本部
【屍国】屍の村
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/11 15:00
- 完成予定
- 2016/10/20 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/10/10 23:00:06 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/06 19:30:35
オープニング
くちゃ……。
何かを喰らう、湿った音。
古びた民家の襖を通して、何かを汚ならしく貪る音が聞こえてくる。
くちゃ……くちゃ。
畳では蛆が数匹蠢き、赤黒い染みと散らばった腐肉の放つ腐臭と血臭とが、辺りには漂っていた。
くちゃ……。
やがて、音が止まる。
何かがずりと、襖を開き……そこから顔を覗かせた。
白く濁った眼、腐った肌、削れた頭部。
既に生を終えたであろうそれは……喰らった人肉の血を口から滴らせ、襖を開き、虚ろな足取りで外へと向かった。
―――Link・Brave―――
屍国編・序
『屍の村』
―――――――――――――
四国にある山の一つに、ワイルドブラッド達が隠れ住んでいた村がある。
ワイルドブラッドが世間に受け入れられたとはいえ村を捨てるわけではなく、自然と共に暮らすことを良しとする者達も当然いる。
日々を山と共に暮らし、人里から離れ過ごして来た彼らは、日々助け合いながら、その村で過ごしてきた。
その日も、村では農作業や狩り、山菜採りなどに時間が費やされ、一日が平和に終わる……はずだった。
「……今日は、山が騒がしいな……」
村から離れた位置で山菜採りをしていた青年が呟く……。
広がる木々の合間から……野性の獣達のざわめきが聞こえてくる。
ギャア、キァ! ギャアッ……。
それは断末魔のようであり、激しい闘争のようなそれは、普段山に住んでいる彼でも聞きなれない、奇妙なものだ。
ざぁぁ、と、大量の鳥が飛び立ったかと思えば、群をつくり大空を旋回し始める……。
「なんだ……」
青年が農具を起き空を見上げ……嫌な予感がしたのか、山菜採りを早々に引き上げて、村へと帰った。
村に帰る途中から、血の匂いと腐臭が濃くなっていく。
血と、腐臭……死を連想させる、嫌な香り。
嫌な予感に身体を引かれるように、彼は村に戻り……。
「……なんだ、これ」
自分の眼を、疑った。
死体が、歩いている。
村の中を、村民とは違う異質な存在が歩き回っていた。
腕のとれた人間、頭部ひしゃげさせたまま歩き回る人間、開けた腹から腐った臓物を見せたまま歩き回る……人間。
いや、死体だ、こんなものは、生きてる人間足り得ない。
常軌を逸したその光景に眼を奪われたのはほんの一瞬だ、彼は恐怖心から、逃げようと踵を返し……。
「助けて!誰か!!」
その声に……彼の知る人間の悲鳴に……勇気を振り絞り、死体が練り歩く村の中へと駆け出していった。
――HOPE東京海上支部――
「これは民間からの救助依頼となる」
肥え太った中年の男性職員が、エージェント達に告げた。
「四国内にあるワイルドブラッドの集落から、救助を求める連絡が届いた。ゾンビを思わせる従魔が多数出没したらしい。
諸君らはそこに赴き、従魔を駆逐して彼らを助けてやってくれ」
ただ、と、中年の男は顔を曇らせた。
「到着までの時間を考えれば、あまり良い状況にはなっていないだろうな……ヘリの用意はしてある。急ぎ現場に降り立ち、事態に対処をして欲しい」
――四国・集落上空――
ヘリコプターで現地に向かったエージェント達は、上空から、事件の起きた村へと近付いていた。
「そろそろ目的の地点につきますので、降下の用意を」
ヘリの操縦をしているHOPEのパイロットが、エージェント達に告げる。
窓から眼下を見下ろせば、深い山の中に作られた村が見えた。
そして、その村の近くの木々から……無数の、黒い何かが飛来してくる。
「え?」
エージェント達は気付く、あれは……鳥の集団だ。
エージェントの視力なら分かるだろう…それはただの鳥じゃない、無数に集まった一匹一匹、頭部が割れていたり、腹部が裂けていたり、生き物として不完全な状態で、翼だけを広げて飛んでくるのだ。
ただ真っ直ぐ……ヘリコプターへと向かって。
黒々とした僅かなライヴスの光を、鳥の一匹一匹が纏い、一つの塊となってヘリコプターへと押し寄せてくる。
「皆さん!飛び降りて!避けられません!」
パイロットが悲鳴に近い声をあげる。
エージェント達の中には迎撃を試みた者もいるが……ヘリコプターの中から鳥の放流を妨げることは出来ず……その黒い濁流に飲み込まれた。
黒い濁流が通りすぎた後……プロペラと前方の窓ガラスを損傷したヘリコプターが、大きく空中でバランスを崩し……そのまま村の中へと墜落していく。
大地にぶつかり、ひしゃげたそのヘリコプターは紅蓮の炎に包まれて……その役割を終えた。
エージェント達は無事だろうか?
