本部

【甘想2】連動シナリオ

ハートレスナイフ・ビター・ビター

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/02/20 14:11

掲示板

オープニング

【ハートレスナイフ・ビター・ビター】

『言刃は心をえぐるもの。あなたの視線で心が焼けつくの』

 日本人は奥手だという、そもそも自分の気持ちを表に出すことが是とされず、秘めていることが美徳と伝えられてきた民族感。
 そんな日本人にはあつらえられたように、告白しても自然な日が一年で一回、もうけられている。 
 それがバレンタイン。チョコレートを贈るという儀式の話。
 そしてそれは新たに告白するということではなく、愛を示し再確認する日としても知られている。
 だがら今年も女子高生『蔵野 理恵』は意中の恋人『有坂 甲太』にチョコレートを送ろうと準備をしていた。
 だが、そんな彼女はもう去年のように楽しくバレンタインデーを迎えられないことを知っている。
 
 彼はいつも遠くを見ていた。

 もともと彼は上を目指す人で、大学も部活も手を抜かない人だった。
 そんなところが好きだった。
 自分を見てくれなくていい、彼が見つめるどこか、そこにまい進する姿を見ていられるだけで、支えられるだけで嬉しい。
 そう思っていた。
 だが、それはあくまで高みに向かう場合のみである。
 彼が別の女に向かうことは容認できなかった。
 最近、甲太は理恵といる時上の空でいることが増えた。学校では別の何かを目で追っているのがわかった。
 それがとある女性に向いた視線だと知ると。
 ついに理恵の中で不安が爆発した。
「ああ、神様。どうか。どうか」
 なんとしても、どうしても、彼と一緒にいたい。
 こんな終わり方は嫌だ。
 そんな執念を込めて焼いたチョコレートケーキは、自分の未来を暗示するかのように黒焦げで。
 うまくは作れなかった。
「アイドルをやってるからって、ちょっと、可愛いからって」
 彼女は何度目か分からないスーパーへの道のりを行く。
 材料を今度はもっと買い込もうそう思っていた矢先だ。
 音が消えた。
 まるで日常から切り取られるように音が消えて、そして。
 目の前に水晶の乙女が立っていた。

● 嘆きの旋律。

「いつの世、どこの世界でも、悲しみの涙というものは甘露のように甘い物じゃな」
 そうガデンツァは電波塔の上から町を見下ろしてつぶやいた。
 傍らにはゴシックロリータに身を包んだ水晶の少女『ルネ・クイーン』が佇んでいる。
「にしても、このような些事、私にまかせていただければよかったものを」
「たまにはのう、手ずからお膳立てをするのものう、また楽しいのじゃ」
「ストレス発散みたいな感じですか?」
「まぁ……」
 ガデンツァは唇に指を当てて微笑んだ。
「そのようなものかのう」
「ただ、あなた様のことですから、ただチョコレートに細工をして終わりではないんでしょう……っと、おや。それは」
 ルネが声を上げるとガデンツァは、どこからともなく綺麗な包みを取り出してあけてしまった。
「交換したのじゃ」
 中に入っていたのはチョコレートケーキ。それを銀色のフォークで突き刺すと、それを笑いながら口に運んでいく。
「私も食べたいです……」
 そう物欲しげな視線を、ケーキに注ぐルネを置いて。

●波紋の空間。

 バレンタイン当日。理恵は甲太を体育館裏に呼び出した。
 彼女の手には片手に収まる程度の小さな箱が乗っている。
「ごめん、理恵。部活が長引いて」
 そう理恵の到着から五分程度で甲太が姿を見せた。
 彼の表情が少し緊張している。
 普段と雰囲気が違うのが、手に取るように理恵には伝わった。
「今日、バレンタインデーだよね」
 甲太は告げる。
「でも、その前に聞いてほしいことがあって」
 そうそっぽを向く彼の視線が、自分に興味がないと物語っているようで。
「本当は、もっと早く言わないといけない、そうわかってた。わかってたんだけど」
 彼の言葉が理恵の予測をどんどん裏付けていく。
「俺、別に好きな人ができて、だからそのチョコレート。もらえないんだ」
 理恵は甲太を見た。彼は真っ直ぐ自分を見つめ、答えを待っている。
 理恵は思った。
 まるで自分は、トドメを刺される前のウシか、ブタだ。
「ねぇ、甲太君……実はね。知ってたよ」
「え?」
 あまりに予想外な言葉、思わず甲太は聞き返す。
 すると理恵は満面の笑みを作って、笑った。
「だからこれはね、お別れのつもりで作ってきたの」
 そう差し出したのは小さな箱。その蓋を取ると、中には丸いチョコレートが一つだけ入っていた。
「失恋チョコかな、流行らないよね」
 そう目に涙をためて、理恵は強がって笑う。
「だから、受け取って、そして食べて。それで全部終わり」
 そう告げた理恵の手から甲太はチョコを取った。
「わかった、ごめんなこんな日に」
 そう告げて、甲太はそのチョコレートを口に運んだ。
 直後、歌が。校庭に響いた。



