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輝く夜に幸せを
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北風に負けない春風(脳内)を
最終発言2017/12/15 09:36:47 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/14 23:44:32
オープニング
■二人の心情
マンションの一室にてそわそわしている男女が二人。ソファに腰かけお互いに顔をちらりと見ては顔色を窺っている。
「あ……あの!」
「お?……おう」
少しの間沈黙が流れる。
「えっと……遊園地のチケットを知人にいただいたんです。枚数が結構あって……良かったら、友人をお誘いしてみんなで一緒に行きませんか?」
目をぎゅっとつぶって、相手の返答を待つ。
ふぅというため息とともに頭の上にぽんっと手を置かれる。
「お前の誘いを断るわけないだろう?」
ぽんぽんっと頭を軽くたたき彼は優しい笑みを見せる。
それにつられたのか、それとも返事に安心したのか、彼女もへにゃっとした笑みを見せるのであった。
(本当は二人きりの方が良いのだけど……恥ずかしいから)
■お誘いは
ある日、知り合いの英雄からメールが届く。
「こんにちは。 お暇でしたらなんですが、良ければ遊園地に行きませんか?」
お返事お待ちしておりますとのことである。
解説
●目的
クリスマスイベント真っ最中の遊園地を楽しむ
●二人について
・つい最近付き合い始めた能力者と英雄のカップルである。
・お誘いのメールを送った彼女によると、二人きりでデートするのが恥ずかしいからみんなで行かないかということである。クリスマスプレゼントを用意しているので、最後のショーを見る際は、二人きりにしてほしいそうだ。
●遊園地
・千葉県にある某遊園地である。ネズミを中心とした、アヒル、イヌ、リスなどが住んでいる設定のテーマパークとなっている。
・今回行くのは、隣接している二つのテーマパークの一つの、海をイメージしたテーマパークの方だ。イタリア風のエリアや、キャラクターたちの世界をイメージしたエリアが広がっている。
・アトラクションは、「ジェットコースター」など様々なものがあるが「観覧車」はない。
・もう一つのテーマパークよりアトラクションは少なめで、雰囲気やショーを楽しむのがメインとなっている。こちらはお酒も楽しめ、ホットワインなど冬季限定の飲み物もある。
リプレイ
■ドキドキを胸に
午前七時、ゲート前にて開園の時を待つ。
「ようこそ、ドリームランドへ――」とアナウンスが流れ、心が躍る音楽に胸をワクワクさせる。
「いやー、やっぱり人多いつーか……こんなもんですかいね」
頭の後ろで腕を組みながら、恋人である彼女に話しかけるフィー(aa4205)。
「まあまあ、今年のクリスマスはちょっと奮発して贅沢にってな。時期が時期な分、そこは許容範囲ってことで」
人が多くても「二人でいれる」ってことが嬉しいのか、ニコニコしながら楪 アルト(aa4349)が言う。
「クリスマスにまで幼女の世話とはねぇ……」
ちらりと斜め下に目線をやるのは炉威(aa0996)である。
『うふふ。わたくしには最高の時ですわ』
彼の視線を気にも留めず、むしろ見つめられたものだと都合よくとらえ、エレナ(aa0996hero002)は静かにその場でくるりと、ふわりと回る。
我が道を行くエレナに、炉威は小さく溜息をついた。
「みんな幸せそうだよな」
ちょっと羨ましそうに周りを見る荒木 拓海(aa1049)。
『ん~? 拓海は幸せじゃないの?』
揶揄う様にいう、メリッサ インガルズ(aa1049hero001)。
「え、やっぱり人前は嫌だったりする……?」
と不安そうにいう三ッ也 槻右(aa1163)に対し、「そんなわけないだろ!」と焦る荒木。
直ぐに否定してもらって安心したのか、気のゆるんだ笑顔を見せる三ツ也。それにつられ荒木も笑顔になる。
『なんじゃ。心配はいらぬそうだの……』
二人のやり取りを見て、内心心配していた酉島 野乃(aa1163hero001)は小さく息を吐く。
