は変化する。女は眉間に皺を寄せた。
「ライヴスネットワークです。完成の為に幾つか協力を得る必要がありましたが……彼等の行動は、こちら側でほぼ完全にコントロール出来ます。只の民間人が愚神や従魔、リンカーに対抗する力を保有するばかりではなく、指揮官の命令に百パーセント従う、得難い精兵となるわけですね。この技術があれば、戦力不足は十分に補えることでしょうね……どうかしました?」
あっけらかんと人倫を踏み越えていく男。女は言葉を失いかけていた。
「……お前は、一体何をしようとしているんだ」
「何のことはありません。私はただ、意識のハードプロブレムに挑戦してみたいだけですよ」
●追撃の一手
「プリセンサーの予知によれば、あと十分ほどで研究所への攻撃が始められるようです」
研究室の一角に集められた君達に向けて、オペレーターの代行を請け負った澪河 青藍(az0063)は早口で説明を始める。ホワイトボードに丸や四角を書き込み、彼女はそれらをペンで指し示す。
「敵は、前回回収した機械従魔、エリミネーター4体とフリークス8体。フリークスについては、回収できた研究データなどを照合する限り、前回よりも改造が進められている可能性はあります。まあ予想の範囲内ですが」
研究室を表す大きな四角に向かって、敵を表す幾つもの丸が左側から固まって押し寄せてくる。
「サーバー内のデータ、あるいは紙面の資料などは調査及び回収を終えているため、破壊して早々に撤収でも問題無いのですが……仁科からこの機を利用したいとの提言がありまして」
青藍がちらりと横を見ると、仁科 恭佳(az0091)は左手に提げていたアタッシュケースをテーブルの上に乗せる。開くと、中には深い蒼に塗られたドライバーのような形のAGWが収められていた。
「これは小型AGW“トレーサー”。フリークスを束ねるネットワークをジャックする為に作りました」
ネットワーク。今まで出てこなかった言葉に誰かが首を傾げると、恭佳はすぐさま応える。
「前回回収したフリークスの被検体を調査した結果、頭骨内部からこれが発見されました」
恭佳はフィルムに包まれた小さな発信機を取り出す。
「発見した時点で機能は停止していたのですが、その他部位との接続を見る限り、恐らくはフリークスの挙動や視覚その他の情報を纏めて送信する為の装置であったと考えられます。要するに、戦闘データを研究者にフィードバックするためのネットワークというわけですね」
恭佳はドライバーを取り出すと、君達の前に差し出す。
「可能ならで構いません。フリークスに対し、この武器を一度以上行使してください。この技術を行使している人間もバカではありません。恐らく戦闘不能になったと見るや、すぐにネットワークを切断してしまうでしょう。戦闘可能な状態にあるフリークスに強襲を仕掛ける事で、切断される前に辛うじて発信源の正確な解析などを行う隙が生まれる……と考えております」
「この解析に成功すれば、一気に相手の内情へ迫る事が出来るはずです。……勿論発信源が相手の基地だったとして、そこが廃棄されてしまう可能性はありますが、それでも敵の実験や行動を阻害できた事になると思います。……なので、どうかよろしくお願いします」
恭佳のお辞儀を合図に、君達は一斉に散開する。青藍は幻想蝶から取り出したアサルトライフルの手入れをしつつ、恭佳の方をちらりと見る。研究室の中央に据えられた通信機に向かい、操作を始めていた。
「本当にこっち来るなんてね。別に向こうが奪い返したいような情報は無かったんでしょ」
「奪い返したいとかは関係ないんだよ。余計な注目を集めずにH.O.P.E.に検体をぶつける事が出来る。だから……来ると思ったんだ」
恭佳は神妙な顔をしていた。手元のモニターを見つめたまま、恭佳は独り言のように呟く。
「チンピラにコスプレさせたのとはわけが違う奴が来るはずだから。まあ大丈夫だとは思うけど……気を付けてね、姉さん」
「……うん。皆にも伝えとく」
解説
メイン フリークスΣを全て無力化する
サブ トレーサーをフリークスの一体に対して使用する
ENENY
☆フリークスΣ×8
ほぼ全身が機械。精神が従魔の侵蝕によって殆ど破壊されており、半ば操り人形のような状態になっている。
●脅威度 デクリオ級相当
●ステータス 物攻・移動A、その他は平凡
●スキル(PL情報)
・アサルトライフル
平凡な遠隔攻撃。
[射程1-20、物理]
・グレネードランチャー
平凡な遠隔爆撃。
[射程1-10、範囲1。研究所の壁や屋上が壊れる]
・レセプター
被験者の意識はほぼ残っていない。外部からライヴスを利用した遠隔操作が行われている。
[精神系BS無効]
☆機械従魔×6
二足歩行の機械に憑依した従魔。自律行動は出来るが、ひたすら眼の前を撃ち続けるだけの模様。
●脅威度 デクリオ級
●ステータス 物防・生命A、その他は平凡
●スキル
・ミニガン
ライヴスにより精製した弾丸をばら撒く。
[射程1-30、物理]
●特性
・無差別攻撃
前回はフリークスも構わず狙っていたが、今回は様子が違う。
[最も近い“PC”を優先して攻撃する]
NPC
澪河青藍(カオ67/32)
研究所の屋上から援護射撃。指示によって他に回す事も出来る。
仁科恭佳(ジャ45/27)
トレーサー使用時の補助。終われば屋上から狙撃。こちらは指示出来ない。
FIELD
・研究所周辺からスタート
・研究所の屋上には上がる事が出来る。敵を狙いやすいが、ターゲットもされやすい。
・研究所内部から窓越しに攻撃する事も可能。
・打って出る事も可能。
TIPS(PL情報)
・Σの改造度合いは“Deus ex Machina”に登場したβと同じ。知っている必要はないが興味があるなら。
・Σは操作可能な従魔といった色が強く、コミュニケーションはまず不可能。
・Σは戦闘不能になった時点でRGWドライブが停止し、そのまま被験者も死亡する。
マスターより
こんにちは。影絵です。
今回のサブミッションに成功すればいよいよこのシリーズも大詰めといったところです。
注意すべき点は、うっかり敵を全滅させてしまわないようにする……というところでしょうか。
では、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/08/24 11:57
参加者
掲示板
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質問卓
最終発言2018/08/14 14:56:59 -
追撃の一手(相談卓)
最終発言2018/08/16 21:22:21 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/16 21:19:32