 

解説

目標 愚神『スラー』の撃破。

デクリオ級愚神 スラ―
 男子生徒に取りつく歌の愚神。その声は人から理性を蒸発させる。
 さらにある程度一般人をコントロールすることができるらしく、一般人たちを壁にしてリンカーたちの攻撃を阻もうとして来る。
 ポイントはスラー自身に戦闘力がほとんどないこと。
 空気を弾丸にして飛ばす程度だが、弾が見えないこと以外、弾速、威力共に低レベル。
 さらに、その歌は別の音によって妨害可能なのだ。
 今回は小膜から脳に伝わっているらしく、耳をふさぐ、聴覚を麻痺させる、別の音で戦場を満たすなどで対抗可能である。
 その方面から攻略の糸口をたどれば、一般人を傷つけることなく攻略できるだろう。

 ただ、もう一つ厄介な点が一つある。一般人が愚神に協力している点である。

『蔵野 理恵』
 この少女は理性を保っている、しかもスラーをコントロールできているらしい。
 この少女は愚神に代わり果ててしまった甲太少年と共にあれることが嬉しいらしいが。
 はたしてそうだろうか。
 ちなみに、彼女は運動がかなり得意なのでリンカーに匹敵するカバーリング技能を有している。
 だが、AGWの一撃など食らえば、攻撃力にもよるが即死もあり得るので注意すること。
 彼女としてはやはり甲太をあきらめたくない気持ちが強いのだろう。
 ただ、こんなひどい目にあわせるつもりもまたなかったのではないか。
 青少年らしい、間違っても引き返せない、意地っ張りな性格の持ち主なので、説得はなかなか難しいかもしれない。
 彼女の排除方法もまた、リンカーに一任されている。

 
ガデンツァについて。
 町を探索している過程で、ガデンツァがいることに気がついても良いこととする。
 ただ、ガデンツァは君たちと戦闘することはせず、執拗に絡まれるようであればすぐに退散する構えのようだ。
 学校から二キロ程度離れた電波塔の上にいる。

