本部
【消えた独生子女たち】黒牛の夜
- 形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,300
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/02/21 22:00
- 完成予定
- 2018/03/06 22:00
このシナリオは4日間納期が延長されています。
掲示板
-
追跡作戦本部
最終発言2018/02/21 01:01:35 -
質問掲示板
最終発言2018/02/20 01:04:42 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/02/16 22:51:39
オープニング
●独生子女政策下の子供たち
「お願い! あの子を返して!!」
警察署の前で中年の母親が、半狂乱になって声を上げる。
「うちの露芳は心臓に持病があったの! あの歳で機械の心臓を入れているのよ! どこでだって高くは売れないわ! 一番高くお金を出してあげられるのは、うちなのよ……」
独生子女政策――日本では一人っ子政策と訳される。中国における独特な人口抑制政策で、とある世界的な研究所に「中国はこの政策にて壮大な実験中である」と評された、賛否の分かれる政策だ。
近年になってようやく緩和されたが、都市部では一人っ子の習慣が深く根付いていて、あえて二人目をもうけようという夫婦は少ない。
よって、ほとんどの夫婦にとって、我が子は一人だけ。
夫婦の親、つまり四人いる祖父母にとっても、孫はただ一人だけ。
千祥幼児園では、通っていた子供のうち五歳児クラスを中心におよそ40名の児童が謎の失踪を遂げた。
直前に園庭に落ちてきた『血鉤』の死骸が原因だと信じる人もいる。
この地方の伝承で、災いを呼ぶ獣とされる『血鉤』。伝説では鼠の体に鳥の爪、蛇の尾を持つという。
実際に現われたのは動物を食べることによってその姿を取り込むキメラ従魔だったが、中国における民間伝承はいまだ不思議な命脈を保っている。
警察の調査によれば、子供たちは夜遅くに自分でベッドから起き上がり、上着を着て靴を履き、自分で玄関の鍵を開け出て行ったものらしい。失踪事件のあったどの家にも、第三者の痕跡は皆無だった。
そして現在に至るまで、身代金等の要求は皆無。
この失踪事件にいかなる背景があるのか、組織的なものなのかすら不明だが、身代金目的ではないと見られている。
中国では近年、子供を標的にした誘拐事件が多発している。
身代金目的の場合もあるが、その多くは人身売買のためである。
地方ではいまだ、『氏姓の存続』に強く縛られている。
家を存続させるため、確実に『男の子』が欲しい。
そのためなら、いくらでも払うという家は多く存在するのだ。
また、たった一人の子供なら、家を継いでくれる男児をと願うあまり、女児を選択的に堕胎するといったことも広く行われている。これを防ぐため出生前の性別診断は法律で禁止されているが、すでに男女の人口比が不自然に男側に傾くという現象がある。
伝統的に中国では『売買婚』と揶揄されるほど婚約時の結納金が高額だが、いまはそれが天井知らずとなっている。女の子もまた『高く売れる』。
●残された手がかり
「……という背景をふまえてじゃな、H.O.P.E.に依頼が来ておる」
香港支部内にあるブリーフィングルームで、風 寿神(az0036)はホログラムを操作しながら言った。
そのかたわらにはソロ デラクルス(az0036hero001)が、椅子の上にちょこんと座っている。
「子供たちはどうやって失踪したのか? 何処へ行ったのか? ……それを探る為に重要な人物がおる。一人だけ、失踪を阻止できた子がおるのじゃ。高航という」
ホログラム上に、一枚の顔写真が映し出される。
学齢期前の、あどけない表情で笑う男の子の写真。
「この子が起き出したところで、母親が気づいた。やはり自分で上着を羽織り、外に出ようとしていた。声を掛けてもぼんやりとして返事をしないので、最初は夢遊病かと思ったそうじゃ」
外に出ようとしたので母親が止めたところ、男の子は酷く暴れた。
しかし所詮は子供の体力。三十分も揉みあえば、疲れたのか糸が切れたように再び寝入ってしまった。
そして翌朝は、なにひとつ憶えていなかった。
病院で検査したところ、各種項目に異常は無し。
なんらかの暗示のようなものに罹っているのでは、と見られている。
「それから毎晩、ふいに起きては出てゆこうと暴れるそうなのじゃ。両親は扉と窓のすべてに、子供には開けられない錠をつけたが、状況が改善しないのに疲れ果て、警察を通じてH.O.P.E.に依頼したのじゃ。この子の行く先を見届け、必ず連れ帰って欲しいと」
それからテーブルの上にあった透明プラスチック製のトレーを持ち上げて見せる。
そこには服用のボタンがひとつ転がっていた。
「これはボタン型の発信機じゃ。母親の手によって子供の寝間着の裏側にひとつ、下着にひとつ縫い付けられておる。GPSによって追跡が可能じゃ」
GPS情報はエージェント各自の端末に転送される。
この事件にはヴィランが関わっている可能性が高く、警察だけでは対処しきれない可能性があるためH.O.P.E.への依頼となったが、地元警察も待機中であり、要請に応じて、あるいは状況に応じて出動予定である。
「医者の見解としても、この子の夜中の奇行をやめさせるには、一度目的を遂げさせるのが有効だという見解じゃ。確証はないがの」
何処へ行くのか? そこには何が待ち構えているのか?
