本部
消えた漁村
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/08/09 15:00
- 完成予定
- 2017/08/21 15:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
作戦卓
最終発言2017/08/09 13:48:20 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/07 19:06:14
オープニング
●静かになる夜
からん、ころん。
鉄のカンテラの中で、一欠けの石炭が煌々と光を放つ。フードを目深に被ったそれは、潮風の漂う夜に蠢いていた。右手に一振りの剣を握りしめ、まるで宙から吊るされた操り人形のようにぎこちない仕草でそれは地面を滑っていく。
からん、ころん。
その周囲を、青い炎を纏った黒い影が飛び回る。その影が息をする度に、低い声が洩れる。まるで地獄の淵から這い上がってくるかのような声だ。海はさざ波を立て、草木は不穏に揺れ動いた。するとどこからともなく新たな影が闇の中から浮き上がり、周囲を青くうすぼんやりと照らしながら、新たに呪いの歌を始めるのである。暗闇の港が、薄ら青く染め上げられていく。
一人の酔っ払った男が、塀の影に隠れてそんな光景をじっと見つめていた。この世ならぬ有様を前に、男は全身が石になったかのように動けない。世界蝕が始まって20年も経っているのだ。ただの一般人に過ぎないこの男にも、今まさに目の前に居る存在こそが従魔だの愚神だの呼ばれる世界の脅威だという事は分かる。
だが、何が出来るというのか。理解出来たところで彼に力は無い。ただただ、この世に舞い降りた暴威に身を任せるしかないのである。
からん、ころん。
フードを目深に被った従魔が、影に隠れていた男に気付く。その瞬間、男はいよいよ抗い難い感覚に襲われた。じりじりと足が動く。蒼光に照らされた空間へと、縄で引かれるように導かれていく。黒い影が男の周りで飛び回り、言葉無き呪いの歌を揃って謡い始める。
男はもう息さえ出来なかった。首吊り台へ、ギロチンへ、薪の山へ押しやられるかのように、彼はただただ、剣を握る従魔の前へと引き出されていく。
からん、ころん。
カンテラが鳴る音に合わせ、従魔の前に立った男はその場に跪き、頭を垂れる。剣を持った従魔は男の周りをくるくると廻り、やがて男の真横に陣取り、その刃を高く掲げる。まるで、罪を裁く処刑人の様に。
からん――
●死神を討て
「させるかぁっ!」
しかしその時、軍帽を被り藍のストールを靡かせた女が駆け込んできた。刀を素早く抜き放つと、処刑人の従魔に向かって風のように突っ込む。そのままの勢いで見舞った横薙ぎは、振り下ろされた刃を甲高い音と共に弾き返す。女――澪河青藍はさらに一歩踏み出し、男を護るような形で処刑人に対峙する。
「またお前らか! いつもどこから湧いて来やがる!」
声を荒らげ彼女は刀を構える。彼女は離島の漁村から飛んできたSOSを受け、仲間、即ち君達と共に駆けつけてきたのである。
先行した彼女を追いかけた君達も、傍まで駆けつけ武器を構えた。処刑人気取りの従魔は剣をぶんと振るい、周囲に死霊を引き寄せ始めた。君達は助けた男の周りで身を固め、死霊達を睨みつけた。
『……青藍、みんな。気を付けてくれ。何だか嫌な空気を感じるんだ』
ウォルターの苦々しげな声が響く。凍りつくような死霊達の叫びが、再び夜に響き渡った。
肉を噛み潰し、汁を啜るような音が、暗闇の中で響いている。物置に隠れた少年は、ほとんど息も出来ずに目の前で続く惨劇を見つめていた。黒いローブを纏い、枯れた茨の冠を被り、朽ちた王勺を手にした男が、倒れた少年の母親に覆い被さっていた。
その肉を、食べていた。
骨をも噛み砕き、床に広がる血だまりさえも啜ると、その男はゆらりと立ち上がって物置の方に振り返る。彼は皺だらけの顔に歪んだ笑みを浮かべると、少年に向けて言い放った。
「貴様は喰わん。まだまだ骨も肉も育つ。若いうちに食べてしまう必要は無いのだ」
解説
メイン リーパー、ゴーストを全て撃破する
サブ 住宅の調査を行う
エネミー
リーパー×1
デクリオ級
〇ステータス
命中S、物・魔攻A、その他B。空中。
〇攻撃
・魂魄吸収
物理攻撃。剣で攻撃し、命中した敵に与えたダメージと同じだけ体力を増加させる。
・首狩り
物理攻撃。射程1sq、周囲1sq全てが対象。命中した場合、減退(1D6)を与える。この攻撃は移動後に行えない。
ゴースト×15
ミーレス級
〇ステータス
命中B、魔攻・魔防D、その他E。空中。
〇攻撃
・魂魄吸収
特殊攻撃。自分の前方半径3sq以内の敵へ攻撃する。必中。(10-敵の特殊抵抗)分のダメージを与え、同じ数値分体力を増加させる。障害物貫通。
・呪いの声
魔法攻撃。射程1-6sq。防御、カバーリング不能。障害物貫通。プレイングで回避可能。
(以下PL情報)
???
屍肉を漁っている愚神。3R経過で離脱する。
脅威度 不明
ステータス 不明
(以上PL情報)
NPC
澪河青藍&ウォルター・ドルイット
概要
H.O.P.E.の中堅エージェント。今回の敵とは何やら因縁があるらしいが……?
ステータス
回避ブレイブナイト58/35
スキル
心眼、守るべき誓い、リンクコントロール/零距離回避
フィールド
▲□□□□★□□□□▲
□■■■■□■■■■□
▲■■■■▲■■■☆▲
(一マス約5×5sq)
□…道路
■…住宅
★…開始地点。リーパー×1、ゴースト×5
▲…ゴースト×2
Tips
・澪河はお助けキャラ。壁が足りない時に使おう。特に指定など無い場合は適当にゴースト1,2体を相手に戦っている。
・どの住宅でも、調査すると床に大きな血のシミが見つかる。生存者は☆で示した住宅の押入れに一人だけいる。
・▲で示したゴーストは常にリーパーの方へ向かって動いている。
・開始後☆へ全力で向かえば???と遭遇する事は出来る。ただし非常に危険なので推奨しない。
・ゴーストとリーパーが光源になっているので暗くはない。
マスターより
影絵企我です。
『天津風』シリーズに参加してくださった皆さんには馴染みのある敵が出てきます。とはいえ任務に当たる場合においてはシリーズの行く末などを知っている必要は全く無いですし、作戦さえ整えればこれが初任務という方でも十分に活躍できると思います。シリーズを知っている方がいた場合は話を聞いてみるのもアリかもしれませんね。
最後に『???』について。もちろん触るのは皆さんの自由です。自由ですが、どうなってもいいという覚悟がある場合だけにしておくのがよろしいと思います。深淵を覗くとき、また深淵も覗いているのです。
ではよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/08/14 15:29
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作戦卓
最終発言2017/08/09 13:48:20 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/07 19:06:14