リプレイ

第一章 走破

「綺麗な髪ですね」
 そう『イリニャ ノースロップ(aa4342)』は『イリス・レイバルド(aa0124)』は首をかしげた、シリアスモードが中断される。
「はい?」
「パパから聞いてます、イリニャです、依頼では初めてですね」
「しっかりした子だなぁ」
 イリスは一人心地につぶやいた。
「イリスちゃんの方がしっかりしてと思うけどね」
『小詩 いのり(aa1420)』そう苦笑いを浮かべる。その腕の中には『マナ(aa4342hero001)』が抱きかかえられていた。
 そんな少女たちの邂逅を『アイリス(aa0124hero001)』は微笑みながら見ている。
「にしても」
『杏子(aa4344)』は地面を踏み鳴らして仁王立ちになり町を眺めた。
 町はノイジーな野太い声の歌と、亡者めいたうめき声をあげる人間達で埋め尽くされている。
 これがドロップゾーン、そして歌の影響なんだろう。 
 杏子は腕を組みため息をついた。
「愚神になっていても一緒に居たいなんて、普通思うかねえ?」
「さあな、そういう奇特な奴も中にはいるんじゃないか」
『テトラ(aa4344hero001)』は感情無く杏奈の問いかけに答える。
「奇特……か」
 その言葉に嘲笑をうかべる『黛 香月(aa0790)』
「くだらん……。別れ間際の恋人に憑りついてお遊びとは、よほど暇を持て余しているようだな」
「まぁ、我としては周りを巻き込んでなお燃え立つ恋心というのは面白くはあるのだが」
 そんな香月に『清姫(aa0790hero002)』が告げた。
「愚神に、面白いも、面白くないも、ない」
 香月は目を細めて告げた、その視線は鋭利で和やかな場の空気すら凍てつかせる冷たさがあった。
 その感情の出どころは全て愚神への憎悪のため。
「経験の浅い思春期の暴走って、恐ろしいわぁ。愚かで醜く卑劣で汚い、最底辺の生き物」
 同意するように『榊原・沙耶(aa1188)』は告げる。
「でも、私はそんな人間好きよぉ。不完全だからこそ創造の余地がある訳だし」
 そう謳うように沙耶は告げる。
「完璧に近いものであれ、しかし完璧であるなかれ。二律背反に苦しみ、しかしそこに快楽を見出だす」
『小鳥遊・沙羅(aa1188hero001)』はその言葉に思わず苦笑いを浮かべた。
「あんた、そんな事ばっか言ってるからマッドとか言われるのよ」
「まぁ、前口上なんていいわ。さっさと解決しないとねぇ」
「完璧なんて目指そうとしても届くわけないから安心しなさいよ」
 そうお互いに視線もかわさずに会話を繰り広げていた二人だったが、わずかに手を触れ合わせて共鳴。
 それに習って全員が共鳴を済ませた。
 ドロップゾーンの中心めがけてあしを踏み出す一行。地面を駆けるほどに歌はより強烈に、リンカーたちに出さえ影響しようと、脳内に潜り込んでくる。
――歌…………ですか。
『黒鉄・霊(aa1397hero001)』はつぶやいた。
「久々の依頼がこれか…………」
『五郎丸 孤五郎(aa1397)』は地面をスライドするように駆ける。両手はフリーにして、襲いかかってくる一般人を、両手で軽くいなしていく。
――歌を操る愚神…………。
 黒鉄はそうつぶやくと武装を召喚。その両肩にアンプを装着する。
 そしてギターを装備してかき鳴らして見せた。
 そんな黒鉄を見つめ『煤原 燃衣(aa2271)』は口元に手を当てる。
「歌……洗脳……まさか……ヤツが絡んでいる?」
――おい、兄貴。あれ……
『赤目 炬鳥迦(aa2271hero002)』の目は鷹の目だ。彼女と共鳴中である燃衣は炬鳥迦の示す方に視線をむけると、彼女を発見できた。
 そう、一際高いビルの屋上に、水晶の歌姫が立っていて、
「「ガデンツァ」」
 いくつもの声が重なった。香月は日本刀の鯉口を切ると、かの愚神を真っ向から見据え、刃を向けた。
「いつまでも、人の心を隙出来ると思わないことだ」
 かつて愚神に捕えられ、奴らの手足となるべく改造された彼女にとって。ガデンツァはその愚神を思い出させるらしい。
 香月は愚神に奪われた己自身を取り返すために、人間として生きるために、愚神を殺しつくさなければならない使命を追っている。
 そしてそれは燃衣も同じ。
「…………あの野郎……ッッ!」
 燃衣は目を見開き戦線を離脱、一直線にガデンツァへ向かった。 
――どうするイリス?
 冷たい視線を彼女に向けるイリスに、アイリスは問いかけた。
「……優先は目の前の人を護ること。それでお願い、お姉ちゃん」
――わかった、精精介入してきたら即動けるように警戒しておくに止めるさ。
――この歌、どうみる? 覚者よ。
「興味がない、音は結局音でしかない」
 その隣を並走しながら、もう一人の盾である『八朔 カゲリ(aa0098)』は告げると『ナラカ(aa0098hero001)』はくつくつと、喉の奥で笑った。
「つまらんなぁ、覚者よ、いつもいつも」
「別にいいだろう、今回は俺だけでなく、あいつらを見に来た、そう言っていたはずだ」
 そうカゲリが指をさす先にはいのりとイリニャ。ナラカの気に入る彼女のもっとも大切にしているもの達。
「魔法少女カリオストロノシロジャー」
――カオティックイリニャーでしょ。確かに長いけど。
 共鳴すると白を基調とした魔法少女衣装に替わるイリニャ。
 そのふりふりの姿を見て、いのりはいたく感動してた。
 親ばかなのかもしれない。
(そのものたちを眺めて、どう思うかも気にしているのだがね)
 そう心の中でナラカはつぶやいた。
「よし、いくよイリニャ。乙女心につけこむガデンツァ絶許!」
 いのりはそう両の拳を握ると、背中からビットを空中に放つ。
 エンジェルスビット。多方面へと自在に音を届けることができる。音の翼である。
 彼女の戦いは別にあり、そしてそれを象徴する武装でもある。
 そんな彼女を見つめてカゲリは告げた。
「耳栓使うか?」
 音対策である。この歌を聞いていればリンカーたちもどうなるか分からない。
 ただナラカはよい。と言葉を遮った。
「信用しよう、彼女らを。歌の力とやらを」