『ふふふ……楽しみよね』
遊園地が初めてだということで、ご機嫌なミーシャ(aa1690hero001)。今回の目的を忘れてはいないがワクワクしているのがわかる。
「上手くいけばいいな……」
知人のお二人さんの行方を気にしつつ、楽しそうに笑う彼女に笑みをこぼす久兼 征人(aa1690)。
いろいろな思いを胸に、遊園地は開園するのであった。
■楽しみは人それぞれ
開園し出迎えてくれたのは、マスコットキャラクターたち。ネズミ、アヒル、リスが可愛く手を振っていた。
園内は赤、金、銀など輝かしい装飾に彩られ、クリスマスにぴったりのポップな曲が流れ、それだけでも心がワクワクする。
入園してすぐ、まずはどこを回ろうかなんて、マップを片手に近くのお店にすぐ入り、まずは友人たちとの会話を楽しむのであった。
『これ。この遊園地ではつけるものだって聞いたわ』
お店の中のキャラクターグッズで頭に身に着ける品が置いてあるコーナー、そこでペアのベージュのクマ耳を手に取る。
『征人はこっちね』
いきなり渡され、「え」と戸惑う久兼。
『二人でつける方が楽しいと思うの。ね、常世さん』
アイコンタクトによって、ミーシャなりのアシストだと分かり彼もも拒否できない。複雑そうな顔で受け取るのであった。
『は、はい……一緒につけて……もらえますか?』
今回、この遊園地に来る発端となった常世 命(az0093hero001)が、おずおずと彼の様子をうかがう。
「……なるべくカッコいいやつならな」
一瞬考えこむような素振りを見せる幽世 真(az0093)があったが、すぐに彼女のしたいようにと、一緒につけるものを選び始めた。
「俺もふわふわ耳は……着けるならこっちかな」
海賊帽を手に取りなりながら荒木が四人のやりとりを横目に一緒に被り物を選ぶ。
『不釣り合いな感じが楽しそうで良いのに~』
楽しそうに見て回るメリッサは西島がうさ耳を持ってきたので、同じうさ耳にするらしい。
「仮装いいね! 拓海の海賊似合いすぎ」
荒木が海賊帽を被りかっこよく決めポーズをするのを見て、楽しそうに笑う三ッ也。
『リサ殿もウサギかの? よく似合っておるのだの!』
紫色のウサギ耳を試着するメリッサに、お揃いだと酉島はご機嫌だ。
『あ、あの……お二方が見えませんね』
姿の見えない二人をキョロキョロと探す常世。
『ああ……あの方達ならほら』
エレナの指さす方で、盛り上がる二人。
「何か買うかー?」
「んー……まずはポップコーンが欲しくですかいね?」
なんて言いながら早々にお店を出て行ってしまうフィーと楪。
「……ま、回りたい奴と回ればいいよ」
気にしないで自分たちが楽しむことを考えればいいとフォローしてくれる炉威。
たしかに、一緒に来ようと言ったが、一緒に回るとは言ってない。それぞれが楽しめるように回れればと、頭の中で納得して、この場を後にするのあった。
■二人っきりのクリスマスA
他は他、自分たちは自分たちということで、知り合いと別れ二人で回ることにしたフィーと楪たち。
早々に自分たちだけの世界に入り込み、二人の時間を楽しんだ。
ポップコーンやチュロスを買って、目的地まで歩いていく。
「ほいアルト、あーん」
なんて椅子に座って。
「え、あ、あーん」
と恥ずかしそうにする時も。
「さて、お手をどうぞ。お嬢様?」
ゴンドラに乗る際に手と取って。それすらも嬉しくて、互いに顔を合わせクスっと笑う。
「こうしてゆっくり見て回るのも中々いいもんだな……っと、寒くねーか? 大丈夫か?」
さり気なく密着し、互いの温度に心を温める。
「って、もうメインかよ! ……まぁ混んでから行くのもやだし、それでいっか」
乗り物に乗ってるときはずっと手を握りっぱなしで、それがまたちょっとこそばゆい。
「並んでる間も二人だと、あっという間ですな」
暗がりに躓くふりをして密着したり。
「た、確かに戦闘じゃあ飛んだり跳ねたりしてッけど……自分の意志と関係なく振り回されるのに慣れてなくて……そ、そう! ただの訓練だし!」
なんて楪の反応に楽しそうにギュッと手を握るフィー。
「ダイジョーブですかいね、アルトー?」
