本部
偽物の空
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 13人 / 4~15人
- 英雄
- 13人 / 0~15人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/07/25 19:00
- 完成予定
- 2017/08/03 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/23 09:32:25 -
質問卓
最終発言2017/07/23 15:07:52 -
相談卓
最終発言2017/07/24 11:57:39
オープニング
●まどろみ夢見るあの日の空を。
「私、死ぬんだね」
そんな風に思ってみても実感が全くわかなかった。
ああ、なんで、なんでこんなことになってしまったのだろう。
私は何か間違ったことをしただろうか、ただ他の人と同じように生きていただけなのに。私は、私は……
「ああ、神様……」
どうか、まだ、声が届くなら。
最後に恨み言を言わせてください。
「どうせなら、もっと、行きやすい世界がよかったな」
しかし地面は遠く、遠ざかる、空も遠ざかる。
私はいったい、どこにむかって落ちてるの?
その時梓は目を覚ました。
バクバクと音を立てる心臓を押さえつけるように、うすい胸に手を当てる。
頬に手を当てると汗。油のようにぬめるそれをシャツで拭うと、やっと冷静さを取り戻すことができた。
あれは、いったい。あの光景は、いったい。
「私は、アネットと契約して。それで、アーネアを倒したはず」
そうだ、あの時梓は死を決意しながらもドロップゾーンの中でアネットと出会い、また生きる決意をして。
「……私はあの時なんて言われて、契約を……」
バラバラな記憶、当然だろう、あの時は生き残るだけで必死だった。記憶なんて残ってるはずがない。
「生きる? 私は確か死にたかったんじゃ……」
覚えているのは温かい手。自分を落ち続ける空から救ってくれた。
「ちがう、落ちて行ったのは女の子で、私は助けられてそれを見ていて」
梓は頭を抱えた、冷蔵庫の唸る音が妙にはっきりと聞こえる、深夜二時、現実が遠い。
「私はいったい、何を」
「私はどうやってあの後……いきてたの」
「私は、どうしてこんなところに、あいどるなんてやって」
分からない、分からない、自分の人生のはずなのに、振り返ってみれば記憶が全く存在しない。
断片的なものばかりで説得力が全くない。
自分は自分の意思で生きていたのだろうか。
それとも、それとも。
「君は永久の夢の中にある」
部屋の端の暗闇が唐突に声をあげた。
その男は銀色のローブをまとい、片手に本を抱えていた。
梓はその存在を知っている。夢を司る愚神。まどろみ。
「愚神! 戦わないと、私は愚神と戦わないと。アネット……共鳴を」
その時まどろみの抱えた本が光り輝く。
「そんな、どうして」
「いったろう? ここは、お前は夢の中。夢の中で私との共鳴を望めばそうなるのは必然」
「違う! 私が本当に共鳴したいのは、私の英雄。アネットで……」
梓の脳裏によみがえる彼女。流れるような黒髪と、冷たいようで温かい微笑み。
姉のような彼女。いつもそばにいてくれた。
けれど、今は近くにその存在が感じられない。
「私はお前の記憶を漁らせてもらう、代わりに君には真実をあげよう。これは等価な交換だろう? お互いに抗える。強大な手のひら。その支配から」
「アネット……」
突如、梓の寝室が爆ぜた。窓の向こうから白い強い光が降り注ぎ。気が付けば、梓は空を飛んでいた。
落ちることはない、当然だろう、その背中には翼が生えているのだから。
「ああ、私そうか」
梓はここで気が付いた。自分は、飛ばされていただけなんだと。
背中に翼があるのなら、どこかに飛んで行けただろうけど。
愚かな自分はただただ空を一方方向に漂うだけで。
「お願い。だれか、私を……」
助けて。
その言葉は風にかき消されて、君たちの耳に届くことはなかった。
● 討伐指令
「今回の討伐目標は愚神四体。そして邪英化してしまった梓の救出よ」
そうブリーフィングルームに終結した君たちを前に遙華は告げる。
「今回展開されたドロップゾーンは複雑みたい、四つの空間がまとまって一つのゾーンになっているみたいで、しかもその空間を行き来する方法は、扉とか物理的なものじゃなくてイメージっていう……」
よくわからない構造よね。そう遙華は溜息をついた。
「幸い。ゾーンについての情報はかなり割れてるから、改めてみんなには作戦を立ててほしいわ」
ちなみに、ゾーンに関しての情報がもたらされた理由について遙華はこう語った。
「それが、組織された討伐部隊は全員がやられてしまったの。空を飛んでいるということがうまくイメージできなくて」
