本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/07 19:00
- 完成予定
- 2016/11/16 19:00
掲示板
-
STOP THE HERO
最終発言2016/11/07 13:03:02 -
プレイング卓
最終発言2016/11/07 16:40:56 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/05 11:59:40
オープニング
●
秋晴れの十月中旬、ここは大英図書館。そしてH.O.P.E.ロンドン支部でもある。
長い廊下にコツコツと響く靴音。
一人の職員が扉の前で立ち止まって大きく息を吸う。静かに吐いて気持ちを落ち着かせたところでノッカーを叩く。女性の返事が聞こえてきたので入室すると、そこは小部屋だ。テーブルの向こうで微笑む応対の秘書へと用件を伝える。
「お待ちくださいませ」
秘書が内線で連絡した。
職員はいつものように報告書を秘書に預ければすむと考えていた。しかし支部長が直接会うとの返答に何度も瞬きを繰り返す。
秘書に導かれて館長室へ。奥の非常に広い机にはたくさんの書類や本が積まれていた。その向こう側で席についている支部長キュリス・F・アルトリルゼイン(az0056)に報告書を手渡す。
一分にも満たないはずの、しかし長い時が経過する。
「プリセンサー能力者三名によれば緊急性はないようですね。それにしても十月末から十一月初旬にかけて、多数の従魔、もしくはH.O.P.E.に仇なす者が出没ですか」
「はい。警戒すべきはイギリス全土になります。他の地域に関しても注意が必要とのことです。ご存じの通り、その時期はヨーロッパ各地でハロウィンとガイ・フォークス・ナイトが催されます。仮装した人々の間に紛れられると大変ではないかと――」
キュリスが片眼にかけたモノクルに触りながら、職員の前でもう一度報告書に目を通した。
「……リンカーのみなさんにはあらかじめ各地に潜入してもらいましょう。それと、せっかくのお祭りです。従魔などの敵さえ倒せたのなら、仕事一辺倒ではなく楽しんでもらって大いに結構。そのように計らってください」
キュリスが話した内容を職員はメモに認める。仕事場に戻ると依頼文章を作成。リンカー達の目に触れるよう配信するのだった。
●
ハロウィンの醍醐味というのは様々に枝分かれる。枝の行き着く先には甘いお菓子であったり、パーティという雰囲気を楽しむものだったり。気になる子を驚かせてみるのも一手だろう。
仮装、という最も堪能の余地がある醍醐味は、このイベントの中心的な柱の役割を担っているだろう。ゾンビ、ドラキュラ等の変装はありきたりだと考える個性的な人間は、彼らの頭の引き出しを掻き出して、それだけでは足らずに図書館やネットで調べて見たこともないような怪物に仮装しているものだ。誰が一番個性的か――それを競うイベントではないが、そういう楽しみを見出す人々もいた。本来ハロウィンとは、本物の怪物たちから身を隠すための祭りだったのだ。時代は中々、珍妙な変わり具合を見せたと言えよう。
楽しいパーティだ。本物の怪物が紛れているかは関係ない。
ほとんどの町が笑顔で溢れていた。
H.O.P.E職員が危惧した通り、イギリスのとある町では事件が起きていた。その事件解決の道に一歩足を踏み入れたのは坂山という名前のオペレーターだった。すでに現地に駆けつけていたエージェント達にこう説明した。
「事件よ。とてもイヤな」
坂山の声音には翳りがあった。緊張でも悲哀でもない。その声のトーンを保ったまま坂山は事件の現場と被害状況をいつも通り、定型文をそのまま読み上げたように伝えた。
「――被害は今のところ小さいけれど、念のため急いで向かってちょうだい」
その後に坂山は、なぜ自分がここまで暗い調子なのかを説明しなければならなかった。
「事件があってすぐ、分かったのよ。今事件を起こした張本人は従魔でも、愚神でもヴィランでもないの。人間でもないわ、そして怪物でもない。強いて彼らの事を説明するならば正義って言葉を送ってあげるわ。彼らは今年三月にその町に住み着いた、人間の言語を知らない子供達なの。年齢は十七歳だって、テレビで言ってたわ」