「蜥蜴市場のこれまでの用心深さを鑑みれば、この子の行く先を追っただけですべての子供が見つかるとは思えぬ。しかし重要な手掛かりであることは間違いない。まずは高航を失わないこと。そして微かでもよい、次の捜査の糸口を掴むこと。それが我らの使命じゃ。よろしく頼む」
寿神はあなたがたに向かって一礼した。
解説
【目標】
主目標;高航が暗示によって出かけようとしている行く先を見届け、失踪を防ぐ
副目標;子供たちの失踪事件について捜査の糸口を掴む
【登場】
・高航(カオハン)
姓は高、名は航。千祥幼児園の五歳児クラスに所属する男児。この子のいるクラスは、この子以外全員が失踪している。
夜のことは憶えていないし、何処へ行きたいかも知らない。ただ毎晩起きては暴れているので、疲弊している。
・李露芳
姓は李、名は露芳。高航と同じ五歳児クラスの女児。心臓に持病があり、五歳にしてアイアンパンク。成長に応じて人工心臓を入れ替えねばならず、今後も多額の医療費がかかるため、人身売買の場では大変不利。警察も特に安否を心配している。
両親は共にそこそこの官僚で、身代金なら用意できるらしい。
・風寿神&ソロ デラクルス
追跡に同行し、警察の連絡等を担当する。
・地元警察
待機中。要請または状況に応じて出動あり。
『蜥蜴市場』の関与を疑ってはいるが、確証が持てていない。
【貸与品】
GPS情報はスマホに転送されるが、スマホがなければ代わりの端末を貸与可(プレイングに書いてください)。
【PL情報】
・基本的に高航が家を出た時点から追跡スタート。事前行動は可。
・遭遇する敵には充分に注意を払うべきだが、遭遇するまでは以下の情報はPC情報とならない。
・高航の行く先は市内常設食品市場の周囲にある廃墟。おおむね、下記の従魔が出てこれるような構造の建物。二階建て。
・出現敵
《黒牛(ヘイニウ)》
ツギハギの黒い毛皮に三つ目の牛型従魔。角は闘牛のように鋭い。出現数不明。
突進;大きな体と体重を生かして体当たり攻撃をする。
突き上げ;角で突いて空中に放り上げる。
咆哮;大きな鳴き声によりBS狼狽を与える。
《狙撃手》
どこかから狙撃を行う。武器はAGWでありエージェントにもダメージがある。人数は一人。
マスターより
『蜥蜴市場』第三話です。中国黒社会のシリーズです。
前回のシナリオは『災いを呼ぶ獣、血鉤』。今回の失踪追跡は全後編ですので継続参加しやすいようシリーズシナリオにしてあります。二回で終了予定です。
こちらの事情で間があいてしまいましたが、前回のシナリオの一週間後に子供たちが失踪し、そこからあまり日数は経っていないものとしてお考え下さい。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/03/05 17:37
参加者
掲示板
-
追跡作戦本部
最終発言2018/02/21 01:01:35 -
質問掲示板
最終発言2018/02/20 01:04:42 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/02/16 22:51:39