本部
グリーン・ブラザー
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/10 09:00
- 完成予定
- 2017/12/19 09:00
掲示板
-
【相談卓】恐怖のカラクリ
最終発言2017/12/10 08:10:27 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/09 21:55:19
オープニング
●
今を生きる青年ジャヌスは先月バシコルトスタン共和国のDという都市で一人暮らしを始めた。マーケットでアルバイトをしながら作曲家を目指している。
仕事先で良い仲間も出来て作曲も順調。人生の波は静かに揺らめいていた。
「なあジェイコブ、この街ってどんな街だったんだ?」
「突然だな。どうしたんだ」
「いやさ。ちょっと僕の住んでいた街と変わった所が結構あってさ。歴史を知りたいなって思ったんだ」
「そういうの俺苦手なんだよ。歴史なら多分、資料館にでもいけばあるんじゃないか。街の上の方にあっただろ」
街の人は良い人が多いし、空気は綺麗だしで人間が住みやすい場所なのだ。しかし文化が違った。全員が全員ではないのだが、皆鞄の中に包丁や拳銃を入れてるしこの街の菜食主義者の多さに驚く。レジ打ちをしていて分かるが、肉を買う人間がほとんどいないのだ。
家でオーケストラミュージックを揺蕩わせて読書をしている時、ふと窓を見たら年配の女性が彼を覗き込んでいた。彼と目があうと女性は微笑んでコンコンと窓を叩き「野菜を買いすぎちゃって、良かったらもらってくれない?」と言うのだ。ジャヌスは丁寧に断った。
良い街にはかわりない。にしても不思議な事が多すぎる。
友人のジェイコブに教えてもらった資料館に行くと確かに街の歴史なる資料は見つかったのだが、至って平凡だった。ウクライナとの関係、アルメニア共和国が云々。自分の街というより、他の国との関係性を表す説明が多い。ジャヌスは他の様々な国の文化を取り入れたからこその変わった街なのだと無理矢理納得するしかなかった。
朝から昼の仕事終わりに立ち寄ったため、帰る頃には街は真っ暗になっていた。街灯のぼんやりした光や家から漏れてきた光、車のヘッドライトが満遍なく街を照らしている。おかげで暗闇の恐怖に苛まれはしなかった。後は知識を家に持って帰り夕飯を食べ、お風呂に入って歯磨きをして睡眠に入り、後は脳に一日の清算をしてもらう。
帰路の途中、道端に倒れている人間を見つけた。
いや、いや……本当に人間だ。嘘だろ、ジャヌスは動けなくなった。走る車は倒れている人間に目もくれず走り去っていく。道を歩いているのは自分しかいない。目の前に倒れている人間を助けられるのは自分しかいないのだ。
ジェイコブだった。友人のジェイコブが意識を失っていた。半ば混乱しながら、ジャヌスは彼の肩を叩いて声をかけた。
「おい、こんなとこで寝てたら風ひくぞ。おい、おいって」
目を覚ます気配はない。息はしている。
ジャヌスは自分を落ち着かせるために大きく息を吸って、吐いた。改めて友人を見てみると、ほとんどが杞憂なのだと思えた。ジェイコブは怪我をしていないし、苦しんだ顔もしていない。あまりに疲れて道端で寝てしまったのだろうか。それも街の文化であるのか。
「この街にも色々あるもんな。怪我をしてないなら良かった。にしてもどうしようか」
このまま寝かせておくのも放っておけない。大きなお世話だといつか言われるようなら、それが僕の文化だと言い返せるだろう。
不意に肩を叩かれた。ジャヌスは後ろを振り返って、一瞬で言葉を失った。
「私が何とかしておくから、安心して」
自分の家を覗き込んでいた年配の女性が、ニッコリと口角を吊り上げていた。ジャヌスは思うように言葉が出ずに頷いた。
「こんな所で寝てたら迷惑だもんね」
「は、はは、そうですよね。あの、僕の家に連れていってもいいんですけど」
このまま彼女の流れに乗っていたら危ないと直感に教えられた。
「だめよ。それは駄目」
微笑みの中に暗がりが見えた。車のライトに照らされたから尚更見えた。ジャヌスは「じゃあ」とその場を足早に去っていった。
途中、他所の家の車庫を見つけた。本来の帰路ではないが陰に隠れて女性の動きを監視することにした。女性がしっかり介護してくれるとはどうしても思えなかったのだ。
そっと覗く。
女性は鞄の中に手を入れて中を弄っていた。勿論自分のだ。ジェイコブは手ぶらで散歩でもしていたのだろう。
――どうして、突然倒れたんだ?