第一章 接敵

「街中でこの能力がやっかいだな、せめて広い場所にでも連れ出せれば」
『月影 飛翔(aa0224)』は告げて先頭へと躍り出た。その眼前には人の群、誰もがリンカーを見つめ先に行かせまいと腕を振りかざし吠えている。
『ルビナス フローリア(aa0224hero001)』はその光景を眺めると告げる。
――1人1人対応していては切りがないです。声を封じた方がよさそうですね。
 それをするためには一刻も早くこのゾーンの中心高校へと到達する必要がある。
 よって目の前をふさぐ男たちに構っている暇はない。
「少々手荒くいく」
 そう飛翔は誰にでもなくつぶやいて人ごみへと迷わず突撃した。
 全員の相手を素手でするようだ。
 先ずこちらの相手をしたそうな人間は五人。
 そして背後からもさらに何人か迫っている、到達するまで五秒というところだろう。
 先頭プランを瞬時に頭で組み立てると飛翔は男が振りかざす鉄パイプを避け、バックステップ、道路に転がっていた石を蹴り上げ、男の首に当てた。その衝撃で一人ノックアウト。
 そして左にスライド、円を描くように動きながら姿勢を低くして男の組み突きを回避。
 そのまま地面すれすれに屈みながら足めがけてタックル。一人を転がし。起き上がりざまに三人目の男にアッパー。
 宙を舞う巨体。
 だがそれだけでは終わらせない。飛翔はその男の腹部に手のひらを当て、腕全体で巻き込むように体を抱える。そして足を踏ん張り腰を回す。
 そうやって投げ飛ばされた男は別の一般人を巻き込んで道路に転がった。
 この間わずか三秒。
「敵が多い」
 背後を振り返ると暴徒の群、だがそれへと空飛ぶスピーカーが地下ずくと、ばたりばたりと倒れていく。
「割と近づけないとダメだね」
 いのりが言った。エンジェルスビットに天使のマイクを接続して、ソラの音~Stella~を謳う、戦場を駆けながら、はじける明るさをもってして、敵意そのものを根絶する。
「やっぱり、聞こえてくる歌を妨害すればみんなを助けられるよ」
「なるほどですね」
 そのいのりの言葉にイリニャは頷いた。
「また歌による精神干渉?」
 イリスが首をひねった。
――さすがに飽きが来るというものだよ。
 アイリスはガデンツァを挑発するように告げる。
――ならばこちらの対応もお馴染みのそれになるというものだ。
「うん、お姉ちゃんよろしく」
  アイリスの歌が響いた。それは人の理解できる言語ではなかったが、その神々しい旋律と、羽がさざめく心地よい音階が、護るという彼女の属性と相まって。DZの効果を無効化していく。
「あれ? 私は何を」
 目が覚めたサラリーマンなどをイリニャ達が誘導していく。
「なるべく学校に力寄らないように伝えておくれ」
 杏子が告げた。
 その手際よい愚神対応に飛翔は安心したのか、少女たちを振り返って告げた。
「一般人の対処は任せよう。こっちは先に愚神を押さえる」
 飛翔は加速する。洗脳の解かれていない一般人たちはフェイントをかけて抜き去ったり、その頭上を飛び越えてみたり、壁を走って見せる。
 彼を捉えられる一般人はこの世に存在しないだろう。そう思えた。
 彼らは順当に学校までの道のりを昇華していく。
 一方そのころ。燃衣はガデンツァと相対していた。
 ビルの屋上でフェンス越しに町を眺めるガデンツァに臆することなく視線を向けた。
――テメェが、姉貴が言ってたゴミクズ石ころ女かよ。
 炬鳥迦が苦々しげにそう告げると、ガデンツァはゆったりとそちらを向く。
 薄い胸の上では水晶のアクセサリが躍っている。
 それをイリニャは双眼鏡で確認した。
「……で? 今度は何の遊びです? 教えて下さい。《全て、台無しにします》」
 そう満面の笑みで告げる燃衣を見つめガデンツァは微笑む。
「では、我の楽しみを台無しにする、お前の人生を台無しにしてやろう。そうじゃな、肺を一つ摘出するというのはどうじゃ? もしくは下半身不随等」
 そう気持ちよさ気に語るガデンツァの言葉を、ルネ・クイーンは遮った。
「主様、敵の前で品のない物言いはやめてください、あと生ぬるいです」
――屑共だな!
 炬鳥迦が激昂する。
「そのような些末事よりも、お主らがあの娘に相対したときの反応が楽しみじゃ。ほれ、わらわに構ってなどおらずにあちらに行け」 


