本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/08/04 22:00
- 完成予定
- 2016/08/13 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/31 12:07:44 -
相談卓
最終発言2016/08/04 22:00:23
オープニング
ライヴスの目覚めは唐突だ。
ヒトは誰しも“英雄”に触れる可能性がある。その出会いは前触れなくもたらされ、否応なしに、そして劇的に運命を変化させられる。
それは悲しい事かも知れないし、喜ばしい事かも知れない。“まだ誰にも分からない”。何故ならそれを決めるのはライヴスに目覚めた者達自身だからだ。彼らがこれから先、英雄と共に紡いでゆく物語を一文字たりとも読み逃さずにひも解いて行った先に、初めて得られる世界でただ一つの真実なのだ。
“ある戦い”の影響で、今、世界各地で次々と新たな能力者が目覚めている。
異世界より現れた超越的存在と接触し、大きく動き出す運命の下、戦いに身を投じる者が一人、また一人。
今はまだ真っ白い、だが決して穏やかとは言えないだろう未踏の明日への第一歩を――
彼らは今まさに、踏み出そうとしているのだ。
◆
『聞こえますか、アーアー、聞こえますかー。もしもーし?』
インカム型の無線機から雑音混じりの声が聞こえた。肯定の返事をすると、やや大袈裟にも思える安堵の吐息が返って来た。
『グッドです! そのインカム、私が設定したんですが、機械ってどうにも苦手でして! 声が聞こえないとか音を拾わないとか突然爆発するとかしないか、不安だったんですよね。どうですか、皆さん無事、現場に到着されましたか?』
かなり聞き捨てならない発言があった気がするが、ひとまず到着した旨を告げた。
エージェント達の姿は今、ある工場の敷地内にあった。工場と言っても、廃棄されて久しい為、稼働はとうに停止している。錆びた機材や腐った木製コンテナが疎らに点在し、遠くにはひび割れた窓ガラスを蔦がびっしりと覆った工場が、物言わず鎮座していた。
そして、木々や建物が邪魔で見えないが、右手には東京湾が広がっている筈だ。エージェント達はこの東京湾の海上に存在する巨大なメガフロート、H.O.P.E.東京海上支部よりやって来た。
つまるところこの廃工場は、H.O.P.E.の目と鼻の先にあるものだ。
『えー、それでは、状況を再度ご説明します! 現在、中東で“大きな戦い”が起きている事は、皆さんご存知ですか? これがわりと世界的危機な感じでして――低く見積もって世界までは行かずとも、中東は軽く滅べそうなので、H.O.P.E.の主要な戦力はそちらに出払っている状態です』
語り口は何とも呑気なものだが、それは確かに事実だった。
戦いについてはさて置き、今の東京海上支部は兎角、人が少ない。戦いの只中である為、騒がしさがないわけではないが、雑多な人々が入り混じっている独特の喧騒が、今の東京海上支部にはなかった。
『ですが、支部を空っぽにして、事件への対応能力を落とすわけにはいきません。そこで既存のエージェントの一部と、なりたてほやほやの新人エージェント――要するにあなた達に、待機戦力として支部に残って頂くようお願いしていたわけですね!』
この説明を聞き、改めて仲間達の顔ぶれを見回してみる。成る程確かに、この場にいる者の全員が、全くと言って良いほどエージェントとしての経験を持たないようだ。
『そして、ビンゴ、です。案の定、愚神の出現が報告されたので、皆さんに討伐に出向いて頂いているというわけです。――と言ってもご安心下さい! 報告があったのは、ミーレス級の弱い従魔が二体だけなんです。あ、ミーレス級が分からないです? アレですよアレ、RPGで言えば序盤の街の外で、チュートリアルで戦うくらいの弱っちいやつです!』
厳密にはミーレスと言っても玉石混交であり、強弱の差は存在するのだが、今回のミーレス級はこう言ってしまっても構わない程度には、弱い敵であるようだ。
――不意に、羽ばたくような音がした。
皆が一斉に、左方を警戒した。視線の先、機材の裏から小さな影が姿を現す。
それは言うなれば、“蝙蝠の翼を生やした黒いゴムボール”のようだった。バスケットボール大の球体の身体に、一対の翼が生えている。翼が羽ばたくたびに身体が揺れるので、スライム状なのだろうと知れた。
『あ、出ました? そちらが報告された――“スライムバット”と仮称しますが――ミーレス級の従魔です。では皆さん、サクッと殺っちゃって下さいな! その程度の従魔二体なら、皆さんでも余裕を持って――へっ?』
オペレーターの声を制して、ある者が言った。“もっといる”。
物陰から忙しなく翼を羽ばたかせながら現れたスライムバットは、見る限りで四体いた。
