本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/05 19:00
- 完成予定
- 2017/06/17 19:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/06/05 12:31:35 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/01 20:21:28
オープニング
●
闇の世界で生きてきた。
光など無縁と思っていた。
温もりなど、生きようが死のうが望むべくもないと思っていた。
●輸送任務
「東かがわ市の病院から治療薬を百本程届けて欲しいとの要請を受けた。だが、現在本州と四国を繋ぐ橋の全てが爆破され修復も完了しておらず、香川・徳島の空港は敵の襲撃を受けたばかりだ。故に今回は愛媛の空港を経由する。空港から愛媛に入った後、松山自動車道を通って香川に移動、治療薬を病院に届けて欲しい。かなり時間がかかってしまうが、愛媛と香川を繋ぐ線路でも先日事件が起こったばかりだ。このルートが今現在最も安全と判断される」
言った後、オペレーターはエージェント達にアタッシュケースを手渡した。頑丈な作りになっておりちょっとやそっとでは壊れなさそうだ。
「現在香川県内に敵勢力が集中している。敵が治療薬奪取のために襲撃してきた事もある。くれぐれも気を引き締めて当たってくれ、頼んだぞ」
●罠
愛媛から香川までの道中は酷く長かったが、エージェント達は敵の襲撃を受ける事無く午後三時頃には無事に病院まで辿り着いた。車を降りると白衣を着た男性が玄関から転がり出てくる。
「遠い所までありがとうございます。おかげで多くの患者が救われます」
人の良さそうな初老の男性はぺこぺこと頭を下げた。そして朗らかな顔を上げ、病院の中央にある玄関を指し示す。
「治療薬は中で受け取ります。それではどうぞ、中の方へ……」
エージェント達はアタッシュケースを手に抱え、そのまま歩き出そうとした。これを渡せば任務は終わり。オペレーターに脅されたが、簡単な任務だった……
……本当に、そうだろうか。
ここは今敵の陣中だ。香川はそれなりに広い。とは言え、何事もなく治療薬を届け、そのまま無事に終われるとでも?
そういう事もあるかもしれない。
でも、静か過ぎないか?
百本もの治療薬が必要な病院にしては、あまりにも、静か過ぎないか?
エージェントは医師を見た。人の良さそうな朗らかな顔が、何処か虚ろな表情が、化粧のような不自然な肌色の下に見える首が、死人のように青白い事をエージェントは認識した。慌てて距離を取り、アタッシュケースを遠ざける。医師は虚ろな瞳をエージェント達へと向ける。
「どうしました……早く中へ……患者達が待ってます……」
どうする?
このまま治療薬を持って引き返すか?
だが、既に感染している人間を、見過ごすなど出来るはずがない。
その時、パンという音がエージェント達の耳に響いた。顔を向けると今しがた乗ってきた車のタイヤがパンクしている。狙撃された、と認識したと同時に、茂みから黒い影が現れエージェント達を取り囲む。犬……いや、狼。二ホンオオカミのゾンビの群れ。狼ゾンビは数を増やしながらエージェント達を取り囲む。四体、六体、八体、十体……
狼は唸り声を上げると、牙と腐った歯茎を剥きエージェントに襲い掛かった。すんでの所で躱したが、狙いは明らかに治療薬の入ったアタッシュケース。逃げる手段は奪われた。狼ゾンビを撃退し、この病院の感染者達を助けるより他にはない。
その思考を後押しするように、エージェント達の足下を銃弾が叩き撃った。顔を上げると病院の屋上に人影が二つ分見える。遠目で顔はよく見えないが、その肌は死人のように青白い。先程の医者と同じように。ウイルス従魔に感染した人々と同じように。
●
「治療薬の奪取、ですか」
男が尋ねると、女はああと頷いた。若い女だ。闇に沈むその姿は常世の住人のものではなく。しかし蝋燭の頼りない灯りに照らされる表情は、時折あどけなくも見える。
「前回は失敗した……だがあの治療薬が大量に手に入れば、あの方の小さき下僕達が薬に対抗する術を身につけられるそうだ。そうすれば俺達の望む世界がさらに近付く……お前は優秀な狩人だ。頼めるか?」
親しみさえ見せる女の声に、男は静かに頭を下げた。男は三十をとうに越え、女は二十代程の若い娘。しかし男は竈の灰のような髪と、同色の狼耳を追従の証に低く下げる。
「あなた様のご命令であれば、私は狩人にも猟犬にもなりましょう。かならずお望みの獲物の首、銜えて戻って参ります」
「期待しているぞ、神宮寺」
女の声に、男は一層頭を下げた。彼女に名を呼ばれる瞬間に覚える充足感とは別種の感情。
その感情に、名前はつけない。決して。
