本部
逃亡者の夢見るハロウィン
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/15 15:00
- 完成予定
- 2016/10/24 15:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/13 23:40:30 -
相談卓
最終発言2016/10/14 22:32:23
オープニング
●初めての異国の祭り
エステルは、ハロウィンを楽しみにしていた。
異国の祭り――しかも、お菓子をタダでもらえる祭りとなれば子供の心は躍るというものだろう。だから、エステルはうきうきする心でハロウィン用の変装グッズを買いに行ったのであった。子供用の変装グッツを扱っている店なので、アルメイヤは置いてきた。退屈してしまうかも、と思ったのだ。
だが、間違いだったかもしれない。
「子供たち……どこ?」
魔女の仮装をした店員が、うろうろと店内を歩く。その眼はうつろで、まるで何かに操られているかのようであった。
「きゃははは! 逃がしたらやーよ」
店の奥から出てきたのは、ジャックランタンの仮面をかぶった少女だ。黒いロリータな服装に身を包み、店員たちを使って子どもを探させている。
ビル丸ごとが有名雑貨店だったのは、数十分前のこと。
今は、愚神と従魔――それに操られる人間たちが闊歩している。
エステルは、自分と同じように一人で遊びに来ていた子供たちに静かにするように目配せする。店の更衣室に隠れた子供たちは、エステルよりも年上だ。しかし、普通の子供だから当然ながら戦闘経験はない。泣き叫んでいないだけ、よくやっているのかもしれない。
「出てきなさいよ、子供たち。今なら、ハロウィンの特別企画で楽に殺してあげるわよ」
アルメイヤは、近くにいない。
エステルには、戦うすべがない。
「みなさん――落ち着いて聞いてください。私が囮になりますから、HOPEの支部まで走ってください」
更衣室から、エステルは飛び出した。
その姿を見つけた愚神は、にやりと笑った。
「みーつけ!」
エステルは、力の限り走った。だが、愚神はいとも簡単にエステルを押さえつけてしまう。そして、彼女はエステルにもジャックランタンの仮面をかぶせようとした。
「あら、あなた普通の子供にしては随分とライヴィスが多いのね」
――お願い、アルメイヤを呼んできて。
●はぐれた二人
『エステルの電話が通じない!』
HOPEの支部には、アルメイヤが相談もとい怒鳴りこみにきていた。なんでも、数時間前からエステルの携帯が通じなくなったらしい。お前はモンスターペアレントか、と突っ込みたい気持ちをHOPEの職員はぐっとこらえた。
『三時には戻るといっていたのに、六時になっても帰ってこない! 絶対に何かあったんだ』
「せめて、もう少し待ってみてはどうですか」
『エステルは十三才なんだぞ。誘拐にでもあってたらどうする』
身体能力が上がっているリンカーを誘拐って、どれだけハイリスクを好む誘拐犯やねん。心の中で、思わず大阪弁で突っ込んでしまう職員であった。
そんなとき、支部に子供たちが駆け込んできた。
「たっ、助けてください! 雑貨屋さんに愚神が出たんです!!」
子供たちの言葉に、アルメイヤは言葉を失った。
『そこは、エステルが行った店だ』
アルメイヤは踵を返して、店へと向かった。HOPEの職員は、急いで電話を取った。
「もしもし、こちらは支部です。今すぐに、今から言う住所のビルへと向かってください!」
●逃亡者は夢を見る
エステルは、夢を見ていた。
死んだはずの祖父が、自分の目の前にいる。なぜという、疑問はわかない。今日はハロウィンだ。仮装をしている自分も、死者の仲間入りをしたのかもしれない。
祖父と二人で囲むテーブルには、甘い菓子が山のように積まれていた。店で売っているような既製品もあれば、使用人が作ってくれたと思われる菓子も並んでいる。
ナツメヤシ入りのビスケット、マァムール。
サフランの香りが香ばしい一口サイズのケーキ、クルスエゲール。
甘いシロップをたっぷりと絡めた丸いドーナッツ、ルゲイマート。
どれこれも、エステルが大好きだったおやつである。使用人たちは、よくエステルや祖父のために甘さたっぷりのおやつを作ってくれたものだ。
本当ならば、いただきますと言って好きなだけ頬張りたい。口の周りをシロップまみれにしたい。だが、厳格な祖父の前ではそれははばかられる。
「エステル……たべてはいけない」
祖父は、エステルに命令する。
「はい。おじい様」
祖父がそういうのならば、食べてはいけない。
がまんをしなければならない。
「食べれば、戻れなくなる」
祖父は、いったい何を言っているのだろうか。
エステルは首をかしげる。
使用人が訪れて、また一種類おやつの種類を増やす。
たっぷりのナッツとクリームを包んで揚げられた、カターイフが食卓に並ぶ。これにも、たっぷりとシロップがかかっている。
「おいしそう……」
「食べてはいけない。戻れなくなる」
エステルはしらなかった。これは彼女が見ている幻想であり、食卓に並んだおかしを食べれば幻想から抜け出せなくなることを。
解説
ビル……すべてのフロアが雑貨屋であり、ハロウィンフェアを開催中。四階建の建物。左の端にエレベーターがあり、中央にエスカレーター。外に避難用の階段がある。店内の明かりは確保されており、視界は明瞭。
従魔……シーツで作った幽霊のような形をした従魔。浮いており、すべてのフロアの五体ずついる。フロアを移動しない。
目隠し――シーツで包んで、敵の資格を奪う。三秒以上包まれると、体がマヒして動けなくなる。
火の玉――火の玉を発射し、攻撃する。スピードはないが、ビルには燃えやすいものがいくつもあるので注意が必要。
ジャックランタン……愚神に操られる店員および客。すべてのフロアに五人ずついる。従魔がマヒさせた敵に仮面をかぶせ、仲間にする。操られた人間は夢を見ており、夢のなかで菓子を食べないうちに仮面を破壊しなければ正気に戻すことはできない。ナイフが武器。マヒしてない敵には、それで攻撃する。身体能力が大幅に向上している。
エステル……ジャックランタンの被り物をしている。愚神の隣にいる。優先してライヴィスを吸収されており、愚神を討伐しなければ正気に戻らない。他のジャックランタン同様にナイフを持っているが、徐々に衰弱していく。衰弱がひどくなるほど、菓子を食べてしまう可能性が高まる。
愚神……一見すると操られた人間のようにも見える。
魂食い――自分に近寄ってきた人間のライヴィスを吸収し、防御に回す。
いたずら――エステルのライヴィスを大量に消費し、小型のかぼちゃ爆弾を出現させる。敵を自動的に追跡し、敵に触れると爆発する。人間と無機質の武器や攻撃を判別することが可能。
キャンディー――ロリポップ型の鈍器。一撃で床を砕くほどの攻撃が可能。最終手段なので追い詰められない限りは使わない。
アルメイヤ……ビルに到着しており、1Fで手当り次第に攻撃している。ジャックランタンにも過剰な攻撃してしまう。
マスターより
こんにちは、落花生です。
今回はちょっと気が早いですがハロウィンです。
なお、エステルが夢見ているお菓子は全部がものすごーく甘いお菓子となっています。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/10/21 17:46
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/13 23:40:30 -
相談卓
最終発言2016/10/14 22:32:23