本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/10 19:00
- 完成予定
- 2017/02/19 19:00
掲示板
-
真実はいつも一つ?
最終発言2017/02/09 22:21:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/09 08:07:06
オープニング
●もうすぐバレンタイン
「……どんなものがよいのでしょうか?」
『う~ん、まだ信一との付き合いも浅いし、私もよくわかんないなぁ』
2月に入ってすぐの頃。
仕事が休みの日に外出していた静香は、デパートの一角で無表情のまま小首を傾げていた。共鳴状態で同じ物を見ている英雄のレティも、助言を出したくても出せない様子で、悩むだけの時間が過ぎていく。
彼女たちが立ち止まって睨みつけているのは、バレンタインの特設コーナー。色とりどりの包装でチョコレートが並べられており、どれも可愛らしくておいしそう。
去年までは自分たちへのご褒美チョコとか、同僚や上司へのお愛想チョコくらいしか購入したことがなかった静香とレティだが、今年は違う。
とても大切で、特別なチョコレートを渡す相手がいるのだ。
まだ記憶に新しいクリスマス。初デートに誘われたその日に初告白を受け、人生初の恋人が出来た。
それが佐藤 信一。見た目は少々地味で奥手だが、誠実で仕事熱心な職場の同期だった、やや年上の男性。
付き合いだして1ヶ月ほどしか経っておらず、まだお互いにぎこちないところはあるものの、静香は信一の隣を心地よく感じるくらいには好意を寄せていた。
そんな想いを形にするいい機会として、バレンタインで感謝と好意を改めて示そうと、静香は悩みに悩んでチョコを選定している。
そんな静香の変化を、レティは好ましく感じていた。表情には出せないが感情豊かな静香が、ここ最近はとても楽しそうに毎日を過ごしているためだ。それ以前の静香が他人を拒絶し、レティ以外との人間関係を諦めていたから、余計に。
容姿が優れていながら感情を表に出せず、どうしても冷たい印象を抱かれてしまう静香は、同性からあまり好かれなかった。実際、学生時代も友人が出来ず、今も女性の同僚との折り合いは悪い。
だがようやく、自分以外に静香を理解してくれる人が現れたのだと、レティは安心を覚えつつ信一に感謝していた。家族のような存在であるレティでは、ここまで静香を変えることは出来なかったのだから。
しっかり者の姉のようでいて、手のかかる妹のようでもある静香の幸せを、レティは誰よりも願っている。だから、悩みすぎて頭の中がこんがらがっている静香に苦笑を覚えつつ、自分が出来る最大限のアドバイスをしていった。
「…………佐藤さんは、喜んでくれるでしょうか?」
『大丈夫だって。っていうか、文句言ったら私がぶっ飛ばしてやるんだから!』
何度目かわからない静香の不安そうな言葉に、レティも同じく何度目かわからない励ましの言葉をかけている。
あれから何とか信一へのチョコレートを購入できた静香たちは、その足で職場用の義理チョコを探していた。こちらは例年通り安すぎず高すぎず、されど渡す相手の役職や年齢を考慮して多少値段を上下させつつ、適当に選んでいく。
『ん? あれって……』
その途中、ふとレティが見知った背中を見て声を上げた。
「佐藤さん?」
レティの声で静香も振り向くと、見間違えようのない恋人の姿があった。
「…………ぇ、っ?」
――見知らぬ女性と2人で並び、とても親密な距離で歩く姿が。
●こ・ろ・す(はあと)
「そういうわけなのよ!!」
……えっと、どういうわけでしょう?