第三章 青春

 グラウンドは運動会かなと思えるくらいに生徒で溢れていた。
 当然だろう、愚神を守るために集められているのだから、この学校の全生徒たちが。
「邪魔だ!」
 その中心へと飛翔は切りかかった。彼は体術を駆使してすべての生徒を捌いているが層が厚すぎて先に進めないでいる。
 その目にやっと理恵と甲太を捉えられる位置まで来たのに。
「誰か傷ついたら、あの人たち戻れなくなる」
 イリニャはそう告げ、その言葉を噛みしめるように目を瞑る。
――正気に戻った時の後悔を減らせるように。
 マナが告げた。
「頑張ろう」
 イリニャとマナが校門の前小さい体いっぱいに、大きな望みを抱いているのを見ると。いのりがその頭を撫でた。
「大丈夫、うまくいくよ、だから全部任せたよ」
 その言葉が嬉しいのかイリニャは喜び勇んでかけていく。
「アンタたち何よ! 甲太君を奪おうっていうの?」
 続々と集結するリンカーたち。
 あれはだめだ。そう杏子は頭を振ると。
 校庭にキィンと鋭い音が響いた。見れば黒鉄がギターと肩のアンプを接続した直後だった。
「目には目、歯には歯、ということで歌には歌で対抗……行きます」
 グラウンドを満たしたのは鮮烈なサウンド、黒鉄の遠い思い出の中の歌を修復し、アレンジした曲らしい。
 その歌は洗脳から解放していくが、さすがに愚神と近いと影響力は強いらしく、酩酊状態にするのがやっとである。
 そこにいのりの歌が響いた。攻めあぐねてい飛翔はその隙を狙って突貫。
 場合寄っては手刀で生徒たちを気絶させ、フェイントをかけ、その速度と反射神経で人の壁を抜けた。
 そして飛翔は甲太へと刃を向ける。
――待て!
 アイリスの声が響く、飛翔も同時に異変を察知していた目の前の少女、普通とは少し違う。
 そう思った瞬間、無理に体をそらして刃を止める、その直後理恵は体を滑り込ませるように飛翔と甲太の間に割って入った。
「なるほどな」
 飛翔は歯噛みした。スラーの空気弾がその身を襲うが完全に見切っていた飛翔はその弾を切り飛ばす。
 さらに別方向から襲ってくる生徒をイリスが盾ではじいた。
 小突く程度だったので生徒は地面に転がる。
――迂闊に攻め込もうとしたら割り込んでくるねあれは。彼女はそういう目をしているよ。
 アイリスは少し面白そうに告げる。
 そうそうお目にかかれないくらい強い意志を抱く少女。
 そう言うのを見るのは好きだった、いや好きになったというべきか。
 だからアイリスには分かる、その感情が正しい物かどうかは別にして、彼女は甲太のことを死んでも守る気だ。
「……確かに強い意志を感じるね。歪んでるけど」
 イリスは頷いた。
「それより、このパターンはどこかで経験済みだよね」
――従魔の毒を飲み込んだあの少女の時か。
 まさかという思いがアイリスの中によぎる。
「リンカーの動きについてこられる時点で、何らかの影響を受けていそうだな。肉体のリミッターくらい外れてそうだ……本人は気づいてなさそうだが」
 飛翔が告げるとイリスは頷いた。
――ペインキャンセラーかな?
 アイリスは告げる。
――もしそうなら、身体の方が耐えられなくなります。
 ルビナスは告げた。
――怪我の有無にかかわらず終わった後に診察してもらうべきですね。
「ホントに……愚神は碌なことをしないッ!」
 イリスは怒りのままに盾を振るって生徒たちを吹き飛ばす。もちろん手加減込みで。
「騒がしいな」
 香月は群がってくる一般人たちを前に落ち着いていた、360度から襲いくる腕。それに対して香月が取った行動はその手の刀で地面を叩くことだった。
 つんざくような威嚇音が轟く、その音と振動に、生徒たちは頭を撃たれたかのように意識を失って昏倒した。
 痺れる鼓膜、杏子は耳を抑えた。
「そう言うことをするなら事前に行ってもらいたいものだね」
 ちなみにだ、杏子は武道を収めている。彼女の娘をもってして『警察官だったお父さんより強い』と言わしめるその実力をいかんなく発揮する。
 柔道、空手、軍隊格闘技。様々な武術のいいとこどりのような戦法で生徒たちを捌いていく。
 そんな彼女が香月を守るためその背に自分の背を合わせた。
「解せんな。恋人を愚神化してまで何を欲するというのだ? 人と愚神が相容れることはない」
 二人は顔を見合わせると頷いて突貫。杏子が道を開いて香月の刃がついに甲太に届く。という瞬間。
 香月は突如方向転換して、理恵に刃を向けた。
――奴らの力を借りるまでに落ちぶれおって。
 清姫が告げる声をかき消すように放たれたのは空気弾。それを香月は両断し返す刃で理恵を狙う。
 その切っ先が喉の皮一枚切り裂いて止まる。血が一筋流れた。
「愚神? 彼が?」
 理恵はそう香月に問いかける。
「気が付いていなかったのか? 錯乱しているのか、いずれにしても愚かな」
 香月は刀を構えなおすと、瞳の奥に静かな炎を宿す。
――嫉妬心に囚われた俗物はどの世界でも醜いものだな。教えてやろう小娘よ。理性を捨て、欲望や本能のままに動く者を獣というのだぞ?
 清姫の言葉に歯を食いしばって香月を睨みつける理恵。
「魔物にしてしまったのはお前だろう、そしてその男にすがる限り貴様もあの男も共々滅びるだろう」
「行かなくてよいのか? 覚者よ」
 その光景を眺めているカゲリは積極性もなく、群がる生徒たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げしていた。
「ああ」
「そこまで興味がわかないものか?」
「本当につまらん、話題のドラマでも見ていた方がましだ。俺は見ないが……」
――全く、少しはみずみずしい感性とやらにふれて、思うことができるのではないかと期待したんだが……覚者に限ってそれはありえなかったようだ。
「時間の無駄だ。あの女程度二人いれば抑えられるだろう。早めに終わらせよう」
 そう一般生徒たちを吹き飛ばし、問答無用で甲太を殺そうと刃を伸ばすカゲリ。
 それをナラカは静止した。
――まぁ、待つのだ。彼女たちにまかせて見よう。最終手段でもよいだろう?
 カゲリは視線を上げる。そこには校庭を元気に走り回るイリニャがいた。
「人間を操る歌、蔵野さんだったか」
 孤五郎は理恵を見つめる、理恵がリンカーたちに体を張って対塞がっている場面だった。
「彼女には効いていないように見えるけど……」
「むしろ操作された結果、ああなってるんじゃ……」
 黒鉄が告げる。
 いざとなったら睡眠薬を使おう。そう孤五郎は装甲部分にあるシークレットポケットを叩いた。
 よく、ロボットアニメでダガーが入ってそうな部分だ。
 ちなみ校庭の真ん中で歌っている孤五郎たちが生徒の妨害を受けないのにはわけがある。イリニャ達が生徒たちを挑発しまくっているせいである。
「奥ゆかしさを失った大和撫子は見苦しいですねぇ」
 その挑発の成果が出始めて、だんだんと人ごみは甲太達からイリニャの方へ。
「動画を撮ったので、SNSにでもUPしますか」
 洗脳されているくせに顔にムカマークをうかべてゆったりと歩み寄ってくる女子生徒たち。
 だが、数の多さはいかんともしがたい、やがてイリニャは男子生徒に包囲されてしまった。
 その目の前を男子生徒が通せんぼした。
「醜態を晒してかわいそうなので、先着一名様にバレンタインチョコを差し上げます。今ならおまけもついてきます」
 直後スカートを少したくし上げ。イリニャは告げる。
「おまけは私です」
――うぉぉぉい! イリ……
 マナが絶叫するがその声をかき消すのは一部男子生徒の野太い声。
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」
――きゃあああああああああ!
 マナはトラウマになりかねない心の傷を負ったという。
 そんなマナの気苦労つゆ知らず、イリニャは雪の結晶を振りまきながら、スイーすいーっと校庭を滑って生徒たちを誘導する。
 そんな感じで校舎内に残っている生徒たちをだいたいひきつけ終ると、イリニャは生徒たちを裏口からさらにドロップゾーンの影響が弱い外側へと誘導する。
「笛吹男になった気分です」
 こうして校庭から一般人の姿は消えた。
 そしてそのタイミングを見計らったかのようにグラウンドの真ん中に燃衣が。ふってきたのだった。