ワイドショーに軽く触れられていたのを坂山は偶然見ていた。ワイドショーではこう言われていた。「彼らこそ、本物の正義の味方なんだ。我々は彼らを見習わなければならない」テレビはそう言っていた。
正義の味方が事件を起こしたのだ。
「きっと勘違いしてるのよ。彼らはきっとハロウィンっていう文化を知らないの」
正義の味方はこんな事件を起こした。道を歩いていた仮装をしていた人々を襲い、怪我をさせるという事件だ。町は今混乱状態に陥っていて、誰も外に出る者はいないのだという。だから被害も小さく収まっている。
「彼らにどんな未来が待ち受けているのか、そう考えただけでも憂鬱。だから急いで、彼らを止めてきてほしいの。正義に対抗するには、正義が一番なんだから」
最悪の事態だけは避けてほしい。ハロウィンパーティというのは、本当は楽しむ物なのだから。坂山は仮装を体験してみたかった気分を胸にしまいこんで、エージェントからの報告を待ち望んだ。
解説
●目的
二人の「正義の味方」を止める。
●正義の味方について
彼らの正体は一人のリンカーと、一人の英雄であった。二人とも言語を話す事ができず、リンカーは以前喋る事ができたが英雄と共鳴した際に何らかが原因で言語を喋れなくなってしまった。
二人はリンカーという力を使って町内の様々な事件を解決してきた。殺人事件の解決、従魔の討伐等……。そのために、町人の人々からは絶大な信頼感を集めていた。この事件が起きるまでは。
また、この二人を管理する「マクレン」というお爺さんがいる。実質的に第二の保護者になっている。今回の事態に重い責任を受け止めている。
●二人について
リンカーの女性の名前は「ミルシィ」であり、前述した通り彼女は言語を喋れない。彼女はハロウィンを知らなかった。彼女の生まれ育ちは田舎だったせいで、ハロウィンという文化が行き届いてなかった。
言葉が喋れず手話もできない。コミュニケーションが取れないが、感情はすぐ表に出てくるので彼女が何を思っているのかはすぐに察する事ができる。体を使う表現もして、彼女なりに頑張って意思を伝えようとする。
情に厚く頼りになる存在だが、その一方で心は打たれ弱い。
英雄の名前は「加蓮(かれん)」という男性の英雄。彼もこの世界にきてから言語を喋る事ができない。
ミルシィとは違って冷静だが、人を助けたいという気持ちはある。あまり社交的ではないがミルシィよりも力強く、彼もまた頼りにされる。
●状況
仮装と従魔とを間違えてしまった二人は町を歩き回って、警備している。住民は怖がって誰も外に出てはこないが、まだ町にはそれを知らない市民はいる。早い内に辿りつき二人を対処する事が最善だ。
●事後
町民は打って変わって二人を責め立てるだろう。そうなれば二人は、自信を失い歩みべきではない道に進むかもしれない。それを止められるのはエージェント達しかいないのだ。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
もうハロウィンですね、世の中は。色々な場所に怪物やお化けがいて、楽しそうに彼らもパーティを楽しんでます。
私は魔女の仮装が好きなのですが、リンカーの皆さんにも魔女の衣装が似合う方々はちらほらいらっしゃいました。もうすでに魔女だという方は仮装する必要はないですね。リンブレの世界で毎日がハロウィンだという人は少なくないでしょう。
つまらない話で恐縮なんですが、私はなんも仮装してません。皆さんはされましたか?
それでは任務の方、よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/11 19:45
参加者
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STOP THE HERO
最終発言2016/11/07 13:03:02 -
プレイング卓
最終発言2016/11/07 16:40:56 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/05 11:59:40