本部
異端襲来
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 6~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/26 15:00
- 完成予定
- 2017/03/07 15:00
掲示板
-
神々の黄昏対策室
最終発言2017/02/26 12:43:14 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/22 09:26:57
オープニング
●悪夢
獣が啼いていた。
その音は雄叫びのようでもあり、同時に苦痛に咽び喘ぐ犠牲獣のようでもあった。猿に似た獣は一匹、また一匹と増えていき、やがてその中心に一つの影が旗を掲げる。
「進軍せよ、滅せよ、旧き世界を。全ては■■■■■の名の下に!」
まるで歴史上の救済者、と呼ぶには禍々しい様相のそれは、獣達を引き連れて夜の氷野を駆け降りる。異世界の者共。猿に似た従魔と、それを引き連れる愚神の行軍。蹂躙する群れの中で獣がまた大きく啼いた。その背に縫い留められていたのは、従魔に繋がれ咽び崩れる人の顔。
あああああああ。
●予知を告げる者
「この集落の住人が、全員従魔に変えられる未来を予知しました。この集落にはリンカーが一組いるのですが、彼らは邪英化させられた後、愚神に……」
プリセンサーはそう言って苦々しく瞼を閉じた。耳の奥に助けを求める人々の叫びが木霊する。あれを現実にしてはいけない。プリセンサーはぐっと奥歯を噛み締める。
「外れる事を願いますが、もし当たっているのなら……エージェント達を現地へ。悲劇を必ず食い止めて下さい」
祈るように、プリセンサーは両手を組んだ。感知した未来を伝えた後、プリセンサーに出来る事は何もない。ただ託し、願うだけ。悲劇的な未来をではなく、光ある未来を掴む事を。
●招かれざる異端のモノ
「あんでまあ、こったら田舎さよく来たべ」
「まんずでっけえ車だなあ。おらこったの見た事ねえべよ」
「遠い所からごくろうさんだべ。ほら、あったけえ汁食いなあ」
なんぞ。
エージェント達はしばしの間呆然とした。プリセンサーの予知を受け、示された村にウラル08と共に訪れた彼らを待っていたのは、殺伐さとは一切無縁のほのぼのとした村だった。
英雄と誓約を交わしたリンカーは、全く意識せずに他言語との「会話」が可能である。「異界の存在」である英雄の元へ発せられた言葉が、間に隔たる異界の壁を突破する際、その言語性を失って「意味」や話者の「意思」だけが純化されて届き……とかいう細かい事はさておいて、とにかく英雄と誓約を交わしたリンカーは問題なく他言語と意思疎通が出来る。出来るったら出来る。
ただしその「会話」にも色々あれこれあるらしく、元々変な外国語交じりで喋る者の言葉はやはり変な外国語が混じったまま発せられる事もあるらしく……とりあえず何が言いたいかと言うと、この北欧の片隅の村はものすごい田舎という事である。そう思って下さいお願いします。
「ふんむ……この村がなあ」
事情を聞かされた村長は顎に手を当て考え込んだ。ショックを与えないため「従魔に襲われる危険性がある」と簡単な説明に留めているが……
「わがった。んった所までわざわざ来て下すったんだ、ただ事じゃねえべよ。童とおなごは先に行け。男共は後から村を離れるべよ」
「おらはエージェントの人達と一緒にこの村ば守るべよ。化け物が来たってへっちゃらだべ! ちょちょいのちょいでのしてやるべよ」
そう言ってマルタと名乗った少女……この村唯一のリンカーはぐっと拳を握り締めた。まだ幼い少女の頬は林檎のように赤らんでいる。
「んだばさっそくお願いすんべ。みんなぁ、あんま慌てんでねえど。どったに急いでも財布と家の鍵さきちんと持って慌てず騒がずこのでっけえ車さ……ん?」
村長の言葉が唐突に止まり、エージェント達の遥か向こうにしょぼしょぼとした眼を向けた。そこに、人影が立っていた。人形のように整った、同時に何の感情も見えない容貌を向ける青年と、その背後に立ち並ぶのは白い翼を負う女達。あまりに不審な一団に、マルタが声を張り上げる。
「あんちゃん、一体何処から来たんだべ? そっちは崖のはずだど。まさかあんちゃん達が村ば襲おうっていう化け物か?」
「私の名はフレイ。ラグナロクの幹部をしております。本日はエインヘリャルにお力添えを願いたく参上させて頂きました」
青年は、まっすぐ前を向いたまま通る声でそう述べた。その瞳はただまっすぐだけを見つめていた。背筋を伸ばし、首を曲げず、誰も見ず、ただまっすぐを。
「ラグナロク? 一体何の事だ!?」
「エインヘリャル。ご同行願います。ご了承願えるなら悪いようには致しません」
