本部
神の国に消ゆ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/08/19 22:00
- 完成予定
- 2017/08/28 22:00
掲示板
-
シスターを探せ(相談卓)
最終発言2017/08/18 23:31:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/17 23:26:06
オープニング
●与太話に乾杯
イタリア。トスカーナ地方。
地中海に面した風光明媚なるその地に、一つの小さな村落があった。
人口わずか二百人ほど。
村民の多くは農家を営んでいて、主な生産物として有名なのはオリーブやワインに使用される葡萄だ。
なだらかな山の稜線を背景に広がるその光景は、いわゆる典型的なイタリアの田舎村を思わせる。
しかし、その村を知る人々は、口を揃えてこう語る。
――あそこには近づくな。あれは尋常な村ではない、と。
「あの村はな、神の国に繋がっているって伝説があるのさ」
街中の石垣に背を預けながら、煙草を燻らせていた男が嘲笑を浮かべる。
「もちろん、そんなもんはただの与太話だ。本気で信じてるのは信心深い年寄り共くらいだろうさ。とはいえ、その伝説にはちゃんと根拠がある。あまり大っぴらにしたくない根拠がな。だからこそ、誰もあの村の話をしたがらねえってわけよ。……なに? その根拠ってのは何かって? そうだな……その話をする前に、どうも喉が乾いちまっていけねえや。ここに上等なワインでもありゃあ、するすると口が動くってなもんなんだが……ああ! なんてこった! 財布がすっかり空じゃねえか。これじゃあ、どうしようもねえか」
わざとらしい口ぶりに、あなたはため息を吐く。
いくらか多めにチップを渡すと男は上機嫌に口笛を吹いた。
近くの酒場から買ってきたワインで舌を湿らすと、再び男は喋り出す。
「……実はな、あの村に住んでる人間は、たまに消えちまうんだよ。何の前触れもなく、忽然といなくなっちまう。いわゆる神隠しってやつだな。不思議だろ。人が消えるたびに、神父がこう言ったもんだ。彼らは神の国に迷い込んだのだ、なんてな。多分その話に尾ひれがついて、神の国と繋がってるだのなんだのって噂になったんだろう。そもそも、実際のところ伝説ってほど大袈裟なもんじゃねえのよ。この話が広まりだしたのも、たかだか数十年前のことだからな」
その後も色々と話をしたが、男から聞き出せた有力な情報はこれだけだった。
田舎がいかに退屈であるかというような話が三度ほど繰り返された辺りで、あなたはようやく腰を上げた。
男に礼を言うと、その赤ら顔がわずかに真剣な表情へと変わる。
「アンタ、あの村の調査に来たH.O.P.E.の人間だろ? 一週間前に村の教会のシスターが行方不明になったんだってな。最近じゃ珍しいタイプの清廉潔白にして敬虔なる信徒、中身も外見も麗しい評判のお嬢さんだったって話だ。噂好きの肴としては極上。もうこっちでも随分と広まってるよ。まったく……あいつらもバカやったもんだぜ」
――あいつらとは、誰のことか。
あなたが訊くと、男は自嘲気味に笑い、今までの軽薄な表情に戻る。
「さあな。悪いがそれを言う気はねえ。生憎と人生を捨てた俺にも神様を恐れる気持ちくらいは残ってるんだ。なぁに、そう身構えることはねえさ。言っただろ? あの村が神の国に繋がってるなんてのは、ただの迷信だよ。なにせここにいる酔っ払いこそ、神の国に迷い込んだ哀れな子羊――『その一人』なんだからな。……ま、俺の場合は、単純に田舎暮らしが嫌いで逃げ出しただけだったけどよ」
かつて神の国に消えた男は、グラスを掲げて、神様に乾杯と笑った。
●事前レポート
仲間たちと合流したあなたは、事前の調査で得た情報を幾つかまとめておくことにした。
信ぴょう性はともかく、現地調査を行う際の参考程度にはなるだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――――
『二十年ほど前』から、住民が失踪する事件が何度か起きている。
一度だけ地元警察の調査が行われたものの、成果は挙がっていない。
村の教会に従事していたシスター(修道女)が『一週間前』から行方不明になっている。今回の任務における最優先目標は、そのシスターを『発見』すること。
シスターが最後に目撃されたのは、村の外れにある『井戸』の調査に出かけた日とのこと。霊験あらたかな歴史のある井戸らしいのだが、最近では湧き水の出も悪く、あまり使われていなかったようだ。
村は都市部から離れた場所にあり、住民たちは余所者を受け入れることに対して『かなり嫌がっている』という話を訊いた。『捜査協力を拒否』されたり『嘘をつかれたり』する可能性もある。何か対策を考えておくべきかもしれない。
村に宿泊施設はない。泊まることになる場合には、すでに話を通してある『村長の家』を借りることになるだろう。
村の北側にある『山』は住民たちから聖域のような扱いを受けているらしく、余所者が立ち入ることは難しいかもしれない。調査をする場合には、『村長の許可』を得るか、あるいは『こっそりと忍びこむ』か……。
――――――――――――――――――――――――――――――――
解説
●目標
・行方不明になっているシスターの捜索
・村落に伝わる伝説の調査
●調査場所
『村長の家』
村の中心部。最も広い敷地の中にある地下付き二階建ての豪華な屋敷。
村の外からやって来た客人などは、大抵がこの屋敷に寝泊まりする。
裏庭にはガレージがあり、周囲には畑が広がっている。
『教会』
村の中心部。村の規模に対して、不釣り合いなほど大きな教会。
村の祭事などはこの教会に所属する神父一人で司っている。
最近ようやく一人のシスターが配属されたが、一週間前に行方不明になってしまった。
『オリーブ畑』
村の南側。広大な畑。特筆すべきことはない。
『ブドウ畑』
村の南側。広大な畑。特筆すべきことはない。
『ブルーノの家』
村の東側。六人家族。農家らしい大きな家。
『ガイオの家』
村の西側。四人家族。あまり裕福そうには見えない家。
『山』
村の北側。村では昔から聖域とされていて、祭事の時にしか立ち入ることを許されていない。
普段は『村長』と『神父』が管理している。ごくたまに『子どもたち』がいたずらで入ってしまい問題になるとか……。
『井戸』
村の北側。外れにある古ぼけた井戸。
昔は万病に効く聖水が出る井戸として重宝されていたが、インフラの整った現在ではあまり使われていない。
二週間ほど前に『神父』が調べてみたところ、水が干上がりかけていたらしい。
その後シスターが再調査に赴いたところ、そのまま姿を消している。
●登場
『村長』
村の代表。明るく人当たりの良い人物。捜査には協力的。
あらゆる酒が好きらしいが、あまり酒癖は良くないようだ。
『ブルーノ』
村の実力者。愛想が悪い。非協力的。
腕っ節に自信あり。村長とはあまり仲が良くないらしい。
『ガイオ』
貧しい暮らしをしている男。軽薄で嘘つき。非協力的。
ドがつくほどの守銭奴。
『神父』
村唯一の神父。常に笑顔を崩さない。協力的。
シスターの失踪に深く心を痛めている。
マスターより
どうも。いまだ夏らしいことを何一つしていない大江です。
久々のミステリですね。なんだか色々と胡散臭い村ですが、真実はいつも一つです。どこかの名探偵が言ってました。
この村の真実を暴くために、是非とも皆様のご協力をお願いします!
リプレイ公開中 納品日時 2017/08/26 20:33
参加者
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シスターを探せ(相談卓)
最終発言2017/08/18 23:31:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/17 23:26:06