本部
夕暮れのダークヒーロー
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/06 15:00
- 完成予定
- 2017/12/15 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/12/05 07:38:31 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/05 07:35:32
オープニング
●とある漫画家の打ち合わせ風景
人気漫画「夕暮れのリンカー」をご存知だろうか。太陽が沈んでからしかリンカーとして活躍できないダークヒーローを描いた作品であり、とある月刊誌の看板作品でもあった。
「いやー。それにしてもモチヅキ先生はリンカーではないのに、リンカー同士の戦闘の描写が上手いですよね。もちろん、それだけじゃなくて主人公に影があるところもいいんですが」
担当編集者はネームの打ち合わせをしながらも、提出されたアイデアに感嘆のため息をつく。夕暮れのリンカーは、主人公の過去の影や葛藤、戦闘描写に定評がある作品である。大きな組織には属さずに正体を隠してヒーローを行なっているという設定も、いい感じにファンタジー入っていると現役のリンカーたちに高評価を得ていた。
「昔、リンカーの友人がいたんです。学校を卒業したら、それっきりになっちゃたけど……」
「連絡先とか交換しなかったんですか?」
「していたけど、相手が携帯の番号やメルアドをかえちゃったみたいで。どこかに遊びにいくばっかりで、実家もしらなかったし」
よくあることですよ、と漫画家のモチヅキは微笑んだ。
「でも、この作品の主人公は彼がモデルなんですよ」
●とある悪人の立ち読み風景
中学校のときにスバルは、リンカーとなった。当時はスバルの周囲にリンカーはあまりおらず、唯一の同族は地元のヤンキーたちであった。そのため、スバルがずるずるとそちらの道に入っていくのに時間はかからなかった。高校に上がることにはもう教師も恐れるほどの悪ガキになっており、スバルも自分は悪人なのだと自覚していた。
――君、リンカーなんだよね。
そんなスバルに話しかけてきた生徒がいた。
ノートとシャープペンだけを持って「どういうふうに、共鳴するのかを教えて!」と頼んできた漫画家の卵だった。
「おい、嘘だろ・・・・・・」
コンビニで、スバルは震えていた。
雑誌の漫画のなかに、高校生のころの自分がいた。いや、正確には高校のころになりたかった自分なのである。
――昼間はクラスに馴染めないどうしようもないヤンキーで、親の理解も友人もいないくてグレているヤンキー。一人になるのが怖くて、それでも自分は善良だと信じていたくて、日が沈んだ後はたった一人で正義のヒーローとして街をさまようリンカー――夕暮れのリンカーの主人公は、高校生のころにスバルがなりたいと思った姿だった。
「あいつ、漫画家になってたのかよ」
スバルの手が、震えた。
絵柄にも見覚えがあった。あのころよりも、はるかに上手くなっているが微かにモチヅキの画風の特徴があった。
「夢かなえたか……ははっ、俺はなにをやってるんだよ」
高校を退学したスバルは、結局はまともな道には進まなかった。悪い仲間と犯罪に手を染めて、どうにかこうにか生きているだけの生活。高校の頃に使っていた番号もメルアドも全て変えたのは、唯一の友人を自分の悪い人生に巻き込みたくはなかったから。
「おっ、モチヅキ先生の連載じゃん」
後ろから仲間が、声をかけてくる。
「ここの雑誌編集部ってさ。毎年、この季節になるとホテルで忘年会をやるらしいぜ。せっかくだから、モチヅキ先生にヴィランの怖さってやつを教えてやろうぜ。人気漫画たちと編集部なら、身代金もたんまりだろうし」
何を言っているのか、スバルには理解できなかった。
いいや、理解できていた。
編集部の忘年会に押し入って、漫画家と編集部を人質にとって身代金を要求する。バカな作戦であるし、すぐに失敗するだろう。だが、重要なのはそこではない。
仲間が忘年会を壊すというのならば、自分もそこにいかなければならない。
行けば――見られる。
未だにうだつ上がらないただのチンピラである自分自身の存在を、モチヅキに見られてしまう。だが、自分一人の力で仲間全員を止めるのは不可能だ。
「あら、困っているみたいね」
苦悩するスバルに、声をかけたのは愚神であった。
●とあるホテルの忘年会の風景
豪勢なホテルで行なわれた忘年間。一応は正装でとのお達しは作家たちには出しているが、忙しい漫画家たちは私服できているものも多かった。
「先生、来年も夕暮れのリンカーを盛り上げて生きましょうね。目指せ、アニメ化ですよ」