フレイと名乗る青年は述べた。マルタの問いなどまるで聞こえていないように。フレイはまっすぐを、あくまでまっすぐだけを見つめたまま淡々と口を動かし続ける。
「ご同行頂けないようであれば……無理矢理さらってこいよ。聞かねえヤツは力で屈服させるしかねえじゃねえか。それはあまりに失礼だ。礼を尽くしてご同行願うんだよ、フレイ。……はい、了解しました。私の名はフレイ。ラグナロクの幹部をしております。本日はエインヘリャルにお力添えを願いたく参上させて頂きました」
テープを入れられた人形のように、人形のように美しい青年は口を動かし続けていた。その場にいる全員の背に悪寒が走り、エージェント達は武器を取る。フレイは手に金色の板……否、スノーボードのようなものを出現させると、やはりエージェント達を見ないままスノボーに右の足をかける。
「ご同行願いますエインヘリャル。ご同行頂き、頂けないようであれば……無理矢理さらってこいよ。聞かねえヤツは力で屈服させるしかねえじゃねえか」
●ウラル08
積載力約2トン。乗員は運転席2名+25名。最大時速35km/h。車体は小型バス並みの大きさ。大人数を運ぶことができるが小回りは効かない。
●ラグナロク
ラグナロクの掲げるものは一種の終末思想である。
彼らは、人間による世界の支配を悪しきものとして断罪する。異次元の接触はこの世界に終末の日が訪れた証であると定義し、能力者となって異世界とひとつとなり、古き神々の世界、すなわち旧き人類が支配する世界と戦う時が来たのだと説く。
異世界との親和性を持たない人々は動物以下であるとする考えまであり、能力者至上主義からくる選民思想と自然優越主義、テロリズムが同居した危険な集団である。
南米アマゾン奥地を拠点に活動していたヴィランズだったが、現在消息不明。(ラグナロクに関する報告書より)
解説
●目標
村人とマルタを守りきる
●場所
北欧の片隅の小さな集落。天候は晴れ。足元は雪。東側にある崖との距離は結構ある。PCの位置は敵から10sq以上西方側にいれば自由に設定可。ウラル08は敵から20sq西方に位置
●敵情報【PL情報】
フレイ
マルタを攫おうと優先的に狙う。移動が極めて高い。ヴァルキュリアβが全滅するか、一定ダメージを受けると撤退
・グリンブルスティ
パッシブ。地上から10cm地点を浮遊するスノボーに乗って移動、足場の制約を受けない。スノボーを盾のように使い防御を行う。スノボーを破壊された場合物防・移動・回避が大幅に減少。スノボーを修復するのに2ターン要する
・ブローズグホーヴェイ
アクティブ。赤い馬の幻影を召喚し、前方に横3×縦8sqの無差別攻撃
・アルフヘイム
妖精型のライヴスを周囲に舞わせ惑わす無差別攻撃。1d6で判定を行い、勝利した場合対象に【減退(2)】【封印】【劣化(防御)】【狼狽】付与
(例:フレイが4を出した場合、3以下を出した者にBS付与)
ヴァルキュリアβ×3
フレイの援護を優先的に行う。翼で地上から50cm地点を浮遊し移動、足場の制約を受けない。射程1~20sqの銃を使って攻撃
・援護射撃?
フレイがピンチに陥ると銃に振り回されるように不規則に移動しながら無差別に銃を乱射
●NPC情報
マルタ
ブレイブナイト。AGWを持っておらず拳での戦闘となる。従魔と戦った事はない。敵から15sq西方に共鳴状態で位置
村人
老若男女合わせ30人。敵から20sq~35sq西方にいる/全員外に出ている。住居は敵から25sq~50sq西方に散在
●その他
・住居及びウラル08は攻撃を受けると破損する恐れあり
・使用可能物品は装備・携帯品のみ
・PCが知っているラグナロクに関する情報はOPに明示しているもののみ(ラグナロクについて全く知らないというのは可能)
マスターより
こんにちは、雪虫です。今回のシナリオは北欧で起きていますが【絶零】とは関係ない独立した事件です。失敗した場合村人達は従魔に、リンカーは愚神になり、プリセンサーの予知した未来が現実となるでしょう。ご武運を。
・PL情報は「PCは知らない情報」です。活用するためにはPC情報への落とし込みが必要になります。
・プレイングの出し忘れ、英雄の変更忘れ、装備・スキルの付け忘れにご注意下さい。
・装備されていないアイテム・スキルはリプレイに反映する事が出来ません。ご了承願います。
・能力者と英雄の台詞は「」『』などで区別して頂けるとありがたいです。
リプレイ公開中 納品日時 2017/03/05 21:25
参加者
掲示板
-
神々の黄昏対策室
最終発言2017/02/26 12:43:14 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/22 09:26:57