その答えは、これから分かることだろう。
まだ無事だとしても……彼らが辿り着いたそこは……屍の村。
生者を喰らう死者の巣食う魔性の地。
そこから生きて帰らない限り……彼らに未来は訪れないのだから。
解説
【依頼目的】
四国の山奥の集落が従魔に襲われ救助願いが出たので、現地にヘリを使い接近、直接村内に降下し、従魔を駆逐しながら生き残りを救助する。
↓現在
ヘリコプターが墜落した為、HOPEから、『可能な範囲で生存者を連れていき、山を下山して生還すること』が言い渡され、『従魔の駆逐』は行わなくていいことを通信で伝えられます。
【ヘリコプターからの脱出】
鳥の襲撃を受けた際の行動をプレイングに書かれても構いません。
何も書かなくても、墜落の前に飛び降り攻撃を回避、村内に着地した扱いになります。(パイロット除く)
〈以下PL情報〉
【救助対象】
村内の建物の一つに、五名の村人(若い姉妹、中年男性、老人、青年、重傷を負った男性)が立て籠っています。
青年は腕に、姉は肩、重傷男性は身体の数ヵ所に噛まれた跡があり、顔色が悪そうです。クリアレイなどでも治らず、男性は意識が朦朧としており歩けません。
また、村内を探索すれば、軽傷者と重傷者を各二名ずつ発見できます。
重傷者は動けません。
【村】
人間型のゾンビが50人、ひらけた場所に出ると鳥の集団が襲ってくる。
【山】
ゾンビ達(人、野犬、野猿、猪、鳥)が襲ってきます。
不意打ちが発生しやすいので、生存者を連れている場合気を付けてください。
【妹】
以下の状況で精神不安定になります。
・村内のゾンビに、見知った顔を見つける(外見は明らかに死亡済)
・村の関係者の死亡
【任務達成条件】
生存者達と山を下山する(下山時間は約三時間)
【出現エネミー】
〈村内〉
ゾンビ×50
鳥の集団(単体に対する攻撃や効果に高い耐性を持つ、範囲攻撃等は弱点)
〈山道〉
ゾンビ×?
ゾンビ〈猪〉(攻撃力高め)
ゾンビ〈野猿〉(群で襲撃)
ゾンビ〈野犬〉(命中高め)
ゾンビ〈鳥〉(単騎・回避高め)
※重傷者の傷を放置すると長時間持ちません
※傷を負った村人が死亡するとゾンビ化します(姉青年含む)
マスターより
ヘリコプターは落ちるもの……。
こんにちは、山鸚大福です。
いよいよ【屍国】が始動しましたね、死人達が溢れる四国、今後の展開にもご期待ください。
重傷者や村人数名の死亡までは許容されており、死亡しても成功判定が出ます。ただ村人を囮や盾にするなど、強く悪印象を持たれる行動をとると普通評価になります。
今回の判定基準は、村人からエージェント達がどう見えたかが影響しやすく、村人との交流内容によっても評価は変動します。あとは追記。
※青年や中年男性、姉、一般村人も重傷者を背負うことはできるのでご活用下さい。
リプレイ公開中 納品日時 2016/10/19 02:09
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相談卓
最終発言2016/10/10 23:00:06 -
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