心配しつつも、彼女はけらけら笑うのであった・
フリーフォール、ジェットコースター、コーヒーカップ、レースと乗り切り、残るは本日最後のショー。
「ははっ、ホントは遊び斬る予定だったのに……ばてちまった……」
休憩しつつ、ショー鑑賞エリアの近くのレストランにてその時を待つ。
「んー、ここからちっと戻らねえと食べ歩ける感じのしかねえですかな? まあ、まだ時間りますかいね」
勢いよくアトラクションを楽しむのもありだが、こうしてゆっくりクリスマスの雰囲気を味わうのもまた良いと、店から外を眺める。
いつの間にか暗くなっていた寒空の下で、キラキラとイルミネーションが輝いていたのだった。
■二人っきりのクリスマスB
常世たちを含め複数人でアトラクションを乗るために移動する。
あれもこれも楽しそうだと、同行者たちは言ってるのを楽しそうだなと傍観していた。
頭の中でどのタイミングではぐれようかと試行錯誤もしつつである。
「さーて、どうするかなぁ」
どのタイミングが一番良いか、後の事を考え想像する。
『あ、ちょっと、炉威さま……!』
よろっとよろけたエレナを支えると、『靴が脱げてしまったみたいですわ』とのことだ。
「ちょっと、待ってなー」
とっさの事でついつい同行者たちに何も言わずに靴を探してしまう炉威。
「あったあった」
少し離れたところに、彼女のはいていた靴が片っぽ落ちていた。
それを拾って戻るころには、同行者たちの姿は見えなくて、心の中で「まさか」と思う。
『うふふ……ありがとうございます』
にっこり微笑むエレナに、はいっと拾った靴を渡すが断られてしまった。
『支えもなしにこの場で履くのは難しいですわ。履かせていただけないかしら』
なんでそんなこととは思ったが、道端でずっと立ち止まるのも迷惑になる。彼女を支えつつ端により、拾った靴を履かせてやる。
『まるで、シンデレラ見たいですわね』
彼女は満足そうに笑うのだった。
「はいはい」
軽くあしらって、これからどうしようかと考える。
とはいえ、ちょうどはぐれようかと思っていた矢先だ。
『あら、はぐれてしまいましたわね』
わざとらしく笑うエレナ。
「……はぁ、とりあえず連絡はしとこうかねぇ」
小さく溜息をつきつつ、心配させないようにとメールで連絡を入れておく。
『さーて、どこから周りましょうかしら』
彼の気持ちを知ってか知らずか、彼女は鼻歌交じりに歩き出す。
「とりあえず、カフェでまったりしようか」
付き添いできたうえ、エレナと二人だ。張り切って回る必要もないのだが。
『あら、折角ですから何か乗りませんこと?』
我儘な小さなお姫さまはそれを許さない。
「えー……」と聞こえないぐらい小さな声でつぶやくも、立ち止まっていても仕方がないと歩きだす。
目的の時間まであと数時間、彼らは彼らなりに夜まで時間を過ごすのである。
■二人っきりのクリスマスC
段々と別行動で人が減っていき、とうとう四人になってしまった。
そんなとき、久兼とミーシャは互いにアイコンタクトを交わし、幽世たち二人と別行動することを告げる。
「ミーシャが見たい場所あるらしいんで、そっち行ってくるっす」
「デート楽しめよ」と、常世さんに聞こえないように幽世さんの背を叩く。
ミーシャは両手を握って、ガッツ―ポーズをし『がんばってね!』と常世さんに応援の視線を送るのだった。
『また、帰るときにね!』
女子二人が小さく手を振り、互いに別方向へと歩いていくのだった。
「さーて、まずはどうするか」
彼女が楽しめるよう、マップを確認しつつ何をしたいか確認する。
『えっと……ほら、さっきのお土産さんでクマのぬいぐるみが売ってたでしょ?』
ぬいぐるみが欲しいという彼女の可愛さに悶えそうなのを抑えつつ「わかった、一回戻るか」といつもと変わらぬ自分を演じる。
クマを買ったそのあとは、もちろんフォトポイントを巡る。
灯台の前、火山の下、丸い海の横、色々な場所でクマとそのぬいぐるみを持つ彼女を写真に収めるのであった。
ところどころショップにも立ち寄りつつ、船も使って移動する。
「こっからの眺めもいいだろ?」
ちょっと自慢気に言ってみる。
『ここ、水上ショーやるところよね。通れるんだ……』
