本部
聖少女の微笑みは死体の上に
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 6~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/15 12:00
- 完成予定
- 2015/10/24 12:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2015/10/15 02:41:22 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/12 02:00:36
オープニング
● 聖少女の奇跡
歌声が奏でる旋律は、空間を満たしていた。
パイプオルガンの下地に載ったそれは、荘厳かつ圧倒的な美しさでその場で祈りを捧げる人々の意識を一点へと集めていた。
そこには奇妙に装飾された十字架と、その祭壇には声も上げずに蹲る老婆の姿があった。
「我は古の光を宿すもの、救いを求めんとす汝らへ神の手を差し伸べよう」
ゆるやかな曲線を描く白いローブを纏う少女はそう言い、美しい笑みを浮かべた。
青く澄んだ水面のような瞳に、怪しく灯る火が揺らめく。
少女が背にした十字架には、白き焔が見えていた。
だが、老婆が願い事を口にした、その次の瞬間。
微笑んでいた少女の顔を、悲痛な表情が塗り替えた。
――どうして、こんなことに……
――こんなつもりじゃなかったのに……助けになろうと……
――やめて、やりたくない、こんな酷いこと、やりたくない……!!
――誰か、助けて、みんなを助けて、お願い……
それは僅かな時間だったが、確かに少女の顔面を苦痛と哀しみが覆った。
声にならない叫びは助けを請う少女。しかし少女の悲痛な表情は、背後から巻き上がった白い焔に触れて、かき消されてゆく。
涙も悲しみも焼き尽くす業火は、少女の顔に再び嫣然とした笑みだけをもたらした。
「おお、パウラ様……どうか、神のお力でお助けくだされ」
老婆の懇願に、パウラは笑みを深くした。少女の白い手が老婆の額に触れる瞬間、閃光が煌めいた。
「パウラ様……! パウラ様……!」
● 消えゆく村と聖少女教団
異常な速度でケントゥリオ級に進化した愚神と拡大するドロップゾーンをプリセンサーが検知した、とH.O.P.E.職員が見せた映像は意外なものだった。
「これが、愚神?」
ホログラムに映し出されたのは、白皙の美少女であった。
ふっくらとした頬に大きな瞳、長いプラチナブロンドの髪に白い法衣を纏った姿は、天使のよう。
「そう。残念ながら愚神を退治するまでは、メルアド交換も出来そうにない相手だよ。元はごく普通の女子中学生らしいが……とにかく見てくれ。場所はカナダ、ケベック郊外だ」
映し出される映像には教会の聖堂で微笑みを浮かべる少女と、そこに集う信者らしき人々の姿がある。
目映い光に続いて、少女の姿が白く輝き後光が差して行く。
その姿は正しく、神話に登場する女神のごときである。
「どうしてフツーの女の子が新興宗教の教祖なんかに?」
「父親が元々は熱心な信者だったらしい。が、元から少し悪魔崇拝とかオカルト趣味はあったようだな。前教祖は数ヶ月前から姿が確認できていない。愚神に食われたと考えるのが筋だろう」
「こんな子が愚神と契約なんて、まさか……どうみても、天使だってば」
だがそう口にした僅か数秒後、少女の手が触れた信者たちは次々にライヴスを失い倒れていった。
一人二人ではない、聖堂にひしめく程に集まっていた人々が倒れ尽くすまでに然程の時間はかからなかった。
形成されて行くドロップゾーンと、ゾーンルーラーと化す少女に従う従魔たちは、信者らから奪われたライヴスから現れ、ゾンビの如く街へと出て行く。ドロップゾーンにより亜空間と化した礼拝堂のなかは、そこがまるで大聖堂かと思わんばかりに、異様な広がりを見せていた。
「少女の名はパウラ。この教団の信者数は確認できているのは最大三千という情報だ。愚神はサキュパスか、神を象ってるが騙るのが奴らの常套手段だからな、油断はするなよ。無論、聖堂に集まると予測されるのは、全信者ではない……が、少なくとも数十は下らないと思われる。プリセンサーが予測したこのライヴス搾取が、数十からいるだろう信者へ向けて行われたらと思うと……ぞっとしないか」
一同に戦慄が走った。
H.O.P.E.職員は表情を硬くしながら告げた。
「プリセンサーの予告ではこの映像が現実化するのは今夜だ。パウラと誓約した愚神が周辺をドロップゾーンへと変えるまで時間がない。大至急、この惨事を食い止めて欲しい。そして、愚神によって完全に食らい尽くされる前に、パウラを逮捕、保護してほしい」
ホログラムの中で、白い女神が天使のように微笑んでいた。
解説
対象は新興宗教教団を率いる能力者パウラという少女と、彼女と誓約した愚神です。
プリセンサーはケントゥリオ級の愚神が大量のライヴスを一度に摂取する光景を予測しました。
●敵 ・愚神(サキュパス) - 1体、ケントゥリオ級
防衛とライヴスの搾取に優れ、信者ゾンビの数が多ければ多いほど生命力が上昇します。
・従魔(ゾンビ) - 最大100体程度(早期解決で最小数)
近距離攻撃を得意とします。素手の攻撃ですが、噛みつく、捕食を試みることがあります。
殺害するには首を落すしかありません。
・ヴィラン(パウラ)
サキュパスに憑かれている少女。ですがまだ自我が残っています。
15から20ターンで、愚紳により完全にライヴスを食い尽くされ、その時点でシナリオは失敗となります。
移動はニューヨーク支部から専用機で飛んでください。
教会の礼拝堂が舞台です。ゾンビが村に出るのを阻止しながら、愚神と従魔を仕留めて下さい。
なおパウラはヴィランですので、生かして逮捕が原則となります。
ゾンビ従魔集団とサキュパスの制圧までの時間が、勝負となります。
パウラが愚神に憑かれる切欠がなんだったのか、故意、事故、偶然、もしくは愚神に騙されたのか……真相は当人から聞くしかありませんが、胸中には後悔と懺悔が渦巻き、またパウラに残された自我は助けを求めています。
マスターより
白皙の美少女と、神に変化した愚神。
最悪の事態を招けば、大量ののゾンビ従魔が放たれる結果を招きます。そうなれば、村は疎か国だって滅ぼしかねません。
あんまり想像したくないですね、その光景……。
街を、そして未来ある少女を救ってください。
皆様の健闘を祈ります。
リプレイ公開中 納品日時 2015/10/21 19:52
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相談卓
最終発言2015/10/15 02:41:22 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/12 02:00:36