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【屍国】連動シナリオ

無し

【屍国】屍の王

ららら

形態
ショートEX
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/03/07 19:00
完成予定
2017/03/16 19:00

掲示板

オープニング

※危険フラグ
このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 ゾンビ型従魔の正体はウィルスのような微細な従魔だ。
 生物に取り憑いてライヴスを吸収し、やがて衰弱死したならその死体に憑依して操り、次の宿主を求めて辺りを彷徨い歩く……。
 つまり、死体が蘇ったわけではなく、従魔が死体を操っているため“結果的にゾンビのように見えている”というのが、ゾンビ化現象の真相の一つだ。
 この事を突き止めたグロリア社は、投与した者の体内に巣食うウィルス型従魔を殺す作用を持つ特殊AGW、治療薬「Re-Birth」を開発。
 未だに充分な生産数は確保出来ていないが、それでも治療薬は地道に、確実に四国に届けられ、ウィルス型従魔に冒されてしまった人々の命を救い続けていた。
 少しずつ、少しずつ……。

「ありがとうございます」
 感染者臨時収容所所員、柿谷はあなた達に深く頭を下げた。
「お陰様でこの収容所にいる皆さんも無事、ウィルス型従魔から解放されるでしょう」
 あなた達の手で届けられた、治療薬の入ったジェラルミンケースを胸に抱えながら、柿谷は嬉しそうに微笑む。
 そこは嘗てグロリア社提携の医療施設だったが、ここ暫くの四国の状況からウィルス型従魔感染者専用の収容施設に改められていた。
 表向きには病院とされているが、実情としては“隔離施設”と言う他無いだろう。
 一度感染してしまったら治療薬を投与する以外の方法では治らない。
 収容された人々は、自分のライヴスがウィルスに食い尽くされるより先に、数少ない治療薬がこの収容所に巡って来る事をただ祈りながら、日々己の肉体が蝕まれてゆく恐怖と苦痛に晒されている。
「よろしければ、患者の皆さんにも顔を見せて行って下さい。きっと喜ぶでしょう。いえ、間違いない!」
 そう告げる柿谷は、まるで自分の事のように嬉しそうだ。



 同、警備室。
「ねえ、聞いた?」
 不意に声をかけられてモニタから視線を上げると、噂好きの同僚の女がにこにこと此方に笑顔を向けていた。
「大妖怪が封印から解き放たれた、とか何とかさ。妖怪だって、やばくない?」
「ああ……神門、だっけ?」
 一般向けに公開されている情報ではないが、グロリア社の社員であり、四国勤務という事で、彼らにはその名が知らされていた。
 大昔に四国の地で封じられていた妖怪、神門。
 それが一連の事件の黒幕と推測されている。
「妖怪って、要するに愚神でしょ。トリブヌス級? まさか……レガトゥスとか?」
 ううん、と考えだした女に、「どうかなあ」と男は笑った。
「つい先日ロシアに出現したっていう、レガトゥス級愚神の資料を読んだけど、あれは規格外だ。あんな奴が野放しになってるなら、四国なんて今頃跡形もないよ」
「それじゃあ、やっぱりトリブヌス? だとしたらちょっとマシね。トリブヌス級なら討伐例も随分増えたし……案外明日にでもエージェントがやっつけてくれてたりして!」
「はは、だと良いね……と、そろそろ時間か」
「あ、交代?」
 ずるーい、と女が笑う。
 時計の針は15時丁度を指していた。



 入院患者は2グループに分けられ、それぞれ大きな部屋に集められていた。
 患者をなるべく一括で監視する為に、元々は別の用途で用意された二つの大部屋が病室に改造されたのだ。
 柿谷とエージェント達は談笑しながら、まずは“病室A”に足を踏み入れた。
 扉の先では、広い病室にずらりと居並ぶ患者達が――
 一人残らず、死んでいた。
「……え?」
 全員が壮絶な苦悶の表情を浮かべ、異様に痩せ細った状態で、けれど血は一滴も流さずに、事切れて床に横たわっていた。
 思考の空白と、静寂が生まれる。

 何が。

 これ以上なく明白な異常。
 だが一同の――少なくとも柿谷の意識は、周囲の状況には向いていない。
「あ……あ」
 屍で溢れた部屋の中、ただ一人、僧服に身を包む男が背を向けて立っていた。
 その男が此方を振り返った瞬間、柿谷は走馬灯のように夢想する。
 ――傷だらけの手足を這い回る百足。
 ――口や鼻や眼窩から這い出る無数の毛虫。
 ――ごりごりとヒトの頭を咀嚼する巨大な蝿。
 ――哄笑を叫び上げながらヒトの腹から腸を掻き出す鬼。
 それは恐怖のイメージだ。
 男が放つ禍々しいほどのライヴスが――嘗て感じた事がない程の恐怖を柿谷に感じさせていた。
「だっだ、だ、誰っ……」
 そう、絞り出すのが精一杯だった。
 対する男はまるであっさりと、何でもない事のように名乗る。

「神門という」

 男性的でありながら、寒気がするほど美しい顔をしたその男は、確かにそう名乗った。
 瞬間、あなた達の誰かが――或いは全員が共鳴し、武装する。
 その様子を見た神門は、けれどつまらなそうに溜息を吐く。
「何か、思い違いをしているようだな」
 そして柿谷が抱えているジェラルミンケースを指差し、こう告げた。
「戦いに来たわけではない。その治療薬とやらを、黙って此方に渡せばよい」