混乱していた頭では名案は浮かんでこなかった。答える余裕がないからだ。
鞄の中から肉切り包丁が取り出された。なんで?
ジャヌスは強引に理解しようと努めた。街ぐるみの企画かもしれない。この街ではハロウィンが一ヶ月も遅くやってきてるのか、もしくはドッキリか。なんでもいい。なんでもいいから理解したかった。
包丁を持った女性はしゃがみこんで刃をジェイコブの首に当てていた。どこを切ろうか選定している? 車は全部素通りだ。
待ってくれ。ジャヌスは、たった今理解した。これはドッキリでもハロウィンでもないっていう、全てを殺す理解が。
包丁を振り上げる途中、女性は突然立ち上がって周りを見渡した。
目が合った。
女性は持っていた鞄を捨てて、包丁を振り上げながらジャヌスの所まで歩いてきた。ジャヌスは大声を上げて逃げ出した。後ろは振り返らない、振り返るものかよ!
解説
●目的
街に何が起きたのかを調査し、解決すること。
●住民
街には二通りの住民がいる。汚染された住民と、されていない一般市民だ。
汚染された住民は表面上は人間と変わらないが、夜になると本性を現す。汚染されていない一般市民を探し出し食す。住民が一般なのか汚染されているのかの区別は困難で、夜になってどう行動するかを観察するか、家を捜査するか。
●市長
この街の市長は一般市民だが、汚染された住民の存在を唯一知ってる人物で、一般市民には隠している。というのも、汚染された市民と約束を交わせられたからだ。
市民に存在を上手に隠してもらえれば市長の命は救われると。
●汚染された市民
汚染された市民は全員知能と筋力が発達しており、成人男性の腕を片手で折るくらいの力を持っている。スピード性は個人差がある。
彼らは元々は一般市民だったもの。今は元凶に洗脳されており、人間としての意識はない。
●元凶
街の地下に大きな空洞が出来ている。その中を進んでいくと天井から縦に生えた弾力のある物体があり、それが元凶で、愚神本体なのだ。デクリオ級。小規模ながらドロップゾーンを形成している。
洗脳方法は寄生細菌だ。空気中に寄生する細菌を生み出して、それを吸った人間は汚染される。細菌は肉眼では視認できない。
更に本体には防衛のための蔦が生えており、自由自在に操ってリンカーに襲いかかる。
細菌はリンカーにも悪影響を及ぼす。人間は洗脳するか、リンカーが細菌を吸うと幻覚を引き起こし、正常な判断を殺す。
マンホールの中、地下水道を探索すれば愚神のいる場所へと辿りつけるだろう。
●混乱
汚染された女性から逃げ切って今回リンカーに通報したジャヌスは電話を終えるとすぐ自分の友人たちと街の脱出を企てる。オペレーターは家を出ないように忠告したが、それをスルーするのだ。
しかし、夜の今脱出するのは自殺行為だろう。早く逃げたい一心だ。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
とある洋ホラー映画を着想としてます。
最近youtubeでホラー映画の予告集なるものを見たのですが、予告だけでも色々と満たされますね。特に洋画のホラーはそれはもう血の量が多いこと多いこと……。スプラッターが苦手な私からすればもう冒険でした。
でも見てしまう。最近はちょっとしたスプラッターなら慣れました。初心者向けみたいな。今ならエルム街の悪夢や、ハロウィン、スクリームなら見られそうです。
見ませんけど。
それでは皆さん、よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2017/12/17 19:06
参加者
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【相談卓】恐怖のカラクリ
最終発言2017/12/10 08:10:27 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/09 21:55:19