第四章 告白。

――あああああんのやろおおおおおおお!
 激オコな炬鳥迦。燃衣は土を吐いて立ち上がる。
「いや、風で吹き飛ばされました」
 そんな燃衣は首を回して状況を確認する。
 シリアスな場面に首を突っ込んで出しまったかと危惧する燃衣、しかしそんなことはなかった、見れば沙耶が甲太にめちゃくちゃ接近していた。
「そんな貧乳より私の方が、良いと思わないかしらぁ」
――あんたなんてこと言うのよ! それより蔵野さん、もっと頑張りなさい!
 沙羅が複雑な思い混じった声援を理恵に投げかけると理恵が突如泣き出した。
 凍りつく場の空気。
「やっぱり男の子はおっぱいなんだぁ」
 沙耶は頬をかく。ただ本当に愚神になっているか確かめたかったために挑発しただけなのだが、予想外に理恵が反応してしまい。困ってしまった。
「あいつもおっぱい大きかったし!」
「あいつ?」
 いのりが尋ねる。理恵に歩み寄りその手を取った。
「浮気相手だよぉ」
「理恵さん、浮気相手さんとちゃんと話した?」
「え?」
 一瞬我に返る理恵。
「名前とか言える?」
「わわわわ。わからない、頭痛い」
 その隙を狙って燃衣が動く。
――次の一撃で……脳天ブチ抜く……ッ!
 直後、リンカーも驚く反射神経で理恵は反応。脂汗をうかべながらも理恵は燃衣の前に立ちふさがった。
「……何のつもり、ですか? 退いて下さい、殺せません」
「ころ……させない」
「ひょっとして……大事な人……ですか?」
「……」
「その大事な人がなぜ、こんなことに?」
「……」
「……アイツと……水晶の体の性悪女と。何か取引をしましたね? 全て話して下さい」
「うるさいな!!」
 直後空気弾が放たれるが、燃衣はそれを拳で払う。
「愚神の中には精神を操作するやつもいるんだ」
 いのりが前に出る。いのりへ飛んできた空気弾をカゲリが防ぐ。
「甲太君ってそんなに不誠実な相手? おかしいと思わない? 精神操作されてるよ。勿論、君もだよ」
 二発目をイリスが防いだ。
「精神操作! そんなんじゃない、だから私が無様なんだよ、彼の本気が伝わってくるんだよ、何も知らないくせに、人を好きになってその人がいなくなったこともないくせに! 失ったことなんてないくせに!!」
 金切り声混じりに叫んだ理恵。その言葉に面食らったいのりだが。すぐに微笑みを浮かべる。
 痛んだ胸に手を当てて、血のように赤いロザリオを握りしめる。
「違わないよ。後ろにいる相手はボクもよく知っている相手だからね」
 いのりは彼女に奪われた者を、奪われそうになったものを思う。
「彼女のせいで泣いた人を僕は、沢山見てきた」
 直後スラーへ刃を向ける飛翔。
「甲太君!!」
 その動きをいのりとイリスで止める。
「愚神乗っ取られている時点で、外見以外は愚神だ。結局、キミが好きだったのは彼の外見だけってことか!」
 飛翔はスラーを組み抑える、その歌に声がかき消されないように叫んだ。
「違う、私は。甲太君の、自分がつらくても人のために頑張れるところが、人の痛みがわかるところが好き、そしてそんな彼を支えたかった」
「違うのなら、本当に救いたいのなら自分のすべきことをするんだ」
「わた、わたしは。甲太君にチョコを、私のじゃないチョコをあげて、そして」
「それはどこ?」
「体育館裏で」
 いのりが戻ってきて早々のイリニャを見つけて視線を送る。イリニャが頷いて駆けだした。
 だがその言葉に納得がいかない様子の炬鳥迦。
 その怒りは燃衣から体の主導権を奪い取るほど。
――……おい。録でも無ェもんだって一目で分かんだろ。何のつもりだ?
 炬鳥迦は少女に詰め寄った。
――……まさか《自分のモノにならないくらいなら》ってかコラ?
「違う、私は」
――……フザけんじゃねェ!
 そう叫び炬鳥迦は胸ぐらをつかみあげる。
――恋も! 命も! バカにしてんのかテメェッ! いいぜ、テメェのそのクソ短絡の行動の結果を教えてやる。
 そう告げ炬鳥迦は理恵を突き飛ばし、甲太に視線をうつす。
――……《テメェの目の前で、ソイツを嬲り殺す》ッ!
「やめてえええええええええ!」
――惚れた男の死に顔を目に焼き付けて死ねよ、加担者。