 同――警備室。
「あ、なた……ッ」
「…………」
 女は、床に崩れ落ちていた。
 腹の下には真っ赤な池が出来上がっており、みるみるうちに広がってゆく。
 驚愕と苦痛の入り混じった顔で、男を――先程まで談笑していた同僚の男を睨みつける。
 男の右手には拳銃が握られており、銃口の先から微かに白煙が立ち上っていた。
 時間か。そう呟いた男は拳銃を抜くと、一切の躊躇なく女を撃ったのだ。
「何で、……こん、な……」
「…………」
「……ッんな事、す、するの……!?」
「…………しなきゃ」
 絞り出すように問いかける女に、男は一切の感情が消え失せたような表情で、返答とも独り言ともつかぬ事を呟いた。
「“メイちゃんの言う通り”にしなきゃ……いけないんだ」
 銃声が、ふたつ。
 その直後扉が開き、“可愛らしい声の鼻歌”が男の背に近付いてゆく。



 戦闘力はごく低いが、柿谷は能力者であり、また正義漢だった。
「これは……渡せない」
 目の前の男が本当に神門なのかは分からないが、高位の愚神である事は肌で感じ取っていた。
 だが、渡せない。
 しかと睨んでそう言い放った柿谷の身体は直後、後方に吹き飛び、壁に叩きつけられた。
 神門が錫杖から黒いライヴスの弾丸を放ったのだ。
「戦いに来たわけではない、……のではないのか……ッ!?」
「そう言ったが?」
 苦々しく言い放ちながら何とか立ち上がった柿谷だが、手元にケースがない事に気付き思わず舌を打つ。
 神門は柿谷が落としたケースを拾い上げながら、まるで出来の悪い子供を諭すような顔をした。
「私が貴様達を一方的に殺すだけだ。戦いになるとでも?」

 直後、あなた達の肉体に異変が起きる。

「やれ、蘇った直後ならばいざ知らず、今の私と渡り合おうなど」
 武器を構えた腕が、脚が、“鉛のように重くなった”のだ。
 それでも構えを解く事のないあなた達をつまらなそうに一瞥し、ぞんざいに錫杖を構え、そして。
「――あの“あんぜるむ”だのいう若造でも難しかろうに」

解説

○目標
生還しろ

○状況
感染者収容施設への治療薬護送を果たしたあなた達だったが、施設内病室Aで神門と遭遇。
神門の階級を最低でもトリブヌスと仮定した場合、戦力として充分とは言えない為、撤退が賢明な判断と思われる。
なお、屋上には護送に使用したヘリとパイロット(能力者)が待機中。
※神門の能力と思われるが、この場にいる全員の装備力・生命力・リンクレートを除く全ステータスが30%低下中。

○場所
徳島県某所、感染者収容施設。二階建て。
“何者か”の操作により窓や扉にはAGW基準の強度を持つシャッターが降りており、脱出が困難。
だが屋上へ至る道程にはシャッターが存在しないので、基本的には屋上を目指す事が推奨される。
屋上までには大まかに「通路」「広場」の二パターンの地形があり
「通路」は幅が3sq、「広場」は10×10sqの正方形。広場から先に進むには柿谷が扉のロックを解除せねばならず、3Rを要する。
「広場」の数は合計3つ。
(現実的なサイズではありませんが、あくまでゲーム的な処理です)

○敵情報
神門×1
ステータス、スキル不明。とてもつよい。
黒い靄のようなものを周囲に纏っている。
(変則的な性能の単体攻撃スキル・防御スキル・範囲スキル所有。PL情報)

ゾンビ×???
彼方此方に点在。基本的に雑魚(ミーレス)だが生命力を中心に能力が増強された強力な個体(デクリオ)が混在。
一度に出現するのは15体が上限。

芽衣沙×1
今回のシナリオ内で遭遇する事はない。

○味方戦力
柿谷×1
能力者で共鳴済みだが戦闘力は極低。
生命力も減少しているが運動能力に問題はない。

自走する場合は全力移動でついてゆく。
大雑把に、一般的なPC全力移動>所員全力移動>一般的なPC通常移動、のイメージでOK。

○他
病室Bは30メートル以上離れており屋上へ向かう階段からも遠い為、此処へ向かう場合全滅の危険がある。
ヘリとの連絡・光源・館内土地勘の問題は無視してよい。

マスターより

初めまして、或いはお久しぶりです、らららです。
私のシナリオで病院が壊滅するのはこれで二度目ですね。別に病院を壊滅させる事が趣味ってわけではありません。

神門が現れました。
容赦なく突拍子もなく唐突に理不尽に。何の思惑か、何の目的か、一切合切が不明ですが確かな事があるとすれば、今まさに「死」というものがあなたのPCのすぐ目の前に立っているという事です。

ですが、求められるものはきっとシンプル。
目的と、作戦と、役割を精査し、万全を期して挑む事が出来たならば、皆様ならば必ずや生還して下さると信じております。
あなたの奮戦、お待ちしております。

リプレイ公開中 納品日時 2017/04/12 00:15

参加者

  • 常夜より徒人を希う
    邦衛 八宏aa0046
    人間|28才|男性|命中
  • 不夜の旅路の同伴者
    稍乃 チカaa0046hero001
    英雄|17才|男性|シャド
  • ひとひらの想い
    零月 蕾菜aa0058
    人間|18才|女性|防御
  • 堕落せし者
    十三月 風架aa0058hero001
    英雄|19才|?|ソフィ
  • 死を否定する者
    エミル・ハイドレンジアaa0425
    人間|10才|女性|攻撃
  • 殿軍の雄
    ギール・ガングリフaa0425hero001
    英雄|48才|男性|ドレ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • Trifolium
    バルタサール・デル・レイaa4199
    人間|48才|男性|攻撃
  • Aster
    紫苑aa4199hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • Dirty
    フィーaa4205
    人間|20才|女性|攻撃
  • ボランティア亡霊
    ヒルフェaa4205hero001
    英雄|14才|?|ドレ

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