本部
雪はきっとあなたの涙
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/27 09:00
- 完成予定
- 2017/01/05 09:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/27 01:49:53
オープニング
● 天国にも届く手紙。
南の方に住んでいるサラリーマンは思った。
ここ最近雪をみてないな。
そう空を見上げると、曇天、重たい雲の光景に子供のころの記憶が重なる。
あの時はこの国はとても寒くて、この季節は雪が降っていた。
貧乏だった幼少時代、けれど母の手がとても温かかったのは覚えてる。
あのころに戻りたい。
そう願って瞼を下ろすと、その胸ポケットのスマホが震えた。
北に住んでいる少女は本を眺めていた。
窓の外は雪景色、それどころか、窓に張り付いた雪が暗幕のようになって部屋は真っ暗だった。
だから少女に本の中味なんて見えていない。
けれど少女はそれを眺めつづけていた。
開いているだけでいいのだ、開いているだけでその思いは伝わる。
大切な友達からもらった絵本、彼女が大好きだった絵本、そのページには彼女の言葉が染みついている、そしてそれが今も耳元で聞こえる。
私もすぐにそっちに行くからね。
そんな言葉を胸に秘めて、少女は本を閉じた、その時。
部屋の隅っこで投げ捨てた携帯電話に光が灯る。
西に住んでいる老人は海の遠くを見つめていた。
その先には彼が渡った島がある。
かつて彼は夢を追い、船に乗ってこの国を出た、それ以来彼は姿を現さない。
長い年月がたった。彼は今どこで何をしているんだろう。
数十年来の親友、その彼の笑顔を思い浮かべ、彼の老け顔を想像しようとした。
そのとき、彼の手の中でスマートフォンが震えた。
東で集まっている君たちは、H.O.P.E.の食堂にいた。
次の任務は何を受けようかな、そんなことを集まった適当なメンバーと話をしていた。
けれど雑談なんて川の流れと同じ、あっちやこっちに枝分かれして、また交わって。
最初の話題が何だったか分からなくなったころ、君たちのスマホが同じような着信音を鳴らした。
開いてみるとそこには、一通のメールが届いていた。
● メールの中味は希望? それとも。
あちこちで同時多発的に、同じ内容のメールが届いた。
その内容はこんな感じ。
『みなさん驚きましたか?
これは天国にも届くメールです。
この機能を利用すると天国だったり、宛先のわからないあの人、世界中のだれでもに手紙を届けることができます。
それは僕が皆さんにメールできたことから、信じてもらえるんじゃないかと思います』
画面をスクロールさせると、少しの空白の後にさらにこんな文章が書かれていた。
『そして今回皆さんにこんなメールを出しているのは単なるいたずらではありません。
メール、出してみませんか?
決して届かないと思っていたあの人に、あなたの言葉を届けて見ませんか?
それは天国にいる人じゃなくても構いません、今はどこにいるかわからないあの人でもいいのです。
安心してください、僕が絶対見つけ出してお手紙を届けます。
そして、そのお手紙で、誰かが救われることを、僕は願っています。
BY カロン』
あからさまに怪しいメール、しかし君たちの胸には淡い希望が宿る。
もしこれがほんとうだったら……いいのにな。
その程度の本当に淡い物、だがその後驚くべきニュースが続々と舞い込んでくる。
このメールのちに『カロンメール』と名付けられることになるのだが、このメール、本当にどこでも届くらしいのだ。
たとえば、世界の裏側。メールアドレスを知っていなくても、電波の届かないところに間で。
その結果、長年生き別れていた親友に逢えた、行方不明だった娘が見つかった。そんなニュースがお茶の間にあふれた。
さらには、死んだ人間からメールが届いた、そんな話まで舞い込んできて。
この国はクリスマス時期の明るい話にわいた。
だが、これは明らかな異常事態。
H.O.P.E.は調査に乗り出した。
ただ、同時にあなた達はメールの利用も考え始める。
天国や、今は言葉を伝えられないあの人に、届くことを願いながら、あなたはスマホの画面を叩く。
=========PL情報========
● 正体
ここからはもしもの話です。
皆さんがこのメールの機能というか、『カロンメール』の正体を知りたいと願い調べれば、真相にたどり着くことができます。
真相は、どこかの誰かが作ったプログラムです。
それは朽ち果てた研究室でひとりでに起動したマザーコンピューターが自立稼動し、そのメールを送り続けています。
そして、人間が作ったプログラムが天国に手紙を届けることなどできるわけがありません。
よって真相を知ってしまえば、この手紙を頼りにしているPCにとってはショックになるでしょう。
なのでこの真実はPC全員が知らなくてもいいこととします。
そしてこのコンピューターの扱いをどうするかは発見した人たちの手にゆだねられます。
壊すもよし、どっかにうっぱらうもよし。
そこは発見予定の皆さんで話し合ってください。
● プログラムの存在理由、目的
ちなみにこのプログラムが組まれた理由、ただ単純にその人の気を楽にしてあげたいから、だそうです。
このプログラムのヘルプを開くと、そう教えてくれます。
そして、その思いは誰にも明かさないように厳重なロックがかけられています。
ただ、自分のPCのメールであればなんとかロックを解除してみられる、ということにします。
●
そして、もしよかったら、返事など書いてみてあげてください。
それは倫理的に問題があるかもしれません。ただ、きっと苦しむその人の心を救うことができるでしょう。
=====================ここまでPL情報=======
解説
目標 とくになし。
今回は、PCが普段胸の内に秘めている思いや、過去の後悔。そう言ったものを打ち明けられるような、俗に呼ばれる心情回ということになります。
そしてこのメールをきっかけに、より能力者と英雄の絆が深まるといいなと思って作ってみました。
あなたのPCは残してしまった後悔や、伝えきれなかった思いなど無いですか?
それを胸に抱え続けることは、原動力にもなりますが、心をひっかくような痛みも伴います。
ここで吐露するだけで何かが変わるわけでは無いですが、ただ、確実に楽になると思います。
そして、楽になっていいんです。
今回はそんなお話。
クリスマス前のちょっとした奇跡のお話。
マスターより
メリークリスマス!(気が早い
皆さん、こんにちは、鳴海です。
今回はクリスマスの贈り物になれるような素敵なお話しがかけないかなと思って、OPを作ってみました。
OMC企画にする予定のシナリオストックではあるんですけど、季節にピッタリかなと。
今回は自身のPCたちだけで完結してしまうのかなと思って文字数多めのEXですが、ぜひよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2017/01/03 14:55
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最終発言2016/12/27 01:49:53