本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/05/14 19:00
- 完成予定
- 2017/05/28 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
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相談卓
最終発言2017/05/13 08:54:48 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/11 12:25:43
オープニング
●ゼロからプラスへ
絶零の総督《レガトゥス・ヴァルリア》消滅――その報は、全世界を瞬く間に駆け巡り、各地で歓声が上がった。
長く苦しい戦いにも遂に決着が付き、連合軍とH.O.P.E.は協力して反撃に転じた。ヴァルリアを失った敵はこれに大きく動揺し、シベリアを中心に西へ西へと展開していた敵の軍勢は各地で次々と撃破されていった。
一方、エージェントたちものんびりとはしていられない。
ひと段落はついたけれど、と綾羽瑠歌が依頼情報を更新する。
依頼にざっと目を通すと残敵掃討や占領エリアの奪還はもちろん、住民の帰還や精神的ケアのサポートといった細やかな場面でも、エージェントならではの関わりが求められていた。
「皆さんが示してくださった希望……次は、それを届ける番ですね」
綾羽瑠歌が微笑んで頷いた。
●凍てついた世界
一面にひろがる、白。
見渡す限りに、白。
重く垂れ落ちるような空から、猛烈な勢いで雪が吐き出される。体温を根こそぎ奪い取るような冷たい風が吹き荒れ、積みあがった白雪は低すぎる気温でどんどんと凍結し、雪だけで独特な起伏を生んでしまっていた。
ヴァルリアが消えて以降、シベリアの気候は極限の猛吹雪から一転して穏やかになっていたが、この地は違った。骨の芯まで凍りつきそうな冷気には、強大な愚神の影がちらついている気すらする。
シベリア・ドロップゾーン。
ヴァルリアの遺した、極大規模の結界である。
エージェントたちは限りなく異界に近づいたその世界の中を、雪上車『ウラル12』を走らせて粛々と進んでいた。
さらに車中には、もうひとり、ある人物が乗りこんでいる。
「ひどい天候ね。見通しが利かない……この前までの戦いを思い出すようだわ」
豪雪の隙間をすかし見るように目を細め、流れゆく白と灰色の風景をながめているのはジェーン・フローエ――H.O.P.E.きっての『ゾーンブレイカー』である。
彼女がいる理由はもちろんひとつ。シベリアに残された広大なるヴァルリアのドロップゾーンを消し去ることだ。発生から5年も経過しているシベリア・ドロップゾーンはヴァルリアが消えても大した縮小傾向を見せておらず、自然消滅するまでには膨大な時間がかかると予想されたが、それはゾーンが残存する悪影響を考えると到底許容できるものではない。
H.O.P.E.はすぐにゾーンを直接消滅させることを決定し、ゾーンの中心部までジェーンを護衛するようにエージェントたちへ依頼を出したのだった。
「ヴァルリアが健在だったなら、侵入してもたちどころに従魔の群れに押し包まれていたでしょうに、今ではずいぶん杜撰な警備になっているようね」
雪の悪路を行くウラル12に揺られながら、ジェーンがどこか楽しげに微笑んだ。
ドロップゾーンの内部には、いまだ多くの敵が徘徊しており安全な地とは言えない。だが規模が広大であるだけに、敵の密度はそう高くなかった。しかもヴァルリアの存在がなくなった現在は、全体を統率する者がおらず、エージェントが1部隊あればさしたる危険もない空間となっているのだ。
しかし中心部までの道程は長い。極寒の未踏の地を行くのはひどく厳しい仕事となるだろう。ジェーンも表情にこそ出さないが、極限の悪天候には少しばかり参っている。活動に支障はないとはいえ、感覚がないわけではなく、寒いものは寒いのだから。
宙に雪を散らせていた風が、ふと止みはじめる。撹拌されていた冷えた空気がしんと静まり返った。
世界が止まっている。少なくともエージェントたちの目にはそう見えた。辺りに蠢くのは従魔たちだけで、動物にしろ植物にしろ生命はひとつとして残っていない。すべては地層のように重なった雪の下なのだろうか。
不謹慎ではあるが、神秘的な光景だった。
だが観賞にふける暇もなく、異界はその本性を見せはじめる。
雪面が小さく盛り上がった。唐突に足元に現れた出っ張りに乗りあげて、ウラル12はぐらりと車体を傾け、横転してしまう。ジェーンは顔を向けていた窓のほうへ、落ちるように倒れこんだ。
エージェントたちは上側になった車体側部の窓を打ち破り、情けない格好となってしまったウラル12から脱出し、辺りを見回す。
車体の周囲で、ぼこっ、ぼこっ、と岩のような雪の塊が無数に跳ね上がる。
何十という数のゴブリンスノウが、雪の地盤から這い出てきた。ぎらついた目をエージェントたちに向けて、無骨な剣や棍棒で一斉に威嚇してくる。
みんなに遅れてウラル12から出てきたジェーンは、目前のゴブリンたちの殺気だった様子を見とめてから、エージェントたちに向きなおって小さく肩をすくめた。
「楽な道ではなさそうだけど、この結界の中心地まで……エスコートをよろしく頼むわね?」
解説
◆目標
シベリア・ドロップゾーン中心部への到達。
という目的の下、雪の大地を冒険する。
◆シベリアDZ
雪に覆われた極寒の大地。気温は真冬のシベリアをも下回る。
幾重にも重なった雪が固まり、奇妙な起伏を生んでいる。
風雪は断続的で、発生したり止まったりしており、天候は不安定。
吹雪いている間はよく前も見通せないほどで、まさに自然の猛威。
やんでいる間は澄みきった空気がひろがり、何もない無音の銀世界。
途中から雪面の起伏が激化し、その先に氷の針葉樹林のような地帯に行き当たる。
樹林を奥へ進んでいったあたりがゾーン中心部となる。
◆状況
シナリオ開始時はゴブリンスノウ30体に包囲されていますが、1体1体は弱いので危険は低いでしょう。
NPCジェーンは戦闘能力がないので、ご注意を。
彼女が倒れてしまえば、当然ながら依頼失敗となります。
◆その他
行軍の装備や、食料など、なにか使いたい物があれば所持しているとしてかまいません。
マスターより
どうも、星くもゆきです。
今回はヴァルリアの名残を完全に消し去る……という名目で厳しい自然を行くシナリオとなります。
敵をどうこうするシナリオではないので、最初のシーン以降は極寒の雪中行軍を楽しんで下さい。
厳しい寒さに苦闘を思い返すのもいいかもしれません。
ジェーン・フローエは、ワールドガイドの『H.O.P.E.の詳細』などで御姿を拝見できますのよ。
リプレイ公開中 納品日時 2017/06/18 19:20
参加者
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相談卓
最終発言2017/05/13 08:54:48 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/11 12:25:43