本部
想いを伝える黒フリル
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/05/25 19:00
- 完成予定
- 2017/06/03 19:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/05/24 22:36:39 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/24 22:29:57
オープニング
●
「……フ。天の炎は今日も私を焼かんとしているようね」
とある休日の国道沿い。雲一つない空の下、太陽がいつにない強さで地面を熱するなかで周囲とは一線を画した雰囲気をまとう少女が蝙蝠傘の下で意味深な笑みを浮かべていた。
気温が急上昇すると伝えていた朝の天気予報を見ていれば絶対に選ばない服装である。肌の露出を極限まで抑えた黒い長そで長スカートのワンピースは全体にフリルとレースがあしらわれ、紺色の指ぬきグローブと革靴、さらにこれまた極端に唾が広い帽子は彼女の表情をすっぽりと覆い隠していた。
いわゆるゴスロリファッションに身を包んだ彼女はしばらく一人でくつくつと笑うと、やがて顔をあげて右目を覆う眼帯に手を当てた。
「なーに馬鹿なことべらべらしゃべってんだ、リリア」
彼女の隣でバリバリと短髪をかくのは、同じ年頃より少々背が高い少女から見ても大柄な青年だった。白いタンクトップにベージュの短パンにサンダルというラフな出で立ちで、露出された部分からは鍛えられた筋肉がくっきり浮き出ている。胸元にはダビデの星をかたどったネックレス――の形をした幻想蝶――が光っていた。
少女は一瞬虚を突かれたが、一つ咳払いをして口を開いた。
「こほん。我が契約者、セイゴ。私を挑発するのもそのあたりにしておきなさい。いまの私はこの異世界に舞い降りた堕天使・メルクリウス。決してリリアとかいうかわいらしい名前では」
「んなことよりその恰好暑くねえのか?」
「話を聞きなさいよ……」
こめかみを引くつかせるリリ……メルクリウスに、セイゴと呼ばれた男は大して気にもしていないふうに肩をすくめた。
リ……メルクリウスとセイゴの関係性は単純明快に、英雄と能力者である。一週間前にセイゴのもとに突如として現れた彼女は誓約を交わしたのだが、いまだ現代の知識に乏しい。なのでセイゴはアルバイトの傍ら彼女を外に連れ出し、いろいろなものを見せて回る生活をしていたのだが。
「何でそんな恰好好むようになったのかね。高かったし、それ以上に暑いだろ」
「フ。この世界の拘束具でこれ以上の抑止力を持つものは少ないのよ。暑さなど、この漆黒の堕天使たる私には意味をなさないわ。……それよりも、なぜ契約者がここまでいるのかしら」
「オマエが道案内しろって言ったんじゃねえか。なんだ? そろそろお役御免でいいのか?」
「ええ。ここまでくれば位置もおおよそつかめたし。感謝するわ、我が契約者」
メルクリウスがあらためて感謝を述べると、セイゴは首を縦に振った。
「飯時までには帰って来いよ。今日ももやしだが」
「またあ? もうこれで何日目よお……」
●
彼女の目的は、某所で開催されるゴスロリ系イベント『宵闇の宴』に使用される展示場を下見する事だった。彼女はこの世界に来てまだ日が浅いため、こうしてセイゴの案内によって事前に調べた外観と現実をマッチさせたわけである。
「……セイゴに気づかれてないわよね……?」
『宵闇の宴』はゴスロリを愛する人々のためのゴスロリ系オンリーイベントであるものの、ちょっと思春期にこじらせちゃった系の人やゴスロリに並々ならぬ熱を注ぐ男性陣が集まるカオスと化している。彼女がそれを正確な意味で知ることはないのだが、やはり多くの人が集まるイベントだということで少し気が引けていた。
「ううん、だめよ私。ちゃんとここでいいものを見つけるんだから」
そもそも、なぜ彼女が慣れない異世界のイベントに参加しようとするのか?