「が……がんばります」
担当に励まされながら、モチヅキも忘年会を緊張しながら楽しんでいた。彼と同世代の漫画家は何人かいたが、皆もモチヅキと似たような顔で忘年会を楽しんでいた。
「全員、手をあげろ!!」
そんなパーティー会場に、覆面をした男が現れる。手には拳銃を持っていて、一目で悪漢であると理解できる風貌であった。
「おとなしくしていれば、危害は加えないぞ。おとなしく――」
ばたり、と拳銃を持っていた男が倒れる。
男の背後にいたのは、夕暮れのリンカーの主人公であった。無論、本物ではない。それに近い格好をした、単なるコスプレである。
「俺のライブスを提供してやれば……編集者と漫画家たちには手を出さないで、仲間たちを大人しくさせてくれるんだよな」
夕暮れのリンカーの主人公の格好をした男――スバルは隣にいる愚神にささやく。
「ええ。でも、以外ね。あなたは、どうして仲間を痛めつけることを選んだの?」
愚神は、尋ねる。
スバルはここに来る前に、努力した。自分だけの力で、この襲撃を止めさせようとした。だが、駄目であった。スバルは、ヒーローではないから一人で戦えない。
ズルをして、もっと大きな力に頼らないといけない。
「俺の問題だ。もうたずねるな。約束どおり、俺と仲間はおまえにくれてやる。だから、この場にいる漫画家と編集者は逃がしてくれ」
愚神は微笑む。
「ええ、その約束だけは守ってあげるわ」
●とあるホテルの外の風景
「だから、愚神が出たんです!!」
編集者の一人が、ホテルの外からH.O.P.Eに電話をかけていた。あの愚神は、なぜかあの場にいた漫画家と編集者は襲わずに見逃した。そのおかげで、モチヅキはホテルの外に避難することができた。一般客も、無事に避難することが出来たようである。
「あの人って……」
モチヅキは、呟く。
自分の漫画の熱狂的なファンという可能性は捨てきれない。だが、だとしたら武器の種類が違う。今連載している主人公の武器は、銃と刀。だが、友人と担当編集者にしか見せていない本当の初期主人公のデッサンは日本刀のみを武器にしていたのである。
「まさか……」
解説
・愚神の討伐および、スバルと仲間の保護
場所……ホテル(夜)五階建てのホテルの最上階。ワンフロアが丸ごとパーティー会場になっている。テーブルや料理がまだ残っているが、立食式のパーティーだったので物は少なめ。フロアの真ん中に階段があり、外には避難用の階段がある。緊急事態であるためエレベーターは止まっている。一般客は避難済み
スバル……街のチンピラレベルのリンカー。喧嘩の数は豊富。愚神に操られ、傀儡となっている。黒いライダースーツを着ており、夕暮れのリンカーの主人公に近い格好をしているがフィルフェイスのヘルメットを被っているために顔は見えない。基本的に肉弾戦を好むが、場合によっては腰に収めた二本短刀も使用する。
悪の鉄槌――手足を一時的に強化し、肉弾戦を有利に進めるための業。防御手段としても有効。
悪の心得――二本の短刀を同時に振り下ろすことで、衝撃派を放つ。中距離用の技。威力はあまりなく、目くらましの要素が強い。
悪の残滓――黒い霧を発生させ、相手のライブスを奪う。奪ったライブスにて、回復が可能。
スバルの仲間(五人登場)
全員が銃器を手にしており、スバル同様に傀儡になっている。だが、スバルと比べると戦闘能力がやや落ちる。
欲望の塊――スバルに気を引かれている者に対して、銃を乱射。
欲望の鉄槌――敵の周囲を取り囲み、一斉掃射を行なう。
愚神
女性型の愚神であり、スバルやスバルの仲間たちからライブスを得ている。ピンチになると彼らからより一層ライブスを搾り取る。若い女性型の愚神であり、給仕のスタッフ用の服を着ている。武器は槍。
悪からの開放――槍に雷電をまとわせて、攻撃する。対象に当たると、火傷を負わせ徐々にダメージが蓄積する。
欲望からの開放――槍を床につきたて、自分の周囲に十秒だけ電撃を発生させる。
友情からの開放――スバルたちのライブスを使用し、自らの肉体に雷電をまとわせる。
マスターより
こんにちは、落花生です
今回は、ホテルに立てこもっている愚神退治となっております。
忘年会シーズンですね。
今年もお酒を美味しく飲みたいです。
リプレイ公開中 納品日時 2017/12/09 15:31
参加者
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相談卓
最終発言2017/12/05 07:38:31 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/05 07:35:32