本部
剣士の最後の願い
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 5~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/24 07:30
- 完成予定
- 2018/02/02 07:30
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/22 23:36:59 -
【相談卓】
最終発言2018/01/23 23:42:37
オープニング
「私が亡くなったら、この刀をH.O.P.Eまで届けて欲しいんです」
和服の女性は、そう語った。
彼女の名前はヤグチ。とある流派の唯一の継承者であり、最近退院したばかりのうら若い女性であった。
「かまわへんけど……その自分で届けたほうが」
正義が運ぶことに難色を示した刀は、床の間に飾られていた。刀を運ぶことに異論はないが、できれば正義は今すぐにでも刀をH.O.P.Eで保存するべきだと考えていた。ヤグチの寿命は残り少ない。事実上、引退しているようなものである。そんな女の家に武器があるのは、どうにも落ち着かない。
「この刀は、師匠の反対を押し切って愚神にも対抗できるように改造しました。最後まで、自分の側に置いておきたいのです。それに……私は、まだ自分の流派を極めてはいない」
彼女は、床の間に飾られた刀に視線をやる。
ヤグチが受け継いだ流派は、一子相伝。彼女以外に師の弟子はおらず、師はすでに没している。そして、ヤグチは弟子を取らないうちから病にかかってしまった。
ヤグチが受け継いだ流派は、ヤグチの代で消えることが決定した。
「僕には、あなたは強く見えるんやけど……」
「正義さん、あなたにはお話したことがありませんでしたね。私の流派は乱世のなかで生まれたとされています。一人、殺してからが修行の始まりなのです」
●剣士の最後
一人殺してからが、修行の始まり。
だが、その伝統は平和な時代になってからは消えた。ヤグチも愚神は切ったが、人は切ったことはなかった。ヤグチは、そのことだけが気がかりであった。
「私の剣は、未完成のままで死ぬのか……」
師に反対されてまでH.O.P.Eのリンカーになったのは、リンカーになればいつかは切れると思ったからだ。潰えた流派を完成させられると思ったからだ。だが、きっとその考えは罰せられるべきものだった。ヤグチの命はもう短い。
「おしいなぁ。おしいなぁ」
ヤグチの目の前に現れたのは、着流しの男であった。
「磨いた腕や積み重ねた伝統が、自分の代で消えるのはおしいだろう。どうだ、自分と組んでちょっと最後の華を咲かせてみないか?」
愚神だ、とヤグチは思った。
床の間に飾っていた刀をとったが、病でやせ細った腕では持ち上げることすら難しかった。
「おまえの技を使わせてくれよ」
こうして、ヤグチは愚神に操られることとなった。
だが、その心にはひっそりと歓喜があった。
自分の刀をまた振るうことが出来るという歓喜が。
●情報
「なんでや……」
正義は、H.O.P.Eの会議室で呆然としていた。知り合いのヤグチが、愚神に囚われたと聞いた。そのヤグチは、今は廃墟となった遊園地で愚神と共にいるらしい。
「最後の目撃情報から時間はたっていないので、まだそこにいると思うんですが……」
早くしなければ移動してしまう可能性がある、と職員は言う。
「急いでいける人を集めます。その……同行されますか?」
正義は首を振った。
「僕はあの人を知りすぎているや。戦うは無理や。あの人が使っているのを見たことある技は、教える」
分かりました、と職員は言った。
●最後の望みは
廃墟の遊園地で、ヤグチはぼんやりとしていた。強い麻酔を打たれていたような感覚で、刀を握っているのに感覚がない。自分の隣にいるのが愚神でも普通の男でも、どうでもよくなってきた。
「なぁ、ヤグチ。俺達はきっと似合いのパートナーになれたぜ。あんたが、もうすぐ死んじまうなんて悔しいな。でも、どうして殺さない?」
愚神の問いかけに、ぼんやりしながらヤグチは答えた。
「ただの人間は殺しても意味がない。戦士を切りたい。それで、それでやっと私の流派は終われる」
ヤグチの足元には、廃墟の遊園地に忍び込んできた若者たちの死体。全て愚神が殺した死体であった。
解説
・愚神の討伐
廃墟の遊園地(昼)……閉館した古い遊園地。アトラクションはあるが全て壊れており、入り込むのも危険な廃墟となっている。遊園地の真ん中に広い広場があり、愚神たちはそこにいる。
愚神……弓使いの愚神。ヤグチを操っている。命中した目標を燃やす炎の弓を所持しており、廃墟に炎が燃え移ると非常に危険である。
動かずの呪い――ヤグチの近くにいる敵に使用し、数秒間だけ動きを止める。自分が狙った敵に対しても、使用する。
火ふきの呪い――自身の周囲に炎を発生させ、防御の体勢をとる。
終りの呪い――ヤグチが開放された後に使用。自身の攻撃力や防御力を大きく底上げする。
従魔(忍び込んだ若者達の死体)……三体出現する。武器は持っていないが、全身が炎で包まれており力も非常に強くなっている。体に触れたりするだけで、ダメージを負う。
ヤグチ・・・・・・若い女性の剣士。愚神に操られているが、意識はわずかにある。病魔におかされており、スタミナがないが素早さが高い。武器は日本刀で、腕が立つ。なお、ヤグチは愚神に操られているが「武人としての最後の戦い」を望んでおり、愚神に開放されたあとも攻撃を続ける。しかし、全てのステータスは大きく落ちるため奥義を使用する。
終りの一撃――素早く動くことで分身を作り、その分身と共に攻撃を行なう。分身に攻撃力はない。
終りの剣戟――刀を深く打ち込まず、浅く打ち込むことで素早い連続攻撃を可能にしている。
無常の剣技――大きな威力を持つ一撃。刀を振り下ろした瞬間に衝撃波が生まれるほどの威力があり、その衝撃波でも攻撃は可能。食らえば大ダメージを負う。
以下、PL情報
最後のあがき――止めを刺された、あるいは動けなくなったと見せかけ近づいてくる人間に素早く仕掛ける技。
奥義:無我の境地――集中力をあげ、痛みなどを遮断して動く。スナミナのなさを補う技であるが、長く使い続けるとヤグチの生命が危ない。
マスターより
こんにちは、落花生です。
今回はオープニングに正義がいましたが、戦闘には同行しません。また、PL情報は正義が知らなかったヤグチの技となっています。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/01/28 23:47
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/22 23:36:59 -
【相談卓】
最終発言2018/01/23 23:42:37