本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/13 19:00
- 完成予定
- 2017/02/22 19:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/02/13 18:13:00 -
プレイング卓
最終発言2017/02/13 18:04:40 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/10 01:00:02
オープニング
【ハートレスナイフ・ビター・ビター】
『言刃は心をえぐるもの。あなたの視線で心が焼けつくの』
日本人は奥手だという、そもそも自分の気持ちを表に出すことが是とされず、秘めていることが美徳と伝えられてきた民族感。
そんな日本人にはあつらえられたように、告白しても自然な日が一年で一回、もうけられている。
それがバレンタイン。チョコレートを贈るという儀式の話。
そしてそれは新たに告白するということではなく、愛を示し再確認する日としても知られている。
だがら今年も女子高生『蔵野 理恵』は意中の恋人『有坂 甲太』にチョコレートを送ろうと準備をしていた。
だが、そんな彼女はもう去年のように楽しくバレンタインデーを迎えられないことを知っている。
彼はいつも遠くを見ていた。
もともと彼は上を目指す人で、大学も部活も手を抜かない人だった。
そんなところが好きだった。
自分を見てくれなくていい、彼が見つめるどこか、そこにまい進する姿を見ていられるだけで、支えられるだけで嬉しい。
そう思っていた。
だが、それはあくまで高みに向かう場合のみである。
彼が別の女に向かうことは容認できなかった。
最近、甲太は理恵といる時上の空でいることが増えた。学校では別の何かを目で追っているのがわかった。
それがとある女性に向いた視線だと知ると。
ついに理恵の中で不安が爆発した。
「ああ、神様。どうか。どうか」
なんとしても、どうしても、彼と一緒にいたい。
こんな終わり方は嫌だ。
そんな執念を込めて焼いたチョコレートケーキは、自分の未来を暗示するかのように黒焦げで。
うまくは作れなかった。
「アイドルをやってるからって、ちょっと、可愛いからって」
彼女は何度目か分からないスーパーへの道のりを行く。
材料を今度はもっと買い込もうそう思っていた矢先だ。
音が消えた。
まるで日常から切り取られるように音が消えて、そして。
目の前に水晶の乙女が立っていた。
● 嘆きの旋律。
「いつの世、どこの世界でも、悲しみの涙というものは甘露のように甘い物じゃな」
そうガデンツァは電波塔の上から町を見下ろしてつぶやいた。
傍らにはゴシックロリータに身を包んだ水晶の少女『ルネ・クイーン』が佇んでいる。
「にしても、このような些事、私にまかせていただければよかったものを」
「たまにはのう、手ずからお膳立てをするのものう、また楽しいのじゃ」
「ストレス発散みたいな感じですか?」
「まぁ……」
ガデンツァは唇に指を当てて微笑んだ。
「そのようなものかのう」
「ただ、あなた様のことですから、ただチョコレートに細工をして終わりではないんでしょう……っと、おや。それは」
ルネが声を上げるとガデンツァは、どこからともなく綺麗な包みを取り出してあけてしまった。
「交換したのじゃ」
中に入っていたのはチョコレートケーキ。それを銀色のフォークで突き刺すと、それを笑いながら口に運んでいく。
「私も食べたいです……」
そう物欲しげな視線を、ケーキに注ぐルネを置いて。
●波紋の空間。
バレンタイン当日。理恵は甲太を体育館裏に呼び出した。
彼女の手には片手に収まる程度の小さな箱が乗っている。
「ごめん、理恵。部活が長引いて」
そう理恵の到着から五分程度で甲太が姿を見せた。
彼の表情が少し緊張している。
普段と雰囲気が違うのが、手に取るように理恵には伝わった。
「今日、バレンタインデーだよね」
甲太は告げる。
「でも、その前に聞いてほしいことがあって」
そうそっぽを向く彼の視線が、自分に興味がないと物語っているようで。