遙華は苦々しげに言葉を続ける。
「科学の通用しない、創造力だけで回る夢の世界。ちょっと私には向いてない世界ね。でもここにいるみんななら、創造力だけで空を飛べるんじゃないかしら」
そして遙華は皆に資料を配ると、言葉を締めくくる。
「梓を頼んだわよ。彼女を助けた後、身柄はH.O.P.E.で抑えましょう。変な胸騒ぎがするの、梓を放っておくと取り返しのつかない事態になりかねないような」
● 翼を広げ。
今回の戦いはまた空であるために皆さんに飛行装置を貸し出します。ただその飛行装置はまどろみの管理するドロップゾーンでは満足に機能しません。
当然でしょう、まどろみの真骨頂は、意思の力で物理法則を欺くこと。
それは皆さん側にもいえます。グロリア社の翼は機能を無効化されますが。
皆さんの意思の力で空を飛ぶことができます。
空を飛ぶと言ってもこの場合翼の形である必要はありません。
ただし、空を飛び続けるためにはそれを強く意識しないといけません。
ダメージや強い心理的ショックで飛べなくなる可能性はありますが、心が強い皆さんにとってはあまり関係ない話でしょうか。
●イメージ補足
今回は全体的にイメージする。というアクションが重要になります。
イメージとはその言葉通りで、想像することですが、ただその場面を思い描こうとしても難しいでしょう。
なので、空にまつわるエピソードなどを介して光景を思い描くようにしてみるといいでしょう。
誰かと一緒に見あげた空、その色。
誰かと飛んだ空。その時の思い出。
空とはしばしば未来の象徴として描かれます。
その果てに進むためには片羽ではいけないのです。
● 愚神『アーネア』
アーネアは鷹のような翼をもつ女性型の愚神です。かぎづめによる近接攻撃と。暴風による遠距離攻撃を行います。
暴風を受けると強制的に遠くまで移動させられてしまうので気を付けてください。
また、その戦闘力は下がってしまっているようです。
解説
目標 愚神四体を討伐し、梓を救出する。
●スフィアについて
梓を覆うスフィアは音と攻撃を遮断します。
この中に梓はずっとこもっており、このスフィアを弱めるためには攻撃を加えるか、アーネアを倒すか、彼女を目覚めさせないといけません。
彼女を目覚めさせるのは彼女の記憶に訴えかければよいのです。
彼女は今、自分を構成する記憶をぐちゃぐちゃにかき回されてしまっています。なので自分が自分である証明として、他人との記憶の共有を求めているのです。
● 四つの空。愚神。
アーネアは四つある空の一つ一つに配置されていて空を跨ぐことはないようです。
さらに四つの空はそれぞれ。それぞれの空間をイメージすることで瞬間移動することができます。
この瞬間移動の機能を利用して攻撃できるとカッコいいかもですね。
《朝焼け》
太陽が昇りつつある世界です。水気に満ちた空気や、白い光。とても平均的な世界と言えるでしょう
またここに梓が存在しています。
アーネアはスフィアを積極的に狙っていくようです。
《夕暮れ》
黄昏時の赤い光はひどく対象を見づらくします。明るいのに目の前にいる人の顔も見えない。誰ぞ彼時。
この世界では、味方を誤射しやすいので注意です、特に交友関係のない味方だったり、面識の薄い人は間違えて攻撃しやすいです。
《宵闇》
星がわずかに浮かぶだけの空で、とても暗いです。そもそも命中力が高いか、暗闇対策ができないリンカーにとっては戦うのも辛いでしょう。
《双陽》
太陽が上下に存在する世界です。能力的影響は受けないのですが、その太陽光は皆さんをじりじりと焼くでしょう。
さらにこの空間では愚神が強化されるようです。
継続ダメージと強い愚神を加味して……戦闘に自身のあるリンカーが担当するべきでしょうか。
マスターより
今回のテーマは創造力。
皆さんの空はちゃんと明日に繋がっていますか?
明日を目指すための自分を失ってしまった梓を助けるために力を貸してください!
そして皆さんの未来を、空を飛ぶための翼を見せてください。
今回は心情半分、戦いが半分ということろですかね。
今回は要素が盛りだくさんになってしまいました! なので手分けすることがとても重要だと思います。
ただでさえ、思いで描写を挟みながら敵を倒していく構成になると思うので。
敵を倒す、梓を助ける。欲張ってすべてに手を出すと、あっという間にパンクすることでしょう。
リプレイ公開中 納品日時 2017/07/30 21:53
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/23 09:32:25 -
質問卓
最終発言2017/07/23 15:07:52 -
相談卓
最終発言2017/07/24 11:57:39