「ボクも失ったことがある」
 イリスが告げた。
「そして失ったことで手に入れたものもある。また失えといわれたってそんなものは跳ね除ける」
 イリスは歩み寄る、盾を捨てて、うつむく理恵の視線の先を追う。
「わからなくもないよ。大事なものをとられたくないのってわからなくもないよ。でもそれはちがうよ」
「何が違うっていうのよ。だってこんなに胸が痛いのに、この痛みを抱えたまま生きていくなんて、絶対、無理よ」
「それって、剥製を宝箱に閉じ込めて愛でているだけだよ」
 理恵は息をのんだ。
「剥製で満足なの? 姿が同じならそれでいいの? 触れられるぬくもりも安心もなくて、それでいいの?」

「それは愛を手に入れたんじゃない。愛を捨てて自分をごまかしているだけだ」

「だから、本当に失う前に、まだやり直せる今だから、僕らにまかせて」
 イリスが告げると、理恵の瞳から涙があふれた。
「どうしたらいいんですか?」
 理恵は問いかける。
――……《愚神を引っぺがす》……生き残る道はそれだけだ。テメェが決めろ……ソイツを殺すか、救うか!
 炬鳥迦の言葉に理恵は頷いた。
「ごめんなさい、私じゃ、無理です。助けてください、お願いします」
 飛翔と香月が動いた。そして愚神となってしまった甲太少年の四肢を抑える。
「 ……いのりさん、スキルを……ッ!」
 燃衣は告げる、祈りが前に出た。祈りの聖女はその身に音を宿して、そして。

