本部
その選択を信じるな
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/12 07:30
- 完成予定
- 2018/01/21 07:30
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/01/11 03:59:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/10 22:38:54
オープニング
●人知れず戦う者
「また、先を越されたか……」
従魔が出た現場にかけつけた男は、ため息をついた。H.O.P.Eより指定された場所には、戦った跡はあったが従魔の姿はなかった。男より遅れて現場に入った仲間たちも、その光景を見た。だが、男の仲間たちはその光景にまったく違う解釈をした。
「おまえ、一人で敵を倒したのかよ。すっごいな!!」
違う、と男は言った。
けれども、周囲はその否定を謙遜としか取らなかった。
●幼馴染の再会
同じようなことが、何度も、何度も、続いた。男が現場に駆けつけるたびに、戦闘は終わっていた。そして、周囲の人々はそれらを男の功績とした。だが、男は――コータは受け入れられなかった。自分より先に、従魔を倒す存在。その手柄を自分のものにしてしまっている状況が。
そして、ある日。
とうとう、コータは従魔を自分の代わりに倒してまわっているリンカーを捕まえた。
「おまえ……サヨなのか?」
コータは目を丸くした。
捕まえたリンカーであるサヨは、コータの幼馴染である。幼い頃のサヨは体が弱くて、よくコータが遊びに連れて行ってやっていた。大人になってからは会うことさえも稀であったが、それでもサヨには幼い頃の面影あった。
「おまえが、ずっと従魔を倒していたのか?」
「……そうよ」
「どうしてだっ!」
コータは、サヨに詰め寄った。
「あなたの役に立ちたかったの」
サヨは答えた。
「私は、あなたよりも強い。だから、あなたの役に立ちたかったの」
夢見るように、サヨは語る。
サヨは語らなかった。
彼女が誰よりも強くなっていられるのは、共鳴している間だけ。英雄との共鳴を解けば、元の病弱なサヨに戻る。
彼女は、H.O.P.Eの職員であった。ある日、英雄と契約して、力を得た。サヨは従魔や愚神の出現を誰よりも早く知れる職と英雄の力で、かねてからの夢を実現させることにした。
コータを自分だけのヒーローではなくて、みんなのヒーローにすること。
それが、サヨの行動理由であった。
「今度、邪魔をしたら切るぞ」
コータは、そう言った。
●すれ違う幼馴染
幼い頃、コータはサヨと欲遊んだ。病弱なサヨは、コータにとっては妹分であった。けれども、あのころでさえサヨが強かったら?彼女は守られるフリをして、弱い自分をあざ笑っていたのだろうか。
そう考えながら、コータは現場へと急ぐ。今日は従魔の討伐ではなく、愚神の討伐である。いつもよりも大変な仕事になると思いながら駆けつけたコータが見たものは、愚神に一人で立ち向かうサヨの姿であった。
一人で、愚神に立ち向かうことなど無理なのだ。
それでも、彼女が立ち向かうのは――……幼い頃の恩返しがしたいからだった。体が弱く友達の一人もできなかったサヨをいつも気にかけてくれた幼馴染。男友達と遊びたいだろうに、いつもサヨと遊んでくれた男の子。幼い自分を哀れんでくれた幼馴染。
サヨは、その恩返しがしたかった。
「君が、従魔を一人で倒しているって言う女の子だね」
愚神の男は、にやりと笑った。
そして、愚神はサヨの唇を奪った。
驚きで見開くサヨの瞳は徐々陰り、何も写さなくなった。
●ついた嘘
応援のリンカーたちが、現場に駆けつける。冬休みで人のいない学校の校庭には、愚神の男と見たことのないリンカーの女性がいた。おそらくはH.O.P.E所属のリンカーではないだろう。
「あのリンカーは……助けられそうか?」
応援のリンカーの一人が、コータに尋ねる。
コータはわずかに迷いながら、首を振った。
「きっと、手遅れだ」
解説
・愚神および従魔の討伐。
小学校の校庭(昼)――冬休みのために誰もいない。校庭の端にはブランコや鉄棒などの遊具があるが、校庭の中央にはなにもない。
愚神(ジェントルマン)……スーツを着た初老の紳士愚神。レイピアを武器としている。普段は一本しか使わないが、防御や追い詰められた際には二刀流になる。
マイ・レディ――女性の唇を奪うことによって、相手を操る。一定のダメージを与える事で、相手は正気に戻る。
ティータイム――操った女性のライブスを吸収し、自分の素早さを上げる。
お先にどうぞ――相手にあえて先に攻撃させ、隙をつくカウンター技。
紳士のたしなみ――レイピアを振りおろし、衝撃派を発生させる。二本所持している時の方が、一本のときよりも威力がある。
紳士の余裕――レイピアを交差させ、防御の体制をとる。
従魔(リトルレディ)……ドレスで着飾った、少女の形をした人形たち。五体出現する。あまり素早くはないが力が強く、防御力が高い。
サヨ……H.O.P.E職員だがエージェント登録をしていない女性リンカー。愚神に操られている。現時点ではいつから愚神に操られていたのか不明である。日本刀を操っており、粗削りながらも力強い技を使う。
・無垢な鎧――自身の防御力を上げる技。受けるダメージ量を減らすことができる。
・恋を秘める思い出――季節外れの桜吹雪を発生させ、相手の視界を奪う技。効果時間が短い。
・憧憬の刃――刃に炎のライブスをまとわせて、相手を一刀両断する。攻撃力は高いが、隙は大きい。
・コータ……サヨを「助けられない」と証言するリンカー。戦闘の腕は並みより上程度であり、指示通りに動く。しかし、サヨに関しては正しい判断ができないでいる。
マスターより
こんにちは、落花生です。
今回はちょっと怪しい戦闘物です。証言をどこまで信じるかは、あなた次第です。
リプレイ公開中 納品日時 2018/01/15 11:11
参加者
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/01/11 03:59:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/10 22:38:54