ぱんぱん、と気持ちを奮わせるために両頬を軽く叩いた彼女は、毅然とした表情でつぶやいた。
「……私を受け入れてくれたセイゴに、きちんとお礼をするんだから」
●
そして当日になり、リリアが『宵闇の宴』に姿を現したころ。
ある者は一般参加者として。ある者は売り子として参加していた時、H.O.P.E.を経由してとある人物から連絡が入った。
『繋がったか!? 「宵闇の宴」にエージェントが参加してて助かった! オレはセイゴっていうんだが、忙しいところを申し訳ない。ちょっと頼まれちゃくれねえか!?』
●
皆様にはセイゴからの依頼に基づき、とある少女……まだこの世界に来て日が浅い彼の英雄、リリアを見守っていただきます。基本的に彼女は真面目に贈り物を選ぶのですが、以下のいろいろなハプニングに巻き込まれてしまいます。
・男性に絡まれる
四十代後半の(フリル付きゴスロリドレスを着た)男性にリリアが絡まれてしまいます。このままだとリリアがパニック状態になってしまうので、何とかして助けてあげてください。服装の話をするのは『宵闇の宴』ではご法度なのでご注意を。
・財布を落としてしまう
広い会場で財布を落として途方に暮れてしまいます。贈り物選びどころの騒ぎではないので、一緒に探してあげましょう。
・贈り物が買えなくなる
特有の熱気にあてられ散財しすぎたリリア。せっかくいい贈り物を見つけたのに買えないのでは意味がない、とおろおろしてしまいます。渡し舟を出してあげましょう。
なお、リリアが贈り物として考えているのは新しい服(もちろんゴスロリ)かネックレスなどのアクセサリーです。ハプニングを解決した後、さりげなく相談に乗ってあげましょう。
これより始まるは、一夜限りのゴスロリパーティー。
さあ、集えエージェント諸君。めくるめくゴシックロリータ・ワールドが君を待っている!
解説
・皆様は高給ではあるがゴスロリ服を着なくてはならない警備員、自作のアクセサリーやゴスロリ服の売り子やサークル主。なぜか知らないが気付いたらここにいた、またはちゃんと目的をもって来訪した一般参加者(これ以外にも様々な理由があるでしょう)などなど、です。リリアに気づかれないように見張りましょう。
登場人物
リリア
・本名、リリーアストラウテ=エルンストマイン。一週間前にセイゴのもとに現れた英雄。見た目は十四歳の女性。
・昼でも夜でもいつでもどこでも、いわゆるゴスロリの衣装を身にまとっている。召喚された際の衣服はあることはあるが、全く着ていない。
・芝居がかったセリフ回しと仕草、そして自らを『天上の神々により地上に堕とされた堕天使・メルクリウス』と称して独自設定を作り、それに沿ってふるまう。とある漫画やアニメに影響されたと思われる。
・設定を無視してくる相手は嫌い。セイゴとの仲は本来あまりよくないはずだが、兄妹のようにうまく付き合っているようだ。好きなものはキラキラしたもの、嫌いなものは人の話を聞かない男ともやし。
展示場
・某所にある展示場。この中のホールを使ってゴスロリ系イベント『宵闇の宴』が開催される。
・主に個人で製作されたグッズ、洋服、本、CDが売られている。種類は様々で、プロレベルの小物や洋服から同人本(ジャンルはゴスロリで統一)まである。とりあえず家と車など大きすぎるもの・高価すぎるもの・生モノ以外はほぼ何でもあると思ってもらって構わない。
・ただし、入場するためには黒のいたるところにレースがあしらわれたワンピースを着用しなければならない。ホール前で貸し出しもある。男性も必ず着用する事。
備考
・リリアに、『セイゴの要請で見張っている』ことがバレてはいけない。彼女が名乗ってもいないのに名前を口に出すなどは絶対禁止である。もし彼女にこのことが露見すればショックで贈り物選びなどできなくなる。
マスターより
山川山名です。中二系女子と大雑把男子の組み合わせ、オーソドックスだがそれがいい。
このシナリオでは、男性も女性も一様にゴスロリ服を着ます。もう一度言います。『男性も』女性も一様にゴスロリ服を着ます。……これだけで僕なんかはいろいろ夢が膨らんだりするんですが、どうですかね?
リプレイ公開中 納品日時 2017/05/28 13:40
参加者
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/05/24 22:36:39 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/24 22:29:57