本部
【白刃】曇りのないファインダー
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 6~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/22 22:00
- 完成予定
- 2015/10/31 22:00
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2015/10/22 15:53:28 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/20 13:30:40
オープニング
●H.O.P.E.
「……老害共が、好き放題に言ってくれる」
H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットが会議室から出た瞬間、幻想蝶より現れた彼の英雄アマデウス・ヴィシャスが忌々しげに言い放った。
「こらこらアマデウス、あまり人を悪く言うものではないよ」
老紳士は苦笑を浮かべて相棒を諌める。「高官のお怒りも尤もだ」と。
愚神『アンゼルム』、通称『白銀の騎士(シルバーナイト)』。
H.O.P.E.指定要注意愚神の一人。
広大なドロップゾーンを支配しており、既に数万人単位の被害を出している。
H.O.P.E.は過去三度に渡る討伐作戦を行ったが、いずれも失敗——
つい先ほど、その件について政府高官達から「ありがたいお言葉」を頂いたところだ。
「過度な出撃はいたずらに不安を煽る故と戦力を小出しにさせられてこそいたものの、我々が成果を出せなかったのは事実だからね」
廊下を歩きながらH.O.P.E.会長は言う。「けれど」と続けた。英雄が見やるその横顔は、眼差しは、凛と前を見据えていて。
「ようやく委任を貰えた。本格的に動ける。——直ちにエージェント召集を」
傍らの部下に指示を出し、それから、ジャスティンは小さく息を吐いた。窓から見やる、空。
「……既に手遅れでなければいいんだけどね」
その呟きは、増してゆく慌しさに掻き消される。
●ドロップゾーン深部
アンゼルムは退屈していた。
この山を制圧して数ヶ月——周辺のライヴス吸収は一通り終わり、次なる土地に動く時期がやって来たのだが、どうも興が乗らない。
かつての世界では、ほんの数ヶ月もあれば全域を支配できたものだが、この世界では——正確には時期を同じくして複数の世界でも——イレギュラーが現れた。能力者だ。
ようやっと本格的な戦いができる。そんな期待も束の間、奴らときたら勝機があるとは思えない戦力を小出しにしてくるのみで。弱者をいたぶるのも飽き飽きだ。
「つまらない」
「ならば一つ、提案して差し上げましょう」
それは、突如としてアンゼルムの前に現れた。異形の男。アンゼルムは眉根を寄せる。
「愚神商人か。そのいけ好かない名前は控えたらどうなんだ?」
アンゼルムは『それ』の存在を知っていた。とは言え、その名前と、それが愚神であることしか知らないのであるが。
「商売とは心のやり取り。尊い行為なのですよ、アンゼルムさん」
「……どうでもいい。それよりも『提案』だ」
わざわざこんな所にまで来て何の用か、美貌の騎士の眼差しは問う。
「手っ取り早い、それでいて素敵な方法ですよ。貴方が望むモノも、あるいは得られるかもしれません」
愚神商人の表情は読めない。立てられた人差し指。その名の通り、まるでセールストークの如く並べられる言葉。
「へぇ」
それを聞き終えたアンゼルムは、その口元を醜く歪める。
流石は商人を名乗るだけある。彼の『提案』は、アンゼルムには実に魅力的に思えた——。
●立入り禁止区域路地裏
首からカメラをさげた男はエージェントに見つからぬよう、かつ彼らの活躍を激写すべく、従魔やエージェントの気配を探して路地裏を移動していた。
男の名前は竹田といった。フリージャーナリストである彼が、激しい戦闘が予想される場所に危険を犯してまで来たのは、自分が胸に下げるカメラのもとの持ち主への思いがあったからだ。
婚約者であった奈緒もジャーナリストで、一緒に取材に行くことも多かった。数ヶ月前のその日も、生駒山に愚神が現れたと聞き、この地を訪れていた。
そして、奈緒は突然襲った突風により倒れてきた木々の下敷きになり、死亡した。その突風が、愚神が作り出したドロップゾーンに起因するものだったと知ったのは、葬儀が済んだしばらく後だった。
風化していく建物の間を縫って歩いていると、軽く響くような音が聞こえた。ビルの影に身を隠しながら、音のしたほうへと慎重に向かう。
建物が壊れてできた開けた場所に目をこらすと、そこをひとりの人間が歩いているのが見えた。傍若無人な様子の青年が歩くたびに、砕けたコンクリートが足下で音を立てる。
その青年の姿に竹田は見覚えがあった。従魔や愚神を専門に写真を撮っている若手のフリージャーナリストだ。注目を集める写真を撮るのと同時に、そのために起こす無茶な行動により、問題視されている人物である。
(あんな動き方では、従魔に見つかってしまうぞ……)
そう竹田が思ったその時、地面が振動し、巨大な獣が現れた。耳は尖り、銀色のような毛が逆立っている。目は赤く燃えるように光り、牙は長く、鋭い。
その姿に驚き、見入っていた竹田だったが、「うわっ!」と慌てたような青年の声に我に返り、カメラを身構えた。
シャッターチャンス、それは、蒼白の青年が襲われるその瞬間。その瞬間こそが、従魔とはなにか、この世界の現状とはなにかを伝えるために一番力を持った一枚になるはずだった。
竹田はファインダー越しに銀色の従魔を見つめる。その瞬間を逃さぬように、神経を集中させる…… しかし、そんな自分に気づき、ぞっとした。
ジャーナリストとしての前に、人としてやるべきことがある。そんなわかりきった現実に、背を向けるジャーナリズムとはなにか?
「違う……奈緒が撮ろうとしていたものは、こんなものじゃない!」
竹田はカメラを構えるのをやめて、青年を助けるために駆け出した。
解説
●目的
ジャーナリスト二名の救出及び獣型従魔の退治
●状況
・デクリオ級従魔。
・肉食獣のような外見で、主に鋭い爪、長い尾、尖った牙などで攻撃してきます。パワーのある物理攻撃型。
・爪が命中した場合、深手を負うためバッドステータス:減退(1)を付与します。
・牙による噛み砕く一撃は命中精度こそ低いですが、大ダメージとなります。
・従魔の生命が残り少なくなると、高い跳躍力を活かして逃走を図ります。
・立入り禁止区域よりすこし入ったあたり、ドロップゾーンからは外れている場所での戦闘です。廃墟の町の商店街。時間帯は日中。
・リプレイ開始時は、竹田が腰を抜かした若手のジャーナリストに覆い被さり、従魔の爪による一撃を受けるところからはじまります。
●注意
立入り禁止区域よりすこし入ったあたりであるため、従魔を逃がした場合、立入り禁止区域外に出てしまう可能性もあります。
マスターより
こんにちは。gene(ジーン)です。
大規模イベントに参加させていただきます。
皆さんの活躍(プレイング)を楽しみにしています!
なお、プレイングには、心情・行動・戦闘・戦闘後などをPC口調で書いていただけると、多少のアドリブを書かせていただく際に、PCの思考の特徴や口調などが想像しやすくなり、大変参考になります。
リプレイ公開中 納品日時 2015/10/29 18:36
参加者
掲示板
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【相談卓】
最終発言2015/10/22 15:53:28 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/20 13:30:40