本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/05/20 22:00
- 完成予定
- 2016/05/29 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/18 12:47:28 -
相談用
最終発言2016/05/20 17:02:24
オープニング
●魔道着に白衣
スペイン、首都マドリード。
どことも知れぬ建物の一室。日差しが差しこみ、明かりの無い室内を照らす。そこに資料や文献を床に広げて思索に耽っている者がいた。決して寒くない季節だが、魔術師然とした濃紫のローブをまとい、フードを目深にかぶっている。
黙々と、思考の海へ。その深奥へたどり着けるまで。
しかし、潜行した意識は唐突な電子音で引き戻される。誰かからの連絡。軽く息をついた後、端末を手に取る。その左手の袖の隙間から、ちらりと金属の光が覗く。どうやら片腕は機械化されているらしい。
すぐに応答はせず、窓際まで歩きながら女は電話の邪魔になるフードを下ろした。
長い黒髪と褐色の肌が露になる。細いメタルフレームの眼鏡の下には物憂げな表情。身長は170センチほどあるだろうが輪郭は繊細、明らかに女性だ。ローブをまとう姿はオカルトに寄っているが、雰囲気は理知的そのものと言えた。
窓の外、通りの人の流れを眺めながら彼女は電話に応じた。
「申し訳ありません、マスター・ナイ……」
受話口から聞こえてきたのは、男の声。謝罪と沈んだ声からして内容は予想できる。
「そう、遺物は入手できなかったのですね」
「はい」
遺物とは、超常のオーパーツのこと。連絡の内容は、オーパーツはH.O.P.E.によって回収されて手中に収めることはできなかった、というものだった。
言うまでもなく通話先の男はセラエノ。そして彼女も。
「惜しいですが仕方がありませんね。次の物に取りかかりましょう。連絡はそれだけですか?」
「いえ、もうひとつ。不確かな情報ですが、短剣『ケセド』がスペインにある遺跡から出土したらしいです」
「遺跡ですか」
「はい、どうも真贋が怪しいようではあるのですが、一応確認するためにこれから飛ぼうかと」
「その必要はありません」
「……何故でしょうか。贋作の可能性があるとはいえ、放置するわけには」
「私が向かいます。ちょうどマドリードにいますから、あなたが行くより早いでしょう」
「そうでしたか、承知しました。ではお願い致します、マスター・ナイ」
通話が切れた。ナイと呼ばれた女は、フードをかぶり直し、更にその上に白衣を羽織って部屋を引き払う。
「ジブリール、行くわよ」
ドアの手前に立ったところで、女が言った。それに呼応して、部屋の片隅にある1人用ソファにずっと腰かけていた青年がゆっくりと立ち上がる。
目元を覆うボサボサの髪、黒地に刺繍の入ったローブ、端部に大きな宝玉をあしらった杖。そして背には、六枚の美しい羽根が輝いている。どうみても人でない彼は、彼女の英雄だった。
ドアがわずかな音を立てて閉まる。
生命の樹の短剣が1本、『ケセド(慈悲)』を求めて2人は発つ。
●その女の名は
快晴の昼間、エージェントたちはスペインの遺跡に招集されていた。そこには現地の支部職員が待ち受けていて、設営したテントへ移動しながら今回の依頼についての説明をし始めた。
「ここの遺跡から出てきた短剣『ケセド』なる物をセラエノが狙っているという情報が入った。どうもその短剣は異世界と繋がりがあるという『生命の樹の短剣』らしくてな……奴らが欲しがるのも納得というものだ」
遺物に関して造詣の深そうな現地職員は眉をしかめ、セラエノへの嫌悪感を露にする。
続けて聞いた話によれば、今回の依頼は言わずもがな短剣の回収。セラエノに襲撃される可能性もあるためエージェントが動員されるのは仕方のないことと言えよう。
「ただ、正直この短剣は真贋が怪しくてな。もしかすると偽物かもしれないんだが、セラエノに持ち去られた後で『本物でした』では済まないからな。徒労に終わってしまうかもしれんが、どうかよろしく頼む」
職員はエージェントたちに頭を下げる。
しばらく歩くと、設営されたテントが近づいてきた。
だが、おかしい。そのテントの上に誰かがいる。
張られた布地の上に立っているということではない。
浮いているのだ。テントから数メートル上方に女が浮いている。
その女はローブに白衣という見るからに暑苦しい格好であるにも関わらず平然とした顔をしていた。足にはいやに目立つ真っ赤な革靴、眼鏡越しの瞳は金色に妖しく光る。見るからに、一般の人間ではない。セラエノに属する者であることは明らかだった。
「そ、それは……!」
エージェントたちを引率してきた職員が動揺した声を上げた。彼の視線の先をたどると、白衣の女の手に金の短剣が握られている。
「あぁ、これ? 残念、無駄骨だったわね」
女は機械の左手でひらひらと短剣を振って見せる。笑いこそしないものの、これはセラエノの物だ、と言っているかのようだった。
「それを返せ――……いや待て、その左腕……! 『リヴィア・ナイ』!!」
職員の表情がみるみる変わっていく。何かに驚愕するように。
弾かれたように、職員はエージェントたちに向けて叫んだ。
「気をつけろ! あいつはリヴィア・ナイ……セラエノを生み出した女だ!!!」
唐突の状況、エージェントたちは臨戦態勢に移る。
ローブに白衣の女――セラエノの統率者『リヴィア・ナイ』はため息をついて、金の眼差しでエージェントたちを睨むように見据えた。
解説
■クリア目標
短剣『ケセド』を奪取する
■敵情報
『リヴィア・ナイ』
セラエノの創設者。左腕を機械化したアイアンパンクの女性。
(以下PL情報)
英雄『ジブリール』のクラスはソフィスビショップ。
使用武器は魔法書(射程20)だが、桁違いの威力を誇る。スキルも同様。
更に今回は『浮遊靴』というオーパーツを使用し、宙を駆ける。
『浮遊靴』
階段や廊下を駆けたりするような要領で空を飛べる革靴。真っ赤な色でとても目立つ。色を変えたり形に変更を加えると能力がなくなってしまうために、そのまま使うしかない。
使用中、体重が増えた感じでとても疲れる。(大まかに体重一・五倍ぐらい)高さ制限は地表から百メートルまで。
(までPL情報)
■場所
日中快晴。
遺跡付近の広大な地。遮蔽物になりそうな物はほとんど無い。
■状況
・短剣はリヴィアの手中にあり、奪還せねばならない。
・その場にいる非能力者は職員のみ。避難の必要あり。(シナリオ成否には影響なし)
■その他
・浮遊中のリヴィアを近接武器で攻撃しようとする場合、命中に著しいマイナス修正あり。
・リヴィアは地上40メートルより上に行くことはありません。(リヴィア自身がPCたちを脅威と感じていない+魔法書の射程外になるため)
・地上に降りたリヴィアは浮遊中より回避が上がります。
マスターより
どうも、星くもゆきです。
今回はセラエノの大物とやりあうシナリオとなります。
ともかく空中から引きずりおろすのが第一、でしょうか。
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/31 18:23
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/18 12:47:28 -
相談用
最終発言2016/05/20 17:02:24