本部
逃亡した先は自由か死か
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/09/21 09:00
- 完成予定
- 2016/09/30 09:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/09/19 17:43:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/09/17 18:54:49
オープニング
●秘密裏な取引
ネパールと中国の国境近くにある研究所。そこに二人の男性が訪れていた。狸顔で優しげな表情を浮かべている紳士とそれに付き従うのは手に銀のアタッシュケースを持ったスーツの青年。優しげな紳士に対し、青年はまるで表情が抜け落ちたかのように無表情。
「おお、Mr笛吹(うすい)、Mr土(トゥ)、ようこそいらしゃいました」
彼らに声をかけてきたのは身なりを小奇麗にしたふくよかな男性。
「やぁ、所長。相変わらず、元気そうだ」
「えぇ、勿論。私にはコレがありますからね」
紳士笛吹の言葉に所長と呼ばれた男はぐふぐふと笑いながら、指で丸を作った。そんな所長に笛吹は「それはよかった」とだけ感想を零し、早速本題へと話を切り替える。
「あぁ、勿論、ご用意いたしておりますとも。ささ、中へどうぞ」
所長に案内され、笛吹と土は研究所の会議室へと案内された。そして、所長は別室から彼らの目的のものが入った小箱を持ってくる。
「中々に面白い結果が出ましたよ。一時的とはいえ、あれほどまでに身体能力が上昇するとは」
そう言って開けられた小箱に入っていたのは袋詰めされた錠剤。笛吹はそれを手に取ると「それはそれは」と笑みを浮かべる。
「ただ、難点としては効果が切れた後の反動ですかね」
あれには参りましたという所長。それに笛吹は「そういうものだよ」と薄く笑みを浮かべる。
「所長!!」
「なんだ、今は来客中だぞ」
「すみません。ですが、緊急です。検体No.915が逃亡しました」
「なんだと!!」
和やかに話している最中、若い職員が息を荒げながらそう報告をすれば、所長は目を大きく見開き、男にどういうことだと掴みかかった。その様子に笛吹は「おやおや」と言うもののその顔には随分と面白いことがばかりに笑みが浮かんでいる。
職員の話によれば、最初で最後の外出でタメルへ連れて行った検体No.915が今朝、見張り役であったはずの青年と行方をくらましたとのことだ。現在、タメルへ同行していた職員がその行方を追っているらしい。
「Mr.笛吹。検体の納品はもうしばらくお待ちいただいてもよろしいですか?」
「ええ、大丈夫だよ。なんでしたら、お手伝いしよう。土」
「はい」
笛吹に言われ、土が所長の前にスーツから取り出した手のひらサイズの小箱を差し出した。その中には先程所長から渡されたような錠剤は入っていた。
「特別な薬さ」
にぃと唇を吊り上げる笛吹に所長は恐る恐る手を伸ばし、それを受け取った。
「効果は絶大。追手を出すのであれば、それに飲ませるといい。あぁ、安心してくれ、こちらの薬と違って身体には影響はない。なんせ、特別な薬だから」
その言葉を聞き、ホッと息を吐いた所長はすぐにそれを追手となる職員たちに飲んで、確保に動くよう指示する。その後、、二、三話したのち、笛吹と土はとりあえず、中国の方へと戻る旨を所長に伝え、研究所を後にした。
「ああ、愉快愉快。それにしても、どれほどの効果があるかな?」
「……さあ、私はさして興味がありませんので」
笛吹は所長に渡したのと同じ錠剤を取り出し、土に「君も飲む?」と尋ねた。しかし、土ははっきりとした口調で「従魔になるつもりはないので結構です」と断る。
「そう、それは残念。……まぁ、今は君のままの方が扱いやすいからいいか」
クツクツと笑う笛吹に土は静かに礼を言うように一礼を返した。
●自由のための逃亡
時は少々遡り、早朝、タメルのホテル街。トタン板の上に立つぼさぼさな髪の青年は窓から少女を連れだしていた。
「マーロウ、どこへ行くの? どこかに行くなら、あの人達に許可をもらわないと」
「リンファ、あの人達には知らせなくて大丈夫だから」
