本部
張り巡らされる死の罠
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/04/17 07:30
- 完成予定
- 2016/04/26 07:30
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/16 22:52:35 -
相談卓
最終発言2016/04/16 23:10:07
オープニング
●人食いハウス
ログハウス。それは一種のバカンスの象徴。
せせこましい日常からは距離を置き、ゆっくりと自然の中で羽を伸ばす為の舞台装置。
非日常を求めそこを訪れる日本人は後を絶たない。ここは北海道の山間にあるレンタルログハウスの群生地。山が近く今なお雪が残るこの街の有名な貴重な観光資源だ。
「さて、付いたぞ。皆はもう来てるかな」
「いい雰囲気ね。ログハウスなんて素敵だわ」
「だろ? 結構前から予約とってたんだぜ」
ここを訪れたのは一組のカップル。仲間達と休日を利用しての遠出の旅行。その宿泊地たるログハウスに到着したところだった。
「私、春スキーって初めてよ」
「結構楽しいぜ。冬とはまた一味違った楽しさがある」
肩に担いだ大きな荷物を一旦置き、預かった鍵を探す。4月といえど北海道。風が吹けば肩が震える程度の冷気は今だ健在である。だからこそのスキー観光なのだが。
「すぐ予約でいっぱいになっちまうから大変だったんだぜ。3カ月待ちだったんだから」
「ふーん、最近は外国の人にも人気だっていうものね」
体を擦り少しでも暖を取りながら女が辺りを見渡す。
「それにしては人をあんまり見かけないわね」
「皆、スキーに行ってるんじゃないの? 結構道中で時間食っちゃったしな。……お、あったあった」
鞄から鍵を取り出し、扉に差し込む。
「もうすぐ暮れるし、俺達は今日は休んで明日から……」
ガチャリと扉を開く。
その先に現れたのは、整った綺麗な内装――などではなかった。
「なんだ、これ……」
思わず絶句する。
ログハウスの中はまるで廃墟。家具は荒れ、絨毯は波打ち、そして至る所に蜘蛛の巣が張り巡らされ、あたかも何年も放置されのかと言わんばかりの状況だった。
「た……たす……」
ただただ呆然とする男の耳にか細い声が届く。
「あれは……」
ラウンジの奥の階段。その二階から顔を出す男が一人。知った顔だ。ここで合流する予定だった仲間の一人だ。
「助け……」
「山口さん……!?」
誘われるように前に出ようとした恋人の肩を男が掴む。
「逃げるぞ!」
男の判断は迅速だった。彼は仲間を助けようとは考えなかった。扉を閉める時間も惜しみ、すぐさま恋人の腕を掴んでその場を離れる。
荷物など捨て置く。仲間も見捨てる。
その判断には是非もあろう。しかし、結果的には最も賢明な判断だったと言える。
二人がログハウスから離れるのと同時に扉の奥の部屋にヌッと現れた一つの影。
それは巨大な蜘蛛だった。優に1メートルを超す大きさの巨大な蜘蛛。
それを見た二人に恐怖と生理的嫌悪感からゾッと怖気が走る。
「じゅ、従魔……!」
と、そこへ偶然一匹の蝶がログハウスの中に入ろうとドアを潜った。
――いや、潜ろうとしたが、正しい。ひらひらと舞う蝶は扉に差し掛かると当時に空中で静止し、張り付いたように動かなくなった。
言うまでもない、蜘蛛の巣に引っかかったのだ。
彼らが気づかなかったほどの極細の蜘蛛の巣が扉には張ってあったのだ。
無論、普通の蜘蛛の巣であれば引っかかっても少しウザったい程度である。だが、従魔の作ったそれが普通の蜘蛛の巣であるはずがない。
もしも、仲間を助けようとログハウス内に足を踏み入れていたら……。考えるだに恐ろしい。
「とにかく、今は逃げるぞ!」
駐車場に停めていた自身の車に乗り込み、その場を離れる。二人に出来るのはあとはもう助けを求め、仲間の無事を祈るだけだった。
●
「非常に危険な状態である、と言わざるをえない」
金髪をウェーブ状に伸ばした褐色の女性がタブレットを通した映像で話しかける。
「場所はログハウスレンタル場。ログハウスの中に従魔が入り込んでいて、中には取り残された人もいるようだ」
そう言うと同時に画面が切り替わり、簡易的な周囲の地図が表示される。
「大きさと周囲のライヴスの状況から察するに大した従魔ではない。倒すのは容易いだろう。問題は中の状況が分からないということだ」
地図に表示されたログハウスの数は全部で6つ。
「少なくとも一つのログハウスに従魔と人がいる。これは確実だ。そして、厄介なことに他のログハウスにもいくつか従魔がいるのが確認されている。中に人が残っているかどうかは不明だ。非戦闘員では従魔の有無を確認するのがせいぜいだった」
ふっと地図が消え、再び女性が顔を出す。
「目撃者が見た時点では中の人間は生きていたようだが、今なお生きているかどうかは正直わからん。いつ従魔に殺されてもおかしくない状況だ。……覚悟だけはしておいた方がいいかもしれん。とにかく一刻を争う。すまないが、よろしくお願いする」
女性が深々と頭を下げたところで映像は終了した。
解説
●敵
ミーレス級従魔『ハウススパイダー』 ×数不明
待ち伏せて獲物を捕らえるタイプの従魔で直接の戦闘力はミーレス級の平均的基準。
また、事前に張られた蜘蛛の巣に引っかかるとBS拘束を付与する。
能力は妨害に秀でており、攻撃力は控えめだが拘束を付与するものが多い。
●場所
ログハウス×6
二階建ての大きめのログハウス。キャンプ場に点在しており、全6棟。
1F大部屋1・小部屋2
2F大部屋1
(大部屋3×3、小部屋2×2スクエア)
●状況
晴天、夕方。
雪は残っている、という程度で移動に支障を来す事はない。
マスターより
こんにちは、弐号です。
苦手な方もいるかと思いますが、蜘蛛討伐です。
敵自体の戦闘能力は高くないので、難易度やや難ですがステータスに不安のある方でも突飛な行動をしない限り、戦闘で後れを取ることは少ないと思います。
ただし、プレイングによって犠牲者数が変動する可能性があるので、その点は気を付けてご参加ください。
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/12 17:00
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/16 22:52:35 -
相談卓
最終発言2016/04/16 23:10:07