H.O.P.E.東京海上支部で依頼を探していたエージェントたちは、大層ご立腹なレティに捕まっていた。ただし、この日も静香と共鳴した状態で主導権が入れ替わっているだけなので、静香の顔でキレていることになる。
それがまた異様な威圧感となっていて、正直怖い。
「信一の奴、静香がいながら他の女といちゃついてたのよあり得ないでしょ!? ……あ~、今思い出しても腹が立つ!!」
何でも、能力者でH.O.P.E.職員の静香には、一般人で同僚の信一という恋人がいるのだが、偶然デパートで他の女性と連れ立っているところを目撃してしまったらしい。
当時を思い出して怒りが再燃したのか、レティは自販機で購入した飲みかけの缶ジュースを握り潰した。飲み口から吹き出すことはなかったが、ひしゃげた缶の隙間からトマトジュースが漏れ出ており、ブルブルと震える拳を赤く濡らしている。
だから怖いって。
「あの日からずっと静香はショックを受けて、日常生活もままならないのよ!? 今も中でずーっと膝を抱えてうずくまったままだし、何度慰めてもすすり泣いてばっかりだし、静香の代わりにオペレーター業務をやってストレスたまるしっ!!」
最後の理由だけやたらと語気が強くなったレティは、歯ぎしりしながら悲痛な叫び声を上げる缶へさらに力を込めていく。
慣れない仕事をして、相当鬱憤がたまっているのだろう。
「あんの性格ブス共、今度静香を侮辱したら頭潰してやる!!」
違った、人間関係の方だった。
「それもこれも、全部アイツの浮気が原因よ!! 静香とはまともに手も握ったことないくせに、脳天気そうな年増と腕組んでヘラヘラ鼻の下のばしてたのよ、おかしくない!?」
どんどん青筋が増えていくレティ。
もはや限界だった。
レティの堪忍袋とか、静香の精神力とか、メリメリと音を立てる缶とか、いろいろ。
「いっそのこと、信一の『(ピー)』を潰して静香をもてあそんだことを一生後悔させてやろうかしら……?」
そしてめちゃくちゃ物騒なことを言い出したレティを、男性陣を中心に必死に止めた。
事態は思った以上に深刻かもしれない。
解説
●目標
静香の不安解消(監視)
信一の浮気調査(護衛)
●登場
碓氷 静香(うすい しずか)…20歳。H.O.P.E.東京海上支部にて、オペレーター業務に携わる女性職員兼能力者。高身長でモデル体型の美人だが、生まれつきの無表情が原因で実はかなりのコミュ障。クリスマスデートがきっかけで信一と交際。
レティ…外見年齢16歳。静香と誓約した女性ドレッドノート。主に対人関係に臆病な静香を励ますため、日常的に共鳴している。ここ数日は静香に変わってオペレーター業務をしていたが、そろそろ我慢の限界。
佐藤 信一(さとう しんいち)…24歳。H.O.P.E.東京海上支部にて、オペレーター業務に携わる男性職員兼静香の恋人。外見は地味だが、社交性や事務能力がずば抜けており、社内評価も高い。別の女性との浮気容疑が浮上。
●状況
数日前、静香とレティが信一に渡すバレンタイン用のチョコを探していたところ、見知らぬ女性と仲睦まじく歩く信一を発見。静香はこれに大きなショックを受け、鬱状態に。その間レティが静香の仕事を代行するが、実務面と感情面ですぐに限界を迎えた。
静香とレティが抱く信一への印象は以下の通り。
・真面目で優しい(静香)/自然に手も繋げないヘタレ(レティ)
・交友関係が広い/男女問わない天然の人タラシ
・高度な事務処理能力/同じ仕事をしてわかったが、もはや変態の領域
・自分以上に親しい女性がいる/浮気相手は信一よりも年上で快活そうな印象
・死にたい……/……殺す
放っておくと静香はどんどん落ち込み、レティはどんどんヒートアップしていく。
ある意味、2名の職員の命が風前の灯火。
バレンタインデーまで、あと4日。
マスターより
以前の【聖夜】シナリオでくっついた1組のカップルが、痴情のもつれ(?)で死の危機に瀕しています。静香の自殺願望を落ち着かせると同時に、凶行に走ろうとするレティも止めてあげてください。
(前回のシナリオを確認せずとも問題はありません)
信一への印象が異なるのは、静香は対人関係の希薄さから相手を好意的に捉え、レティは静香を傷つけた男=敵として認識したため。レティも最初は信一に好感があった分、落ちるときは一気に落ちました。
結果がどうなるにしろ、静香とレティを納得させるため、何より死人を出さないためにも、信一と女性の関係くらいは探った方が良さそうです。
リプレイ公開中 納品日時 2017/02/17 20:57
参加者
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真実はいつも一つ?
最終発言2017/02/09 22:21:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/09 08:07:06