青年――マーロウは少女――リンファの言葉に首を振り、一緒に来てとだけ伝えた。マーロウは聞いてしまったのだ。自分と彼女のこれからを。
『あの915番も憐れだな。これが最初で最後の自由とは知らずに楽しんでるんだから』
『あぁ、言えてるな。そういや、見張りのガキはどうするんだ?』
『あぁ、ガキは殺処分だと。研究所に戻る途中で殺せばいい』
『915番は奴隷に、ガキは殺処分か。せいぜい、今の内に俺らの役に立っておけってか』
トイレを借りようと部屋に入ったところで聞こえた職員たちの話。このまま大人しくいれば、自分は殺され、彼女は奴隷と売られることになる。マーロウは自分の命も大事だが、彼女がこれ以上酷い目にあわされるのは耐えられなかった。だからこそ、こうやって、リンファをホテルから連れだす。
「大丈夫、リンファは俺が守るから」
そう、胸に誓うとマーロウはリンファの手を取り、薄ら明かりの街へ駆け出した。
●少女の証言
H.O.P.Eカトマンズ支部に一人の少女が保護された。綺麗な服を着ているにも関わらず、顔は泥に汚れ、靴を履いていないがため、足には切り傷。少女――リンファはH.O.P.Eが安全な場所であることを理解すると「マーロウを助けて!」と声をあげた。
聞けば、マーロウと言う青年と一緒にいたとのこと。その彼はリンファを隠して、大通りの方に駆けていったらしい。その後、彼女が隠れていた場所にもパーンと乾いた音が聞こえ、続いてリンファ達を連れてきてくれた職員たちの声が聞こえてきたそうだ。
「『あのガキ、殺してやる』とか『915番はどこだ』って聞こえて、私、怖くて」
ぽろぽろと涙を零しながら、リンファは語った。
彼女の証言により、内々に調査を繰り返していた研究所の裏が明らかとなり、これを基に摘発に乗り出すことが決定し、すぐさま摘発の準備に動き始める。それと同時に支部は自国、近隣国に来ているエージェント達へ青年の保護、研究所職員の捕縛を依頼する文書を発行した。
解説
青年の保護及び、追手の捕縛。
【】はPCが知らない情報。
●研究所
ヴィランズとの関連性があるということでH.O.P.Eが内々に調査していた研究所。表向きは新薬の開発。裏では人体実験を行っていた。リンファ保護により、こちらは別のエージェントが摘発に向かった。
●関係者
リンファ
検体No.915。16歳ほどのアイアンパンクの少女。H.O.P.Eに保護された。
マーロウ
見張り役の青年。推定年齢16。ぼろぼろの半そで半ズボンに裸足。拳銃で撃たれ、腕を負傷している。現在、追手に追われ、タメルからインドラ・チョーク方面に南下中? お金は一切持っていないため、電車やバスを利用することはない。【途中、建物などで身を隠したりなどしているもよう。だが、夕暮れまで体力が保つか保たないか】
追手1
研究所からの追手。全員、一般人。ただし、悪い人間。武器として拳銃、ナイフを所持。二人組が五組。
【追手2
後続の追手。笛吹の渡した薬によってミーレス級従魔に憑りつかれている。ただし、憑りついている従魔は人間の身体能力を若干上げる程度。ほぼほぼ、通常の人間とかわりない。強い衝撃を与えれば、吐き出され、消滅する。武器は追手1と同様。人数は二人組が三組。】
●その他
昼頃からマーロウの保護に動き始めます。
タメルからインドラ・チョークまでは1.2km。歩きでも15分程度の距離ですが、主要な道は追手が見張っている模様。
どこかに目撃情報があるかもしれませんし、騒動が起こっている可能性もあり。
また『●秘密裏の取引』はPCの知らない情報となります。
マスターより
どうも、東川善通です。
今回は戦闘と言うよりは救出でしょうか?
ちょっと初めてのタイプになりますが、やってみたかったので、挑戦してみました。ほの暗い話かと思いますが、どうか、皆様の手で青年と少女に自由を与えてやってください。よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/09/30 20:00
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相談卓
最終発言2016/09/19 17:43:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/09/17 18:54:49