素直に感動する彼女に、久兼は静かにほほ笑むのだった。
二人だけの時間を楽しみ、アトラクションや遊園地の雰囲気を満喫し、あっという間にショーの時間になっていた。
直ぐ近くのお店でホットワインとハート型和菓子入りのドリンクを買う。そして、ちょっと早めに、ショーの鑑賞エリアで待機していた。
『ちょっと寒いわね……』
ミーシャは少し寒そうに肩を震わせる。
久兼は少し手を伸ばしたところで、元の場所に戻す。
「確かに寒いな……」
何もできない自分に歯がゆさを感じつつ、ただただその時を待つ。
いつの間にか空は曇り、輝く星は姿を隠していた。
『上手くいくといいわね……』
彼女はこの場にいない二人を思い、小さく呟くのであった。
■二人っきりのクリスマスD
英雄たちとも別行動し、二人っきりで周る遊園地にドキドキするのは、一緒にいるからか遊園地に流されているからなのか。
「いろいろお店を見てろっか」
海の中をイメージしたエリアのお店に立ち寄る。
「お店もたくさんあって、何を買おうか迷うっちゃうよね」
お店だけでもたくさんあるのに、エリア限定のグッズもあるから困りものだ。
「お土産はどうしようかな」
二人一緒にいろいろ見て回る。
「僕のお土産は……じゃあこれ」
ちょっと照れたように見せてくれる三ッ也に「いいんじゃないか?」とにっこり笑う。
「拓海はこっちどう?」
一瞬止まり、ちょっとにやけ顔になる荒木。
「……ん、そうしようかな」
二人して気の緩んだ笑みを見せる。
お会計をしようとするところで、三ッ也の動きが止まった。
「アクセサリーも売ってるんだね」
彼の目線の先はレジ付近の陳列棚。そこには、お土産用のアクセサリーが並べられていた。
「深い海のような綺麗な色だね」
その中で彼が特に気になっているのは、青い珊瑚のはめられたブレスレットだった。
シルバーのシンプルな板の部分にワンポイントでキャラクターの形に珊瑚がはまっている。
「こういうのも売ってるんだね」
「さ、早く買って、アトラクションに乗りに行こうよ」と言われたので、いったんその場を後にする。
買い物した後は、楽しみにしていたジェットコースター。三ッ也は苦手なのだが。
「え?! ジェットコースター?!」
荒木がジェットコースターに乗りたいというので、半泣きになりつつも列に並びに行く。
最初は半泣きだったのが、段々前に進むごとに涙で目が潤んでいく。
「くっ……可愛い」
半泣きの彼の可愛さに悶えつつ、にやにやしながらも乗るのはやめない。
「も、もう!」
なんて言いながらも、怖い反面、嬉しいのかちょっとむくれた顔をするだけだった。
「歩けなくなったら捕まっても――」そう言いながら進んでいく。
通路は薄暗く、ちょっと掴むぐらいなら大丈夫。服の裾をつかむ彼に荒木はニヤニヤを止められないのであった。
***
一方その頃、英雄二人は応援する彼らと別れ、彼女たちなりに遊園地を楽しむのであった。
『これからどうしようかな』
ショーの時間まではまだまだこれからじゃ。
『うーん……どうしようかの』
マップを見つつ、歩いていると甘い香りが漂ってくる。
『おいしそうな香りだね。ポップコーンかな?』
匂いにつられ歩いていくと、そこにはキャラメルポップコーンのワゴンがあった。
『ふむ、特大ポップコーンは必須じゃの!』
折角だから食べようかと、二人で一個、ポップコーンバケットを買って、それを酉島が首から下げる。
『食べ歩きもいいかもね!』
この時期限定のホットチョコレートや、冬季限定味のチュロスもあるという。
『寒いからの……温かいものを食べたいものじゃ』
シアタータイプのアトラクションでまったりしつつ、ところどころで美味しいモノを買って食べる。
『今二人はどこら辺にいるんだろうね』
寒いけど、ちょっと一休みしつつ外のベンチで温かい飲み物を飲む。
『そうじゃの……連絡取るわけにもいかないからの』
二人の口から白い息が上がる。
彼らの事を考えて、少しの間ぼーっとしていると、見覚えのある姿がジェットコースターの出口から現れた。
『噂をすれば……じゃな』
目線の先には、自分たちの相棒である彼らの姿。一人はニヤニヤして、一人は今にも泣きそうだ。
小鹿のように震える彼を、もう一人が支え歩いて行く。