エージェント達に姿を晒したまま、神宮寺はライフルを眼下の敵目掛けて定めた。感染者の肌が青白くなる、と言う事を連中は知っているはず。姿を晒すリスクはあるが、「まだ生きている人間」だと示せば連中も下手に手は出せまい。
(俺は既に死人だが、もう一人はまだ生きている、本物の感染体だからな。下手に攻撃すれば人殺しになるぞ)
心の中で敵に語り、神宮寺は引き金に指を掛ける。主へ捧げる想いの証に。
狼の身を持つ故に実の親に捨てられた、という過去を今は恨みはしない。
孤児として育ち、闇社会に拾われ、人を殺して生きてきた、という過去を今は憎みはしない。
そのおかげで、あの方に出会えた。
そしてこうしてお役に立つ事が出来る。
彼女は闇に住まう者。
光など届く場所ではない。
あの指に触れる事が出来たとしても、温もりを覚える事はないだろう。
(ですが俺は、むしろそれを愛しているのです。
朱天王様)
●PC情報
・治療薬はAGWであり、一本で通常のAGW一個に相当するため、幻想蝶にアタッシュケース(大量の治療薬)を入れる事は出来ない
・アタッシュケースはちょっとやそっとでは壊れないが、何度も衝撃を受けた場合中身が飛び散る可能性がある
・ゾンビウイルス感染者の肌は青白くなる
・ゾンビウイルス感染者は従魔に取り憑かれている状態のため、ライヴスを伴う攻撃以外ではダメージを受けない
・ゾンビウイルス感染者はまだ生きているが、死亡するとゾンビになる
●病院地図
□□□□□
□ □
□ ☆ □
□ □
□:病院(二階建て。病院中央に玄関があり、玄関から入ってすぐに屋上に続く階段がある。病院の西側に屋上に続く非常階段がある。病院内部に感染者×98がおり、屋上に狙撃手×2がいる)
☆:PC達がいる位置(PCと医師を取り囲むように狼ゾンビがおり、近くにタイヤのパンクした車がある。戦闘可能区域は40×40sq)
解説
●目標
メイン:治療薬の防衛(奪われた場合は失敗判定)(やむを得ず破壊した場合も判定に影響)
サブ:感染体狙撃手の保護(死亡させた場合失敗判定)
感染者達の防衛(一人でも死亡させた場合失敗判定)
●敵NPC
狼ゾンビ×10
二ホンオオカミのゾンビ。攻撃手段は牙と爪のみだが連携した攻撃を行う。とても素早く跳躍力も高い
基本はアタッシュケースを狙うが、PCの動きによってはPCを追撃する
狙撃手×2
黒いコートを身にまといマスクで顔を隠している。僅かに見える肌は青白い。適宜位置を変えながらライフルで攻撃する。一人は非常に熟練した動きをみせ、もう一人もそれなりの動きを見せる
基本は狼ゾンビの援護を行うが、PCの動きによってはPCを追撃する
●PL情報
・狙撃手の内の一人は徳島の空港から行方をくらましたパイロット。ウイルス従魔に感染し操られているが、まだ生きている。死亡するとゾンビになる
・もう一人の狙撃手は神宮寺というオオカミのワイルドブラッド。ゾンビだが「青白い肌の感染体」に姿を変えている。黒いコートの左肩に四本角の鬼の面あり(鬼の面については詳しく観察した時のみPC情報として使用可能)
・神宮寺は回避・命中・移動共に極めて高い。狼ゾンビ数が4体まで減るか、PCにある程度接近されるか、少しでもダメージを負った場合すぐさま撤退する。武器はライフルの他、黒いコート内にナイフを複数本所持
●その他
・感染した医師と病院内の感染者達はおとなしくしている。自分達に危機が迫っても反応せず、自力で逃げる事もしない
・感染体狙撃手は神宮寺の手駒だが、神宮寺が感染体狙撃手を殺さない、という保証はない
・アタッシュケースを最初に保持するPCはプレイングにその旨を書く事
・使用可能物品は装備・携帯品のみ
・難易度は解説に示した目標に対する難易度
・PL情報は「PCは知らない情報」/活用するためにはPC情報への落とし込みが必要
マスターより
こんにちは、雪虫です。
今回の敵である神宮寺は冷徹な殺し屋であり、二十代の主に恋している三十代オオカミさん(告白する気なし)です。
とは言えそこら辺の事情はPCには全く関係ありませんので、治療薬と感染者達を護って下さるようよろしくお願い致します。
・プレイングの出し忘れにご注意下さい。
・英雄が二人いる場合は英雄の変更忘れ/装備・スキルの付け忘れがないかご注意下さい。
・装備されていないアイテム・スキルはリプレイに反映する事が出来ません。ご了承願います。
・能力者と英雄の台詞は「」『』などで区別して頂けるとありがたいです。
リプレイ公開中 納品日時 2017/06/16 23:59
参加者
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相談卓
最終発言2017/06/05 12:31:35 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/01 20:21:28