エピローグ

 祈りは暴れる甲太へパニッシュメントを放つ。
 しかし。
「なに……これ」
 まるで障壁のようなものが展開されパニッシュメントが通らない、拮抗しその障壁自体が軋む手ごたえはある。
 だからこう表現した方がわかりやすいかもしれない。
 寄生した従魔がとんでもなく硬いのだ。一撃では排除できない。
「なんで!」
「あわてないで小詩さん。まだあきらめるには早いわぁ」
 そう沙耶が祈りの隣に腰を下ろすと二人は頷いてパニッシュメントを放つ。
 そしてすべてのスキルを使い切った時。ようやくルネは排除された。
 甲太少年は元に戻った。
「ありがとう、ございます」
 そんな理恵の前に立つ沙羅。
「H.O.P.Eとして情報の統制はするけど、あんたがした事に対する世論のバッシングは、防ぎようがない」
 遠くから救急車の音が聞こえる、沙耶が手配した、X線など危機を完備した特別性である。
「学校っていう小さなコミュニティなら尚更ね。それは因果応報よ」
 ただ、その後優しく笑って沙羅は理恵に告げた。
「でも、耐えきれなくなったら学校なんて辞めなさい。学校なんて、人生のほんの一部よ。しがみつくものじゃないわ。命が一番大事。月並みだけどね。命に代えられるものはないわ。」
「ありがとう、ありがとう、ごめんなさい」
 そう泣きじゃくる理恵の頭を沙羅は背伸びをして撫でる。
「それと、まだ話を聞いていない相手がいるわねぇ」
 沙耶が不敵に告げる。そしてガデンツァの楽譜の音階をそらんじて見せる沙耶。
「ちょっと、沙耶その歌。なんだかあなたが遠ざかるようで不愉快なんだけど」
 だがその歌に招かれるようにガデンツァが姿を現した。
「あんたがガデンツァかい。噂は色々聞いているよ。人の心を傷つける事しか楽しみの無い哀れな奴だ、とかね」
 杏子が告げる。
「お主らが人間か? もがくことしかできぬ下等種だと聞き及んでおる」
「噂はかねがねと言ったところだよガデンツァ」
 ナラカが告げる。
「ところで聞いてみたいのだが、汝は人に何を見る?」
 ナラカはそう臆することなくガデンツァへと問いかけた。
「我の手のひらの上で踊る、おもちゃ」
「やはり、私とは真逆の価値観を持っているようだね。友人に協力する意思が固まったよ」
「我もお主とは相容れんと思っておった。殺す、顔を覚えたぞ」
「今回の目的はなんだったんだい?」
 杏子が告げた。その言葉にガデンツァは素直に口を開く。
「今日は宣戦布告をするためにこの場を設けたんじゃ。お主が参加することは読めておったぞ」
 ガデンツァは謳うように告げ、いのりを見つめた。
「我は長きにわたりお主らの術を研究して負った。一部のスキルが我にとって有効に過ぎる。そこで研究開発して対策を立てて見たのじゃが。耐久力を上げるのが精いっぱいじゃった」
 先ほどのルネのことだろう。
「よって、バトルメディックを捉えて、研究材料とする」
 場に戦慄が走った。
「そんな、私まで」
 沙羅が声を上げるがガデンツァは感情もなく言い捨てる。
「いや、お主は殺す」
 そして一歩前に出ると、いのりへと手を差し伸べた。
「いのりよ。我は知っているぞ。お主は太陽の光を受け輝く星などではない、それこそ宇宙の中心になれる可能性を持っておる。故に殺す。一番無残な、方法で!」
 霊力がほとばしった。全員が冷や汗をうかべて動けなくなってしまう。
「せいぜい震えて眠るがいい、想像するのじゃ。明日この耀くような笑顔は、すでにないかもとのう」
 次の瞬間校庭がひび割れて水が噴出、その中にガデンツァは消えて行った。

    *   *

「それにしても、恋って怖いね。ボクもいつかあんな風に狂おしい想いに取り憑かれる日が来たりするのかな」
 そういのりは、疲れて眠ってしまったイリニャとマナを抱えてイリスに告げた。
「怯えないの?」
 イリスは問いかける。
「ボクは一人じゃないからね」
 そう言っていつも相棒がやっているようにイリスの頭を撫でた。
『セバス=チャン(aa1420hero001)』はその光景を微笑みながら見守っている。

   *   *

 ちなみに後日、沙羅と沙耶は学校を訪れた。
 事に関わっている可能性のあるアイドルとやらについて話を聞くためだ。
 ただ、その情報は学校側には残っていなかった。抹消されていたのである。
「そしてあの子のことだけど」
 沙耶の話がひとしきり終わった後、今回の出来事は全てガデンツァという愚神が悪いと担任教師、学校長に進言した。
二人とも愚神に操られていた。根元は除いたので予想される生徒からのいじめを事前に防ぐ様にアフターケアをしてほしい。そう沙羅は告げる。
「なんだかんだ言って、甘いわねぇちゃんとケアするんじゃない」
 にやにやしながら沙耶は告げる。
「ついでよ、ついで」

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
  • エージェント
    イリニャ ノースロップaa4342

重体一覧

参加者

  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 『星』を追う者
    月影 飛翔aa0224
    人間|20才|男性|攻撃
  • 『星』を追う者
    ルビナス フローリアaa0224hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 絶望へ運ぶ一撃
    黛 香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 反抗する音色
    清姫aa0790hero002
    英雄|24才|女性|カオ
  • 未来へ手向ける守護の意志
    榊原・沙耶aa1188
    機械|27才|?|生命
  • 今、流行のアイドル
    小鳥遊・沙羅aa1188hero001
    英雄|15才|女性|バト
  • 汝、Arkの矛となり
    五郎丸 孤五郎aa1397
    機械|15才|?|攻撃
  • 残照を《謳う》 
    黒鉄・霊aa1397hero001
    英雄|15才|?|ドレ
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420
    機械|20才|女性|攻撃
  • モノプロ代表取締役
    セバス=チャンaa1420hero001
    英雄|55才|男性|バト
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • 責任
    赤目 炬鳥迦aa2271hero002
    英雄|15才|女性|ジャ
  • エージェント
    イリニャ ノースロップaa4342
    機械|7才|女性|攻撃
  • 反抗する音色
    マナaa4342hero001
    英雄|7才|女性|カオ
  • Be the Hope
    杏子aa4344
    人間|64才|女性|生命
  • トラペゾヘドロン
    テトラaa4344hero001
    英雄|10才|?|カオ
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