それだけならば別段、問題ではなかっただろう。ミーレス級は弱く、この従魔に関してはミーレスの中でも更に弱い部類だ。二体が四体になったところで、さして苦労もなく倒せた筈だ。
問題は――“五体目”だった。
「ゲッゲッゲ……馬鹿ガ! 馬鹿デ弱ッチクテ美味ソウナ人間ガ、コォォォォォンナニ釣レタゼェ!?」
それは、複数の音声が重なったような、不快な声で人語を介した。
スライムバットの後に続き、五体目の敵がその巨躯を現した。それはヒト型ながら脚が短く、対照的に隆々と発達した両腕が地につくほど長い。
筋肉で膨れ上がった上半身は獣を思わせる猫背であり、ほぼ前向きに伸びた頭は不自然なまでに大きな二つの眼球と、鋭い歯の並ぶ口を持つ……。
その口が唾液を滴り落としながら、愉悦の形に大きく、歪んでいた。
「分カッテンダヨォ……今ノテメェラハ手薄ダッテナァ……!? 従魔デテメェラ雑魚共ヲ釣ッテ、ミィィィンナ食ッテ強クナル……ソノ力デマタ人間ヲ食ッテ強クナル! 完璧ナ作戦ダロォォォ? ゲヒャヒャヒャヒャッ!」
『そんな……自我があるですって!?』
インカムがオペレーターの焦燥した声を届けた。当然だ、従魔は自我を持たない。
だが五体目の敵は明らかに自我を持っている。この事実が意味するところは、つまり――
『よ……よく聞いて下さい。その個体は恐らくミーレスの一段上であるデクリオ級か、それ以上の力を持つ愚神と思われます。悔しいですが……聞く限りまんまとハメられた形です。つきましては“戦闘を放棄して帰還して頂いても構いません”。すぐに代わりの、もっと戦いに慣れた部隊を編成し、改めて討伐に――あっ、ちょっと!?』
その言葉を聞き終えぬうちに、前に出た者がいた。
目の前の敵が気に喰わないという理由かも知れないし、倒せるという確固たる自信の表れかも知れない。
或いはただのやせ我慢かも知れないし、深い考えはなかったのかも知れない。
その一歩の理由は他人には知れぬ事だが、踏み出したという行為自体は何よりも価値を持つ。
それを見た愚神が天を仰ぎ、唾液を撒き散らしながら醜く嗤った。
「イイゼェ、コイヨォ、俺様ニ美味シク頂カレニナァァァ? ゲヒャヒャ、ゲヒャヒャヒャヒャ!」
彼らの“チュートリアル”が、始まる。
解説
このシナリオは新規プレイヤー優先シナリオです。
参加キャラクターには能力者にLv.20の上限が掛かっています。
初めてシナリオに参加されたプレイヤーは、本部ページから『シナリオとは』のページを開き、『シナリオを攻略しよう』の項目をご覧ください。
○状況
敵の罠にはめられ、複数の従魔、愚神と対面している。
時刻は昼。オペレーター曰く「撤退しても構わない」との事だが……。
○戦場
廃工場敷地内(工場内ではない)。
機材やコンテナの残骸など、障害物はあるものの基本的には戦闘の邪魔にはならない。
○敵戦力
ミーレス級従魔「スライムバット」×4
蝙蝠の翼で移動するスライム状の球体。自重の為高く飛び上がる事は不可能。
基本的には後述のワイルドアームをカバーリングで護衛する。
攻撃方法は体当たりのみであり、威力も極低だが、攻撃・防御の瞬間に身体を硬化させる為、見た目以上に打たれ強い。
デクリオ級愚神「ワイルドアーム」×1
長く逞しい腕を持つ人型の愚神。肉弾戦を好む。
PC達は知る由もないが、ケントゥリオ級と呼ばれる、デクリオ級の更に一段上のレベルに成長する一歩手前の状態。
放置をすれば遠からず力をつけ、被害を出すだろう。
物理攻撃↑↑ 物理防御↓ 魔法防御↓↓ 命中・回避・移動↓
・ワイルドスウィング
両腕を振るいながら回転する事で、自身を中心とする範囲(1)を攻撃する。
高威力だが、使用前に大きな予備動作がある。
・衝撃波
腕を勢いよく振るう事で衝撃波を起こして攻撃する。射程10。
高威力だが、速度は低い。
○他
白紙プレイングには注意をしましょう。
万一の為、仮プレイングを送っておく事を推奨します。
マスターより
解説、そしてOPにもありますように、当シナリオは新人エージェント向けのシナリオになります。
一応は【神月】連動シナリオという形を取っておりますが、内容としてはあまり関係がありませんので
連動がよく分からないという方でも、気兼ねなく参加して頂けると幸いです。
さて、多くのRPGにはチュートリアルが存在しますが、リンクブレイブのチュートリアルは、どうやら一筋縄ではいかないようです。
卑劣な愚神の罠にはめられた新人のエージェント達。自らの実力に対して、敵は強い力を持っています。
しかし、敵の能力をよく読み取り、仲間と連携して当たる事が出来れば……
皆様が敗北する道理はありません。
ご参加、お待ちしております。
リプレイ公開中 納品日時 2016/08/20 19:50
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/31 12:07:44 -
相談卓
最終発言2016/08/04 22:00:23