「本当は、もっと早く言わないといけない、そうわかってた。わかってたんだけど」
彼の言葉が理恵の予測をどんどん裏付けていく。
「俺、別に好きな人ができて、だからそのチョコレート。もらえないんだ」
理恵は甲太を見た。彼は真っ直ぐ自分を見つめ、答えを待っている。
理恵は思った。
まるで自分は、トドメを刺される前のウシか、ブタだ。
「ねぇ、甲太君……実はね。知ってたよ」
「え?」
あまりに予想外な言葉、思わず甲太は聞き返す。
すると理恵は満面の笑みを作って、笑った。
「だからこれはね、お別れのつもりで作ってきたの」
そう差し出したのは小さな箱。その蓋を取ると、中には丸いチョコレートが一つだけ入っていた。
「失恋チョコかな、流行らないよね」
そう目に涙をためて、理恵は強がって笑う。
「だから、受け取って、そして食べて。それで全部終わり」
そう告げた理恵の手から甲太はチョコを取った。
「わかった、ごめんなこんな日に」
そう告げて、甲太はそのチョコレートを口に運んだ。
直後、歌が。校庭に響いた。
解説
目標 愚神『スラー』の撃破。
デクリオ級愚神 スラ―
男子生徒に取りつく歌の愚神。その声は人から理性を蒸発させる。
さらにある程度一般人をコントロールすることができるらしく、一般人たちを壁にしてリンカーたちの攻撃を阻もうとして来る。
ポイントはスラー自身に戦闘力がほとんどないこと。
空気を弾丸にして飛ばす程度だが、弾が見えないこと以外、弾速、威力共に低レベル。
さらに、その歌は別の音によって妨害可能なのだ。
今回は小膜から脳に伝わっているらしく、耳をふさぐ、聴覚を麻痺させる、別の音で戦場を満たすなどで対抗可能である。
その方面から攻略の糸口をたどれば、一般人を傷つけることなく攻略できるだろう。
ただ、もう一つ厄介な点が一つある。一般人が愚神に協力している点である。
『蔵野 理恵』
この少女は理性を保っている、しかもスラーをコントロールできているらしい。
この少女は愚神に代わり果ててしまった甲太少年と共にあれることが嬉しいらしいが。
はたしてそうだろうか。
ちなみに、彼女は運動がかなり得意なのでリンカーに匹敵するカバーリング技能を有している。
だが、AGWの一撃など食らえば、攻撃力にもよるが即死もあり得るので注意すること。
彼女としてはやはり甲太をあきらめたくない気持ちが強いのだろう。
ただ、こんなひどい目にあわせるつもりもまたなかったのではないか。
青少年らしい、間違っても引き返せない、意地っ張りな性格の持ち主なので、説得はなかなか難しいかもしれない。
彼女の排除方法もまた、リンカーに一任されている。
ガデンツァについて。
町を探索している過程で、ガデンツァがいることに気がついても良いこととする。
ただ、ガデンツァは君たちと戦闘することはせず、執拗に絡まれるようであればすぐに退散する構えのようだ。
学校から二キロ程度離れた電波塔の上にいる。
マスターより
こんにちは!
去年は、少年とチョコ工場みたいなシナリオをやりましたね。
鳴海です。今年はちょっとビターな。でも甘酸っぱいシナリオをリリースしてみました。
鳴海は、ミルクチョコが一番好みですが。
でもお話はビターな方が好きです。
登場人物が感情的で、こう人間らしさを忘れてない感じがするととても。
そんなビターチョコのような読み物が無いか探していますが、なかなか巡り会えません、おすすめがあれば教えてください。
ちなみに今回のシナリオはパニッシュメントがあると、楽そうですけど。
どうなんでしょうね。
では、皆様のプレイイング、お待ち申し上げております。
鳴海でした。
リプレイ公開中 納品日時 2017/02/20 14:11
参加者
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相談卓
最終発言2017/02/13 18:13:00 -
プレイング卓
最終発言2017/02/13 18:04:40 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/10 01:00:02