『二人とも……幸せそうじゃの』
心配していたがほっと一安心なのかなんなのか。
『なんだかんだ上手く行ってるみたいね』
知らない彼らを見るようでちょっと寂しい気持ちにもなる。
『折角だから写真を撮っちゃわない?』
隠し撮りは悪いかもしれないが、思い出になるのではないかと。
『良いのう……後日恥ずかしさに悶えればよいと思うぞ』
ニヤニヤしてる一人としがみつく一人を写真に収め、二人でにっこり笑顔になる。
『あ、ほら、ちょっとだけ……』
ショーの時間まではあと少し。
彼らの様子が気になると二人で密かに後ろからついていくのだった。
■輝く夜に幸せを
ショーの時間になるころには、鑑賞エリアはゲストでいっぱいになっていた。
園内を流れる音楽が一時止まって、今か今かとその時を待つ。
「ほーっほっほっほ……――」
良く知る笑い声と共にポップな音楽が流れだし、同時に丸い海の中に大きなツリーが現れる。
キラキラ輝くソリの形をした船に乗りよく知る赤い服の白いおじいさんが現れて、キャラクターたちと一緒にダンスを踊るのだった。
『……あら、炉威さま雪ですわ』
「寒い筈だね」
どおりで今日は一段と冷える。空からはちらりちらりと白い雪。
『ライトアップに雪。素敵ですわ。とても』
「依頼主達も、このシチュエーションには喜んでそうだね」
今回の目的である依頼主たちの行く末を思い、彼らも彼らなりにショーを楽しむのであった。
『随分静かね。疲れた?』
「全然」
『そう。私は歩き疲れたわ』
ぴたりとくっつき肩にもたれ掛かってくるミーシャに内心どきりとしつつ、嬉しいことには変わりないのでされるがままでいるのであった。
ショーの光に輝く瞳に、彼は何かを思う様に静かにほほ笑むのである。
そんなことを知ってか知らずか、彼女は楽しそうにショーを見ていた。
「なんだよ……もう夜か。楽しいことってのはホントあっという間だな……」
楽しい時間もタイムリミットまでもう少し。
「おー、確かに人気があるだけはありますなぁ」
水上ショーを見ながら思う。
「……これからもぜってーずっと一緒に、よろしくね」
愛する人に改めて。
「……愛してますな、アルト」
ショーの光でできた二人の影は静かに重なるのであった。
「手、繋いでもいいのかな?」
ショーから離れた人気のない場所。
「大丈夫、今なら誰も見て無いよ」
ゲストはみんなショーに気を取られ、誰も気づくことはない。
「前に相談した結婚指輪……言葉とか彫って貰ってる。もう少し待ってくれるか?」
照れる彼に少し涙目になって。
「勿論だよ。指輪、凄く楽しみ……」
二人とも顔が真っ赤になりつつもお互いの手をしっかり握って。
『もう少し大胆に動いて良いのに』
隠れたところで、気になる二人の行く末を見て。
『これからは更に厳しくしごいても、良さそうじゃの』
心配のなくなった二人に対し。
『きっちり扱きましょう』
なんて二人で笑う。
『そうそう、メリークリスマスじゃ!』
サプライズプレゼントにびっくりしながら、彼女たちもクリスマスを満喫するのであった。
***
一方その頃、常世の二人。ショーを見て瞳を輝かせ、寒空の下で二人の時間を楽しんだ。
空からは、白い雪がふわりふわりと舞い落ちて、終わるころには薄いカーペットができそうである。
『寒いね』なんて会話をしつつ、二人の影は少しずつ近づいていく。そして、ショーが終わって花火が上がるその頃には――
■後日談
遊園地に来てくれたエージェントたちには、後日彼女からのお礼の手紙が送られてきていた。帰りに合流したものもいれば、そのまま分かれて帰った者もいたからだ。
内容は、お礼とプレゼントを渡すことができ幸せな時間を過ごせたということだ。それをみて、ほっこりする者も安心する者もいるだろう。
手紙と一緒にお土産ということで、パーク限定『マスコットキャラのスノードーム』も一緒に送られてきていた。
思い出になればということだが、きっとこれがなくとも皆の胸に思い出に残ったのではないだろうか。
結果
シナリオ成功度 | 大成功 |
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