本部
レール・スプリッター
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/04/27 15:00
- 完成予定
- 2016/05/06 15:00
掲示板
-
風を感じる相談卓
最終発言2016/04/27 10:16:20 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/26 15:11:23
オープニング
●移動監獄
地平線の果てまで主に染めた太陽がゆっくりと沈んでいく。荒野の真っただ中を横断する列車もまた、同じ色を反射させていた。
連なる車両の中でも違和感を感じる車両がいくつかあった。例えば、カラーリングが異なっている。例えば、大きさが異なっている。例えば、窓がない。子供が間違えて違う列車をつなげてしまったかのようだ。
太陽の光も差さないその車両の中では、人が壁に繋がれていた。襤褸切れ同然の衣服をまとい、身体は力を失い、目は輝きをなくしている。
一方、車両には繋がれた者がいるだけではなかった。それを見張るように入り口に陣取る者がおり、壁に寄りかかるようにして繋がれた人々をぼんやりとみている。
入り口が開く。見張り役があわてて姿勢を正し、道を空ける。
新たに入ってきた人物は、鋭い目を持つ偉丈夫だった。その男はざっと室内を見回すと重々しく口を開く。
「聞け、お前たちの行く先についてだ。闇の闘技場の闘士として届けられることになる」
多くの者は、自分の行く末にすら関心がないように、虚ろにうなだれている。何人かは憎悪のこもった視線を向けている。偉丈夫はそれを心地よいとばかりに笑っている。あるいは、そう見せようとしているのかもしれない。だれよりも自分のために。
「今更だな、私たちがお前たちの人間性に価値をつけるとでも? お前たちの価値は能力者であるという一点のみだ。その憎悪は戦う相手に向けるのだな。運が良ければ、生き残れるやもしれん」
大衆を前にした政治家のように演説ぶる。
「お前たちは一欠けらのパンで争ったことがあるだろう? なら、それと同じだ。今度は相手と命を奪い合うそれだけだ。そこに違いはない。お前の奪ったパンで飢え死にした者がいるように、お前と争ったことで死ぬものができるだけだ。生きるのは殺すことだ。生きるように殺せ。忘れるな、そうすれば……」
最期の言葉が言葉になる前に口を閉ざすと踵を返し、ドアを出ていく。その男に声をかけるものがいた。
「やあ、素晴らしい演説だった。これからコロシアムで毎日訓示でもしてもらおうかな」
護衛に守られるようにして端正な顔立ちの男が椅子に腰かけている。表情は面白がるようにいびつに歪み、気のない拍手をしている。
「コロシアム唯一の踏破者、悪鬼とまで呼ばれた君の言葉ならでは、だ。なんだい、感傷にでもふけりたいのかな? まあいい。君は前の方の車両を守ってくれたまえ。乗客がここまで来ないようにね」
偉丈夫は黙って頭を下げると、そのまま前の車両に移動していった。
●繋がれた人、連なる場所、結ばれた縁
後方の車両での出来事を露とも知らず、前方の客席車両は日常の延長線上にあった。そのレールが切り替わるときは刻々と迫っていた。
分岐器となる能力者達の携帯機器が音を鳴らす。それに出ると、間の抜けた声が聞こえてくる。
「あーテステス、聞こえていますかー。聞こえていまよね。こちらはH.O.P.E.です。あっと皆さん素知らぬ顔しててくださいね。ほらほら、友達からかかってきたとでも思ってください。こちらが手間暇かけて傍受されないように連絡を差し上げているんですからね。頼んでない? 知らない? まあそう言わずに聞いてください」
間の抜けた声改め、テンションの高い声が言うには、その列車にヴィランがいるとのことで、それに対する依頼のようだ。
「何でも能力者をだまして、そこかしこに売りさばいてるらしいです。やっと、掴んだのがそこ、皆さんがいるその列車です。そこから先に関しては何もわかっていないので、この機を逃すと再び人の海に沈んじゃいますね。走っている間は動く孤島のようなものなので、どちらにも援軍はございません。さっさと解決お願いします」
誰が聞いているでもなしに声を落して、もったいぶってから言う。
「何でも今回は組織のお偉いさんがいらっしゃるようなんで、そいつもお願いします。できれば生きて。死人をしゃべらせる技術があればいいんですけどねぇ」
テンションを戻して続ける。
「敵情報をお伝えしまーす。こちらの情報では、ごろつき以上、ヤクザ未満の連中が十数人いますね。武装は下。皆さんと比べれば木と石のようなものですね。で、VIPの護衛数人。武装は中。鉄製ぐらいですかね。最後に要注意人物。いかついおっさん。情報は少ないですけど、修羅場を潜ってらっしゃるみたいですね。男女のではないですよ。武装に関しては、まあ目からレーザーでも出すんでしょう」
ぼちぼち、説明員の頭にひまわりでも咲いてるんじゃないかなんて疑いが能力者から出でもおかしくないほどだが、それを察したのか少し落ち着いた声になって話し出す。
「次は場所ですね。見ればわかる? 戦場になるとして見るとまた変わりますよ。では、始めます。場所は荒野を横断中の列車ですね。編成は20車両で、ヴィランの貸切は最後尾の動力車から5車両分ですね。前はみなさんがいる普通の客席。境目付近はおそらく見張られているでしょうね。ヴィラン側からもこちら側からも。今ので最後ですので、通信終了しますよー。頑張ってくださいねー」
列車は今のところ何一つ変わってはいない。ただ、今確かにレールが軋む音が鳴り始めた。
解説
列車の車両での戦闘となります。
目標は能力者の救出とVIPの確保です。
今回ヴィラン殲滅は障害扱いとなります。
車両は立体的に見ますので、上、横など車外での行動も可能です。
ただ、車外での戦闘の場合、生命力を合計で半分以上減らされた場合、よろけて体勢を崩したとみなして判定します。生命力が半分以上減った状態である限り、攻撃を受けるたびに判定が起こります。
[(回避/10)+1D100]≧80
失敗した場合、車両から転落しますが、周囲4スクエア以内に味方がいる場合、味方に助けてもらえますが、次のラウンドは助けたほう、助けられた方共に行動できません。
助ける判定は基本的には車内からすることはできません。
車外から車内に対する攻撃や車内から車外に対する攻撃には命中に-補正がかかります。
勿論、敵にも判定します。
車両は全20車両。ヴィランの車両は最後尾に動力車があり、そこから五両分です。
一つの車両は大体30メートル程度です。
派手に車両が破損しても最後尾の動力車以外なら問題なく走行します。
囚われた能力者とその英雄たちは別々の車両にとらわれています。
解放したとしても余力はそれほどはないでしょう。
敵は構成員が15名、護衛が6名、偉丈夫が一人。VIPは能力者ではないです。
構成員はLV20程度ですが、武装は劣悪で-補正がかかっています。
護衛はLV40程度、武装は人並み。守備的に立ち回ります。
偉丈夫はLV60程度、武装は優良。攻撃的に立ち回ります。
他に、五名ほど客席の方に紛れて、様子を報告しています。
敵は劣勢と感じた場合、列車を停止させ、車外に逃走します。
荒野とはいえ、隠れる場所がないわけではないので見失うと発見は困難かもしれません。
マスターより
走行している車両での戦闘となります。
風を感じていただければと思います。
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/10 18:05
参加者
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風を感じる相談卓
最終発言2016/04/27 10:16:20 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/26 15:11:23