リンクブレイブ

それはそこらへんに転がっているようなよくある物語の一頁■無力な少年は目の前のその人を助ける事が出来なかった。力が欲しかった。ただそれだけを願った。大切な人を護れるだけの力。苦難を乗り越えられる力。応じたのは、拘束具を纏った英雄だった●彼女は死んでしまった。代わりに手渡されたのは二つのピアス。赤と青。いつか出会えたその時に、貴方が分かるようにと●

復讐を遂げたい相手がおり、その相手を倒すことが目的である。

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故郷が支配地として奪われた、肉親、友人、恋人を愚神に殺されたなど、強い感情に駆られたため

渡してたまるものかと噛み締めた。応えた英雄は口の端をにやりと歪めて笑った。

彼らの関係を一言で表すのは難しい。兄と妹のようであり、家主と家人のようであり、雇われ人とオーナーのようでもある。確かなことなど少なく、曖昧な毎日を送る。しかし誓約という鎖の元、彼らは共に在る。

左耳に赤と青のピアスが一つずつ。